手塚治虫さんの「火の鳥」(未来編)を読みました。

 

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前回、「火の鳥」(黎明編)に続き、今回は「火の鳥」(未来編)を読んでみました。

私が持っているのはこちらのセットです。

全部で13巻ある「火の鳥」シリーズのうち、今回読んだのは第2巻です。黎明編では原始の頃の日本が舞台でしたが、今回の未来編では、西暦3404年という遥か未来についてのお話が書かれていました。

以下、ネタバレを含みますので、もし火の鳥の内容を知りたくない方はご注意くださいね。

今が2020年、今からまだ千年以上も後のことを想像して書くというのも、ただの想像だけでは確かなものは書けないと思います。やはり手塚先生の頭の中には色々な確かな想像があったのかと思われます。

ところで漫画の神様と呼ばれる手塚治虫さん、まだお若いうちにお亡くなりになられているんですよね。享年60歳だなんて・・・まだまだやりたいことがあったのではないかと思います。今の60歳って、まだ人生これから、みたいな雰囲気がありませんか? 私が60歳になる頃は尚のことそんな雰囲気なのかと思っています。そのためにも、身体を丈夫に健康に保って行かないと、ですね。とりあえず、虫歯は治したので、口の中は大丈夫そうです。

今回読んだ未来編。こちらももれなく感動的なお話でした。

冒頭から、滅びかかっている地球が描かれています。地上に人間はいません。地上は壊滅的で、人が暮らせる環境ではないため、人間たちは地下世界に住んでいます。

未来のテクノロジーが描かれ、人間の傲慢さが描かれ、だけど機械の言いなりになる人間でもあり・・・未来世界の問題全てが描かれているような漫画だと思いました。そしてやはり、人間の過ち、機械への過信で、地球も人類も壊滅的状況になるという、救いのない世界が描かれています。

地球の地表が放射能で覆われ・・・と言う場面は、私は風の谷のナウシカの腐海を思い出してしまいました。ナウシカの世界も、マスクなしでは外に出られないような環境です。ただ放射能は息苦しいわけでもなく、ただ知らない内に身体が侵され、いつの間にか死に向かっているという状態が、とても怖く感じられました。そういう表現が、絵が可愛らしいものなのにとてもリアルに描かれているんですよね。

この世界の中で、火の鳥が何をするかと言うと・・・一人の選ばれた人間に、この死にそうな世界をやり直して欲しいと不死の力を与えて、世界のやり直しをさせるという、途方もない望みを託します。もうこれがね、見ていて本当に辛い。

不死の力って、恐らく長い間、人間が求めていた力なのかも知れません。死ぬのが怖いから死にたくない。死ぬことで大事な人と別れたくない。だから永遠に死ななければいいだなんて、昔からとんでもなく多くの人が願ったことかも知れませんね。

でも考えてみて下さい。たった一人で世界に残され、永遠に死ぬことができない。普通なら気が狂うと思います。

たった一人残された状況で、また地球上で生物が進化していく過程の中を生きるという、単位として何千年という単位です。それを手塚治虫さんは丁寧で鮮やかに描き切っています。

その間にも、主人公マサトの見た目はまるで仙人のような風貌になりますが、その見た目も徐々に徐々に変わっていきます。それも上手いなぁと。絵を見ていて、こうなっていくのかと、思わず唸ってしまいました。

火の鳥は、人間が壊してしまった地球をもう一度復活させたいと一人の人間に託し、数千年、数億年という果てしなく永い年月をかけて、その後に蘇った地球がどうなったかと言うと・・・衝撃でした。

黎明編に続くという。そんな内容です。初めに戻るという・・・。

もしかしたら今となっては、それほど珍しくもない展開なのかも知れません。ドラクエで言えば、1→2→3で、ロトの始まりに戻って完結、ですよね。あれ、当時ものすっごく感動したのを覚えています。「うわー、そうなるのかー!」と。あの感動に似たものを、この未来編で味わいました。

というか、これでまだ13巻中の2巻までしか読んでいないのが信じられないことです。まだ続きがあるのかと。久々にメチャクチャ楽しみです。

お次は「ヤマト・異形編」。じゃんじゃん読み進めてみたいと思います。

いやー、良い本をもらったなぁ。

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