悪の化身のような

 

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グランバニアの一つの部隊が強まる雨の中を早足で南へ向かっている。雨に濡れるだけで奪われる体力を温存するべく、巨大な城を囲む深い森の際で雨を避けながらの移動だ。パピンは隊を率いながらも、森の中で行われるグランバニアへの魔物の攻撃を、冷静に見ていた。
魔物が主に北側から攻めてきているのは間違いのないことだ。最も厚い防衛線を敷かねばならないのは北面であり、その場に王や王代理、自身に次ぐ兵士長を残してきたのは間違いのないことだと判断する。
しかし移動をしている西側にも、少ないながらも魔物が暴れているのが見られた。少し前まではこの場にサンチョが国を防衛する戦士の一人として立っていたが、彼は既に南から現れた魔物の群れに対応するべく城の南へと急行した。西側に残されたのは国を守る兵たちと、魔物の仲間であるキングスだ。そしてキングスの巨体の上には共に戦うモンスター爺さんにスラぼうの姿もある。
モンスター爺さんはその名に呼ばれる通り、魔物の仲間の心を良く理解している。城にいることの多いキングスやスラぼうとは、リュカ以上に打ち解けている雰囲気さえある。それ故に、たとえ言葉を交わさずとも互いの意思疎通に問題はなく、互いの動きを確実に予測しながら戦いに挑んでいる。
キングスがその巨体を生かして敵を蹴散らすように突っ込んでいく。そしてその巨体の上からスラぼうがニフラムの呪文で敵の群れを光の彼方へ消し去ってしまっている。しかし当然、スラぼうの呪文が及ばない魔物も多くおり、その場に留まる。
キングスの巨体から素早く飛び降りたモンスター爺さんが何をしているかと見れば、彼は一体の魔物に狙いを定め、熟知した魔物の動きを捉えて背後から忍び寄り、素手で殴りかかっているように見えた。しかし攻撃を受けた魔物はその一撃で力なく地に伏している。
良く見れば、彼の手に握られているのは手の中に納まるほどの小さな武器、毒針だ。相手の急所を突けば一撃で息の根を止めてしまう恐ろしい武器を手にして、モンスター爺さんはこのグランバニア防衛戦に大きく貢献しているのだ。
ただこの西側に群れる魔物の行動は、北で起こった戦いに乗じているだけのものだ。この人間の国を潰すという明確な目的を持っているものではない。魔物の指揮官などに命令されたわけでもなく、北側で暴れているのならこちらもと言うほどの、さほど問題とはならない程度の戦いとパピンは見定めた。
モンスター爺さんがパピン率いる部隊の移動に気付いた。彼もまた「こっちは任せておけ」と言うような素振りで手を振り、パピンたちを送り出す。この場にいたサンチョが南に急行しているのを彼は当然知っている。それほどに南の状況が芳しくないのだと悟り、パピンは隊を動かす速度を更に速めた。
森の際を動くパピンの隊に向かい合うように、走ってくる一人の兵の姿があった。雨など気にせずにグランバニア城壁沿いを走るその姿に、パピンは思わず眉をひそめた。
「あっ、父さん!」
「……ピピン」
パピンは息子の姿に唖然とした。彼は今、城の中に避難している一人のはずで、外に出て良い身ではない。それがどういうわけか、一兵卒のごとく手に槍を持ち城外に出ている。
「父さん、僕も戦えるから皆さんと一緒に……」
「馬鹿者! 早く城の中に戻れ!」
パピンの激しい一喝に、怒鳴られたピピンだけではなくパピンが率いている兵士らもまた身体を硬直させた。国一番の兵士長がこれほど激しく怒鳴りつける姿を、常々訓練を受けている兵士らもほとんど目にしたことがない。
「子供がこんなところをほっつき歩いて何をしている! 早く城の中に戻らんか!」
ピピンは今年、成人を迎える年だ。まだ成人の議を行っていないだけで、年齢としては既に成人なのだと彼自身は思っている。それを子供ごときに何ができるのだと父に一喝され、ピピンは思わず反抗的な目を向ける。
「僕はもう子供じゃありません! 今年、成人になるんです。もう大人なんだよ、父さん」
「何が大人だ。この非常時に冷静さを欠き城を飛び出してくるような奴に大人を騙る資格などない」
「でも非常時だからこそ、一人でも多くの戦力が必要だろ? 武闘大会だって見てくれたよね? 僕、準々決勝を勝ち上がったんだ。絶対に役に立てると思う」
ピピンの目を父パピンは苦々し気に見つめる。戦地に向かうような決意を持った目ではない。まだ自分の実力を測り兼ね、運良く武闘大会で勝ち上がった自信だけで目を輝かせているようにパピンには見えていた。
人の持つ自信と言うのは必要なものだが、過度に必要なものではない。今のピピンは己の心に沸く自信が過度なものだということに気付いていない。自信が過ぎると、それはただの自惚れになる。自身の実力に自惚れた者というのは兎角足元をすくわれやすい。自分でも意識していないところに、必ず隙が生まれるのだ。
「子供の出る幕ではない、城に戻れ」
「嫌だ、僕も一緒に戦う」
「これは遊びではない。国を守るための戦いなのだ」
「そんなの分かってるよ。僕は父さんの仕事をずっと見てきたんだ。一人前の兵士になるために、厳しい訓練だって……」
「本当の訓練はあんなものではない。お前はまだ本当の訓練を受けているわけではない」
「でも僕だって戦えるのに、パピン兵士長の息子なのに、城で大人しく待ってられないよ!」
口答えをするピピンを何が何でも諦めさせようとするパピンの厳しい言葉の羅列は、ただの親心だった。まだ南に迫ってきている魔物の状況を確かめたわけではないが、応援を必要としているからにはそれなりの軍勢で攻めてきているはずだ。魔物との戦いなど一度も経験したことのない、まだ正式に成人の儀を迎えていないピピンの初めての魔物との戦闘が、グランバニアを襲撃する魔物の軍勢と言うのは様々な意味で危険過ぎる。
しかし今のピピンには何を言っても引き下がる様子が見られない。ここでくだらない親子喧嘩をしている場合でもない。既にサンチョが南へ急行しているからには、パピンたちも急いで南の城門付近を目指さなくてはならない。
グランバニア城の正門は南に位置し、普段人の出入りは唯一正門を通じてのものとなる。ピピンもまた南の正門を出て外まで出てきたのは相違ない。見張りの兵がいたはずだが、それもやはりパピン兵士長の息子と言うこのグランバニアでは大いに通じる特権を振りかざすようにして半ば無理やり外に出てきたのだろう。南に戻れば息子を再び城内へ押しとどめることができるだろうと、パピンは一見同行を許したように「分かった」と息子に応え、隊列を組み移動する最後尾に息子をつけ、共にグランバニアの南面へ向かって行った。



北面での戦いが終わらない。森の中を移動する悪魔神官の姿をリュカは少なくとも三体はその目にした。魔物の唱える完全蘇生呪文ザオリクの効果は非の打ちどころのないもので、一度も失敗したところは見られなかった。悪魔神官はその邪悪な手にザオリクの呪文を完全に操っているのだ。
倒したはずのアームライオンが全て蘇っていた。その全てはリュカたちが息の根を止めたのではない。動けなくなったアームライオンを、悪魔神官は事も無げに棘の金棒を振るって殺し、その上で蘇生呪文を施し生き返らせたものだ。回復呪文を操る能力がその身にないからと言って、仲間の魔物を何の躊躇もなく、むしろどこか正しいことをしているかのような自信さえ見せて殺める悪魔神官の姿に、グランバニア兵たちの士気は否が応でも徐々に下がって行く。
空からマッドの背に乗り戦況を見るマーリンが、悪魔神官の呪文を封じようと魔封じの呪文マホトーンを唱えるべく接近しようとした。しかしマーリンは寸でのところで、悪魔神官の身体を包む光の膜を目にして、呪文の発動を止めた。敵の魔物の身体には、ポピーも習得している呪文反射のマホカンタの呪文の効果が及んでいた。これでは魔力を吸い取るマホトラを唱えることもできないと、マーリンは悔し気に顔を歪めるだけだった。
敵の魔力が底をつくのを待つしかない状況は、終わりの見えない戦いのようで精神力を抉られる。しかしその状況は、敵の中にも同じように見られた。
悪魔神官の手で蘇ったアームライオンの内、一体が明らかにリュカに向かって怯えの表情を見せていた。どうやら人間の言葉を操ることはできない魔物だが、リュカたちに向かってくる動きに迷いが出始めている。魔物側にも、これ以上人間たちと戦いたくない思いが見え隠れしている。
既に一度、人間たちの手によって倒されたも同然のアームライオンは、再び群れを成す人間たちと戦っても勝機を見い出せないのだろう。しかし戦わないわけにはいかない。デモンズタワーからグランバニアまで襲撃をかけ、のこのこ帰るわけにはいかない思いもあるが、それ以上に悪魔神官の手によって葬られ生かされるという、終わりの見えない生死の歯車に回されているという恐怖が強い。
リュカは対峙するアームライオンの目を深く見つめた。周りでは今もグランバニア軍と魔物の群れとが向き合い、戦っている。その中でリュカは一人、一体のアームライオンの戸惑うような目を見つめ、その目の奥に問いかける。このまま戦いたいのか、終わりにしたいのか、本当なら人間側だって戦いたくはない、無駄な戦いをするならこの場から逃げてもらって構わない、逃げても味方に手をかけられる恐れを感じるなら、共に生きることに協力することもできるのだと、リュカはグランバニアの仲間の魔物らをちらと見てその思いを知らせる。
アームライオンの怯えた目が、リュカの視線を追う。森の中を駆け抜けるキラーパンサーに森の上を飛び回るドラゴンマッドに魔法使いと、奇妙にも人間に味方している魔物の姿を捉える。人間と魔物が手を取り合う場所があるのだと、リュカは敵に教える。リュカの目の前で、一体のアームライオンが殆ど無傷のまま向き合っている状況に、周囲に戦う者たちは下手に手出しなどせず、その状況を横目に見守る。
巨大獅子の咆哮が森の中に響いた。その声にリュカは、敵が味方についてくれたのだと確信した。アームライオンはただ回り続ける生死の歯車から抜け出すべく、悪魔神官の手から逃れ、リュカの救いの誘いに乗じた。
森の枝の中、唸る風の音が聞こえたかと思うと、一直線に飛んできた棘の金棒がアームライオンの背中に直撃した。悲鳴を上げるアームライオンだが、既に仲間と認めたリュカは迷わずその傷を回復呪文をもって治した。国王のその行動一つで、周囲の兵たちにもこのアームライオンはもう仲間なのだと認められる。
仲間のアームライオン一体が人間側に寝返ったのをきっかけに、他のアームライオンにも戸惑いが生じている。魔物として人間を敵と見て戦うことに今まで何の疑問も持たずにいた。しかし人間側に味方する魔物の存在があり、そしてたった今仲間のアームライオンが人間側に受け入れられた。傷をこさえればそれを治してくれる人間がいる。決して魔物を騙し、後で酷く傷つけるような雰囲気などない。魔物を受け入れるリュカの底の見えない心の深さに、残りのアームライオンたちも一斉にその不思議な漆黒の目に魅入った。
再び森の中に唸る風の音が聞こえた。棘の金棒がリュカに飛んでくる。その動きを見極めて空中で蹴りつけ、弾き飛ばしたのはトレットだ。オジロンもリュカの傍にまで森の中へと入り込んでいる。グランバニア城壁近くの守りは兵たちに任せ、数も少なくなった森の中に残る魔物との戦闘に一気に片をつけようと、彼らは森に走り込んできたのだ。
「リュカよ、あいつだな?」
オジロンが視線を投げるのは、木の上に潜む悪魔神官だ。しかしその姿は見る間に消え、トレットに弾き落された棘の金棒を拾うために、まるで魔術を使うように姿を草地に現した。
「他にもいます」
トレットが視線を向ける先にも、他の悪魔神官の姿がある。全てを確認すれば、その数は五体。その全てが蘇生呪文ザオリクを操るとなれば、どれか一体でも倒し損ねれば忽ち敵は復活してしまう。
しかし既に森の中に倒れている魔物の姿も多くあるが、悪魔神官はその全てを復活させるほどの魔力は持ち合わせていないのだろう。それとも生き返らせるほどの価値もないと見限っている節もある。森の中に倒れた魔物は殆どがそのまま森の草地に倒れ伏したままだ。
その中で、残るアームライオンたちは皆リュカたちの仲間へとその立場を変えた。人間側に寝返ることを恥と思うよりも、好きなように使役され、役に立たなければ呆気なく息の根を止められる状況に感じる恐怖が勝った。
森の木々の合間に姿を隠しつつ、悪魔神官らはひらりひらりと森の中の宙を移動し、一つの標的に向かって突進してくる。その標的はリュカだ。敵はリュカがこの国の王であり、人間らの心身ともに支える柱だということを理解している。国を支える柱を折ってしまえば、この国は終わりだと言わんばかりに、悪魔神官らは四方八方からリュカへと集中砲火を浴びせて来た。
その盾になるのがジェイミー率いるグランバニアの兵士たちだ。彼らは一様に盾を構え、投げつけられる棘の金棒の猛攻に耐える。あまりの勢いに弾き飛ばされてしまう者もいる。しかし彼らはそれも承知の上で、リュカを守り続ける。
呪文の使い手だが、攻撃呪文を使ってくる様子は一度も見られない。敵の使う呪文は二つだけと見たリュカたちは、恐れず攻撃の手を強めた。
棘の金棒を投げつける瞬間の一瞬の隙を、速さ自慢のプックルが捉える。その瞬間だけは絶対に敵は魔術で姿を消すことができないのだと、プックルは地面を蹴り上げて木の枝の上に乗ると、枝と枝の間を風のように飛び移り、敵の背後から体当たりを食らわせる。共に草地に落ちた悪魔神官の身体に上から圧し掛かり、容赦なく首元に食らいつく。敵も必死になって武器を振り回し、プックルの背中を強打するが、プックルがまるで一つ目のように顔面の中心にある緑色の丸い出っ張りを前足で踏み潰せば、悪魔神官の身体から力が抜け、草地に倒れたまま動かなくなった。
「プックル! 倒しちゃダメだ! 倒したら……」
プックルが圧し掛かっていた悪魔神官の身体に、命の光が浮かび上がる。仲間の悪魔神官の手でザオリクが発動し、非の打ち所がないその呪文効果に瞬く間に倒した悪魔神官は蘇った。プックルは咄嗟に飛び退くが、蘇った悪魔神官の二回連続の重々しい攻撃を食らい、たまらずその場に倒れる。
敵の間には確実な連携が見られた。そして蘇生呪文を扱う敵は、死を恐れていない。むしろ下手に攻撃をされて動けなくなるよりは、殺してくれた方が無駄がなくて良いと言わんばかりに、迷いなく突っ込んでくる。
リュカは兵たちの間から抜け出し、草地に倒れたプックルを助けようと駆けた。その横を、決して離れまいとするジェイミーが駆け、棘の金棒を勢いよく振り回してくる悪魔神官に盾を持ってして押し返す。長身のジェイミーが盾を構え守る姿は、もはや彼自身が大きな盾のようで、その安心感は非常に強い。
三体の悪魔神官がプックルに止めを刺そうとしていた。リュカよりも先にプックルの元へたどり着いたのは、ずっと宙に飛んで空からの敵に対応していたマッドだ。背に乗せていたマーリンは今、グランバニア城の見張り台に立ち、周辺の情勢を確かめに行っていた。
マッドは一体の敵を後ろから思い切り蹴りつけ、吹っ飛ばした。その間に一体の敵の振り下ろす金棒がプックルの頭部に迫る。しかし寸前で、その攻撃も回避された。金棒を振り下ろした敵は、武器を手にしたまま草地の上を飛ぶように滑って行く。
アームライオンが二体、倒れたプックルを助けていた。悪魔神官に使役されていたも同然の彼らは、今や味方であった魔物に牙を剥き、敵であった魔物の身を守っていた。もう一体の敵もまた、アームライオンの巨大な身体に攻撃を阻まれていた。
「ありがとう、みんな」
リュカは思わず心からの礼を言い、すぐにプックルの傷を癒した。目を覚ましたプックルもすぐに立ち上がり、巨大獅子の間で姿勢を低くして牙を剥き唸り声を上げる。
悪魔神官が五体、完全に森の中に姿を現している今の状況を逃すまいと、プックルが広大な森に轟くような咆哮を上げた。空には相変わらずの雨雲が広がり、森の中を雨に濡らしている。勇ましい豹の咆哮は天に届き、空一面に広がる雨雲の至る所に閃光が走ったかと思えば、目にも止まらぬ速さで森の中へと落ちて来た。命を惨く扱う者に天罰をと、激しい稲妻が五体の悪魔神官の身体を貫く。
一斉攻撃の合図のようなものだった。稲妻に打たれ、束の間動けなくなった敵のそれぞれに、リュカたちが各々立ち向かう。オジロンとトレットが、ジェイミーと兵士たちが、マッドとアームライオンらが、そしてリュカとプックルが、それぞれ一体の悪魔神官を逃さぬよう包み込み、または挟撃を仕掛ける。敵の魔術による移動を許さないように、その攻撃の手は緩めない。
一体の悪魔神官が倒れ、二体目が倒れ、次々と敵が倒れていく。四体の悪魔神官が倒れた時、残る一体の悪魔神官に皆の目が注がれた。プックルがいつものように先陣を切り、敵に飛び込んでいく。リュカも続く。残る者たちは、復活を阻止するべく倒した敵の傍に立つ。
プックルの攻撃の手が届く寸前で、悪魔神官の身体は魔術の力によって忽然と消えた。周囲を見渡してもその姿はない。気配に鋭いプックルにも、その気配は感じられないようで、辺りをキョロキョロと見渡しているだけだ。完全に負けを認めて戦闘から離脱したのだろうかとも思えるが、油断はできない。
「あの魔物は瞬間的に移動できるみたいだけど、どの程度移動できるものなんだろう」
空間を魔術の力で移動する敵をリュカは他にも知っている。憎き仇のゲマもまた、魔術の力により空間に歪みを発生させ、その渦の中に飲み込まれるように姿を消したことがある。今、この場にいる誰もが残る一体の悪魔神官の気配を捉えられないとすれば、その姿はこの地よりもはるか遠くに運ばれた可能性もある。
「リュカ王よ、とりあえず北面はひと段落と言ったところだろう。そうなると今度は南の状況が気になるところだ」
南からも魔物の群れがこの国を襲撃してきているという話を伝令兵から既にリュカたちは耳にしている。南の対応はパピン兵士長率いる兵団に任せているが、リュカは国の主として状況を確認しなくてはならない。
「マッド、上の見張り台まで僕を運んでもらってもいいかな」
「ぐおんぐおん!」
そんなのお安い御用だと言わんばかりのマッドの背に、リュカは剣と杖を腰に提げたまま飛び乗った。森の中で幾分雨を避けての戦闘だったはずだが、いつの間にか雨は強まり、リュカたちは皆全身を雨やら汗やらで濡らしていた。戦いの最中には気にならないが、休息の時となると途端に身体にまとわりつく水が身体を冷やしていく。
リュカはジェイミーに兵士たちを交代で休ませるよう伝え、プックルとその周りを囲うように新たに仲間になったアームライオンの群れに労いの言葉をかけると、オジロンにこの場を任せてマッドと共に城の最上にある見張り台へと飛び上がって行った。



リュカたちが北面で魔物と対峙している最中に、南の戦いもまさに始まろうとしていた。パピンがグランバニアの南面に到着した時には、既に魔物の群れは巨大な城の目前にまで迫ってきていた。
これまでにも何度も魔物討伐の任務に出ているパピンたちだが、これほどの魔物の群れを目にしたことがなかった。グランバニアは凡そ北の魔物の塔に対する警戒を敷いており、南は比較的安全と捉えていた。チゾットの山とグランバニアの間には深い森が大きく隔てており、チゾットの山の洞窟に潜む魔物らが大挙してグランバニアに押し寄せるなど皆無と思っていたのが本当のところだ。
本来群れることの少ない魔物らが、巨大な群れとなって森の中を突き進んでくる。その速さにはどこか性急な雰囲気があった。本来であればグランバニアの城に引きつけてから一斉に弓矢での攻撃を仕掛けるが、弓矢で牽制できる魔物の数に比べ、そのままグランバニア城へと到達してしまい兼ねない魔物の数の方が圧倒的に多いと見たパピンは、兵士らを引き連れ森の中へと足を踏み入れる。
「ピピン、いい加減にしろ。お前はまだ兵士ではない。早く城に戻るんだ」
兵士長であるパピンの命令は、兵士たちの間では絶対だ。命令に背くものは兵の任を解かれる恐れも出てくる。しかしピピンは、父の忠告に返事もせず、森の中を進む兵たちの間に紛れて歩いている。パピン兵士長への不遜な態度に、周囲の兵士らの方が身を震わせているほどだ。
一方でピピンの手足は緊張に震えていた。森の中を迫ってくる敵の群れを見て、内心怖気づくどころの話ではなかった。しかし彼は、強まる雨に身体が濡れて、ただ一時の寒さに身体が震えているのだと思い込むことにしていた。
森の中、迫る敵の群れもまた、一つの兵団を作っているようだった。しかしその兵士らは全てが既に命尽きたものであり、魔の力によって無理にこの世に呼び起こされた死神兵たちだ。死神兵の虚ろな表情は、まるで生きる者への恨みつらみを表すかの如く暗さに満ちている。もしかしたらその昔、彼らの中にはこのグランバニアで兵士として生きていた者がいるのかも知れない。ピピンの頭の中には、今は不要な恐怖を増長させるような想像が働いてしまう。
父パピンが兵たちに指示を出す。その指示の先に自分は含まれていないのだと、ピピンは否が応でも理解している。忠告を聞かない者の責任など持たぬと言うように、父から見放されたと感じ、そのことで父との関係をこの場限りに断絶したピピンは、返って下手な圧力から解放され、盾と槍を持つ手の震えも収まった。
そんな折、近くの木陰から突然、ピピンの手を引っ張る者がいた。ピピンは慌てて槍を構えようとするが、相手を見て驚きに目を見張る。
「サンチョさん!」
「どうしてピピン君がここに?」
太い木の幹に姿を隠していたのは、太い身体をしたサンチョだった。腕を引かれるほど間近にいたと言うのに全く気配を感じなかったピピンは、サンチョの幻でも見ているのだろうかと束の間目を瞬かせた。そんなピピンに、サンチョは「こんな身体ですけど、気配を消すのは得意なんですよ」とその身に合わない特技を自慢するように答えた。
「ピピン君はまだ正式な兵士じゃないでしょう。ダメじゃないですか、こんなところにいちゃあ」
「でも僕も絶対に戦えると思って。普段は父さんにキツイ訓練も受けてるし、父さんの見ていないところでも実は自主訓練してるんですよ」
サンチョも当然、先ほどの武闘大会でのピピンの活躍を目にしていた。攻撃の手には少々弱いものがあったようだが、彼は身の守りに長けている。敵の攻撃を上手く躱すことは、長く戦うために必要な技術だ。下手な緊張さえ解ければ、ピピンは一兵卒以上の動きを見せるだろうというサンチョの予想は強ち間違いとは言い切れない。
そしてサンチョは、父の背中を追う子の姿を他にも見ている。亡き先代の王パパスの背を負うリュカ、それにそのリュカの背中を追うティミーもまた同じような境遇にあるに違いない。子はどうしたって、背伸びをしてまでも父に認めてもらいたいのだ。
兵としての経験もなく、初めてのような実戦がこの戦いと言うのはピピンには荷が重いようにも感じられるが、良い機会でもある。実の親パピンとは異なり、サンチョはピピンが秘める実力を信じて、彼の身を護りながらも共に戦うことを選んだ。
「決して無理はしないことです。私が退けと言ったら、迷わず城まで戻ってください」
「でも……」
「いくら心優しい私でも、こういう時の口答えは許しませんよ。ピピン君を守るためです。しっかり心に刻みつけて下さい」
「……分かりました」
「はい、良いお返事です」
サンチョはそう言って笑顔を見せると、すぐさま表情を固くした。パピン率いる兵団が一塊になって森の中を進んでくる魔物の群れと対峙の構えを取っている。その兵団一つに向かい、サンチョはぶつぶつと言葉を呟くと、その分厚い両手から守りの呪文を放った。スクルトの呪文が兵士たちの防御を高め、敵の攻撃の威力を半減させる役割を持つ。その呪文の効果は当然のようにピピンにも、サンチョ自身にも及んだ。
「念の為、これを持っておいてください。はい」
そう言って渡されたのは、一つの満月草だ。迫る死神兵の手にある槍の先には毒が塗りこめられており、その毒に当たれば忽ち身体が痺れ動けなくなるという。この場にいる兵たちは皆この満月草を持ち、味方が毒槍の攻撃を食らい動けなくなった際には仲間にそれを潰したものを無理にでも飲ませるのだという。ピピンは手渡された満月草を懐にしまうと、サンチョと共に木陰からそろそろと姿を現し、急く心を抑えてゆっくりと敵の場所へと移動していった。
森の中を蠢く敵は死神兵の群れにほとんど埋め尽くされている。一見すれば、人間対人間の戦いのようだ。剣や槍を手にするグランバニア兵たちは森の中を進んでくる死神兵と対峙する。他方で、グランバニア城門付近に構える弓矢部隊は、森の更に上にちらちらと姿を見せる魔物の姿を捉える。雨に濡れる木々の合間に動く赤い魔物の姿を目で追い、的確に弓を引き絞る。森の上空に飛んでいる魔物は主にメイジキメラだ。回復呪文を操る魔物を野放しにしてしまっては徒に戦闘が長引いてしまうと、矢は風を切って宙に浮かぶ魔物に向かう。
兵士長パピン自らが剣を振るい、盾で自身も味方も庇う。一度始まれば、戦いはどちらかが逃げるか潰れるかしなければ終わらない。グランバニア側の兵士たちの声だけが森の中に響き渡る。グランバニアを守り、人々の命と暮らしを守らねばならないと、兵たちの意気は声と共に上がる。一方で、敵の死神兵には戦いのための意気と言うものは無い。かつて持っていたはずの兵士としての誇りなどは、魔の力をもって蘇らせられた時に一切を失った。今はただ、毒を塗りこめた槍を手にして人間を倒す駒として使われるだけの、人形に過ぎない。
ピピンは死神兵の古びた鎧兜に、思わず敵となった元は人間の、生きていた時のことを考えそうになるが、ただ不気味に金属音を鳴らして向かってくる姿を見れば戦うしかないのだと改めて槍を構えた。敵の攻撃の手はさほど速くはない。冷静になれば突き出される槍を確実に避けることができる。ピピンは父との訓練の際には、攻撃を食らいたくないがために、自然と攻撃を避ける技術が上達した。
避ける敵の槍を、自身の槍で横へ薙ぎ払う。そのまま返す槍で敵の腹を突く。鎧に守られた腹には強い打撃となるが、致命傷には至らない。魔の力で蘇った敵は痛みを感じないのか、既に木乃伊と化している窪んだ眼窩から暗く光る目を向けてすぐに攻撃に転じる。それも避ける。槍先がはっきりと見えている。敵の攻撃を避ける分には何も問題ないと、ピピンの中に実戦への自信が生まれる。
敵の兜を強く突けば、面が外れた。首から上がなかった。ピピンの強烈な一撃で、死神兵の兜ごと頭部が取れてしまったのだ。そして敵の身体が雨に濡れる草地に倒れる。一体を倒したピピンは思わずその場で大きく息を吐いた。
だが一息吐いている場合ではない。ピピンの背後で激しい打撃音が響いた。振り向けば、背後からピピンを襲おうとしていた死神兵三体が、サンチョの振り回す大金槌によって辺りに吹き飛ばされていた。グランバニア城内で見る穏やかなサンチョはいない。完全に一人の強力な戦士となったサンチョが、両手で大金槌を握りしめ、向かってくる死神兵に立ち向かっている。かつて先代の王の供として、まだ幼い現王を連れた旅に出ていたというサンチョの力が今、ずっと守り続けてきたグランバニアを死守するべく振るわれている。彼にとってのグランバニアが、どれほど大事なものなのかをピピンは大金槌を容赦なく振るうサンチョの姿に見た。
ピピンが一体の死神兵を倒す間に、サンチョも父パピンも片手では収まらない敵を倒していく。兵士たちも決して負けてはいない。国を守りたいと思う気持ちは同じだ。グランバニアの強さがピピンの目に焼き付く。
「強い……グランバニアはこんなに強かったんだ」
槍を持つ手に力が漲る。まだ認められていないとは言え、自身もこのグランバニア兵として今戦っているのだという実感と共に、ピピンは向かってくる操り人形のような死神兵を槍で打ち払い、突き倒していく。
森の木々から雨の雫が落ちる中、激しい火炎が噴き出すのをピピンもサンチョも見た。木々の合間に姿を隠していた魔物がいる。三叉に分かれた武器を手にして、ふざけたような顔つきで森の中を飛び回る小さな悪魔は、グランバニア王の仲間にも一人いる。
ミニデーモンが数体、森の中を飛び回り始めた。木々から滴り落ちる雨粒も何のその、ミニデーモンが放つメラミの呪文は強烈だ。直撃を受ければ大火傷を負い、戦線離脱を免れない。回復要員も当然いるが、回復呪文を操る者たちは戦闘要員ではなく、その者たちは殆どがグランバニア城付近に待機している。回復を受けるためには一度戦闘から外れなくてはならないのだ。なるべく敵の攻撃の直撃を避ける必要がある。
盾で炎の直撃を避けるが、防御に徹していては押されるだけだ。敵が低く飛ぶ瞬間を狙い、ピピンは槍を構えて突き出す。羽を少しでも傷つければ、敵の飛行能力が落ちるとそれだけを考える。
「これは良い敵が来ました」
常にピピンの傍を離れないサンチョがそう呟いた。強がりでも何でもない。サンチョは本心からそう思い口にした。
大金槌を両手に構えたまま、サンチョは集中して呪文を唱える。放てば辺りに眠りに誘う波動が広がる。睡眠呪文ラリホーの呪文にかかる死神兵が、ミニデーモンがばたばたと辺りに倒れる。しかし一度で倒れる敵の数は、全体を見れば些細なものだ。サンチョは間髪入れずに何度も呪文を唱える。魔力の底は気にしない。できる限り敵の動きを止めるべく、ラリホーの呪文を連発する。眠りに落ちた敵を後回しに、グランバニア兵たちは森の中に立つ敵を倒すために剣を槍を振るう。ピピンもまた、一人の兵士の如く戦うべく槍を振り回す。
魔力の底をつくまで呪文を唱えたサンチョは、近くで草地に落ちて眠っているミニデーモンに「失礼しますね」と声をかけ、再び呪文を唱える。ミニデーモンの身体に残る魔力が、サンチョのマホトラの呪文で吸い取られて行く。ミニデーモンの魔力を全て吸い取ってしまえば、この小悪魔の直接攻撃の戦闘力はグランバニア兵にとって脅威ではない。サンチョは辺りにいるミニデーモンへと忍び足で近寄り、次々と魔力を吸い出しその力を奪って行った。
敵の数も凡そ減らしてきたが、グランバニア兵にも当然損傷はある。傷つき戦えなくなった兵士らは城壁近くへ退かされ、手当てを受けている。仲間の満月草に麻痺を治してもらっている者もいる。森の中にまで雫を垂らしている雨の影響もあり、兵士たちの体力の消耗はいつもより早い。兵士たちを指揮しているパピンには、僅かに焦りが生じていた。
ちらりと見れば、息子ピピンはサンチョの傍で槍を振るっている。かつての王の供をしていたサンチョの戦士としての力は本物だ。恐らくグランバニア一の兵であると言われるパピンも、呪文をも操るサンチョには敵わない。サンチョもまた、ピピンを気にかけ離れずに戦っているのだろうと思うと、パピンは思わず苦々し気に顔をしかめた。
死神兵の攻撃の威力は明らかに弱まっている。森の中を小うるさく飛び回っていたミニデーモンの姿も減っている。しかしまだあちこちで激しい火炎が上がっており、油断はできない。森の中をざっと見渡し、敵の様子を窺った時に、パピンはふと森の上部からの気配に気づいた。
飛び込んできたのが王の仲間の魔物と勘違いしたのは、その姿がグランバニアでも見られるメッサーラだったからだ。敵は明らかに作戦を立てていたようだった。第一弾として死神兵の群れでグランバニアの襲撃を始め、兵力をいくらか弱めたところで第二弾としてミニデーモンを放つ。そしてグランバニアの兵士らの三分の一でも傷めることができれば、第三弾としてメッサーラが飛び込んでくる。
初めから総力で向かってきたのではなかった。魔物側には魔物側の作戦があった。宙から飛び込んできたメッサーラの攻撃は、グランバニアの兵士たちにとっては脅威だった。まるで岩が降って来るかのごとく滑空してくるメッサーラは、その全身が武器だ。頭部の角で、鋭い爪の伸びる手で、岩をも砕きかねない強靭な蹄で、兵士たちを襲う。
グランバニア側が押されかねないこの状況に、サンチョは急ぎ呪文を発動する。兵士たちを守るべくスクルトの呪文を連発しようとしたが、一度発動されただけで、サンチョの手からはもう呪文が飛び出すことはなかった。一体のメッサーラが魔封じの呪文マホトーンで、サンチョの呪文を封じてしまったのだ。
それならばと、サンチョはすぐに腹を括る。大金槌を手にして、向かってくるメッサーラと対峙する。そのすぐ傍で、ピピンは別の死神兵に向かう。他のグランバニア兵たちも、二度のスクルトの呪文の加護を受けた身で、各々の敵に武器を向ける。
メッサーラに大金槌の攻撃が当たり損傷を与えても、すぐ後に敵は宙に飛びあがり逃げてしまう。そして宙に待機しているメイジキメラの回復を受けて、再び森の中へ突進してくるのだ。弓矢部隊が多くのメイジキメラを倒してはいるものの、敵にも回復の術があると戦闘は膠着状態となる。敵の魔力が尽きるのを待つかするしかない状況に、サンチョもパピンも悔し気に歯噛みする。
そしてメッサーラ達の攻撃は明らかな目的を持っていた。この戦闘の場での主力であるパピンとサンチョを集中的に攻撃しているのだ。パピンは盾で、サンチョは大金槌で攻撃を防ぐが、このままでは体力が持たない。
「敵に回るとキツイですね、サーラさんは」
グランバニアでも知能派と認められているサーラと同じ種族であるメッサーラだけに、サンチョの呪文を先ず封じてしまう辺りに余念がなかった。そして敵の主力を潰してしまうという方法も、サーラこそ考えそうなことだとサンチョは思わず力なく笑う。
宙から飛びかかってくるメッサーラの攻撃を大金槌で受けるサンチョの太い身体の影から、槍が鋭く放たれた。メッサーラの喉に容赦なく突き刺さった槍は、そのまま敵を絶命させた。兵としての訓練を受けているグランバニア兵たちは、槍を扱う際に、槍を手元から離すようなことはしない。武器を手放すことは、戦いを放棄したも同然の行動だ。しかしまだ一般兵にもなれていないピピンは、敵を仕留めるために躊躇なく槍を投げつけた。
「ピピン君、早く槍を手に」
離れたところに落ちたメッサーラの喉に刺さっていた槍は、地面に落ちた拍子に外れて、雨に濡れた草地に落ちていた。ピピンは急いで槍を取りに駆ける。サンチョは既にもう一体のメッサーラと対峙している。今は丸腰のピピンの背後から、死神兵の毒槍が迫るが、グランバニア兵の助けによりピピンは知らない内に難を逃れた。
しかし二度目はなかった。ピピンが自身の武器とする槍を手にした瞬間、背後から激しい打撃を食らった。宙から飛びかかって来たメッサーラの蹄が彼の背中を強打し、スクルトの守護呪文の効果を今もその身体に纏いながらも、ピピンはあまりの衝撃に意識を失った。雨に濡れる草地の上に倒れた息子の姿を横目に見たパピンの意識が、束の間そこに留め置かれた。
宙から迫るメッサーラの攻撃なら反応出来ていたかもしれない。しかし兵士長パピンの背後の空間に、何の前触れもなく突如現れた魔物にはどうすることもできなかった。
棘の金棒が振り下ろされる。その勢いも速く容赦がない。一撃で息の根を止めるというような無慈悲を感じる。
パピンの被る兜が砕けた。悪魔神官の武器は、その見た目の凶悪さとは裏腹に、苦しませずに一撃で相手を葬り去るという慈悲があるのだと、魔物自身は信じている。棘の金棒の痛恨の一撃を食らったパピンもまた、その一撃だけで力なく草地の上に倒された。既に息はなかった。



城の見張り台から南の様子を確かめた後、リュカは一度北に戻りプックルの背に跨り、パピンがそうしたように西側から回り込むようにして南面を目指した。途中、西の森で暴れる魔物を抑えているモンスター爺さんとキングス、スラぼうの様子を見つつも、その場は彼らに任せ、リュカとプックルはひたすら南へ急いだ。
雨が酷くなってきていた。うっかりするとプックルの鬣を掴む自分の手が滑りそうになる。プックルも雨に濡れるのは嫌なようで、なるべく雨を避けるように森の際を走り、南へ向かっていた。
グランバニアの兵士たちはパピン、ジェイミー兵士長の強さに表されるように、非常に強く精神も強靭だ。南面に迫っていた敵の群れと対峙しても、負けるようなことはまずないだろう。
しかしリュカの胸の中に残るのは、北面での戦闘の際に姿を消した悪魔神官のことだ。魔術を使い宙を飛び、瞬間的に姿を消して現すことのできるあの魔物が、北面の戦いで勝ち目がないと見たからと言ってあっさりと引き下がるようには思えなかった。
このグランバニアに敢えて攻めてきたというのは、明らかな目的があってのことに違いない。それは当然、国王であるリュカの命なのかも知れない。しかしリュカは戦いの場にこそ出ても、やはり一国の主として守られる立場であり、そうやすやすとは敵の手にはかからない。そしてリュカ自身がこの国一とも言えるほどの実力の持ち主だ。
兎に角今は南面で行われている魔物との戦いの詳細を目にしなくてはならないと、リュカはプックルの背にしがみつくようにしてその速さについていく。
グランバニア城門に面する南の森が見えてくる。その森の中で戦う兵士たちと敵の姿も見えて来た。雨の中の景色はどうしても煙って見えてしまう。しかし明らかに南の森の中で戦闘が繰り広げられているのが分かる。
その時、リュカとプックルの前の空間が突如歪んだ。素早く反応したプックルが急停止する。リュカも気づき、左手でプックルの鬣を掴んだまま、右手に父の剣を持つ。間違いなくあの敵だと思い、歪んだ空間に現れた悪魔神官に人豹一体となって突っ込んでいく。プックルの駆ける速度にも、リュカの剣を持つ手にも迷いはない。この敵だけは確実に仕留めておかねばならない。
しかし歪んだ空間に姿を現した悪魔神官は、まるで向かってくる一体となった人豹こそが悪魔の化身と感じたか、その恐怖から逃れるように背中を見せて逃げ出した。宙を飛んで逃げる敵のその背に、リュカは剣を持ったままバギクロスの呪文を放とうとするが、寸でのところで思い出す。敵の身体にはマホカンタの呪文が施す光の膜がちらちらと見えている。呪文を唱えたところで弾き返され痛い目を見るのはこちらだと、リュカはぐっと呪文の力を再び自分の身体に封じた。
プックルが地面に踏み込む。リュカも共に姿勢を低くする。宙に飛びあがるプックルが悪魔神官の背中に飛びかかる。リュカが剣を構える。振り返る悪魔神官が棘の金棒を返してくると思ったリュカだが、敵はリュカの剣が届く直前に魔力を瞬時に溜め、作り出した歪みの空間に姿を消した。
消えた悪魔神官の向こう側には、近づいた南の森で行われている戦闘の様子がリュカの目にもプックルの目にも映った。遠く正面に見えたのは、頼れる兵士長パピンの背中だ。剣を振るい、グランバニアに攻め込もうとする魔物を食い止めている。
そのパピンの姿を隠すように、悪魔神官の姿が突如現れる。その手には既に振り上げられた棘の金棒。武器が振り下ろされると同時に酷く重々しい音がした。倒れるパピンの姿を見ながら、リュカはプックルと共に国一番の兵士長の元へ駆けつける。今ならまだ間に合う。リュカにはザオラルの呪文がある。肉体が存在し、魂が離れたばかりの今ならばすぐに彼の身体に命を蘇らせることができる。
兵士長の傍で戦っていた兵士もまた、倒れたパピンを守るべく草地に横たわる身体に近づこうとするが、メッサーラが兵士たちを牽制し、近づかせない。そんな彼らの目の前で、悪魔神官の棘の金棒が既に息をしていないパピンの身体を叩きつける。明確に死者を冒涜するその行動に、リュカの怒りは胸の内に収まらなくなる。
「やめろ!!」
リュカの言葉に反応するように、悪魔神官は後ろから迫る一体となった人豹をちらと見ると、その顔に表情はないものの、どこか嘲笑うような雰囲気を見せて宙に浮かび上がった。周囲に同じように宙に浮かぶミニデーモンに、悪魔神官はまるで信号を出すように顔の中央の緑色の目のようなものを光らせると、ミニデーモンは一斉に呪文の構えを取る。
五匹のミニデーモンから放たれたメラミの呪文は、唸りを上げて悪魔神官の身へ向かう。そして反射呪文が一斉にその呪文を跳ね返す。五匹が放つメラミの呪文がまとまる威力は、メラゾーマにも匹敵するほど激しいものだ。それが、草地に横たわるパピンに落ちて行く。
この光景をリュカは見たことがある。巨大な火球に包まれ消えていく父の姿。その時と同じような光景が今、目の前で起こってしまった。あの時と同じような巨大な火球となったメラミの集合体が、パピンの身体を包み込み、その身体は黒い影となり、燃え尽き、消え去ってしまった。焼け焦げた地面の上に、森の中を雨粒が落ち、白い煙となって上がったのもひと時で、その場所はただ土がむき出しになり雨を吸うただの地面と化した。
その場は静まり返った。戦いを忘れてしまうほどだった。一体何が起こったのか分からない兵士が多くいた。頼れる兵士長の姿が、今となっては影も形もない。蘇らせようにも、消え去った肉体に対しては蘇生呪文の効果がないことはリュカも知っている。
敵の狙いはこのグランバニアの強者を一人でも多く潰すことだったのかも知れない。それはパピンでもジェイミーでも、サンチョでも構わなかったのだろう。当然、国王であるリュカを狙ってもいたが、その時が訪れなかった。偶々、パピンにその時が訪れたというだけのことだ。
プックルが怒りの咆哮を上げ、背に乗せたリュカと共に悪魔神官に飛びかかる。剣を振り上げるリュカはもはや悪魔の形相を隠していない。誇れる父を喪った子に、後で何と伝えればよいのだと、リュカの視界の端には未だ森の中に倒れるピピンの姿が映る。
剣が金棒に阻まれる。敵も一流の戦士ほどの力がある。そしてもう片方の棘の金棒でプックルの胴体を打ち付ける。体勢を崩したプックルが地面に降りた瞬間に、リュカがすかさず回復呪文を施す。敵に隙など見せないとばかりに、すぐに攻撃に移る。
プックルが再び宙に飛びあがる。しかし敵のメッサーラに進路を阻まれ、止む無く草地に着地。思うようにならない状況に苛立つプックルの毛が逆立つ。森には強まる雨と雷鳴。そしてプックルの森に轟くような咆哮と共に、グランバニア南の森に稲妻が落ちた。宙に浮く魔物らの身体を貫き、体力のない魔物は地面に落ちるが、まだ多くが宙に留まる。
「……あれ、父さんは……?」
耳をつんざくような稲妻の音に目覚めたピピンが、苦し気な声で呟きながら周囲を見回す。その傍でサンチョが涙をこらえる険しい顔つきで、ピピンを守りながら魔物と戦っている。悪魔神官の緑の目が光る。その目がサンチョを見たと同時に、再び宙の歪みに姿を消した。
サンチョの目の前に現れた悪魔神官は、現れると同時に既に棘の金棒を振り上げていた。サンチョの大金槌ならば受け止められたはずだが、意表を突かれた分だけ守りが浅かった。サンチョが装備する鉄の胸当てがあっさりと砕けた。そしてすぐさま追撃。もう片方の金棒が同じ場所を抉って来れば、流石のサンチョも一溜りもない。一目見て重傷と分かる状況に、リュカの中で焦りと怒りと悲しみとが全て混ざり合い、完全に抑えられなくなった。
父の剣を持つ手に力が入る。同時に、左手に持つドラゴンの杖を握る手にも力が漲る。リュカの思いに反応するように、ドラゴンの杖の桃色の宝玉が淡く光り出す。それは忽ち眩い光を放ち、淡い桃色が徐々に紫へと色を変えていく。やがて濃紫色の光はリュカの身体を包み込み、光の中でリュカは姿を変えていく。
この場にはいないはずの、竜の咆哮が響き渡った。敵も味方も、一体何が起こったのか分からず、戸惑いに立ち尽くす。しかし戸惑ってはいられない状況だった。
雨が降る森の中に、全てを焼き尽くすような炎が巻き散らされた。呪文による炎の攻撃ではない。一体の巨大な濃紫色の竜が、ただ辺りにある者に向かって闇雲に炎を吐き始めたのだ。その炎は、敵味方の区別なく四方八方に吐き散らされ、森の中で戦っていた死神兵の群れはひとたまりもなく炎の前に敗れ、味方のグランバニア兵の身体をも焦がしている。
「ぼ……坊っちゃん……」
仰向けに倒れたサンチョが信じられないと言うように、巨大な竜へと姿を変えたグランバニア王を見上げる。竜の目はどこを見ているわけでもない。ただ神の怒りに触れた者への天罰を、若しくは悪に仇なす者への報復をと、目の前にいる者たちを焼き尽くさんばかりに炎を絶え間なく吐き散らしている。グランバニアの森が竜の怒りに燃えていく。
森の中に留まっていた敵の群れも、一変した状況にこれ以上ない危険を察知したか、一斉に森の奥へと退いて行く。グランバニア側も動ける者は動けない者を助けつつ、城壁近くへと後退していく。森の奥へと退いて行く魔物の中に、魔物の群れを率いていたも同然の悪魔神官の姿もあった。
宙に歪みを生じさせようと悪魔神官は魔力をその手に集中させる。その隙を、プックルは逃さなかった。竜の炎を浴びようとも、この敵だけは逃してはならないとプックルは悪魔神官の背後から猛攻をかける。背中への頭突きで地面へ落とす。すかさず上から圧し掛かり、咆哮を上げながら顔の中心にある緑の目にも見える弱点を頭突けば、敵はその場で動かなくなった。
プックルはすかさずその場を離れた。直後、竜と化したリュカが噴き散らす炎がその場を焼き、倒れた悪魔神官の身体をもじりじりと焦がして行った。プックルがパピンの仇を取った今もまだ、ドラゴンの杖の力により竜へと姿を変えたリュカは狂ったように炎を巻き散らすだけだ。プックルは炎から逃げながらも、リュカに呼びかける。声が届かないとなれば、実力行使だと言わんばかりに、巨大な竜の足元に噛みついた。もう戦いは終わったのだと、噛みつく痛みに知らせるようにプックルはリュカの足元から離れない。このままリュカを放っておけば、グランバニアの森は一部焦土と化してしまう。
しかしリュカの姿は戻らない。プックルにはその理由が朧げに分かっている。リュカは自身の無力を嘆いているのだ。リュカが幼い時に父パパスを喪った時のように、パピンを喪うその時にもまるであの時を彷彿とさせる炎の光景が彼の目に映った。この国一の兵士長を失った悲しみの上に、父を唐突に喪ったピピンの呆然とした気持ちがリュカの中に思い出された。そして彼は、我を失ってしまった。
敵の群れも去り、グランバニア側も総員退避となり、絶えず炎を巻き散らしている濃紫色の竜だけが森の中に佇む。強い雨に濡れる巨大な竜の姿に、多くの兵たちは怖れを成した。しかしその中でも兵の救いの手に城壁近くへ寄ったサンチョはリュカに呼びかけ、プックルはリュカの傍を離れない。元に戻れとプックルは竜の尾に嚙みつきもするが、強く振り払われ、近くの木に叩きつけられた。



「おい、どうなってんだよ、こりゃあ」
城壁沿いに寄る兵士たちの頭上に、今までにない魔物の姿が浮かんでいた。だがそれは味方の魔物だ。悪魔のような羽を持つアンクルの背には、この国の王子がどこか疲れた様子でしがみついている。
「あんな物騒な竜、この辺りにいたっけか?」
「アンクル、違う。あれは……お父さんだ」
ティミーの目に映るのは、巨大な竜の姿ではなく、父の大きな背中だった。宙に浮かぶアンクルとティミーの声に気付き、振り向く竜を正面から見ても尚、ティミーは竜が父だと確信していた。大きな口から炎がちらついているが、竜が本当はこんなことをしたくはないのだとその表情を歪めているのがティミーには分かる。
「リュカのヤツ、あんなバケモンになっちまったのかよ。どんな呪文を使ったってんだ」
「お父さん! どうしたんだよ! 元に戻ってよ!」
ティミーもアンクルもテルパドールでの激しい戦闘で力を使い果たしている状況だ。少しばかりテルパドールで身体を休めたとは言え、まだ大した回復はない。宙をふらふらと飛ぶアンクルに向かい、竜が大きく口を開ける。口の中に一瞬、炎とは別の桃色の光が溜まっているのがティミーには見えた。見たことのあるその色に、ティミーはすぐさま父の姿を変えてしまった力の元を知る。
「ドラゴンの杖だ! あの杖がお父さんを竜にしちゃったんだよ!」
ティミーの言葉尻を消すかのように、濃紫色の竜の口から激しい炎が吐き出される。アンクルが寸でのところで躱し事なきを得るが、このままではグランバニアは国王の手によって滅ぼされかねないということを誰もが案じる状況だ。
「アンクル! お父さんのところへ行ってよ!」
「冗談じゃねえぞ! 近づけるかよ、あんなバケモンみたいな竜に」
「お父さんはバケモンなんかじゃないよ! 本当はあんな風になりたくないんだよ! お父さんだって元に戻りたいんだよ!」
「近づいて何しようってんだよ。炎に焼かれてはいおしまい、ってなるぜ」
「正面から一人で突っ込めばそうなります。なので、手分けしましょう」
ティミーとアンクルのやり取りに、素早く入り込んできたのは、先ほどまでグランバニア兵たちが対峙していた魔物と同じ、メッサーラだ。しかしその腕には大事な宝玉のように抱えられたポピーの姿がある。意識はあるようだが、魔力の使い過ぎで顔は青ざめ、彼女の身体は常に震えているような状態だった。
雨が降りしきるグランバニアの森の上部、宙に浮かぶ魔物の姿が数体あった。アンクルにサーラ、ミニモンにメッキーがそれぞれ散り、竜と化したリュカを包囲する。
竜は敵ではない。包囲し、近づく目的は、竜に姿を変えたリュカとの対話だ。言葉が通じるとは思えない。最も親密とも言える仲間と言っても過言ではないプックルの声でさえも届かない。しかし血の繋がる子供たちの声ならば唯一、その耳に届けられるはずだとサーラは状況を把握しつつ、宙を飛べる仲間たちと共に竜の周りを不規則に飛び始めた。
「あれが……お父さんなの?」
飛び回る中で、ポピーが力ない目の中に竜の姿を映している。竜に姿を変える高度な呪文の存在を、ポピーは知っている。しかし今の自分にはその呪文を扱うことができない。人間が竜に変わるなどと言う現象が、どうしても頭のなかに思い描けなかった。人と竜は全く別の生き物だ。そして竜は、マスタードラゴンに代表される、神にも近しい存在なのだ。人間である自身が竜に姿を変えるなど、禁忌に触れることなのではないかとポピーはドラゴラムという呪文には触れないままここまできた。
そして今、実際にその身を竜へと変えてしまった父の姿がある。それは神と言うよりも、悪魔に近い存在に思えた。ところかまわず激しい炎を吐き散らす竜など、人間から見れば討伐対象ともなる危険極まりない魔物だ。それでも、その竜が父だと思えば、ポピーは最もこの状況を望んでいない父を救いたいとサーラに抱えられながら父に向かって声を張り上げる。
「お父さん! やめてよ! みんな、怖がってる!」
「そうだよ! お父さん、ボクたちの声を聞いてよ!」
二人の子供の声は、森を打ちつける激しい雨によりほとんどがかき消されてしまう。竜は周りを飛び回る四体の魔物たちを敵とみなし、やはりあたりかまわず炎を吐き散らしてしまう。雨によりいくらかその勢いは抑えられるが、直撃を受ければすぐさま地に落ちてしまうほどの深い損傷を負うに違いない威力がある。
ティミーもポピーも絶えず声をかけるが、かれらもまた大きく体力を消耗している状況だ。徐々に声が出せなくなり、身体を打つ雨にも負けそうなほどに身体から力が抜けていく。脇に抱えるポピーが再び意識を失いそうになるのを感じ、サーラは仕方なく行動方針を転換しようと、もう片方の手に魔力を集中させ始めた。攻撃に転じるために、その手には即死呪文ザキのための魔力が集められていく。
その時、雨に濡れるサーラの手から、ポピーの身体が滑り落ちて行った。サーラの放とうとする呪文の効果に気付き、ポピーはそれを止めようと身体を捩ったのだ。宙に放り出されたポピーの目は、既に意識を失いかけて半分閉じられている。
「ポピー!」
何も考えずに、ティミーはアンクルの背から離れ、落下していくポピーを追う。宙を飛べる魔物の仲間に任せれば良かったのだ。しかしティミーはただ力なく落下していく妹をそのまま放っておくことなどできなかった。
二つの小さな身体が森の中を落下していく。その光景を竜の目が捉える。何も映し出さなかった竜の二つの目には、何よりも大事にしなければならない二つの命が映っている。濃紫色の竜の身体が徐々に大きさを変えていく。竜の手に二人の身体が乗るが、その手はみるみる小さくなっていく。ドラゴンの杖の効果が、破壊しか生み出さない竜であることよりも、二人の親である人であることを選んだリュカの意思に沿い、切れていく。
「ううっ、お父さん……良かった……」
今やずぶ濡れとなった草地の上で、リュカの両腕は確かにティミーとポピーを抱きかかえていた。しかし腕に力は込められているものの、リュカは気を失い、片方の腕に抱えられたポピーもまた気を失いながらリュカにしがみついている。一人、意識を保ったままのティミーだけが、妹と同じように父にしがみつき、雨に打たれ、涙していた。

Comment

  1. やゆよ より:

    bibiさま

    あけましておめでとうございます!(今更)

    3カ国の防衛シーンの感想をまとめて記載致します笑

    私の趣味なんですが、数多くのファンタジー本を読んできました。それはそれは多くの作品に目を通してきたので、ファンタジーの世界観での戦闘シーンについては目が肥えてる自信あります。bibi様の描かれた3カ国の防衛戦、控えめに言って最高に雨白かったです!!!
    ラインハットのシーンでは、感動すら覚えました。息をするのも忘れる勢いで読ませて頂きました、おみそれ致しました。

    寄り道が続いていますが、まったく読みづらさもなく、一つの本を読んでるかのような気持ちになります。いつも更新ありがとうございます。また次回も楽しみにしていますっ

    毎度絶妙に気になるところで終わらせてるので、待ち遠しいです笑

    • bibi より:

      やゆよ 様

      コメントをどうもありがとうございます。(あけましておめでとうございます!(笑))
      数多くのファンタジー本を読んでいる方にそのようなご感想をいただけるとは、本当にありがたいことでございます。ラインハット編はちょっと色々と詰め込み過ぎてしまって収集つかなくなりそうでしたが、端折り端折りでどうにかあんな仕上がりとなりました。駆け足で話を書いて行った感じでしょうかね。

      寄り道もそろそろおしまいにして、そろそろゲーム本筋へ戻ろうと思っています。実は今回の戦いでは光の教団の影を書きたかっただけという・・・ゲームだとその辺りがあまり感じられないまま、さくさくストーリーが進んでいくので。でもある意味、ゲームのようにさくさく進んだ方が現実的な感じがしないでもありません。現実って結構、あっさりしていたりするイメージもあります。

      最近は「つづく」みたいな終わり方を続けていますね。すみません。次回は恐らく、今回の戦いのおさらいから入るかと思います。しばしお待ちくださいませm(_ _)m

  2. ケアル より:

    bibi様。

    いつも執筆ありがとうございます。
    まさに戦闘曲「戦火を交えて」そのままです。
    激しい戦闘描写に、息を吸うのも忘れてしまいそうでしたよ。

    悪魔神官、最低なヤツです。ゲマと並ぶ外道な行動に怒りを覚えますね。
    まさに、アームライオンの生き地獄!
    リュカたちが瀕死にさせる→悪魔神官のパーティアタック→アームライオンの息の根を止める→ザオリク→完全復活→リュカたちが瀕死にさせる→悪魔神官の…エンドレス。
    たしかに、自分たちがゲームプレイしてて、回復仲間が居ない時、わざと見殺しにしてザオラル・ザオリクで生き返すことしたことありますが…。こうやって文章にすると、拷問ですね(苦笑)

    アームライオンって仲間になるんですか(驚)
    知りませんでした。グーグルで調べてみましたら、仲間の名前はアムールだそうですね。
    ドラゴンクエスト大辞典のアムールの情報をここにリンクしておきますね。

    https://wikiwiki.jp/dqdic3rd/%E3%80%90%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%91

    アムールって、強そうに見えて、じっさいはあまり有力な仲間モンスターではないみたいなんですね。ドラゴンクエスト大辞典を見て、それもまた驚きです。

    プックル、またまた大活躍ですね。
    プックルの特技いなずまを連発!
    マホカンタしてる悪魔神官にプックルそろそろ凍てつく波動するかなって思っていたんですが、やはり以前にbibi様が言ってたとおり、描写が難しいですね、この凍てつく波動…。今後どうやって描写してくれるのか楽しみにしてます。
    んで話を戻してプックルのいなずまはいつ見ても強烈です(笑み)

    ピピン、そこそこ強いんですね。でもサンチョに守られていたからですよね。
    実戦経験が浅井から瀕死にさせられちゃうんですよ。
    あの時、息をしてないから死んでしまったかと思ってました、瀕死にさせられていただけなんですね。

    サンチョ、ピピンを庇いながら戦っていたから、鉄の胸当てが壊れてしまうぐらいのダメージ喰らったんでしょうか?
    いくらサンチョでも庇いながらの戦いは今回はきつかったんでしょうか?
    でも、サンチョ、すごいですね。ラリホーにマホトラとは頭脳プレイです。サンチョってマホトラ覚えるんですね知らなかったです。
    だって、サンチョが実際に仲間になる時ってゲーム終盤…妻救出後だったかと思うんですが違いましたか?
    その時に加入してもパーティに入れれるワクがないですからサンチョ使わなかったでしたよ(汗)

    bibi様、今回も想定外な描写…まさかあのパピンを跡形もなく抹消させるなんて…(泣)
    しかも、またしても燃やし尽くす描写だとは…(泣)
    メラミ×5だなんて…はるかにメラゾーマ超えてますよ!誰だって燃やし尽くされます。
    悪魔神官、悪いヤツです!
    痛恨の一撃するしマホカンタで反射させるし最後は逃げるし…。大神殿に行った時のリベンジが楽しみです。
    bibi様、ピピンが気絶してたから父パピンの死に目にも会えず、遺体もない状態…次話の時のピピンとパピン妻の心境が気になります(泣)
    パピンを殺す描写をしてくるとは…。ん~…いやはや…参りました。

    リュカ今までなんども怒りを超えてぶち切れたことありましたが、まさか竜になるなんて思ってなかったでしょうね。
    ドラゴンの杖の効果をどのように描写するのかなって思ってましたら、すごい描写して来ました。
    まさか意思とは関係無しに発動するとは…。
    しかも制御不能のままメダパニ状態になっちゃうなんて…(汗)
    今後のポピーのドラゴラム、リュカのドラゴンの杖変身の描写がどのようになって行くのか目が離せないですね。このままだと竜変身は使いにくい…。

    サーラ、竜リュカにまじでザキで息の根を止めようとしたんでしょうか?
    スラりんもティミーもMP切れ状態なのに…。
    とりあえずこの場を納めようとしたんでしょうか?
    bibi様、ちなみにベホズンってどこで戦っていたんでしょうか?

    次話は本編に行くと言っていましたが、bibi様、その後のピピンとピピン妻、パピンが戦死してしまったグランバニアの心境、竜に変身したリュカの心情など、3国戦後のエピローグみたいなシナリオが気になるんです。
    もし良かったらで構いません考えてくださいませんか?
    お願いします。

    • bibi より:

      ケアル 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      ザオリクって味方が使えるととんでもなく有難い呪文なんですが、あの呪文って使い方によってはとんでもなく酷い呪文だよなと・・・ゲームをしている時からちょっと思っていました。力って、やっぱり持つ者によっては善にも悪にもなると。そして私自身が悪魔神官がとても苦手で、ゲーム中にも苦労させられた記憶があったので、立場上も神官だし、ここで出て来てもらいました。悪魔神官はドラクエ2でのイメージが強いですね。凄く強かった記憶があります。神官なのにとんでもなく凶悪な武器を持ってるなと・・・。こういうモンスターのデザインは流石鳥山先生という感じがします。

      アームライオン、仲間になるんですよ。仰る通り、あまり戦力には・・・という問題があるようですが、彼らはあの見た目だけで十分戦力になるかなと思ってます(笑) 一気に五体を仲間にしたので、新たにグランバニアの守り手としてみんなに受け入れてもらえたらと思います。

      プックルはいつでもかっこよく書きたいんです。元来、戦い好きですからね。リュカとタッグを組んだら、もうプックルに怖いものはありません。突っ走るのみ、というところでしょうかね。

      ピピン、まだこれから成長というところですが、今でも実は十分強いです。伊達に父から直々に鍛えられているわけではないと。
      あ、そう言えば、彼はメッサーラの一撃を受けて気を失い、その後悪魔神官の一撃を受けて彼の父パピンが倒れています。息を止めていたのは父パピンの方ですね。分かりづらくてすみません(汗)

      サンチョはピピンを庇いながらではなく、まともに立ち向かっても一人では悪魔神官には敵わなかったと。それまでの戦いでの疲れも蓄積していて、万全ではなかったというのもあるかな。ちなみにこのサンチョ、リュカが石化から復活後に仲間に出来るようですよ。

      今回、兵士長が一人犠牲となりましたが、彼もまた実はラインハットの先太后と同様、ゲーム上この時期にはグランバニアからいなくなってるんですよね。本当ならもっと前に、ピピンは父を喪っていたんです。その辺り、私の勝手で内容を変えてしまっていますが、その辺りはどうかご理解いただけるとありがたいです(震)

      ドラゴンの杖は本当にどうしようかと悩んだ挙句、あんな感じになってしまいました。良かったのかなぁと今でも悩んでいます。もっと良い書き方があっただろうにと考えると先に進めなくなりそうなので(そんなん、今までのお話全てに関わってくる・・・(汗))今はこれがベストということで手を打ちました。
      サーラは本気でしたよ。彼はそういうことをさらっとやるヤツです。何がその場の最善かを考えて、たとえ非情でもそういうことをします。後は城の神父にお任せ、というところだったかな、もしそうなったとしたら。
      あ、ベホズンは城の内部で回復部隊として待機していたという設定です。登場させませんでしたね・・・ごめんよ、ベホズン(謝)

      次のお話、一応今回の戦いのおさらいから始まる予定です。さすがにここからゲーム本編に一気にすっ飛ばすのも情緒が無さすぎるかなと思うので(笑) しかしそんなお話で二つくらいはお話が終わってしまいそう・・・結局だらだら長くなっちゃうんだよなぁ。なるべくきりっと短く終わらせたいと思います。早くゲーム本編に戻らねば・・・(焦)

  3. ラナリオン より:

    bibi様。グランバニア完結編、執筆お疲れ様でした。まさかそんな…。パピン兵士長が…。最期にパパスの死を彷彿させるあの凄惨な光景の再現をここでしてくるとは…。いや~ここでもってきますか~。(泣)悪魔神官、死者を冒涜し、嘲笑うかのような行為です。悪魔神官をこんな悪いヤツに描けるのは世界中を捜してもbibi様1人だけだと思います。ホントに。(笑)今回の防衛戦、悪魔神官5体を除けば相手はグランバニアに棲息する魔物達が中心ですし、味方の戦力はリュカやサンチョをはじめ、オジロンさんやトレット、各部隊長などの実戦経験豊富な猛者達。おまけにアームライオンも味方に寝返った。負ける要素どころか大きな代償はないだろうという思い込みからか、私自身、心のどこかで楽観視して見ていた部分が少なからずともあったんですよね。まさかこのような結末が待っているとは…。空間魔法恐るべし…。(汗)リュカの判断もけして間違っていたわけではなかったんでしょうけど、あの時、自分が兵を率いて行っていればパピンさんを死なせることはなかったとこれから自責の念にかられるんでしょうね…。(泣)タイトルの悪の化身から察して、ドラゴンの杖をここで使ってくるだろうと思っていました!案の定、最初は力を制御できないだろうなと思っていましたが、敵味方関係なく無差別に焼いてしまいましたか。(汗)bibi様、ひとつお聞きしたいのですが、リュカが竜変身する直前、リュカの心は深い悲しみや激しい憎悪の感情に満ちていました。ドラゴンの杖は持ち主の心や強い感情に呼応して力が発動するという設定でしょうか?感情を上手く制御できなければ自我を失い、ただ破壊や殺戮を繰り返す邪悪竜に変貌してしまうという解釈でよろしいでしょうか?だとすれば今後はちょっと使いにくい感じの流れですけど、描写や使う場面といったところも悩み所で難しそうですよね。私も今の段階ではこれでいいのではないかと私も思います。それに神秘的な力を秘めている武具は持ち主や対峙する相手、使う場所を選ぶっていいますし。← この話、ダイの大冒険のお話に出てくる鍛冶職人さんが言っていました。(笑)ただ、使わないのはもったいないのでここぞっていう時に力を発揮してもらえる場面を作ってもらえたらって感じで今後の展開を楽しみに待ってます。楽しみといえば天空城で竜の神様が使ってみてからのお楽しみ♪みたいなことを言っていましたが、こんな恐ろしい力を秘めた杖だって予め判っていたんだったら最初に教えておいてほしいもんですよね。(笑)リュカがまた竜の神様に噛みつきそう…。(汗)次回は戦死者達の追悼式になるんでしょうか?ピピンは現実を受け入れられるのかどうか…。ピピンの怒りの矛先がトレットに向けられそうですよね。リュカの竜変身後の余波や民衆の反応といったところなど気になり所が満載です。この時期にパピンさんも姿を消しているの知らなかったです。bibi様、観察力が凄い。(驚)

    • bibi より:

      ラナリオン 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      頼れる兵士長に泣く泣くご退場願いました・・・。実はパピンさんはゲーム中ではこの頃既に姿を消してるんです。ピピンは亡き父の後を継ぐように兵士になり、あわよくばリュカの旅についてくるポジションとなっているという。父を喪っているという点でリュカと似ていると思い、パピンさんにはこのような形で、となりました。私の大いなる妄想の下でですが(汗)

      悪魔神官はドラクエ2の頃から私自身が苦手としているモンスターでして、今回は憎き敵として出て頂きました。実際、ドラクエ2もドラクエ5も邪教絡みのところがありますよね。それ故のモンスターなんでしょうけど、こいつ、嫌いなんですよね~。神官を名乗りながらもあんな極悪な武器を持ってるんだもの。ということで立派な(?)悪役として登場してもらいました。

      グランバニアは戦力としてはまともに戦ってれば勝てたんですが、便乗して南からも敵が来て苦戦・・・そして悪魔神官にしてやられると。リュカは彼自身も辛い思いをしていますが、同時にピピンを心配していそうです。

      ドラゴンの杖は・・・難しいですね。お察しの通り、今のところリュカは杖の力を全く制御できていません。なので、ちょっと調整が必要ですね。その辺りのお話をこれからちょこちょこ書いて行ければと思います。大神殿までがまだ遠い? でもなるべく早く目指したいところですね。

      竜の神様はね、そういう力ですら「お楽しみに!」と言っちゃうくらいにぶっとんだ感覚の持ち主なのかも知れません。なんたって神様なんで。
      あはは、そうですね。きっとリュカならまた竜の神様に噛みつくと思います。辛辣な嫌味でも言って欲しいものです。

      次回のお話は今回の戦いの反省などに始まると思います。また2話くらいには分かれてのお話になるかな。・・・ラインハットがまた荒れるかも知れませんね。まだ書いてないですけど(汗)

  4. ラナリオン より:

    寄り道どころか大きく話が膨れ上がりましたよね。今後、ラインハットもグランバニアも一揉めありそうな気配が…。bibi様は間違いなく大変です。お察し致します。m(__)mでも、今回の3国同時攻撃はあらためてリュカ達による光の教団殲滅&奴隷救出の大義名分が出来たといいますか、大神殿突撃の伏線になっていますよね。ゲーム本編では間違いなく妻が光の教団に囚われているという明確な情報がない中で大神殿に突っ込んでいるわけで…。ストーリー的にも伏線がなくちょっと唐突的な感じがありましたから。私的には今回のbibi様のお話は寄り道的な感じはしないんですよね。むしろ本編にあってもおかしくないのではないかと…。私は実際にゲーム上で3国同時攻撃のシナリオをクリアしてから大神殿に突撃したかったですよ。(笑)気持ちも高ぶりますしね。実際に妻救出以外で、地上世界でやり残したこととなると、あとは王者のマントを獲るぐらいな気もしますが…。ちなみに今後のbibi様の構想では天空の鎧が封印の洞窟内にあるという仮説でお話が進んでいくという感じですか?差しつかえなければ教えていただけると有り難いです。m(__)m

    • bibi より:

      ラナリオン 様

      ゲームは大神殿に向かうのが唐突に感じられるところなんですが、そこまでの経緯に色々と想像の余地があるなぁと思いながら今回の展開を考えて勝手ながらに書いてみました。でもゲームとしてはあれくらいのスピード感で進んでいくのがいいのかな~とも思います。唐突な感じもまたドラクエらしくて好きなんですよね。むしろそんな唐突さが現実っぽいようなところもあります。
      地上でやり残していること・・・私としては何だか色々とありそうな気もしますが(汗)、あまり寄り道をしてもアレなので、そろそろ前を向いて進んでいければと思っています。今後の展開については・・・ちょっとお話できないかな。と言うか、あまり私自身、話の展開を詰めていないのでお話しようにもできないという(汗汗) すみません、行き当たりばったりなもので。

  5. ラナリオン より:

    いえいえ。とんでもないです。私の個人的な想像で言っている部分がかなりありますので。すいません。m(__)mただ本編に戻ると聞いて、妻救出以外で思い当たることが王者のマントかレヌール城くらいしか思いつかなかったものでして。他に何かあったかなぁ?今のRPGって細かいところも含めてけっこう完成されてる作品が多いですよね。普通にプレイしていれば必ず最後まで行き着くことが出来ますし。それが当たり前になってきているというか。勿論、それはそれでやりやすくていいんですけどね。昔のドラクエやFFはプレイヤー自身に考えさせれる部分が多かったような気がします。繋がりがなくて唐突的な部分もありましたが。(笑)私も悪魔神官の痛恨の一撃がキツかったです。2回攻撃されたような?あとは封印の洞窟内に出てくるブルー&レッドイーターが嫌でしたね。先制攻撃されるし、素早いうえに攻撃力も高く、毒も喰らうので戦闘後の治療や回復が大変だったことを覚えてます。王者のマント苦労して獲りました。(汗)

    • bibi より:

      ラナリオン 様

      今時のRPGをほとんどプレイしていないのですが、やはり特に考えることなく最後まで終わらせることができたりするんですね。まあ、今は世の中の皆さんが時間に追われている時代だから、手っ取り早くゲームをしたい方が多いのかも知れないですね。時代、かなぁ。・・・あ、でもやり込み要素などがあるんだとしたら、決して時間に追われているわけでもないのかな。私自身は強いアイテムを作るよりも、ギリギリの武器防具で常に金欠で、といういかにもドラクエスタイルで話を進めるのが好きですね~。その世界に生きてる感じがします。
      そうそう、悪魔神官は二回攻撃してくるんですよ。それと封印の洞窟のあの二匹は私も苦手でした。何度画面が赤くなったことか。小さくて強いのは、それだけで何とも言えない脅威です。

  6. ラナリオン より:

    そうですね。現代人は常に時間に追われていますよね。だから今は長々とした内容のRPGは受けなくなりつつあるのかなぁ。昔よりもゲームのジャンルも増えてきてますしね。年々アクションやスポーツ系はついていけなくなってきてます。(汗)限られた武器と防具とお金…bibi様はストイック型なんですね。なるほど。確かにちょっと追い込まれたほうがやってて面白いですよね。逆に私はそれが出来なくて。(笑)既に察しがついているかもしれませんが、アイテムコレクターなんでひたすら強いアイテムを求めてはかき集めてます。ドラクエとFFは特に。今日よりも明日はより強くなっていると信じてひたすら狩ってます。(笑)何かの番組で本田翼ちゃんも同じことを言っていました。話がかなり脱線しましたね。すみません。m(__)m次回作じっくり読ませていただきますね。

    • bibi より:

      ラナリオン 様

      ゲームにそれほど時間をかけるのはアレかなぁとは思いますが、心に残るようなRPGはプレイしておいてもいいかなぁと思っています。心に残る本などと同様に、情操教育の一つとしてもいいじゃないと思ったりしています。そう思いながら実はこうしてお話を書いているという・・・私の書くお話で心を動かしてくださる方がいらっしゃれば、それだけで私の趣味は無駄じゃないかななんて思いながらちまちま書き続けています。そもそも、ドラクエという素晴らしいゲーム在りきなんですけどね。
      アクションにスポーツ系・・・私は初めから苦手です(笑) コントローラーごと引っ張っちゃうタイプなので、ファミコン時代など何度もリセットの憂き目に・・・話が古くてすみません。
      アイテムを収集するのも楽しいですよね。私も学生時代の時間ある時は、一度ゲームを最後まで終わらせてから収集に走ったこともあります。とりあえずRPGはお話を最後まで見ないと気が済まないんですよね。楽しい本は早く最後まで読みたい、と言う感じで。でもそうやって駆け足でゲームを進めるものだから、スーファミでドラクエ5をプレイしていた時にブオーン戦で本気で詰みかけました。でもあのギリギリ感がたまらないから、やっぱり強敵にもギリギリの状態で挑みたい、そんな感じです。

  7. ピピン より:

    そうなんですよね…パピンは青年期後半にはいなくなってるんですよね…
    キャラが立って存在が大きくなっていただけに、てっきりこのままグランバニアを護ってくれるものだと…

    初ドラゴラムもこんな辛い状況で使われるとは…
    でも引き込まれて面白かったです(T-T)

    • bibi より:

      ピピン 様

      パピンがいなくなっていること、ご存じでしたか。私もこのまま彼にはグランバニアに残ってもらおうかと思っていたのですが、やはりゲームに準じた方が良いかなと、このようなお話になってしまいました。
      ドラゴラムと言う呪文は扱いの難しいところです。実際にゲームで使う時も難しい・・・変身が解けませんもんね。その辺りをどうするかは、これからちょっと考えてみたいと思います。

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