「トランプの真実」を読んで

 

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近頃は一応私なりに色々と情報を見聞きしているからか、目まぐるしい勢いで情勢が変わっているのを感じています。これも、なーんも知らないままだったら、なーんも分からないままの日々が続いていたんでしょうね。どっちが良いのか……いや、考えるまでもなく、今の方が良いに決まっています。それもこれも、ようつべなどのお陰です。ありがたや。

ようつべとは別に、家に何だかたくさん本が積んであるので(ほとんどが主人のもの……だが、読まれていないもの多数)、気になったものを手に取って読んでみることを続けています。

その中で今回読んでみたのは、「トランプの真実」という、ある意味タイムリーな本です。英語名では”Inside Trump’s White House The Real Story of His Presidency”。とは言っても、こちらの本が出版されたのは、2020年の11月30日。アメリカのトランプ大統領が一期目の任期を終える前のことなので、今に読むには少々手遅れ感もあるところかも知れませんが、それでも、もう一度アメリカの大統領となったトランプさんを知るには非常に良い本だと思います。

こちらの本、著者はダグ・ウィード(Doug Wead、1946-2021)という方で、歴代米大統領の家族の権威とされる方ということです。こちらの本を書くまでにも、6人の大統領、6人のファーストレディ、大統領の子供や兄弟姉妹20人余りにインタビューした実績を持っています。私はもちろん、英語本をそのまま読む能力はないので、翻訳されたこちらの本を読んだ次第です。監修・解説は藤井厳喜さんという国際政治学者の方で、ようつべでも動画をアップされて、特に世界情勢について色々と発信されています。私もちょこちょこ拝見しています。

なかなかに分厚い本でしたが、読み切った後の感想を一言で言うならば、「トランプさんはただただ良い人なのでは?」ということに落ち着きます。本の中では、トランプさんご自身の言葉もあったりしますが、主にトランプさんを支える家族の言葉で様々に語られています。読めば読むほど、トランプ家の家族の絆がとんでもなく強固なものなのだと分かります。

いくら家族でも、これだけ積極的に支え合えるというのは本気で互いに信頼している証だし、互いの存在を心の底から尊重しているからなんだろうと、何だか感動すら覚えるような内容でした。ただ、”家族”という言葉で当てはめるのは間違っていて、細かく言えば、トランプさんに協力するのは、息子の妻もしかり、娘の夫もしかり、広い意味での”家族”です。皆が皆、まだ政治家ではなかったトランプさんを米大統領にするためにと、それぞれが必死に動き回っていたようです。

日本では一般的に、トランプさんへの印象を悪く感じている人が多いんじゃないでしょうかね。それもこれも、そういう風にメディアが報道するからであって、ではその報道って何を根っこにしているのかと思えば、アメリカの報道をそのまま日本で流しているものであって……アメリカの報道をそのまま日本で流しているのなら良いんじゃない?と普通は思われそうですが、そういうわけでもなく……。それが今回のアメリカの選挙で改めて露になった部分かと思われます。

こちらの本の中でよく分かるのは、いかにトランプさんがメディアからいじめられていたかと言うことですね。いや、本当に、よくこれだけのいじめに耐えてきたものだなと。別の観点から見れば、耐えるのではなくて、いじめなどにかまけてられないほどのめちゃくちゃ強い信念があればこそ、こうして進み続けられたんだろうなと、ただただ感嘆してしまいます。……ちょくちょく荒っぽい言動があったりで、それをここぞとばかりに責められたりしていますが、トランプさんの言動の中に”真の悪”はいないのだと思えます。

だって、大手メディアがほとんど敵で、好き勝手にけちょんけちょんにやられる状況でも尚、”俺は大統領になる!”って思えるって、どれだけ強固な精神をお持ちなのかと。今どきの人間って大方、偉くなりたい理由として、金持ちになりたいというのが一番に来るんじゃないでしょうかね。何となく嫌だけど。でもトランプさんは既に金持ちだったんですよ。大富豪だったんですよね。もう十分富豪なんだから、その立場に甘んじて、わざわざ叩かれまくりながらも大統領を目指さなくてもよろしいのではと、思いませんか?

だからトランプさんが大統領になる理由って、ただ一つで、ただただアメリカを良くしたいと……本心がそれだけなんだろうと思います。本心がそれだけだから、家族も殆ど無条件で協力したのかなと感じます。金は裏切らない、なんて言葉を聞いたこともありますが、金は結局人間に付随しているものだから、人間がどうしようもなかったら金も当然のように裏切るでしょう。だけど、人間が揺るがなければそれが最も信じられるものなのではないかと、この本を読んで改めて人間の凄まじさを感じました。

本の中で少し面白いエピソードがありました。トランプさんの初めの奥さんとの間に生まれた次男エリックさんがまだ5歳の時の話。エリックさんが友達の家に1時間ほど遊びに行く時にも、トランプさんは真顔で近づいてきて、「ドラッグはなし、煙草はなし、アルコールもなしだぞ!」と……。5歳児に言うことじゃないですよね。ふふっと笑ってしまうエピソードですが、でも、これもまた、トランプさん自身の悲しい過去があったからこそ、出る言葉なんです。

トランプさんはお兄さんをアルコール中毒で亡くしています。それ故に、トランプさんご自身がドラッグも煙草もアルコールもしないそうです。5歳の息子にそういう言葉をかけるのだから、むしろ憎んでいる節も感じられますね。……イメージというものは恐ろしいもので、私はそれを知った時に思い切り驚きました。驚くと言うことは、私もそういうイメージを持っていたと言うことで……何だか申し訳ない気持ちにもなりました。本当にすみませんでした。

しかしそういうイメージを知らず知らずのうちに持っていたと言うことは、私もまた表向きメディアの情報でしかトランプさんをイメージできていなかったということなんですよね。勝手に作られた外向きのイメージから抜け出すにも、この本を一度読むことをお勧めします。トランプさんご本人のみならず、長男のドナルド・トランプ・ジュニア(ドン・ジュニア)、長女のイヴァンカ・トランプと夫のジャレッド・クシュナー(クシュナー夫妻)、次男のエリック・トランプと妻のラーラ・トランプ、そして奥さんのメラニアさんのことについても理解が深まる一冊です。

アメリカが偉大な国家だと誇りに思って、トランプさんが大統領の地位に就いているのが、この本からも良く分かります。祖国を誇りに思うのは当然の感情で、それがなければ大統領どころか首相どころか、国民でいることも危うい状態だと思います。様々な伝統、文化、習慣が根付いている様々な国があることが多様性そのものでしょう。そういうものを、互いが互いに譲れるところは譲り、譲れないところはしっかりと守りながら、調整しつつ取引しつつ、世界が丸くなれば良いなと、色々と思うところはありますがこれからの世界を期待したいと思います。

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