子供の話に思うこと③ 夏休みの宿題

 

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これは学校によっても異なるのかなぁと思うのですが、毎年思うのは、夏休みの宿題が昔に比べて楽になったねぇ、ということ。

私の記憶だと、夏休みの宿題って漢字ドリルと計算ドリルをそれぞれ1学期で学習したところまでと、毎日一行日記、自由研究、読書感想文……は少なくともマストだったような。私の場合、特に困ったのは自由研究でした。”自由”に困る人っていません? 課題を与えてくれた方が助かるなぁ、なんて。まあ、困ったからと言って提出しないと言うことはなかったですが。宿題だったし。

そう言う意味でも、ドリル系は特に困らなかったんですよね。決められたことをやるだけで済んだので。私は多分、タスクをこなすことが楽しいタイプなんでしょう。でもこういう人って多いんじゃないかしら。社会って、そう言う人も必要でしょう。私のようなタスク好きの人間がいるから、社会の様々な土台が出来上がっている側面は必ずあると思うんですよね。

私と対比するように、私の主人は自由研究に全力タイプだったようです。子供の頃からやりたいことがちゃんとあるって凄いなぁと、純粋に尊敬します。自分のやりたいことにのめり込めるって、才能だと思うんですよね。私も集中して事をこなすことはありますが、それはあくまでも与えられた仕事だったりして、それだと安心して集中できるというところな気がします。……自分に自信がないのかも知れませんね、きっと。

と、それはそれとして、今回は子供の夏休みの宿題の量の少なさに驚いた、という話です。いや、これは私だけが驚いたわけではなくて、子供自身が驚いているんだから、本当に少ないんじゃないかなと。

先日、担任の先生とお話する機会があったので、その点をちょろっとお伺いしてみたところ、「学校のそういう方針なんですよね~」とのことでした。要するに、夏休みの宿題は少なくして、せっかくの夏休みだからもっと有意義に使ってね、ということらしいです。

でもここで言う”有意義”ってたとえばどんなことに時間を使えば良いってことなんでしょうか。それはそれで、各ご家庭でお考え下さい、ってことなんでしょうけど、今どきの各ご家庭って恐らく、共働きの家庭が多いんじゃないでしょうかね。平日のほとんどを両親が留守にしている状況で、子供だけで有意義に時間を過ごすのって、考えてみてもなかなか難しいものがあるような気がします。

それこそ子供目線で考えれば、「今日は一日ゲームをして有意義に過ごしました~」とか言いそう。プレイしたいゲームが目の前にあって、たんまり時間があるとすれば、そんなことをして過ごしてそんなことを言いそうです。たとえば、子供の頃の私ならば(笑)。子供自身に”有意義”を任せるのは危険な気がしますねぇ。……あ、今どきのお子様たちはそんなに悪い子たちじゃないのかしら。だとしたら酷い先入観ですね。ごめんなさい。

一時期、ゆとり教育が問題になったりもしましたよね。あの当時、私が最も驚いたのは、円周率を3にしようとしたという話が出た時です。あの話を聞いた時に、「ゆとり、怖い……」と思いました。こういう内容を教育の中に入れようとする大人の考えが怖いって思いました。子供をバカにするのもいい加減にしなさいよと。子供はちゃんと教えればどこまでも吸収できるような脳みそを持っているんだから、それを無駄にするんじゃないよと憤りさえ覚えましたね。マジで。

どうも最近は子供に寄せて寄せて……みたいな風潮があるような気がして、それが何とも気持ちが悪いです。子供は大人が思っているよりも遥かに頭が良いと思いますよ。興味さえ持てば、勝手に追求するような好奇心だって大人よりも純粋なものでしょう。それを引き出すのが大人の役目なのに、端から潰そうとしてどうする。

息子の話を聞いていると、小学5年生にして明らかに学力の差が出てきているような内容を耳にします。特に、やはり算数。できる子は計算も早いし間違えない一方で、算数が苦手な子は多分、初めからちんぷんかんぷん、というか問題に向き合う気持ちを先ず作れない状態なんじゃないかな。苦手意識を持っちゃうと、逃げたくなりますもんね。苦手なものからは逃げたくなるし、得意なものならじゃんじゃん進められる……、物事に対してはおおよそそういう傾向はあると思います、大人も子供も。

好きな事だけやって済むのならそりゃあ楽でしょうけども、世の中そうは行かないし、もしそう行ったとしても、そんな人生に深みはない気がします。嫌なことに向き合うのも、苦手なことに取り組むのも、生きていくための訓練。社会に出た時にいきなり嫌なことに遭遇するよりも、学生の頃からある程度そういう訓練をしておいた方が後々楽になるのは間違いないでしょう。

漫画でもゲームの登場人物でも、惹かれるような人物像って、その人の過去に何か苦労が見えたり、傷を負っていたりする人が多くありません? それは勿論現実でもそうですし、いわゆる「立派な人」って苦労も努力で乗り越えてきたような人で、そういう苦労も努力も過去に見えるから、同情や尊敬と言った感情が生まれるんじゃないかしら。だから、ドラクエ5が人気だってこと……で合ってますよね?

話が逸れましたが、苦労とは別に考えたとしても、小学生の頃の学力って今後の土台になるので、ここであまり躓いてしまってはこの先どんどん嫌になってしまうだけ……そんなの、もったいないの極み。せっかく何でも吸収できるスポンジのような頭があって、夏休みという時間があるんだから、漢字・計算ドリル1冊ずつと読書くらいはしてほしいなぁと老婆心に思うわけですわ。……大した量じゃないと思うんだけどなぁ。頭は使わないで放っておくと本当にあっという間に鈍るから、ある程度は絶えず使ってほしいとも思うのです。

あ、当然、自由研究などで本気で取り組みたいものがあるなら、それに全振りするのも良いかと思います。それこそが”有意義”ってものじゃないかしら。本気で取り組みたい自由研究なんて、楽しそう。私も小学生の頃にそんな題材に巡り合いたかった。

なんにせよ、せっかくの夏休み。何か一つでも「やったったわ……(満足)」みたいな経験ができたら良いなと思います。それがただ漫然とゲームをするということだと、後で虚しさが残るだけなので、オススメはしません(体験談)。それにゲームも漫画も、いくらたくさんプレイしたり読んだりしても、多分、周りの大人は良い顔をしないでしょうな……。どうせなら、堂々と胸を張れるような満足経験をオススメします。

人間、生きる中で、達成感ってとても大事。それが次への自信になるからね。

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