手塚治虫さんの「火の鳥」(ヤマト・異形編)を読みました。

 

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面白いものはどんどん読んでしまいますね。この感じは久しぶりです。面白いものにハマるっていいですよねぇ。これくらいの時間が取れるようになったのも、子育てがひと段落ついたからかも知れません。子供が小学校に行き始めると、そこで時間が取れるようになった気がします。

さて、「火の鳥」の第3巻となる「ヤマト・異形編」を読みました。こちらも漏れなく面白かったです。

ネタバレをがんがん含みますので、内容を知りたくない方はご注意くださいませ。

↓こちらの全巻セットのうちの3巻目にあたるものです。

ヤマト編の今回は代表的な人物として、ヤマト・タケルが登場します。

日本国内のとある国、末の王子のヤマト・オグナと、また別の国の王である川上タケル。敵となる彼らの出会いから物語が進みます。彼らの名前から、ヤマト・タケルの名に繋がるという・・・そういう所も面白く見られるところです。

お話の内容としては、ある古墳が舞台となっていて、王の墓である古墳はたくさんの人々の犠牲の中で作られているのだという史実を、この漫画の中でドラマチックに明かしてくれます。

手塚治虫さんは結構、男女の恋愛を取り入れてきますね。今回のお話でも、オグナと、川上タケルの妹カジカとの恋愛が描かれています。敵同士である者の恋愛というのは、ロミオとジュリエットを彷彿とさせてくれました。あちらは悲恋で、こちらも・・・悲恋、と言って良いのかな。一言に悲恋とは言えないでしょうかね。自分の人生を生き抜いた者たちのお話なので、悲恋とは片づけられないものがあると思いました。

このお話で火の鳥がどのような役割を果たすかと言うのは・・・不死の力を持つその生き血で、奴隷として生き埋めにされそうになっている人々の命を永らえようとする・・・そんな目的を持って主人公オグナが笛で火の鳥を手なずけようとします。

史実を基に描かれるお話なので、尚のこと感動が押し寄せてくる漫画だと感じました。ただ学校でお勉強させられる古墳という歴史的な建造物というだけではない、そこにはこんなドラマがあったのかも知れないと思わせてくれる深さが良いなぁと思いました。そして、手塚治虫さんがこのような史実をしっかりと調べた上で描かれているんだろうなと言うのも、読んでいて気持ちの良い部分と思います。

この3巻ではもう一つのお話、異形編が収められています。

こちらはまた・・・感動というよりも、胸が苦しくなる展開でした。サスペンスのような、ミステリーのような、不思議な感覚で読み切りました。

主人公は左近介という男性・・・実は女性。小さい頃から厳しい父に男として育てられた女性です。彼が一人の尼である八百比丘尼を斬ったところから、お話がぐるぐると展開します。

最後は・・・左近介にずっと仕えていた可平という男性だけが閉ざされた空間を逃れて、生き続けるという。可平は左近介を慕っていたという・・・こちらもまた、悲恋があります。

この決してハッピーエンドで終わらない物語を読むと、また繰り返して読みたくなってしまう魔力を感じます。あの場面はどうだった? あの場面は実はこうだった?と確かめたくなります。

いやー、止まらない。面白いです。手塚治虫さんの天才ぶりを今になって知るという、この遅さ。もっと早くに知るべきだった。

というわけで、次に読み進めたいと思います。漫画にハマるのは何年ぶりかしら。

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