2017/12/03

砂漠の民の使命

 

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「教えてもらった階段って、ここよね」
「うん、そのはずだけど」
玉座の間にいた女王の侍女の話の通り、リュカとビアンカは日中女王がいるとされる地下庭園に向かって城の中を歩き進んでいた。地下に通じる階段は城の中でも一つしかなく、その場所を侍女に教えてもらったのだが、想像していた階段とはあまりにも違い、二人は階段の手前で少々考え込んでいた。
「女王様がいらっしゃるような場所なのに、こんな小さな階段で、しかも見張りの人もいないってこと、あるのかしら」
「しかも中は真っ暗だしね。何にも見えない」
「本当にこの先に地下庭園なんてものが……」
「とにかく行ってみよう。地下に行く階段は一つしかないって言ってたし」
リュカがゆっくりと階段を下り始めると、ビアンカは後ろから指先に火を灯しながら続いて歩いて行った。
地下に通じる階段は両手を壁に楽につけるほど狭く、火の明かりがなければ真っ暗で、とても一国の主が行くような場所には思えない。むしろ何か罪を犯した者たちが連れていかれるような牢獄を想像してしまう。壁も何か美しい彫刻が彫られているわけでもなく、ただの平らな壁だ。その色すらも何色だか分からない。二人は一体どこまで続くのか分からない階段を慎重に下りて行った。
しばらく下りていくと、リュカは火の明かりに照らされる扉を見つけた。その扉も何の装飾もない、木で作られたどこにでもありそうな扉だ。取っ手もごく普通のもので、民家で使われるような簡単な鉄製のものだ。リュカがその取っ手に手をかけると、ドアは何者も拒まないというように自然に開いた。
暗い階段を下りてきたため、二人は初め庭園の明るさに目を開けていられなかった。しかしそれはすぐに収まり、目を開けて改めて景色を見ると、二人は思わず言葉を失った。
まるで月夜に照らされる静かで美しい庭園が、遥か遠くまで広がっていた。階段を下ってきたはずなのに外に出てしまったのだろうかと上を見上げると、高い天井近くには小さな月のような明かりが無数にふわふわと浮かび、その優しい光が庭園を淡く照らしていた。見たこともない不思議な空間に、リュカもビアンカもしばらくその場に立ち止まり、得も言われぬ感動を覚えた。
二人が美しい庭園の景色に浸っていると、突然近くから男の笑い声が聞こえた。二人は驚いて声のする方を見ると、そこには装備を固めた城の兵士が立っていた。
「砂漠の城にこのような庭園。さぞや驚いたであろう」
二人の旅人がまるで子供のように口を開けてぽかんと庭園を見つめている姿を、兵士は面白がって見ていたらしい。そんな穏やかな口調とは裏腹に、兵士の右手には大きな槍が握られている。
「これも女王様のお力の賜物なのだ」
兵士の言葉に、リュカもビアンカもアイシス女王の姿を想像する。これだけの素晴らしい庭園を地下に作るなど、とんでもない魔法が使える人なのだと、二人は偉大な魔法使いを思い浮かべた。
「ふ~ん……ここの女王様は何だかすごいチカラを持っているのね」
「人一人の力で、こんな庭園ができるものなのかな」
リュカはそう言いながらも、庭園の景色を見渡す。遠くに庭園を歩く人を見つけ、あっと声を上げると兵士に問いかけた。
「あの人が女王様ですか?」
リュカの指差す方を見もせずに、兵士は笑って答える。
「違う違う。君が見たのは庭の手入れをする召使いだ。庭園を管理するのに、数人の召使いがこの庭を手入れしている。その一人だろう」
「これだけ綺麗な庭園だものね。手入れをするにも人手がいりそう」
「召使いと女王様を見間違うことはない。女王様には眩いほどの美しさ、それに未来を知る能力もおありになるのだからな」
「未来を知る?」
「そうだ。女王様は再び世界が闇に覆い尽くされようとしていると予言なさり、伝説の勇者様の再来を待っておられるのだ」
「伝説の勇者の再来って……それって伝説の勇者は必ずいるってことだよね」
「じゃあ、勇者の再来まで秒読み段階ってことなのかしら」
未来を知る力を持つテルパドールの女王が勇者の再来を待っているという事実に、リュカは勇者と言う存在にぐっと近づいた気がした。この神秘的な地下庭園の雰囲気も相俟って、リュカにはすぐそこに勇者がいるのではないかと、そんな気にすらなっていた。
二人は兵士に女王の居場所を聞き、庭園の中を歩き出した。地下庭園には夜の静けさが満ち、無数の小さな月に照らされる花からは人の心を惑わせるような匂いが漂う。言葉もなく庭園を歩き続けていた二人だが、隣を歩くビアンカがふと足を止めたのを見て、リュカは後ろを振り向いて首を傾げる。
「どうかしたの、ビアンカ」
「……ううん、何でもない」
「何でもないって顔じゃないよ」
ビアンカの表情はどこか暗く沈んでいる。先ほど兵士に聞いた話で、すっかり勇者への期待が膨らみ、この状況を楽しんでいるものだとばかり思っていたが、何故か彼女の表情は暗い。
「何でもないわ。さあ、行きましょう」
何かを振り切って先に進もうとするビアンカの手を、リュカは掴んで引き留める。
「言ってよ、何かあるなら」
リュカが優しくも強い口調で問いかけると、ビアンカは夫と目を合わせないまま、俯いて言葉を草花に落とす。
「くだらないことなのよ」
「何でもいいよ。僕は君のことだったら何でも知りたいんだから」
「あの日のことをね、思い出しちゃって」
「あの日?」
「あの……ルドマンさんのお屋敷に泊めてもらった時の日のこと」
ビアンカにそう言われて、リュカも歩く庭園の景色が過去に見たことのある景色に似ていると気づいた。
サラボナの町で、リュカはルドマンから『明日、花嫁を選びなさい』と言われ、落ち着かない夜を過ごしたことがあった。ルドマンの娘フローラか、幼馴染のビアンカか。とにかくもう一度ビアンカと話がしたいと、リュカは夜のサラボナの町を歩いて、彼女が泊まるルドマンの別荘に向かった。
別荘の周りは、美しい庭園が整えられ、別荘は花の香りに包まれていた。夜に香る花の香りは、辺りがしんと静まり返っている雰囲気もあるせいかとても強く感じられた。そんな強い空気の中、ルドマンの別荘のテラスに、まるで天女のような美しいビアンカを見つけ、リュカは一体今まで何を迷っていたのだろうとさえ思ってしまった。彼女のことが大好きなのだと改めて気づかされた。彼女と離れ離れになることなど考えられないと思った。
「……あんまり、思い出したくないね」
リュカはぽつりとそう言った。その後、ビアンカにはっきりと振られたのだ。あくまでもリュカは弟なのだと、彼女ははっきりと彼に告げた。
「今ではわざと振ったんだって知ってるけど、それでもあの時は本当に辛かったよ。何だか全てが終わった気がした」
「大袈裟ね」
「本当だよ。本当に僕の全てが終わったんだって思ったよ。これからのことなんて何も考えられなかったよ」
「そんなの、私も一緒よ。振った方だって辛かったんだから」
そこで言葉を止めながらも、二人は地下庭園を歩き続ける。見れば見るほど、ルドマンの屋敷を囲む美しい庭園と似ている。それと言うのも、この地下庭園が天井にある無数の月明かりのような明かりに照らされ、地下庭園中に花の香が満ち、神秘的な空間として完成されているため、二人の心に惑いが生じているからかも知れない。二人には偶然、同じような場所での同じ経験があるから、同じ惑いを感じているが、この場所には人の惑いを生じさせる何か特別な空気が漂っているに違いなかった。たとえ何者かがこの場所に悪意を持って入り込んだとしても、その悪意は庭園の空気に鎮められてしまいそうだとリュカは感じた。
「何だかここにいると、落ち着かないような気持ちになるのね」
ビアンカも同じようなことを感じていたらしく、月夜に照らされるような静かな庭園の景色を見渡しながら、どこか不安な感情を目に表している。文句のつけようのない美しい庭園には、手入れされた草花から癒しの力を得ることもできるが、同時に心の奥底で眠っていたはずの不安が露わにされ、その不安が大きくなるような錯覚を覚える。その不思議な力が、この美しい庭園を守っているのではないか、リュカもビアンカもそのように感じていた。
リュカは隣を歩くビアンカの手を強く握った。自分の中にも起こり始める不安は、自分でどうにかするしかない。彼女の中に起こる不安は、自分が取り除いてあげればいい。この庭園に漂う独特の雰囲気に飲まれないためには、不安を不安と思わなければいいのだと、リュカは繋いだ手に安らぎを覚える。
「だってここには女王様がいるんだよね。ちょっとくらい落ち着かなくなるのが礼儀なんじゃないかな」
リュカの言い方に、ビアンカは一瞬ぽかんと彼を見つめた後、噴き出してしまった。まさか彼女が笑い出すとは思わなかったリュカは、眉をひそめて妻を見る。
「何かおかしなこと言った?」
「だって、リュカの口から『礼儀』だなんて、似合わないなぁと思って」
「……まだ僕のことを子供扱いしてるだろ。僕だって一応礼儀はわきまえてるつもりだよ。わきまえてない時もあるかも知れないけど」
「うんうん、分かってるわよ。リュカに礼儀がないとは思わないんだけど、何かね、そういうのとは違うところにいそうだなって思って」
「違うところにいるって、何」
眉をひそめながら聞くリュカに、ビアンカはうーんと唸りながら考える。
「何だか人間の礼儀って建前って気がするけど、リュカのは建前って感じがしないなぁって」
「建前ねぇ……」
「だから魔物の仲間たちだってあんなにリュカを慕ってついてきてくれてるんじゃないかしら。建前のある人間に、魔物はついてこないと思うわ」
リュカもビアンカも、二人で話しながら歩いているだけで、心が惑わされずしっかりと落ち着いてくるのを感じた。ここはテルパドールの地下庭園で、サラボナのルドマンの別荘を囲む庭園ではない。天井に灯るいくつもの明かりは月ではなく、特別に光る何かの鉱物のようで、それに何かしら魔法の力が加えられているだけだ。どこからかそよぐ風に揺れる花々も、よく見ればサラボナでは見たこともない花ばかりだ。花から漂う香りも、サラボナで感じたものとは違い、もっと異国を感じられるものだと気づく。冷静にこの場の景色を見渡して、リュカもビアンカも何か幻惑の呪文から解き放たれたような感じを受けていた。
庭園にはちらほらと人の姿も見える。兵士の姿も数人見られるが、多くは庭園の草花を手入れする者たちのようだ。それらは主に女性で、各々穏やかな表情で仕事をしている。
「さあさ、お花のお手入れをしなくっちゃ」
そう言いながらこれから仕事を始める一人の女性の横を、リュカたちは挨拶をして通り過ぎようとした。すると少しふくよかなその女性はにこやかに挨拶を返しながら、ビアンカを見て言葉を失ったようだった。ビアンカが不思議そうに首を傾げると、女性ははっと夢から覚めたように声を上げた。
「まあ! あんたも美人だねぇ。女王様に負けないほどだよ」
思いも寄らない言葉をかけられ、ビアンカは思わず顔がかーっと熱くなるのを感じた。
「まあ、おばさんたら……。お上手なんだから!」
「お世辞なんかじゃないよ。女王様はもちろんとびきりの美人だけどさ、あんたは……何て言うか、こう、内面からもキレイが溢れ出てる感じがするよ」
「内面から?」
「そうそう、そんな感じがするね。男前な彼の隣を歩いているからかもねぇ。女は大好きな男の隣にいれば、それだけでキレイになるってもんさ」
花の手入れをする女性から恋人同士だと思われた二人は、それを否定することもなく、ただ互いに目を見合わせ、すぐに互いに目を逸らしてしまった。あまりにも直感的な女性の言葉に、二人とも自分の感情をどうしたらよいのか持て余してしまう。
「ま、それでも女王様の美しさを見たら、びっくりするだろうけどね。この世に二人といないよ、あのようなお方は」
花の手入れをする女性が国の女王を誇りに思っていることは明らかだった。それはこの国の人々全てに共通する意識のように感じられた。テルパドールの女王はまたとない美しさを持っているのと同時に、またとない魅力を持ち合わせた女性なのだろう。
二人は庭園の道をゆっくりと歩き続けた。落ち着いて見てみれば、庭園はとても優しさに満ちていた。初めに感じていた魔法がかった不思議さは、どういうわけか今ではほとんど感じられない。無数の月明かりに照らされたような庭園の光景は変わらないが、そこにもう不安は生まれない。
「うふふ、テレちゃうね」
しばらくしてビアンカがふと一言そう漏らした。先ほど出会った庭の手入れをする女性の言葉を思い出し、両頬を抑える妻の姿を見て、リュカは思わず顔を綻ばせる。
「夫婦だとは思われなかったみたいだね」
「それにしてもここの女王様ってどれだけキレイな方なのかしら」
「さっきここで会った兵士の人も言ってたもんね。『まばゆいほどの美しさ』って」
「さすが女王様ともなるとそれだけキレイじゃないといけないのかしらね」
「さあ、どうなんだろう。それだけじゃあダメだと思うけど」
リュカには眩いほどの美しさを持つ女王という者が想像できない。女性の美しさは人それぞれで、一様に『美しい』と表現できるものでもないと感じている。それにリュカとしては妻のビアンカ以上の美しさを持つ女性はこの世にいない。たとえテルパドールの女王を実際に見たとしても、ただ美しいと思うだけで、感情が揺り動かされることはないと確信している。
「でも私はリュカにだけキレイと思われてたら、それでいいの……」
ビアンカの呟くような一言を聞いて、リュカは胸の辺りからかーっと熱くなるのを感じ、返す言葉が見つけられないまま黙り込んでしまった。少し身を寄せてきた彼女にほんの小さな不安を感じ、リュカは彼女の不安が消えるようにと、繋いでいた手を離して肩を抱き寄せるようにして歩き始めた。
庭園の一角に、ちょっとした広場があるのを見つけ、二人はそこに向かって歩いて行った。広場とは言っても、数本の柱が立ち並び、広場の上には大きな屋根があり、その中の空間にはゆらゆらと明かりが灯されている。テーブルに椅子に、心地よい昼寝が出来そうな大きな凭れ椅子が置かれている。屋根付きの広場内にも手入れのされた植物が鉢や花瓶に丁寧に飾られていて、広場全体を上品な雰囲気に仕上げている。
大きな凭れ椅子に、一人の女性が寛いでいた。目を閉じ、まるで眠っているようだが、その姿にはどこにも隙が見られない。女性の体全体から放たれる独特の空気は、誰もが容易には近づけないように感じられる。ひと際煌びやかな衣装を身にまとっており、頭には冠が乗せられており、一目でこの国の女王だということが分かる。しかしそこに漂うのは威厳という簡単なものではなく、神秘的で魅惑的で、恐らく世界中を探してもこの女性にしか持ち得ない雰囲気を醸し出していた。
まだ遠くに立ち止まるリュカたちの存在に、女王はまるでこの城に入った時から気づいていたかのように、静かに目を開けると二人に微笑んだ。化粧を施した顔ではあるが、彼女の美しさが化粧によって成り立っているのではないことは、誰にでも分かる。目鼻立ちのはっきりとした、すらりとした長身の女性、髪はリュカと同じように黒く、近くに灯る火にゆらゆらと艶めいている。唇に差した紅は赤く、しかしそれが派手と言うわけではなく、気品に満ちている。
「ようこそいらっしゃいました」
その声には意外にも、快活さを感じた。決して気品ばかりを持ち合わせているわけではない。彼女には全てを受け入れようとする寛容さや優しさがあった。
「私がこの国の女王アイシスです」
凭れ椅子から立ち上がり、アイシス女王は二人の旅人に恭しく頭を下げる。リュカもビアンカもまだ女王に対し一言も発していないが、既に会話を始めているかのような雰囲気になっている。アイシス女王の優しさに満ちた微笑みに安心すると同時に、リュカもビアンカも彼女に心のどこかをつかまれているような気がして落ち着かなかった。
「あなたも伝説の勇者様のお墓をお参りに来たのですか?」
これまでにも幾人もの旅人を、同じ理由で迎え入れているのだろう。話のきっかけを与えてくれた女王に感謝しつつ、リュカは応える。
「そうです。それと勇者の……」
そう言いかけて、リュカは言葉を止めた。アイシス女王がリュカの目をじっと見つめ始めたのだ。その視線に、リュカは続けて言おうとしていた言葉が喉の奥に引っ込むのを感じた。アイシス女王の身長はリュカと変わらないほど高い。真正面から女王の視線を受け、リュカは今、彼女に心の奥底を見透かされているのではないかと思った。
「いいでしょう。あなたには何かしら感じるものがあります」
何かの呪文から解き放たれたように、女王の視線が和らぐと、リュカの体の緊張も一気に解けていった。隣でビアンカが腕をさすってくれなければ、その場に尻餅をついていたかもしれなかった。それほどの脱力感があった。
「案内しましょう。私についてきてください」
女王はそう言うや否や、庭園に向かって歩き出した。背が高く、足も長いからか、歩く速度が速い。足元までを覆うような長いスカートを履いているが、足にまとわりつくスカートなど問題ではなく、不思議なほどの速さで庭園を歩いていく。ビアンカも決して背が低いわけではないが、女王の歩く後をついて行くには少し小走りするほどだった。
地下庭園から地上に出るまでの階段は暗い。その手前で女王は立ち止まり、リュカの後からついてきていたビアンカに手を差し伸べる。
「あなたが先を歩いた方が良いでしょう」
「えっ? どうして?」
「ここは暗いですからね、うっかり踏み外してしまっては大変です。特に今は……そんな感じがいたします」
「? どういうことだろう」
「……さあ、分からないけど、そう言うことなら私が先に行くわね」
女王の進言に素直に従い、ビアンカは女王の後を歩き出した。アイシス女王はそれまでの早歩きから一転して、今度は旅人を気遣うようにゆっくりとした足取りで階段を上っていった。時折ビアンカを振り返り、彼女の様子を窺い、そしてまた歩き出す。そんな二人のやり取りを後ろから見ながら、リュカは何か自分の知らない世界がそこにあるような気がして、少し疎外感を感じていた。
地上に出ると再び女王は足取りも早く、目的の場所へと向かった。リュカもビアンカもてっきり城の中のどこかに向かっているのだろうと思っていたが、女王の姿は城の出口に向かっている。後をついて行って、外に出ると、途端に砂漠の熱に包まれ、二人とも息が詰まった。城の涼しさが特別なのであって、城の外の砂漠の熱がここでは普通なのだと思い知らされる。二人が顔をしかめる中、砂漠の女王は何も特別なことはないとでも言うように涼し気な顔のまま、歩く速度もそのままに長く続く廊下をずっと歩き続ける。女王の姿を見失うまいと、二人も急いで女王の後をついて行った。
行きついた先には小さな建物があった。テルパドールの城の一部のようだが、明らかにここだけが異なる雰囲気に包まれている。建物の両脇には、まるでこの中の物を守るように恐ろしい顔をした獣の彫刻が置かれている。扉にも彫刻が施され、それはアイシス女王の頭に乗る冠と同じ蛇の模様のようだった。
女王が扉に手をあて、じっと目を閉じると、扉が淡く光った。すると、それまでそこにあった扉が消えてなくなり、ぽっかりと暗い入口が開いた。女王に促され中に入ると、再び扉がどこかからか現れ入口を塞ぎ、同時に中でぽっぽっと音を立てて火が灯った。この城のいたるところに何かしらの魔法がかけられているのかと、リュカは行く先々で灯る火を見つめながら、前を行くアイシス女王がいくつもの下り階段を下りる後を追いかけた。
いくつの階段を下りたか分からないが、最後の階段を下りると、そこには淡い緑色に照らされる小部屋があった。緑色の光は、小部屋の壁に広がる緑色の宝石から放たれていた。リュカもビアンカも、この小部屋ほどの神々しい場所を訪れたことがなかった。リュカなどは神の存在を信じていないが、ここには神がかった力を嫌でも感じる。
「あなたは勇者様の墓を参りにいらっしゃったとのことでしたが……実を言うと、ここでは勇者様を祀ってはいますが、お墓ではありません」
「えっ? じゃあ、噂はウソ?」
勇者の墓があるという噂は、ポートセルミの酒場で聞いた話だった。リュカたちの旅の目的は伝説の勇者を探し出し、勇者にしか開けないという魔界の扉を開け、リュカの母を救い出すということだ。勇者と言う存在も、魔界と言う世界も、全てが不確かなもので、そんな不確かなものを探す旅を続けている。少しでも人の話に勇者という言葉が出れば、リュカはそれを確かめなくてはならない。そしてその話が真実である可能性は、そもそも低いのだ。
「世界を救った後、勇者様がどこにゆかれたか、誰も知らないのです」
「それじゃあ勇者様のお墓がどこにあるかなんて、誰にも分からないわね……」
ビアンカもリュカと同じように肩を落としている。ポートセルミから長い旅を続けて、行った先で目的のものがないという現実は、かなり心に堪える。世界を救った勇者のその後が全く分からないというのも、一体その時何があったのだろうかと、リュカは思わず眉をひそめて考えてしまう。
「しかし我が国には代々天空の兜が伝わっていました。もし再び伝説の勇者様が現れれば、きっとこの兜を求めるはず」
そう言いながら、アイシス女王は祭壇に向かって歩いていく。祭壇の奥には、台座の上に女王が被るような冠が置かれているのだとリュカには思えた。両側に大きな羽根のような装飾があるが、それは鳥の羽根ではなく、竜の羽根のように見える。中央には青い宝玉が埋め込まれ、その宝玉には常に淡い光が湛えられている。だがとても頭部を守るための兜には見えない。たとえ装備しても、恐らく頭の大部分がむき出しになり、兜としての役目は到底果たせそうにない。
「同じ装飾よね、あれって」
ビアンカの言う通り、リュカもそう思っていた。彼らが既に手にしている天空の剣、天空の盾と同じ装飾が施されているのだ。見覚えがあると思ったのは、それらと同じだからだった。
「その日が来るまで、兜を守るため、ここを建てたのです。さあ、あなたもその兜を被ってみてください」
女王に促され、リュカは祭壇を上り、台座に置かれた天空の兜を間近に見下ろした。青い宝玉をじっと見ていると、心が安らぐような気がした。伝説の兜に埋め込まれた宝玉には、相手の心を静める効果があるのかもしれない。
リュカは丁寧に天空の兜を両手で持つと、ゆっくりと被ってみた。リュカの頭よりも少し大きいようで、すっぽりと被ることができた。
「リュカが装備できたってこと?」
ビアンカがそう呟く前で、リュカは大きいせいで頭に不安定な天空の兜が、少し動くのを感じた。まるで兜自体が生き物のように、リュカの頭に合わせて小さくなったり、また大きくなったりと、兜のサイズが様々に変わる。リュカは頭の上で動く天空の兜に驚きながらも、絶対的なその力に為す術もなく、ただ兜が落ち着くのを待った。
ふとその動きを止めた兜は、リュカの上で急に鉛のように重くなった。ずっしりと頭の上に乗る天空の兜に、リュカは身体を支えることもできず、思わずその場に膝をついた。とてもこんな重いものを頭に被ってはいられないと、両手で持ち上げた兜は、一転してまるで紙のように軽かった。リュカは嘘のように軽くなった天空の兜を、首を傾げながら台座に戻した。一部始終を見て、アイシス女王が小さく嘆息する。
「やはりダメでしたか。あなたには何かしら感じたのですが、思い違いだったようですね」
アイシス女王がテルパドールを訪れる旅人を歓迎するのには、近い未来に現れるに違いない勇者を心待ちにしているという理由がある。その存在はテルパドールと言う国にはなく、どこからか急にやってくるのだと、彼女は予言し、信じている。この国に祀られる勇者の墓を訪れる旅人には全て自身が会い、その人物を見定め、何かを感じた者にだけ天空の兜が祀られるこの祭壇に連れてくるのだ。そして天空の兜が装備できるかどうか、その者が伝説の勇者であるかどうか、伝説の守護者である女王が確かめる。
「では戻ることにしましょう。ついてきてください」
祭壇の間を出ていく女王の足取りは、先ほどよりもいくらかゆったりしているようだった。それが彼女の落胆を表しているようで、階段を上り姿を消した女王の後ろ姿を瞳に残しながら、ビアンカが気遣わし気に呟く。
「何だか女王様をガッカリさせちゃったみたいね」
彼女の声を聞いて、リュカも隣で頷く。恐らくアイシス女王はこれまでにも、数は少ないかも知れないが数人の旅人をこの部屋に招き入れ、天空の兜を被ることができる勇者を探し出そうとしていたはずだ。そしてその度に彼女の期待は裏切られ、再び勇者を待つ時間が始まる。今もまた、彼女の勇者を待つ時間が始まってしまった。
「私、リュカならもしかしてって思ってたんだけど……天空の剣も装備できないし、やっぱり違うのかな」
台座に置かれた天空の兜を見つめながらそんなことを言うビアンカに、リュカが寂しそうに笑って答える。
「僕は違うよ。父さんだって違ったわけだし」
「リュカは特別な人って感じがするんだけど」
ビアンカの言う『特別な人』がどういうものなのか、リュカには分からなかった。もし自分が特別な人間だということならば、それは魔物を仲間にして旅をしていることだろう。しかし魔物と分かり合えることが特別だとはリュカには思えない。魔物に対する敵意や偏見を無くせば、誰でも分かり合えることができるはずなのだ。
「そんなことを言うんだったら、君も特別な人って感じがするよ」
「私が?」
じっと兜を見つめていたビアンカは、リュカの一言に彼を振り向く。部屋全体が緑色に淡く輝き、その光に照らされるビアンカも淡い緑色に染まっている。彼女の艶のある金髪も緑色に輝き、まるで別人に見え、リュカは一瞬息を呑んだ。彼女ではない誰かが目の前に立っているような気がした。
「そうだよ。……そうだ、ビアンカも兜を被ってみればいいんだよ。もしかしたら君が……」
「私は違うわよ。だって私だって天空の剣を装備できないもの。それに私は普通の村娘よ。伝説の勇者の子孫たるものが、普通の村娘になんてなるはずないじゃない」
自分など端から問題にならないと言わんばかりにビアンカは笑いながら話すが、リュカには彼女がただの村娘などとは思えなかった。考えてみれば、彼女の素性は何も分からないのだ。ダンカン夫妻に拾われ、育てられた素性の分からない女の子。どのような経緯で彼女がダンカン夫妻に拾われたのか、そもそもどうして彼女は実の親と離れ離れになってしまったのか、何も分からないままだ。
「それに女王様がいない今、勝手に兜を被るなんて許されないことよ。さあ、女王様のところへ戻りましょう」
ビアンカはそう言うと、もう一度兜に目を向けた後、天空の兜が祀られた小部屋を出て行った。彼女の言う通り、アイシス女王がいない今、勝手なことをして許される状況ではない。リュカはしばらくの間台座に置かれる兜をじっと見つめていたが、自分にできることは何もないと妻の後を追って部屋を出て行った。
誰もいなくなった小部屋は、元の落ち着いた緑色の明るさを取り戻した。リュカとビアンカという二人の旅人が訪れた時、勇者を祀る小部屋の明かりが、まるで二人を待っていたかのように仄かに淡く輝いたことに二人は気づかなかった。二人の旅人に出会い、一時眠りから覚めた兜だったが、その目覚めは一瞬で、再び台座の上で眠りについたようだった。



テルパドールの地下庭園には時が止まったかのような雰囲気が存在する。ここは常に夜で、手入れされた庭園の花々からはいつでも良い香りが漂う。庭園の中には小川のような小さな水の流れがあり、涼し気な音が園内に響いている。外の灼熱地獄を全く想像させないこの楽園のような空間で、テルパドールの女王は常に未来を見据えている。
「私は少しですが、人の心を読むこともできます」
地下庭園に戻ったリュカとビアンカは、再びアイシス女王と対面し、話をしていた。女王は凭れ椅子に背筋を伸ばして腰かけ、リュカとビアンカは客人用の椅子に腰かけていた。
「多分、あなたの勇者様を強く求める心が私を感じさせたのでしょう」
リュカの旅の目的は世界のどこかにいるはずの勇者を探し出し、勇者に魔界の扉を開かせ、魔界に連れ去られた母親を救い出すことだ。生前、父パパスが成し遂げられなかった目的をリュカが継ぎ、それはもはやリュカの人生となっている。
「僕は、勇者を見つけなくちゃいけないんです」
リュカがそう思うのは、父への強い想いがある。幼い自分が父の旅の邪魔をしてしまった。自分のせいで父が目的を成し遂げられないまま死んでしまった。生きている自分は父の代わりに母を捜し出さなければならない。その目的を達成するまで、自分は死ぬわけには行かない。リュカが旅をする目的は、それだけだった。
「なぜそれほどまでに勇者様を求めるのか、事情を聞かせてくれますか?」
アイシス女王にしても、今までにリュカほど勇者と言う存在を近くに感じたことがなかった。これまでにも幾人もの勇者を求める旅人がこの地を訪れているが、彼らにとって勇者は過去の人であって、伝説の中に生きる勇者を追い求めてこの地を訪れてきたものがほとんどだった。中には伝説の兜の噂を聞きつけ、勇者に憧れるふりをして兜を盗み出そうとする輩もいたが、その者たちはこの庭園の魔力や女王の神秘的な力にひれ伏し、すごすごとテルパドールを去っていった。
「リュカ、女王様にはお話した方が良いと思うわ。きっとお力を頂けると思うの」
ビアンカの言葉に背中を押され、リュカは自身の旅の経緯を包み隠さず話した。幼い頃から父に連れられ旅をしていたこと、父が母を捜す旅をしていたこと、母が魔界に連れ去られていること、魔界に入るには勇者の力が必要だということ。今までの旅の中で、ここまで詳しい話をした相手はいない。リュカ自身、そこまで詳しく話をするつもりはなかったが、アイシス女王の前にいると全てを話したくなってしまう独特の雰囲気に包まれるのを感じた。彼女には他の者にはない特別な力があるのは明らかだった。
「まあ! それでは亡き父に代わって母親を魔界から救い出すために!?」
リュカの話を聞いて驚く女王を見て、リュカもビアンカも思わず息を呑んだ。女王ともなれば旅人から様々な話を聞いていて、さほど珍しい話でもないだろうとリュカは思っていた。もっと深刻な事情を抱えて旅をしている者もいるに違いない。
「もしやその父とはパパス王のことではっ!?」
アイシス女王の言葉に、リュカは耳を疑った。女王は確かに今、父の名を口にした。リュカが返事をすることもできずに、ただ目を見開いて口を開きかけているのを見て、アイシス女王は高ぶっていた自身の心をまず落ち着けようと深く呼吸をした。
「この地より海を越えたはるか東の国、グランバニア。その国のパパス王が攫われた王妃を助けるため、幼子を連れて旅に出たと……旅人の噂に聞いたことがあります」
まるで自分のことを言われているようだと、リュカは女王の話に胸が締め付けられる思いがした。ただの旅人の噂だと思えれば楽だが、あまりにも自分を取り巻く現実と同じで、旅人の噂から逃げ出せそうもない。女王の話に、リュカは幼い頃父に連れられ旅をしていた時のことをありありと思い出してしまう。様々な地に連れられていたような気もするが、それは子供の世界でのことで、もしかしたら大した距離を旅していなかったのかも知れない。
「もしその幼子があなたなら、東の国グランバニアに行ってみるといいでしょう」
「グランバニア……」
初めて聞く国の名前だが、リュカの頭にはすっと馴染んだ名前だった。一度聞いたら、忘れられない響きを持った国の名だった。
「世界のことに関して詳しい話が知りたいならば、城の学者を訪ねると良いでしょう。グランバニアの場所についても教えてくれると思います」
女王が現実的な話をし始めると、リュカも途端に現実に引き戻され、女王を訪ねた所期の目的を思い出した。
「そうだ、僕たちこの国で仕事を探さなくちゃいけないんだった」
「仕事を?」
「旅をするにもお金が底をついてしまって……。城の中で働くには女王様の許しが必要だと聞いてたんですが」
「まあ……そうですか。ではこの地で働けるよう書面を出しておきましょう。これがあれば、この城のどこでも働くことができます」
女王は近くにいる侍女を呼びつけると、すぐにテルパドールでの就労許可証を発行した。どうやらテルパドールを訪れる旅人の中には資金が尽きる者も珍しくなく、女王も慣れた手つきで許可証にサインをしていた。
「本当ならばあなたの旅の資金を援助したいところですが、それをすると不平等が生じますので……」
アイシス女王はそう言うと、リュカとビアンカに向かって頭を下げた。彼女は心底、リュカたちの旅の手伝いをしたいと思ったのだ。それほど彼らに特別なものを感じ取っていた。
アイシス女王から就労許可証を受け取り、リュカとビアンカは再び地下庭園を歩いて行った。旅の資金が貯まり、再びこの国を出る時には女王に挨拶に来ると言って、女王との対面を終えた。
地下庭園を歩きながら、リュカはずっと黙り込んだまま考えていた。その視線は庭園の景色には定まらず、どこか遠いところを見つめているようだった。
「私、グランバニアに行ってみたい」
同じように考え込んでいたビアンカが、思い切ってリュカにそう告げた。歩みを止めた妻を振り返り、リュカは彼女の真剣な顔を見つめる。
「ねぇ、リュカ、行きましょう」
「でも、まだどこかも分からないし、行けるところかも分からないよ。とんでもなく遠いところだったら……」
「何を言ってるのよ。私たち、こんな広い砂漠を越えてテルパドールに来れたじゃない。グランバニアがどんなところだって、きっと行けるわ」
「そんな簡単に考えるのは良くないよ。旅に無理は禁物。もし君や仲間のみんなに何かがあったら……」
「そこへ行くと、リュカの何かが分かるような気がするの」
ビアンカの真意に触れると同時に、リュカは自身の中に沸き起こった真意にも気づき、思わず彼女から視線を逸らしてしまった。
グランバニアのパパス王が王妃を助けるために幼子を連れて旅をしていた。幼い頃のリュカとぴたりと一致する状況は、単なる旅人の噂では片づけられない。そしてそれ以外の真実を、リュカは何も知らないのだ。しかし父が一国の主だという旅人の噂は余りにもリュカの想像とかけ離れていて、素直にその話を受け入れる気になれないのも事実だ。
「もし、僕の父さんがその国の王様だったら、どうしてこの国に天空の兜があるって知らなかったんだろう。噂くらいは聞いててもおかしくないと思うんだけどな」
「もしかしたら噂くらいは耳にしていたかも知れないわよ。ただこの地を訪れなかっただけで」
「どうしてここに確かめに来なかったんだろう」
リュカはそう呟きながら、幼い頃の父とサンチョとの旅を思い出そうとした。記憶が薄れて、かなり断片的にしか思い出せないものだが、その記憶の中に砂漠を旅した景色が一つも出てこない。もし父パパスがグランバニアの王だとしたら、テルパドールが広大な砂漠に囲まれた国だということを知っていてもおかしくはない。
広大な砂漠を旅するのがどれだけ命懸けなのかは、今回の旅で身に染みて分かった。大人となった今でも命を懸けて越えなければならない砂漠を、幼い子供を連れて行けるわけがないと、リュカは過去の父の苦悩に遭遇したような気がした。結局ここでも、幼い頃の自分が父の旅の邪魔をしていたのだと考えるのが自然の流れだった。
「……僕のせいで、来れなかったんだ、きっと」
「リュカ……」
「どれだけ僕は父さんの邪魔をしてきたんだろう」
「ねぇ、そんな風に考えるのは止めましょう。それに今となっては何も分からないのよ。お父様がグランバニアの王様だってことも、まだ何も分かってないんだから」
ビアンカに言われ、リュカは冷静さを取り戻すことができた。旅人の噂に上るパパス王は全くの別人かも知れず、王様が単独で王妃を捜す旅に出ることも考えてみれば現実的ではない。一国の主であれば、王妃を捜索するには国の兵士など人を出せば良いことなのだ。
「とにかく、次の目的地はグランバニアね。決まりっ」
明るく言い放つビアンカを見て、リュカは改めて妻の優しさに心の中で感謝する思いだった。ビアンカはいつでも自分の心を救い出してくれる。困った時、落ち込みそうになった時、必ず隣で支えてくれる彼女に、リュカは彼女と一緒になれて本当に幸せだと感じた。
「……と、その前にお金をどうにかしないとね。私はさしずめ、お城の厨房辺りで働くのがいいかしらね」
「僕は……さっきの訓練所に行ってみようかな」
「あ、それいいわね。どうも実践に長けてない感じだったものね。行って『実践はそんなに甘くない!』って教えてあげたらいいわ」
「教えられるかどうかは分からないけど、とりあえず話してみるよ」
今更、過去のことを色々と考えたところで、何も答えは出ない。大人になり、色々と知ったようにも思えるが、まだまだ知らないことだらけなのだ。とりあえずは目の前のことをと、リュカはビアンカと手を繋ぎながら地下庭園の出口へと向かって歩いて行った。

Comment

  1. […] さて、本編を更新しました。 「砂漠の民の使命」 […]

  2. ケアル より:

    ビビ様!
    ゲームでは数分で終わるイベントをよくまあ、ここまで話を厚くして描写しましたね流石です!
    それにしても、リュカとビアンカを話させる描写…よく毎回、話のネタが、つきないぐらい会話をさせますね。すごいです(笑み)
    今回もニヤニヤさせてくれますね、この夫婦(笑み)
    アイシス女王、ゲーム本編でもリュカに感じるものがあるというだけで、ビアンカORフローラorデボラには、何もふれませんが、今思えば、アイシス女王は、妻の方に感じるものがあったのかもと、ほりいゆうじ(漢字を忘れました)先生に聞いてみたいものです。
    次回はビビ様ワールド炸裂のストーリーですね。
    なんせゲーム内では語られない話ですもん。
    仕事話を楽しみにしています…。

    • bibi より:

      ケアル 様

      いつもコメントをどうもありがとうございます。
      ゲームでは数分で終わるイベントをこれでもかと引き延ばすのが当サイトの醍醐味であります(笑) 読む人が読むと、とてもじれったいサイトであります。
      夫婦で話のネタが尽きた時、それはきっと夫婦の危機ですね(汗)。そんなことにはなってほしくないので、これからもどうにか楽しく話をしてほしいものです。
      アイシス女王にも『勇者は男だ』という先入観があったのかも知れません。だからリュカに話しかけ、ビアンカには話しかけなかったのかも。未来を見る女王も、完全ではないと。
      次回は夫婦で頑張って銭稼ぎしてもらいたいと思います。リュカなど、まともに仕事をしたことがないので一体どうなることやら。唯一あるのは奴隷経験……まあ、この経験がある以上、何をやってもへたばらないでしょう。
      この時期は本当に体調を崩しやすいですね。ケアル様も早くお風邪を治されますようにm(_ _)m

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