母の友達、僕の従妹

 

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「サンチョ、父さんはどんな王様だったの?」
オジロン王との話を終えたリュカは今、サンチョと共にグランバニアの城下町へと向かっていた。リュカたちが王室を去る時にはもう既に日は落ち、王室内にも多くの明かりが灯されていた。これからサンチョがグランバニアの城下町を共に歩き、場所について説明をしてくれるということだが、夜になり時間も限られているということで、サンチョは数か所のみ案内すると言ってリュカの前を早足に歩いている。
「それはそれは国民の尊敬を集められていた立派な王様でしたよ。城下町では今もパパス様の話をする方が多くいます」
父パパスがこのグランバニアの国王だったことはリュカも既に城下町で噂を耳にしていた。その時も今のサンチョのように、パパス王は立派な王様だったと城下町の人は語っていた。しかしその話だけを聞いても、リュカには父が王様の姿をしてこの国を治めていた様子がまるで想像できない。父は常に自分と共にあり、旅装束に身を包み、向かってくる魔物に敗れることなく、しかしそれでも振り返れば優しい目を向けてくれていた。それはリュカの父であり、グランバニアの国王であったという事実とは相いれないものなのだ。
「坊ちゃんが首を傾げるのも無理はありません。何せパパス様はまだお生まれになったばかりと言っても過言ではない坊ちゃんを連れて旅に出てしまったのですから」
「母さんを助けるために……だよね」
リュカの窺うような声に、サンチョは静かに頷く。その時のことを思い出しているのか、眉間に皺が寄り、険しい表情を隠さない。
「坊ちゃんがお生まれになると、パパス様はすぐにマーサ様の元へ向かいました。ちょうど、今ビアンカちゃんがいるあの部屋です。あの部屋で坊ちゃんはお生まれになったのです」
「僕があの部屋で……そうなんだ」
「パパス様もマーサ様も、とても幸せな顔をしてらっしゃいました。生まれたばかりの坊ちゃんを抱き上げ、坊ちゃんのことを見つめるお二人の目には愛が溢れておりました。坊ちゃんはお父上とお母上に愛されて生まれてきたのです」
サンチョの言葉にリュカは見も知らぬ母のことを想像した。父に愛され、大事にされてきたのはリュカ自身心に感じていたことで、サンチョに言われることで改めてその実感を得られた気がした。しかし母に愛されていたというのは自分が想像するしかなかった。世の母親というものは我が子を無条件に愛するものなのだろうと、一般的な知識として想像することしかできなかった。自分の生まれ故郷であるグランバニアに無事に着いたとは言え、リュカにとってこの場所は全く知らない土地だ。オジロンやサンチョがいくらリュカが生まれた時のことを知っていても、リュカに赤ん坊の頃の記憶があるわけでもなく、こうしてサンチョの口から語られることを頼りにその時のことを想像することぐらいしかできない。だからこそ、リュカはサンチョからこの国のことを、自分の知らない父や母のことを色々と聞いておきたかった。
グランバニア城下町はすべてが建物の中に収められているため、たとえ真昼に城下町を歩いていたとしても、太陽の光に晒されるような眩しい景色がそこにあるわけではない。魔力が感じられる明かりが到る所にあり、そのおかげで城下町には常に困らないほどの明るさが保たれているが、太陽の光にはとても及ばない。今は外も夜になり、城下町のところどころにある窓から覗く景色も暗く、グランバニアを包む深い森は静けさに包まれている。外が夜を迎えると、グランバニア城下町内にも夜が訪れ、町を照らす明かりが少しずつ落とされ、リュカがビアンカと一緒に歩いていた時よりはかなり城下町の中も暗さを増しているようだった。人々が一日の生活を終えて眠りに着くころには、ほとんどの明かりが落とされ、町全体が静かな眠りに就くのだろう。
「坊ちゃん、こちらです」
城下町まで下りてくると、サンチョは様々な商店が立ち並ぶ町の中へ入って行くのではなく、下りてきた階段から東に伸びる通路を歩き始めた。通路とは言え、大きな広場ほどの広さがある場所で、植え込みには大きな木が植えられ、その木にもいくつか明かりが提げられている。夜になったからか明かりは半数ほど消えており、先に続く広場へ明かりが届いていない。まるで洞窟にでも入りそうな雰囲気に、リュカは緊張感よりも何故か気分が高揚するのを感じていた。
「実はね、坊ちゃんがお生まれになった時に、会ったことがあるんですよ」
「会ったことがあるって、誰のこと?」
「会ってからのお楽しみです」
サンチョはどこか楽し気に含み笑いをすると、明かりの届かない暗がりの中へと歩いて行った。リュカも絶対的な味方であるサンチョが悪いことを考えているはずもないと思いつつ、それでも目の前の暗がりに少しだけ警戒しながら、洞窟を探検する時のようにいつでも剣を手に取れるように身構えて歩いてついて行く。
暗がりの先には大きな上り階段があり、その先にはまた暗い空間が広がっているようだ。城下町でもこれほど暗い場所はないと言うほどに暗い空間に、リュカは思わず眉を顰め、首を傾げる。人間がいる気配はまるでなく、しかし何かが動いている気配はする。サンチョの後に続いて階段を上るリュカの鼓動は、自分でも聞こえそうなほど激しく鳴り響いていた。
「だれ?」
サンチョではない、子供のような声が聞こえた。真っ暗闇に近い部屋の中から子供の声が聞こえたことに、リュカは眉をひそめる。これほどの暗闇を好き好んでいる子供などいるものかと、リュカはサンチョの後ろから興味津々に顔を覗かせる。
「お客さんですよ。君たちに会わせたい人がいるんです」
そう言いながらサンチョは階段の上で腰をかがめると、まるで子供を抱き上げるかのように何かを手の中に抱えた。そして後ろのリュカを振り返ると、両手の中に収まる小さな生き物をリュカに見せる。
「……スラりん?」
サンチョが抱き上げているのは、一匹のスライムだった。暗い部屋の中ではあるが、リュカはその水色の雫型の魔物の姿がすぐに分かった。スラりんのようで、スラりんとはまるで違う生き物に見えるのは、性格の違いによるものだとリュカはすぐに気がついた。
「坊ちゃんのお仲間にもいらっしゃいますよね、スライム」
「うん、僕の仲間はスラりんって言うんだ。君の名前は?」
リュカが優しく問いかけると、サンチョの手の中にいるスライムは少し怖がるような目を向けながらも、体を震わせて小さな声で答える。
「……スラぼうって言うの」
「君は言葉が話せるんだね。すごいなぁ。とても優しい目をしてるね」
そう言いながらリュカがスラぼうを指先でつつくと、スラぼうは目をきゅっと瞑って、体をふるふると震わせた。
「いじめないでね。ボクは悪いスライムじゃないよ。昔、この城の王妃様だったマーサ様に飼われてたんだよ」
「えっ……?」
「そうなんです。スラぼうはマーサ様と仲良くなり、それからここでこうして城の中で暮らしているのです。たまに城下町を歩いていたりすることもあるんですよ」
サンチョがにこやかに話すのを、スラぼうは見上げながら嬉しそうに体を揺らしている。リュカは自分の母であるマーサが自分と同じようにスライムと仲良くなり、こうしてここで一緒に暮らしていたことに、母の一部を知ったような気がした。魔物と仲良くすることを、リュカは特別なことだとは思っていない。そしてそれはマーサも同じだったに違いない。人間と魔物、どちらも生き物であることに違いなく、それぞれが分かりあえるのならそれが一番良い事なのだと、マーサもスラぼうと仲良くなり、こうしてこの城の一部で暮らしていた。
「少し部屋を明るくしますよ。皆さん、良いですか?」
サンチョが暗い部屋の中に声をかけると、部屋を轟かすような魔物の声が響いた。リュカも真っ暗な部屋の中の気配に気づいてはいたものの、目の前のスラぼうの可愛らしさにすっかり警戒心を解いており、部屋の中から聞こえたいかにも魔物の声をむしろ意外に感じた。
サンチョが部屋の隅にある明かりを調節すると、大きな部屋の中の景色が薄ぼんやりと浮かび上がってくる。この広間の明かりはあまり使われていないらしく、初めはチカチカと明滅を繰り返し、少し壊れているような気配もあったが、魔力を燃料とする明かりは次第にその明かりを広間に広げ、リュカはこの部屋にいた魔物の姿に口をあんぐりと開けた。
「サンチョさん、珍しいですね、こちらに寄られるとは」
「皆さんにどうしても紹介したい人がいましてね、もうこんな時間だけど寄らせてもらいました」
「我ら魔物にとってはこれからが覚醒の時間です。構いませんよ」
サンチョと話をする魔物を、リュカは見たことがあった。グランバニアに来る際、チゾットの山越えをしていた時に遭遇したメッサーラという魔物だ。頭には大きな角を生やし、筋骨逞しい体つきをして二本足で立ち、背には竜のような蝙蝠のような骨ばった羽を生やしている。真っ赤な身体に禍々しさを感じるが、その表情は魔物とは思えぬほど穏やかなものだ。
メッサーラの後ろにも、ミニデーモンやキングスライム、それに今までリュカが見たことのない魔物の姿もあった。あまりにも大きな魔物の姿に、リュカは一瞬部屋の一部が動いたのかと思ったほどだ。ガンドフよりもマッドよりも体が大きく、全体的に四角い形をしていて、明かりに照らされるその姿はどうやら土か何かでできているようだ。動きが硬く、動くとミシミシと音がしそうな雰囲気があり、顔には一部窪んだ場所に二つの目が光っている。
「ここにいる魔物はマーサ様のお友達です。マーサ様が攫われてしまった後も城に残り、こうして待ち続けているのです」
「母さんの、友達……」
「かあさんって、何だよー?」
リュカの呟きにミニデーモンが首を傾げながら子供の用に無邪気に問いかける。実際、ミニデーモンは子供で、マーサを待ち続ける間も大して年も取らず、長い間子供のままでいる魔物のようだ。
「こちらはマーサ様の子供なんですよ。分かりますか、子供って?」
サンチョが魔物たちにそう教えると、メッサーラが目を見開いて息を呑むのが分かった。そしてリュカに近づき、その目をまじまじと見つめる。リュカも近づくメッサーラに微塵も恐怖を感じず、同じように彼を見つめ返す。互いに興味津々で、互いのことをよく知りたいという純粋な興味だけが働く。
「私は覚えています。マーサ様が見せに来てくれたことがありました」
「覚えてましたか。マーサ様、坊ちゃんが生まれたのがあまりにも嬉しくて、友達にも見てもらいたいとここまで坊ちゃんを抱っこして連れてきたことがありましたね」
「あの時の赤ん坊ですか……人間というのはあっという間に大きくなりますね」
「魔物に比べればとても短い人生なのでしょうなぁ」
「僕のことを知ってるんだね」
「まだ生まれたばかりの赤ん坊でしたがね。その後すぐにマーサ様は……」
メッサーラはそこまで言うと、悲し気に目を伏せた。そして全身を震わせて、その時の悲しみに耐えようとする。
「なまえはー?」
ミニデーモンが無邪気な様子でリュカを見上げている。人懐こい雰囲気が出るミニデーモンに、リュカはしゃがんで視線を合わせ、微笑む。グランバニアに来る途中で遭遇したミニデーモンには戦闘で声を真似され、リュカの仲間たちを危険な目に遭わされたが、目の前のミニデーモンは邪気のない目でリュカを見つめて来るだけの、純粋な子供そのものだった。
「リュカって言うんだ。君の名前は?」
「おれー? ミニモンだよ。マーサ様がつけてくれたんだー」
「そうなんだ。良い名前だね」
「うん、おれも気に入ってるんだー」
そう言いながら大きなフォークで床をトントンと叩く姿に、リュカはミニモンが完全に邪気を抜かれているのが分かった。しかしミニデーモンは元来いたずら好きな子供の悪魔で、その性分は邪気が抜けても残っているようだ。
『ほら、このこ、かわいいでしょ? リュカっていうの』
にこやかにミニモンを見つめていたリュカの表情が一変した。聞いたことのない元気な女性の声に、リュカは大広間を見渡した。すっかり明るくなった大広間だが、人間の女性もおらず、女性の声を出しそうな魔物の姿もない。
『みんな、なかよくしてあげてね』
「……ミニモン、マーサ様の声真似をするのはやめなさい。結局困るのは自分だろうに……」
「うえーん、マーサさまー」
メッサーラに注意されたミニモンは、自分で真似をしたマーサの声に昔を思い出し、寂しそうに泣き出してしまった。そんなミニモンを抱きかかえ、メッサーラはミニモンの背中をトントンと叩きながらあやし始めた。
「今の……母さんの声なの?」
「いつ聞いてもそっくりですな。まるでマーサ様がここにおられるかのようです」
ミニモンのように泣きじゃくりはしないものの、サンチョもにこやかな表情の中に目に涙を浮かべている。リュカは初めて聞くに等しい母の声に、特別な感情が湧きだすことはなかった。しかし頭の中で何度も繰り返し響く母の声に、マーサという自分の母は間違いなくここにいたのだということを実感した。
「ところでサーラさん、ここに新しい魔物の仲間を連れてきても大丈夫ですかね?」
サーラと呼ばれたメッサーラは、筋骨隆々とした真っ赤な両腕を前に組み、首を傾げてサンチョを見る。
「魔物の仲間とは? どういうことですか?」
「坊ちゃんが一緒に旅をしてきたお仲間たちが外にいるんです。今はグランバニア城壁近くで待っていらっしゃいます。マーサ様のお友達であるサーラさんたちと、坊ちゃんの仲間である皆さんと、きっと合うと思うんです」
「なんと! マーサ様以外に魔物を仲間にする人間がいたとは……やはりあなたはマーサ様の子供なのですね。見れば見るほど、マーサ様と同じ目をしています」
サーラが再びリュカの目を覗き込むと、リュカも応えるようにサーラのにこやかな目を見つめる。サーラに抱っこされているミニモンもいつの間にか泣き止み、リュカのことをじっと見つめている。
「たのしそう! どんなやつがいるの? つれてきてー!」
サーラの腕からぴょんと床に下りると、ミニモンはリュカの足元に寄ってきて、笑顔でリュカを見上げた。リュカはしゃがんでミニモンの楽し気な顔つきを見ると、自分も楽しい気分になり、笑顔で答える。
「僕の仲間にもスライムがいるんだ。ここにいるのはスラぼうって言う子なんだよね。僕の仲間はスラりん。それにプックルにピエールにマーリンに……」
「何だか沢山いそうですね。とりあえず魔物たちを連れてきてもらった方が良いかも知れません」
「ではもう夜も遅い時間になってしまうので、明日にでも来てもらうことにしましょうか。みんなでワイワイと楽しくなりそうですね」
この大広間にはスライムのスラぼう、メッサーラのサーラ、ミニデーモンのミニモン、それにキングスライムのキングス、そして今までリュカが見たことのない魔物ゴーレムのゴレムスが住んでいた。彼らは日々この城で世話になり、その見返りとして城の防備に当たっているらしい。有事の際には彼らはいつでも戦う心づもりができており、人間が寝静まる夜にその活動を行っているという。彼らはこれから人間が寝静まる時間に、城の城壁周りを見回って、グランバニアの安全を保つことに貢献しているのだ。
「リュカ殿、あなたのお仲間に会えるのを楽しみにしています」
まるで聞いたことのあるような言葉遣いに、リュカは思わず小さく笑ってしまった。
「サーラさんはピエールと話が合うかもね。なんだか、似てるよ」
「ピエールさん、ですか。ふむ、早く話がしてみたいものですな」
サーラは顎に手を当てて考えるように鼻から息を吐くと、大広間にいる仲間たちに呼びかけ、警備の支度をするようにと指示をした。スラぼうもミニモンも元気な声を上げて、まるで外に遊びにでも行くかのように弾んで部屋を出ようとし、サーラに諫められている。キングスはリュカのことをじーっと見つめた後、柔らかい巨体をリュカに擦り寄せて挨拶をした。言葉は話せないらしく、ただにこにことリュカを見つめ、体を摺り寄せる。ゴレムスは窪んだ中に光る目でリュカのことを観察していたが、リュカに近づいてくると、大きな右手をすっと差し出した。リュカはすぐに握手を求めているのだと理解し、同じように右手を差し出す。しかしゴレムスの手をリュカの手では大きさが違いすぎ、とても握手ができるような状態ではない。リュカは少し考えて、ゴレムスの大きな手を自分の両手でぎゅっと握ると、それで仲間になったことの挨拶とした。ゴレムスも納得が行ったように、ゆっくりと一つ頷き、リュカの頭をその大きな手で撫でた。
「リュカ、ヨロシクナ」
地の底から響くような低い声に少し驚いたリュカだったが、ゴレムスの声には温かみが感じられた。マーサと友達という立場上、その子供であるリュカはゴレムスにとってもまるで子供なのだろう。リュカの頭を撫でたのは、ゴレムスがリュカを子ども扱いしている印だった。
「こちらこそ、よろしくね」
「それでは城の警備に行ってまいります」
「はい、よろしくお願いします。何か異常があればすぐに知らせてください」
サーラとサンチョのやり取りの間に、多少の緊張感が生じる。それというのも、この国が一度魔物の襲撃を受けたからに他ならない。マーサが連れ去られ、いまだに戻ってこないという状況に、マーサの友達は悔やんでも悔やみきれない思いを抱いている。二度とこの国を魔物に襲わせてはならないと、固い決意を持って、日々の警備に当たっているようだ。
「坊ちゃん、良かったですね、お友達が増えて」
魔物たちが外に出ていくと、サンチョがにこやかにリュカに話しかけた。サンチョ自身も、マーサの友達がリュカの友達になったことを、非常に喜んでいるようだ。
「みんなと合わせるのが楽しみだよ」
「今日はもう遅い時間になっていますね。これから城の中をご案内すると、ビアンカちゃんも心配になるでしょうから、また明日にしましょうか?」
「そうだね、その方がいいかも。それに僕だけがこうやって城の中を歩き回って色々と知っちゃうと、ビアンカ、きっと悔しがる気がする。『あー、私も一緒に行きたかったなぁ』って」
「それもそうですね。ビアンカちゃんも病気というわけではないですし、回復すれば坊ちゃんと一緒に城の中を歩き回れそうですよね」
「折角だから、ビアンカも一緒に回れたらきっと楽しいんじゃないかな。僕、初めはそのつもりだったし……」
そう言いながらリュカが視線を落とす姿を見て、サンチョは思わず微笑んでリュカの肩に優しく手を置く。
「坊ちゃんは本当にビアンカちゃんのことが好きなんですねぇ。そうやっていつでもビアンカちゃんのことを考えてるんですから」
「……うん、そうだね」
「では今日はもう国王の私室に戻りましょう。ビアンカちゃんが首を長くして待っているでしょう」
「ビアンカに早くあの魔物たちのことを知らせなきゃ。きっと喜んでくれるよ。スラりんたちにも早くここの魔物たちと会わせたいなぁ。何だかこれからやることがたくさんありそうだね」
リュカがまるで子供のようにはしゃいでいる様子を、サンチョは微笑みながらも、少し考えるような表情をして見つめていた。



リュカはサンチョと共に国王私室に向かう際、グランバニア城の回廊を早足で歩いていた。空には星が瞬き、城を囲む森からはフクロウの声が静かに響いている。夜更けとまでは行かない時間帯だが、そろそろ人々は一日の休みを取る準備をする時間帯ではあった。リュカはグランバニアに着いてから、食事を取ることもなくずっと動き通しだったことを思い出し、突然腹が鳴るのを抑えられなかった。その音を聞いて、サンチョも同じように腹を鳴らし、二人で声を上げて笑った。
「そりゃあお腹も空きますよね。部屋に戻ったら食事を出させましょう。恐らくすぐに準備ができるはずです」
「ビアンカが何か美味しそうなものを食べてたもんね。あの時に一緒に何か食べておけば良かっ……あ、でも僕たち、そんなに豪華な食事を出されてもお金が払えるかなぁ」
リュカが顔を曇らせて懐の具合を調べようとする姿に、サンチョは再び笑い声を上げる。
「坊ちゃん、まだご自分の立場を理解されていないようですね。貴方はこの国の王子なんですよ。王子から食事代を取る国というのも、私は聞いたことがありませんよ」
「でも僕はまだこの国の王子って認められたわけじゃないんじゃないかな」
「オジロン王がはっきりと認めていらしたじゃないですか。それにオジロン王は坊ちゃんに王位を継いで欲しいとまで言ってるんですよ。そんな人から食事代など取れるものですか」
朗らかに笑うサンチョの様子を見て、リュカはようやく不安から解消された。サンチョという後ろ盾がある限り、そしてオジロン王からの信頼があれば、リュカはこのグランバニアで自由に動けるのだと、リュカはどうにか理解することができた。
回廊を歩き、目の前に王室へ続く扉が迫ると、リュカはふと後ろに人の気配がするのを感じた。水の音が涼やかに流れ、月に照らされる噴水の景色を目にし、その近くに人が二人立っているのを目にした。距離があるため何を話しているのかは分からないが、二人は何か言葉を交わしているようだ。
「ああ、ドリス様がまた外に出ていらっしゃるんですね」
「ドリス?」
「オジロン王のご息女のドリス王女です。坊ちゃんの従妹に当たる方ですよ」
サンチョにそう紹介されても、リュカの頭にはまるでピンと来るものがなかった。この国の国王であった父パパスに自分という息子がいるならば、パパスの弟であるオジロンに娘がいても何らおかしいことはない。しかしリュカは父を失ったその時から、一人になってしまった感覚を持ち続けている。
「あら、サンチョさんじゃないですか」
月明りを浴びていた一人がサンチョの姿に気づき、声をかけてきた。どこか助かったというような雰囲気を漂わせ、いそいそとサンチョの方へと歩いてくる。
「ドリス様ったら、ちっとも私の言うことを聞いてくれなくて……」
愚痴めいた言葉に、サンチョは苦笑する。ドリスというオジロンの娘を、当然サンチョも良く知っている。知っているが故に、サンチョは笑っているのだ。
「もう夜になりましたからお部屋に戻りましょうと申しているのですが、『部屋に戻ったら、またつまらない勉強をしなくちゃいけないんでしょ?』と、いつまでもああしているのです。お風邪を召されでもしたら……」
「はっはっは、いかにもドリス様らしいですね。勉強よりも体を動かすのがお好きですからね」
「この前も勝手に城の兵士相手に勝負を挑んで、コテンパンに兵士をやっつけてしまって……大問題になったというのに……。城の兵士が一国の姫相手に真剣に戦えるわけがありませんと申しても、『あたしは実力で勝ったの!』と全く聞く耳を持ちません。本当に困ったものです」
「何よ、あたしの悪口を言ってるの?」
「いいえ、いいえ、私は悪口を申しているのではありません。ただの事実を申しているだけでございます」
「なーにが事実よ。あの兵士はとっても弱かったの。てんであたしの相手にならなかったのよ。本当は兵士長と勝負したかったのに、それは困るって言われてさ。きっとあたしに負けるのが怖かったのね」
いかにも得意げに鼻を鳴らしそうな様子の女の子を見て、リュカは王室上階の部屋で休んでいる妻のことを思い出し、思わず噴き出してしまった。リュカの笑い声に気づいたドリスが、口を尖らせて鋭い視線をリュカに向ける。
「何よ、あんた。失礼じゃない、笑うなんてさ」
「だってビアンカの小さい頃を思い出しちゃってさ。何となく似てるなぁって」
「誰よ、ビアンカって」
「ドリス様、オジロン王と話はされていないのですか?」
「親父と? 何か話があるんなら私の所に来るだろうけど、何にも聞いてないよ」
「何かあったのですか、サンチョさん?」
ドリスの侍女と見られる女性も何も特別な話は耳にしていない様子で、首を傾げてサンチョを見る。サンチョはリュカの背を押して前に出すと、得意げな様子で二人に話す。
「パパス様のご子息であられるリュカ王子がご帰還されたのですよ。まだ公にはされていませんが、ドリス様にはお伝えしておかねばなりませんよね。貴女の従兄のリュカ王子です」
「パパス様の……息子?」
「そうです。話には聞いていたはずです。お会いになるのは初めてになるでしょうが」
サンチョの言葉を受けて、ドリスはリュカの前に歩み出る。いかにもお姫様らしく豪華なドレスに身を包み、リュカと同じような黒い髪を綺麗に結い上げ、月明りにもほんのり分かる程度の薄化粧をしている。しかしその様子はまだ子供の域を脱せず、ドレスにしても化粧にしても身につけさせられている雰囲気がありありと感じられる。ドリス本人も決してドレスや化粧が好きなわけではなく、無理に身につけさせられているため、尚更そのような雰囲気が出ているのだろう。
「パパス様……と言うよりは、マーサ様だね」
「どういうこと?」
「絵に飾られているマーサ様にそっくり。あたしもマーサ様にはお会いになったことがないんだけどさ」
「母さんの絵があるの?」
「なんだ、知らないんだ。親父から見せてもらってないの?」
「坊ちゃん……いや、リュカ王子は今日の昼過ぎにこのグランバニアに着いたばかりなのです。まだこの国のことをご存じないので、私が今日から案内を始めているというわけです」
「ふうん、そうなんだ」
そう言いながらドリスはリュカのことをじろじろと見つめている。好奇の目を向けられていると分かっていたが、リュカはさほど嫌な感じを受けなかった。ドリスは自分よりもいくつか年下の子供で、好奇心旺盛な女の子なのだろう。そのようなところもビアンカと似ていると感じ、リュカは再びふっと笑みを零す。
「やっぱりパパス様にも似てるね、あんた」
「え……?」
「うん、なんとなくだけどさ。顔が似てるってわけじゃないけど、何となく雰囲気が似てるかな。とは言っても、パパス様にもお会いになったことはないんだけどさ」
そう言いながら見上げてくるドリスに、リュカは喉の奥が詰まるような感じを覚える。恐らくドリスはパパスのことも絵の中に見たことがあるのだろう。実際に会ったことがないドリスは、パパスの外見しか知らない。この国にいればパパスの国王としての評判は耳にしているはずだが、彼女は実際にその状況を見たことがない。そんなドリスに、父と似ていると言われ、リュカは純粋な嬉しさを感じた。
リュカはずっと父の背中を追い続けてきた。父が亡くなろうとも、父の背中はずっと自分の前にある。一生かかっても追いつけることはない。しかしドリスという従妹に『父に似ている』と言われたことで、リュカは父の背中がぐっと自分に近づいたような気がした。
「あたしはさ、お姫様なんかになりたくなかったのよ」
口を尖らせながらドレスを両手でつまみ上げ、いかにも嫌だと言った雰囲気を出すドリスに、リュカは眉をひそめる。ドレスの裾が上に上がり、彼女の足が見え、侍女が慌てて「ドリス様! はしたないのでおやめください!」と言っても、彼女は一向に注意の言葉を気にしない。リュカはまだ子供のドリスながらも、その足を見て、女性にしてはかなり引き締まった足をしているなと感じた。
「でも親父が王様になったもんだから、私もお姫様にされちゃってさ。あーあ、もっと気楽に暮らしたかったなぁ」
長い裾のドレスなど忌々しいだけだと言わんばかりに、ドリスは下ろしたドレスの裾を蹴り続けている。動き辛そうなドレスに身を包まなくてはならないドリスの感情が伝わってきたような気がして、リュカは何やら嫌な予感がした。その時、ドリスが恨めし気にリュカのことを見上げ、にやりと口元で笑う。
「そこでパパス様の息子が帰ってきたってわけだよね。と言うことはさ、あんたが王様になってくれれば、私はもっと気楽に暮らせるってわけ」
そう言いながらいかにも好戦的に見てくるドリスに、リュカは少し前に王室で対面していたオジロンを思い出す。オジロンは国王と言う立場から退きたいという思いを抱き、ドリスは姫と言う立場から退きたい思いを抱く。オジロンは、兄であり国王としての評判も良かったパパスの跡を継ぐという窮屈な立場から逃れたく、ドリスはおしとやかにしてなさいと言われる姫の立場から逃れたいという、父娘揃ってならざるを得なかった立場から逃げたい一心でリュカに話しているところがそっくりだった。
「元々はさ、あんたが国王を継ぐはずだったんだ。それでこの国に帰ってきたってことは、継ぐ気があるってことだよね? じゃあ、話は早いよ。早いとこ、おやじから王位を継いでさ、国王になってよ」
直接的な頼み方も、父のオジロンに似ているとリュカは話の内容はさておき、笑い出しそうになってしまう。国王オジロンの懇願するような頼み方に比べて、娘のドリスの方がよほど堂々としている。父よりもこの娘の方が女王として向いているのかも知れない。
「ちょっと待って。僕は父さんの故郷がここだって話を聞いて、それでグランバニアに来てみただけなんだ。父さんがグランバニアの国王だって話も噂には聞いてたけど……まさか本当だったなんて思わなかったし、いきなり僕がここの王様になるなんて、誰も納得しないよ」
王室内でオジロンに同じように言われた時は、リュカもさすがに王室の空気に気圧されて反論することもできなかったが、外の空気を吸い、空には月が照り星が瞬き、森から聞こえる静かなフクロウの声を耳にするこの状況では自然と自分の意思を伝えることができた。町の中で町の人々と話す時と変わらない心持ちでドリスと話すことができる。夜の暗がりのおかげで、ドリスの身に着ける美しいドレスも、その輝きを潜めてくれている。
「大丈夫だよ、親父は納得するって」
「え? うん、いや、まあそうなんだろうけどさ。オジロンさんから国王を継いでくれって言われたし……」
「やっぱりね。親父は人がいいだけで国王なんてのには向いてないんだ。それは親父が一番よく知ってるよ。だから……」
「ドリス様、坊ちゃ……いや、リュカ王子はオジロン王に王家の証を取ってくるよう命じられているのです。王家の証を手にしなければ王位を継ぐ資格はないというのは、グランバニア王国建国以来ずっと続いているしきたりですからね」
「ああ、なんか聞いたことのある話だね。でもさ、王家の証を取りに行くにしたって、その洞窟はもう魔物が棲みついてるんじゃない? 行けるの?」
ドリスが優し気で柔らかい雰囲気を持つリュカに怪訝な視線を向ける。リュカが魔物と戦う姿を想像できないようで、明らかに疑わしい目をしている。しかしそうかと思ったら、今度は顔を輝かせて、満面の笑みを浮かべてリュカに話しかける。
「そうだ! あたしをお供に連れて行ってよ。あたしさ、これでも武術が使えるんだ。一度だけだけど、兵士長を負かしたことだってあるんだよ」
ドリスの目を見れば、それは好奇心に溢れる子供そのものの目で、リュカは再び王室上階で休んでいるはずの妻のことを思い出し、苦笑いする。自分の腕に自信があり、外の冒険に憧れ、外に飛び出したい一心で熱を上げて話しているのだ。
「兵士長を負かしたって……ドリス様、あれは兵士長が手加……」
「ねぇ、いいでしょ? 可愛い従妹のお願いなんだから聞いてくれるよね?」
「それは、僕には決められないんじゃないかな。君はこの国のお姫様なんでしょ? お姫様を勝手に連れ出して戦わせるなんて、誰も許してくれないと思うよ」
「そんなケチなこと言わないでさ。……あっ、さてはあたしの実力を疑ってるね? じゃあここであんたと戦ってみれば分かるよ。あっという間に負けても文句言わないでね」
リュカが身構える間もなく、ドリスはドレスの裾を捲り上げて縛り、動きやすい格好になったかと思うと、リュカに飛び掛かってきた。想像以上に速いドリスの動きに、リュカは防御するのを忘れ、すかさず自分も攻撃の手を出してしまった。ドリスの拳をすんでのところで避けると、しゃがみ込んだままドリスの足を払った。ドリスは石の床にすっ転んだが、すぐに立ち上がって次は蹴り技を仕掛けてくる。戦闘態勢に入ったリュカは落ち着いてドリスの蹴りを避けたり腕で受け止めて顔をしかめつつも、彼女の手を掴んでそのまま地面に倒してしまった。侍女の悲鳴が上がったところで、リュカは我に返り、全身の血の気が引くのを感じた。
「ご、ごめん、大丈夫? ついいつもの感じでやっちゃった……」
「坊ちゃん、強くなられたんですね……。ドリス様、大丈夫ですか? 立てますか?」
「ドリス様! お怪我は!?」
侍女の慌てふためく声に、ドリスは悔しそうな顔を隠しもせずにしかめ面をしながら静かに立ち上がる。普段から鍛えているのだろうか、リュカが加えた攻撃にも大した怪我もせず、しっかりと攻撃を受ける態勢ができていたようだ。しかし足払いをかけて転ばせた時に、床に着いた右手を少々痛めたらしく、左手で擦っている。
「なんだ、見た目に寄らず、強いんだね……。あたしこそ、あんたが弱そうだなって疑って悪かったよ」
口を尖らせながら小声で言うドリスの姿は、まだまだ小さな女の子のままだ。しかし相手の強さを認める言葉には、一人の武闘家としての冷静さも持っているようだった。
「一応これまでずっと旅をしてきたからね。いつの間にか少しは強くなったのかも」
「少しは、じゃないよ。あんた、とんでもなく強いじゃない。うちの兵士長だって適わないよ、きっと」
自分が全く歯が立たない相手に、今まで敵を見るような目つきではなく、ドリスは突然尊敬の眼差しをリュカに向ける。しかしその間にも、ドリスは痛めた手を擦り続けている。リュカはドリスに近づき、その手を取ると、ホイミを唱えて彼女の痛みを取り払った。ドリスは自分の手を包んだ癒しの光をぼーっと見つめ、そして光が止んだ後も月明りに照らされる自分の手をぼーっと見つめ続けている。
「動かしてみて。痛くなくなったかな?」
リュカの声にはっと息を呑み、ドリスは痛めていた手をぶんぶんと思い切り振った。痛みは取り払われ、リュカと戦う前の状態にすっかり戻っていた。治癒呪文まで使えるリュカに、ドリスは尊敬の眼差し以上の視線を向ける。
「回復呪文まで使えるんだ! すごい、すごいっ! 戦っても強いし、回復呪文は使えるし、他にも呪文は使えるの? あたし、呪文は全然できないんだよね。その能力がないみたいでさ」
「ドリス様、そろそろお部屋に戻りませんと、もう月が空高くにまで昇っています。お休みの時間ですよ。お勉強はもうしなくてよろしいですので、今日の所はもうお休みくださいませ」
侍女が厳しい口調で言いつけると、ドリスはまたつまらなそうに口を尖らせる。
「これからリュカ王子はこの国に長く留まるでしょうから、また話す時間もあるでしょう。今日の所はドリス様もお休みになってください」
サンチョにも同じように言われると、ドリスは恨めし気にサンチョの顔を見ながらも、「はぁい」と不満ながらにも返事をした。その返事にほっとした侍女と共に、ドリスは先に王室の中へと入って行く。
「坊ちゃんもビアンカちゃんがお部屋で待っているでしょうから、早いところ戻りましょうか」
「ビアンカ、もう寝てるかな」
「もしかしたら先にお休みになられてるかも知れませんね。子を身籠る母は疲れやすいと聞きますから」
「赤ちゃんがお腹にいるんだもんね……どういう感じなんだろう。あったかいのかな」
「わたくしサンチョはただ腹が膨れてるだけですが、子が宿るお腹はきっと、温かいのではないでしょうか。ビアンカちゃんに後で色々と聞いてみたらいいですよ」
「そうだね」
「でもあんまり色々と聞き過ぎて、ビアンカちゃんを疲れさせちゃダメですよ」
「うん、分かってるよ。気をつけるね」
無事グランバニアに到着し、サンチョにも再会でき、父の弟であるオジロン王との対面を果たし、ビアンカの妊娠が分かり、母マーサが作ったという魔物専用の広間があり、従妹のドリスに会い、と目まぐるしい一日が過ぎ去ろうとしている。これまでの旅の疲れも忘れて、グランバニアの中を歩き続けていたリュカだが、一日を振り返ると息もつかせぬほどの忙しさだったのだと今までの景色を脳裏に思い描いた。これほど目まぐるしい一日を過ごしたことはないかもしれない。しかしリュカはまるで疲労を感じていなかった。
ビアンカのお腹に自分と彼女の子供がいる。それは今までに想像したことのない不思議な感覚で、彼女のお腹から子供が生まれてきたら自分は父になるのかと、それほど単純なことも想像できない。ビアンカは自分のお腹に子を宿し、それは日に日に大きくなり、母としての情も共に育っていくのかも知れない。しかし父となるリュカは、子が生まれた瞬間から父になる。果たして自分が父になることができるのか、不思議でもあり不安でもあり、また同時に期待も抱く。
ビアンカのことを考え出したら、早く彼女の所に戻りたいと気持ちが逸り、リュカはサンチョを先導するような形で王室上階へと向かっていった。

Comment

  1. にゃこ より:

    ビビさん、更新ありがとうございます。
    マーサが仲間にしたモンスターが沢山いて、正直ビックリです!
    キングスライムとか、部屋に入りきるのかが気になります…。
    次回はピエール達がオジロンやドリス、大臣の前に現れてリュカが紹介といった展開ですかね?
    オジロンは前回でもあったように魔物達に比較的好意的ではありますが、大臣の方は少し不安ですね…。
    裏で魔物の排斥を画策していそうでして、ピエール達が不安になります。
    ドリスはピエール達に手合わせを願いそうですね。(笑)

    • bibi より:

      にゃこ 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      マーサが仲間にした魔物たちは完全に私のオリジナルです……。ゲーム上、グランバニアにいたのはスライム一匹だけなのですが、その状況をちょっと膨らませました。キングス、そうですね、階段はどうやって行ったのやら……ゴレムスにしてもそうですね(汗)
      ドラクエの大臣と言う立場の者は、大抵アレですね。裏で魔物の排斥を画策……してそうですね。でも、彼は裏で魔物と手を組んだりも……なかなかのワルですね。
      ドリスさんは楽しいキャラにしようかと。でも、リュカ君が石にされて戻ってくると、ドリスの方が年上になっていたりと、複雑な従妹関係になりそうです^^;

    • にゃこ より:

      ビビ様
      確かに8年も経過すればドリスの方が年上になりますよね。ドリス本人は、ゲーム本編では年齢不詳ですが…。
      今後の更新も楽しみにしています。

      • bibi より:

        にゃこ 様

        二人の石化期間にも、他の人たちは皆年を取っているので、ヘンリーなんかは10歳くらい上になりますね……いいおじさんになってるなぁ。
        今後も私自身も楽しく書き進めたいと思います。気長にお待ちくださいませ~m(_ _)m

  2. ピピン より:

    ビビさん

    ついにドリス登場!ドラクエ伝統のお転婆姫ですね( ̄▽ ̄)
    気さくで新しい生活に戸惑うリュカ達が肩の力を抜けるような清涼剤になってくれそう(笑)

    そう言えば、新しい魔物達からもパーティ入りありそうですね。

    • bibi より:

      ピピン 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      ドリスは、そうです、ドラクエの伝統をここに受け継いでいます(笑)
      リュカともビアンカとも仲良くやってくれるでしょう。二人の良き友人が一人増えそうです。
      新しい魔物たちともぜひ一緒に旅に出て欲しいところですが……人数がいっぱいになっちゃうと旅も難しくなりそうなので、ちょいと思案中です。。。どうしようかなぁ。

  3. ピピン より:

    ビビさん

    今回お休みしたビアンカとの絡みが一層楽しみです(笑)

    これからデモンズタワーが控えてますからメンバー選考は悩み所ですね…

    • bibi より:

      ピピン 様

      ビアンカとドリス、面白い組み合わせですよね。これから書くのが楽しみです。
      王家の証を取りに行くのも、デモンズタワーも、誰と行くか、本当に悩みどころです……。基本は今まで通り行きたいものです。ふーむ。

  4. アンティーヌ より:

    ビビ様

    はじめてコメントさせていただきます、アンティーヌと申します。
    2年程前から小説読ませていただきます。毎回とても楽しみにしています(^ ^)

    ゲーム内だとドリスとあまり絡みがないのが残念ですよね。ビビ様のドリスとは、サンチョみたいにパーティに入れても楽しい旅ができそうですね!

    余談ですが、私も3ヶ月の息子を育てています。子育てと両立しての執筆本当に大変だと思います。
    お体に気をつけてください、次回更新楽しみにしています!

    • bibi より:

      アンティーヌ 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      2年ほど前から……長々とどうもありがとうございます。毎度更新が遅くてすみません><
      ゲーム内ではあまりない絡みをここで書いていきたいので、グランバニア編はかなり長くなりそうです。終わるのかな……。
      ドリスは本当はパーティーに入れたいところですが、ゲームでは仲間にできないのでちょっと難しいかな。パーティーになったらきっと頼もしい姫でしょうね~。
      3ヵ月の息子さんがいらっしゃるんですね。赤ちゃんだ~、かわいいなぁ、ふにゃふにゃだなぁ、うふふ。子供を育てるってやってみると、本当に特別なことだらけで戸惑ったりしますよね。でもこうして子供にかかりっきりでいられるのも今しかないと思って、離れていく未来を想像して既に寂しくなりながら、一日一日を過ごしております、わたくし。あ、泣きそう。
      お互い大変ですが、一日一日楽しんで行きましょう^^ 次回更新は、いつものことですが、気長にお待ちいただければありがたいです^^; すみません……。

  5. ケアル より:

    ビビ様、お久し振りです。
    コメントが遅くなり、すみませんでした…。

    まさか、マーサの仲間モンスターがスライム以外にいて、しかもゴレムスまでいるとは…想定外であります。
    マーサ仲間とリュカ仲間、お互いに会ったら、どうなるんでしょうね。
    プックルの姿を見たら、スラぼう泣いちゃうかも?
    今後のパーティー編成、どうしましょうか?
    まさか全員というわけにはいかないですね…。
    でも、ミニモンやサーラあたりを連れて行くと、ピエールとマーリンとの遣り取りが楽しそうです!

    ドリスのキャラ、まさにアリーナですね。
    流石にドリスをパーティーに入れちゃうのはゲームストーリーに反してしまいますから無理ですよね。
    でも、王家の証ぐらいの旅なら…。

    無理だな(苦笑)

    • bibi より:

      ケアル 様

      いつもお忙しいところコメントをどうもありがとうございます^^
      マーサのお友達は初めはゲームと同じくスライムだけにしようかと思ったのですが、魔物と仲良くなる素質を持っているのに、パパスと結婚する頃になってもスライム一匹だけなんて、ちょっとその素質が弱いなぁと思ったので、勝手に仲間を増やしちゃいました。ちょこちょこ設定を変えております、すみません><
      パーティー編成は追々考えたいと思います。どんな編成にしても楽しそうです。グランバニアを守るチームも必要なので、さてどうしようかな。
      ドリスはそうです、アリーナっぽいですね。グランバニア王家の血筋なので、どこかの王家の血筋を引いていてもおかしくないってことで……。
      彼女をパーティーに入れるのもちょっと考えましたが、まあ一国のお姫様なので大人しくしてもらうことになりそうです。さすがにオジロンが許してくれないかな。リュカも許さないだろうし。

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