あきらめないココロ

 

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この屋敷に人が訪れることは少ない。周りに聞こえる人の足音らしき音は大抵この屋敷の主人や夫人、使用人のものであり、以前に比べて彼らが屋敷の外に出る回数は格段に減ってしまった。夫人に至っては、前回庭に出てきたのがいつなのか分からないほど、長い間外に出ていないようだった。時折、屋敷の傍を偶然通りかかった旅人やこの家との付き合いがある数人の同じような富豪の仲間が訪れることもあるが、季節ごとに誰かが訪れるくらいのものだった。たとえ人が通りかからなくても、周りの草は揺れ、鳥は鳴き、虫が周りを飛んだり歩いたり、毎日日は昇り、日は沈む。時は容赦なく流れ、その時の中で否応なしにリュカは石のまま草地に横たわっていた。
季節をいくつも巡った。この屋敷の子供ジージョがここにいるまでの間は年月が経つのを数える気力があった。ジージョは五歳の時に、不幸にも魔物に連れ去られ、それ以来屋敷には子供の元気な声がなくなってしまった。それをただの不幸と呼ぶわけにはいかなかった。
石像のリュカの前に見えるのは草だった。季節は春を迎えているのだろうか、左の視界には辺りを飛ぶ蝶の姿が見られた。しかしその姿ももうぼんやりと見えるだけだ。蝶には色があるのだろうが、それが何色なのか良く分からなかった。目の前に広がる草も緑色なのだろうが、リュカの目には灰色のような景色に映る。目の前の世界はまるで命が失われたような景色で、しかしリュカは石像のまま生き続けていた。
(……………………)
考える言葉も頭に浮かばない。目の前の景色に対する考えが言葉とならず、何もかもがぼやけてしまっていた。果たして自分が生きているのか生きていないのか、生きていても生きていないのか、どのような状態なのかも分からなかった。そのような状態でも音が聞こえ目が見えるという現状が忌々しかった。目を瞑って耳を塞いで、何も感じられない状態になれたら楽になれるだろうと、リュカは全ての感覚を失うことに憧れ続けた。
屋敷の庭の草地を踏む人間の足音が聞こえた。リュカの視界には映らない場所で何者かが歩いているようだ。それが屋敷の人間かどうかなど、今のリュカには分からなかった。たとえ周りで何が起ころうと、指一本動かすことのできないリュカにとってはどうでも良いことなのだ。時間は自分とは別の世界で流れているようなものだった。
足音が近づいてくる。全てがぼやける頭の中で、リュカはその足音が一人ではないことに気づいた。何かに気づくということが久しぶりで、リュカはまだ自分に生き物としての感覚が残っているのだと知った。近づいてきた人物によって影ができる。日中は常に日に晒されている石像のリュカは、太陽の光が遮られるという状況にふと視界が開けた気がした。影の中で、左目に映る景色は少しの色味を帯びたようだった。草は緑色だった。視界の端に映る蝶は白い色をしていた。遠くに見える空は青かった。近くに立つ人物の姿は、見えない。ただ焦げ茶色のブーツのつま先が視界の端に見えた。
「我が家に何か用ですかな?」
屋敷の扉が開き、中から屋敷の主人が姿を現したようだった。彼は日中、一度は外に出て景色をぼんやりと眺めるのを日課にしていた。当然、彼は今も息子のジージョの帰りを待ち続けている。昨日戻ってこなければ今日、今日戻ってこなければ明日と、彼は望みを捨てずに最愛の息子の無事を願い、元気にこの場所に戻ってくると信じている。そう信じ続けることが、今や彼の生きる目的となっていた。
「初めまして」
その声に、リュカは胸の奥がざわついた。自分から何かを感じること、何かを考えることが非常に久しぶりで、その感覚に心が追いつかない。相変わらず視界は陰になり、いつもの白くぼやけた世界はなく、まるで自分で日差しを手で避けて見通しを良くしているような感覚だった。見えていた焦げ茶色のブーツのつま先がなくなっていた。その代わりに見えたのは、端のボロついた布が風に揺れているところだった。その色は深い青色のような、自分のマントと似た濃紫のような色だった。
「私どもは通りすがりの旅の者ですが……」
それなりに年を重ねている、落ち着いた男性の声だった。しかしかつての父のように低い声ではなく、少し高く、聞き取りやすい声だ。
「子供を連れてこの危険な世界を旅しているのかね。私には考えられないことだな」
「ええ、仰る通りでございます。ですがこれには事情がございまして……」
歯切れの悪い言葉で対応する男性の表情が何故か目に浮かぶようだった。笑顔を絶やさないながらも、困ったように眉尻を下げているのだろう。
「それにしてもこれは立派な石像でございますね」
旅する男性はそれ以上いろいろと詮索されることを嫌ったのか、屋敷の主人に対する話題をさらりと変えた。旅慣れてもいるのだろう、かなり処世術に長けた人物のように感じられた。相手を嫌な気にさせることもなく、ただ純粋に相手の持ち物を褒める言葉はとても柔らかい。
「………………」
しかし屋敷の主人は草地に倒れたままの石像を褒められたことに、何の言葉も返さない。その理由をリュカは痛いほど理解している。かつて彼も見事な石像だと思い、高額の金を払って手に入れた幸福を呼ぶというこの石像を手に入れたために、最愛の息子を魔物に攫われるというこの上ない不幸を経験しているのだ。周りに草が伸び放題の状態で、石の表面は苔むしており、地面に横倒しになったまま数年が経過しているのは、恐らく旅人にも一目で分かることだろう。立派な屋敷の広い庭で、一体の石像がこのように捨て置かれたような状態であることを、旅人ならばまず不思議に首を傾げたはずだ。
「どうでしょう? この石像を私どもにお譲り願えませんか?」
それをリュカの傍にいる旅人は譲ってほしいと願い出たのだ。リュカは耳を疑った。これまでにもこの屋敷を訪れる旅人は数人いたが、いずれも庭に横倒しになったままの石像を薄気味悪い目で見たり、草に覆われているような場所に倒れているためにそれが何なのか気づかなかったりと、庭に倒れて朽ち果てようとしている石像などには目もくれなかった。
先ほど視界に映った布の端が再びリュカの視界に入り込む。先ほどの布とは色が違う。色を失いかけたリュカの目に映る花のような牡丹色の布は、世界には様々な明るい色があるのだということを思い出させた。こちらの布も端がかなりボロついており、外の世界を長く旅をしている様子が窺えた。
「ふん! そんな石像だったら、タダでくれてやろう。さっさと持って行きなさい!」
屋敷の主人がそう言い放つのは当然のことだとリュカは特に衝撃を受けることもなかった。屋敷を襲ったあの事件より、リュカの石像はもはや疫病神以外の何物でもない。リュカ自身も、ジージョが魔物に連れ去られてしまったのは自分のせいなのだと思っていた。父パパスを失ったことも、妻のビアンカが魔物に連れ去られたことも、双子の子供たちを城に置き去りにしてしまったことも、再びサンチョや魔物の仲間たちの前から姿を消してしまったことも、全ては自分のせいだとリュカは抱えきれないほどの思い責任を感じていた。
「おお、そうですか! ではお言葉に甘えて……」
今の自分の状態を把握しているわけではない。しかし数年の間、屋敷の庭にこうして横倒しになり、特に手入れもされていない石像など、人が触れたいと思うようなものではないだろうと想像できた。そのような石像を手に入れて喜ぶ人間がいることが、リュカには信じられないことだった。
すぐ近くに人がしゃがみこんだのか、リュカを太陽から守る影が動いた。旅人と思われる影は一人ではなく、数人いるようで、それぞれが動いてリュカの周りを囲んだようだ。またあの時のように自分はここからどこかへ運ばれるのだろうかと、リュカは状況の変化に希望を見出さないままぼんやりとその時を待つしかなかった。
「さあ、ポピー様!」
「はい、サンチョおじさん。この杖を使うのね」
その名に懐かしい響きがあった。彼らのことを考えない日はなかった。しかしこの場所に彼らが来ることは決してないだろう。今は幸せな夢を見ているのだと、リュカはもはや夢と現実の区別がつかなくなってきた現状に、草の隙間から見える遠くの空をぼんやりと眺めていた。このまま幸せな夢を見ていたいと思う反面、自身にその資格はないのだとも思う。皆を不幸にさせてしまった自分には、石のまま朽ち果てていくのが相応の人生だと、リュカはいつものようにぼんやりとその時を過ごそうとした。
視界の中に一瞬、黒い闇が広がった。それは自分が抱える心なのだとリュカには分かった。しかしその闇は、強い光によってかき消されていく。子供の声で呪文のような言葉を呟くのが聞こえる。聞いたこともない呪文に導かれるように、リュカの視界に強烈な光が満ち、じわじわと光が身体の奥にまで染みていくのを感じた。
右腕が冷たい。右半身が冷たい。左の手の平が同じように冷たいものに触れる。そよ風が耳の中を流れて音を立てた。鼻に緑色の草が触れたかと思うと、風に揺れた草がリュカの頬を叩くようにそよいだ。
リュカの上に、煌めく粒子が降り注いだ。土と草と空の景色の中に、光り輝く粒子が舞い、リュカは光と色のある世界を初めて見たような気がした。光の粒子は地面に横たわるリュカの身体を包み込むように舞うと、まるで傷を癒すような優しい光を暫く放ち、そしてそのまま空気に溶け込むように消えてしまった。
「うわ! 石像が人間になったぞ! あわわわわ……」
耳に響いたのは屋敷の主人の声だった。しかし嫌にはっきりと聞こえたため、リュカにはその声が屋敷の主人のものだと分かるのに数秒かかった。今まですべてが薄い膜に覆われていたような世界が、何も隔たりのないものに変化していた。耳に届く音ははっきりと聞こえ、風を冷たいと感じることができる。右半身が冷たいと思ったのは、草に覆われた地面だった。左の手の平はだらりと垂れ、地面に触れていたために冷たさを感じていた。何よりも、地面に横たわる自分の身体が重いと感じていた。
身体を動かすことを忘れていたリュカだが、ゆっくりと視線を彷徨わせることはできた。石の呪いを受ける前は、果たしてどうやって目を動かしていたのだろうかという思いが過ったが、見たいと思った方向に視線を向けてみる。両目で空を仰ぐことができた。空を背景にして、リュカを囲むように人間が立っている。皆が自分を覗き込んでいる。
「や、やはり、リュカ王でございましたね! さ、捜しましたぞ!」
声が聞こえた瞬間、リュカはやはりこれは夢なのではないかと思った。石の呪いが解かれ、物事を全て肌で感じることができ、救いの声が聞こえるという状況は、もう夢でしかありえないとリュカはそれほど絶望の淵に追いやられていた。あの時から一体どれだけの月日が流れたのか、今更自分を『リュカ王』などと呼ぶ人間はいないだろうと、リュカは現実から逃れるように目を瞑った。視界が暗くなった。目を開けると、再び視界に景色が映り、人間が映る。リュカは確かめるように瞬きをした。瞬きができることに、自然と涙が零れた。零れる涙が温かく、地面に落ちて広がるとそれは冷たい。夢にしてはあまりにも温度を感じた。
「わ、分かりますか? リュカ様! サンチョめでございます!」
リュカはゆっくりと試すように、声のする方へと視線を動かす。陽の光を受けて陰になる人物は、懐かしいコロコロとした体型をしていた。リュカがこの人物を誰かと見間違うはずがなかった。いつでもどこでもリュカを待ち続けてくれる、父のような母のような、特別な存在の人間だった。影が濃くなり、その人が地面に膝をついてリュカの顔を覗き込むのが見える。分厚い手がリュカの手に触れると、その手は優しい温かさを持っていた。真剣な茶色の瞳がリュカの顔を不安げに覗き込んでいる。リュカは忘れるはずもない彼の名を口にしようとしたが、出しかけた声はただの咳になってしまった。喉の奥に引っかかっていたのは、八年前に石の呪いを受けた時、その煙を吸い込んでできた小さな石の塊だった。咳で吐き出された小さな石が草地の中に消えると、リュカはようやくその名を口にすることができた。
「……サンチョ」
「おお! 気が付かれましたかっ!」
サンチョが冷えたリュカの手を必死に擦る。石の呪いが解かれたとは言え、リュカの身体は冷え切っていた。氷のように冷たいリュカの手を必死に温めようと擦り続け、両目からは涙をぼとぼとと流し、リュカに励ましの言葉をかけ続ける。
「よくぞ生きていてくださいました。お一人で、さぞお辛かったでしょう……。もう大丈夫ですよ。私たちが助けに参りました。もうお一人ではありません……」
サンチョはいつでもリュカの背中を押す言葉をかけてくれる。絶望の淵に追い込まれていたリュカの心が徐々に温かい世界へ引き戻されていく。自分を支えてくれる人がいる。まだ生きていていいのだと自身を励ますことができる。リュカは地面に着いていた左手に力を込めると、サンチョに支えられながら草地の上に座ることができた。石像の時、体のあちこちが苔むしていたが、石の呪いが解けると同時に全てが剥がれ落ち、今は石の呪いを受ける前のリュカの姿に戻っていた。ジャミという白馬の魔物との戦闘の直後の、傷ついたままの姿だった。旅装には自分か敵か分からないような血の跡があちこちについている。手も顔も足も汚れたままで、髪は一部が焼け焦げていた。草地の上に座ることができたものの、魔物との戦闘で体力を削がれたままだったため、自分で自分を支えることもできる、脇をサンチョに支えられてようやく座っているようなものだった。
リュカは自分自身に回復呪文を唱えようとしたが、二度呪文に失敗した。サンチョが「私に回復呪文が使えれば……」と悔しがる横で、リュカは三度目の呪文でようやくベホマの呪文を成功させ、自身の傷を癒すことができた。石の呪いが解かれてから重く感じていた身体が、幾分軽くなったように感じられた。腕をゆっくりと動かしてみたり、首が動くかどうかを試したりした。サンチョに支えられながらではあるが、時間が経てば体の動かし方も体が思い出すだろうと、リュカはようやくふっと生きた溜め息をついた。
サンチョの後ろからリュカを覗く二つの顔があった。リュカはようやくサンチョ以外の人物に目を向けた。石像として地面に横たわっていた時に視界に見えたのは、その子供たちが身に着けるマントの色だったようだ。紺藍色のマントを身に着けた少年と、牡丹色のマントを身に着けた少女が、二人して食い入るようにリュカを見つめている。日に晒された頭髪がキラキラと金色に輝き、その輝きを見ながらリュカは思わずビアンカを思い出した。
「さあ、坊ちゃんたち、お父上ですぞ」
サンチョの『坊ちゃん』という言葉に、リュカは思わず反応する。しかしその言葉に反応したのはリュカだけではなかった。サンチョの後ろから顔を覗かせていた二人の子供が、よく似た顔を見合わせて、様子を窺うようにリュカの前に進み出てきた。見知らぬ二人の子供だというのに、何故か鼓動が早まるのを感じた。眉を顰めるリュカとは対照的に、前に進み出てきた少年がまだ草地に座り込んでいるリュカと目線を合わせるように膝をつくと、満面の笑みを見せた。
「わー! あなたがボクのお父さんですね! ボク、お父さんのこといっぱいいっぱいさがしたんだよ!」
「お父さん?」
「ティミー様にポピー様ですよ、リュカ王。お二人は立派に成長されたのです」
リュカが知っているティミーとポピーはまだ生まれたばかりの赤ん坊で、その記憶はその時のまま留められている。あの時の赤ん坊が、まさか目の前の少年と少女になっているなど、想像もつかないことだった。子供たちを思う時はいつでも赤ん坊の姿で、グランバニアで無事に生きていてくれているのかと、それだけを願っていた。この屋敷にジージョがいた頃までは、自分の子供たちの成長も想像することができたが、ジージョが魔物に連れ去られてしまってから、リュカの記憶の中の双子はまた赤ん坊の姿に戻ってしまっていた。
「あれから八年が経っているのです」
「八年……そんなに……?」
リュカの目の前にいる少年と少女はすっかり旅慣れた子供たちで、その表情には子供らしい元気が溢れている。よくよく顔を見れば、二人は小さい頃のビアンカに似た面影があった。幼い頃、一緒に小さな冒険をしたビアンカは元気な笑顔を見せる少年に似ていて、お姉さんぶった口を利く時は目の前の少女のような大人びた顔を見せたこともあった。双子はあの時のビアンカと同じ年になっているのだ。
「さあ、ポピー様もこちらへ」
サンチョが促すと、少女が少々控えめにリュカの前に出てきて、少年の隣に同じように膝をついてリュカと目線を合わせる。
「はじめまして、お父さん。わたし、ポピーです。この名前、お父さんがつけてくれたんですよね。お父さんのことはサンチョおじさんからいつも聞いてました」
元気を持て余しているようなティミーとは違い、ポピーは年齢にそぐわない落ち着きを持っているようだった。利発そうな様子がありありと窺えた。肩の上に切りそろえられた髪には、緑色のリボンが飾られている。
「そしてお母さんのことも……」
「それから世界が大変だってこともね!」
ポピーの言葉を待てないと言わんばかりに、ティミーが横から話し始める。とても八歳の子供が言う言葉じゃないと、リュカは思わずティミーを見やる。溌溂としているのはそのままだが、ティミーは自分が口にした言葉の重みをしっかりと感じているように見えた。
「ねえ、お父さん! ボクたちと一緒に今度はお母さんを助けに行こうよ!」
あの時の赤ん坊が今は確かな意思を持って言葉を話していることですらリュカには驚きだったが、その内容の重みを考えると返す言葉も思いつかなかった。赤ん坊ではなくなったとは言え、まだ八歳の男の子だ。まだまだ子供のティミーが世界が大変だの、母を助けるだのと、一体どのような夢物語を描いているのだろうと思ってしまうのが事実だった。
「それから悪いヤツをやっつけてボクたちが世界を救うんだよね!」
ティミーの話す内容に、リュカはまるでついていけない。一体彼は何を話しているのだろうかと、リュカは思わず小首をかしげる。何故ティミーが世界を救うという話が出てくるのだろうか。ティミーもポピーもグランバニアの王子と王女であり、その立場が必ずしも世界を救わなくてはならない存在ではないはずだ。第一、彼らはまだ子供であり、自ら世界を救うなどと言うことができる年齢ではないと、リュカは当然のように考える。たとえ世界が危機に瀕していても、その危機に立ち向かうのは大人であるべきだと、リュカは一人の常識を持つ大人としてそう思う。
しかしその思いは、ティミーの背に見える物によって途端に揺らいだ。ティミーの背から飛び出るように、白銀の翼のような形が見えた。陽の光を受けて、きらきらと輝くそれが何であるか、リュカは知っていた。かつてサラボナの町でルドマンより譲り受けた、天空の盾だ。緑色の竜の装飾が施されており、盾の前面には宝玉がいくつか埋め込まれている。魔法の力を感じるその盾は、伝説の防具の一つとしてリュカが手に入れたが、リュカには装備できない物だった。
「お父さん、聞いて! お父さんが残して行った天空のつるぎ。ボク、装備できたんだよ!」
『まさかあなたが勇者の子孫だったとは……』リュカの脳裏に、八年前の魔物の言葉が蘇る。父の仇であるゲマは、ビアンカのことを「勇者の子孫」と定めていた。これからビアンカに子が生まれればその子供が勇者となる、勇者の誕生を阻止するためにゲマはビアンカとリュカを石にし、耳に触る笑い声を残して闇の中へ去って行った。
その時にはすでに、勇者は誕生していたのだ。グランバニアで産声を上げたばかりのティミーが、その運命を負っていた。父パパスの遺志を継ぎ、仲間たちと旅をしながら探し求めていた勇者が自分の子供だという事実を、リュカは素直に受け入れられるはずがなかった。しかしティミーは背中に天空の盾を背負い、自ら天空の剣を装備できたと喜んで言っている。そんなティミーに、リュカは何と声をかければいいのか、分からなかった。
「まあまあ、坊ちゃんたち。そんなにいっぺんにいろんな事を言われても。ここはひとまずグランバニアのお城に戻ることにしましょう」
「そうね、サンチョおじさん。その……お父さん、だっていきなり色々と言われても、良く分からないと思います」
決して表には出ていなかったはずのリュカの狼狽えぶりを、ポピーは確かに感じ取っていたようだ。リュカはそんなポピーの顔を見ると、彼女は恥ずかしそうに視線を逸らしてしまった。ポピーも突然目の前に現れた父の姿に、一体どうしたらよいのか分からない様子だった。
「そうだ! お父さん、外にね、プックルとピエールもガンドフもいるんだよ。パトリシアだっているよ。お父さんと仲良しなんだよね?」
「みんなが……いるの?」
「うん! みんなね、お父さんをずっと探してくれたんだ。絶対にあきらめないんだって。だからボクたちも、絶対にあきらめないって思って、ずっと一緒に探してたんだよ!」
ティミーの言葉は一つ一つが光に満ちているようだった。この八年の間、仲間たちは行方不明となったリュカとビアンカを探し続けていた。その事実を知らされるだけで、リュカは彼らとの仲間としての絆に涙が溢れそうになった。リュカとビアンカを捜すために世界中を旅し、様々な危険にも遭遇しただろう。しかし彼らは決して二人を諦めなかった。
「とにかく一度、外に出ましょう。皆さんも坊ちゃんとお会いしたいでしょう」
サンチョがリュカの身体を支えるように脇に立ち、リュカはどうにかその場で立ち上がることができた。まだ体の動かし方が今一つ分からず、一人で歩くことは難しかった。リュカはサンチョに支えられながら、少し離れたところで呆然と立っている人物にゆっくりと目をやった。
「あんたは……一体、誰なんだ? どうして人間に……」
屋敷の主人が今にも倒れそうなほど顔面蒼白の状態で、リュカたちのやり取りを見ていた。当初はサンチョと同じようにふくよかな体系をしていた彼だが、息子のジージョを魔物に攫われて以後すっかり食欲を無くし、今ではリュカとさほど変わらぬほど痩せてしまっていた。しかし彼は息子の無事を諦めたわけではない。今もあのジージョが無事に戻ってくると信じ続けて生きている。最愛の息子の命を、親は簡単に諦められるはずがない気持ちを、リュカは痛いほど理解している。
「今まで、ありがとうございました」
リュカの口から出たのは、お礼の言葉だった。もし石像のまま朽ち果てることになっていたら、もしかしたら恨みの言葉しか思いつかなかったかも知れない。しかし自分はこうして、長年リュカを待ち続けてくれた従者と、最愛の双子の手によって元の姿に戻ることができた。彼らとの再会を果たすことができた。それはこの屋敷で石像となり、何者からも傷つけられず、壊されることもなく、守られていたからなのだと思うことができた。
「僕は、あなたの子供を見つけます。絶対に、探し出します」
痩せて元気を失った屋敷の主人を見れば、リュカはそう約束するのが必然だと思った。屋敷の庭を走り回っていたあの子が連れ去られてしまったのは、自分の力が足りなかったからだと、リュカは屋敷の主人に深々と頭を下げようとする。しかし身体が思うように動かず、サンチョによろめく身体を支えられるだけだ。まだ体全体に力が行き渡らず、両手はだらりと横に垂れ、足も自分で地面を踏んでいないようなふわふわとした感覚だった。
「坊ちゃん、無理をなさらないでください。ご主人、お邪魔いたしました」
「お父さん、ボクも支えてあげる」
ティミーはそう言いながら、サンチョとは反対側に立ち、リュカの身体を支えようとした。まだ身長が足りず、支える格好にはならないが、ティミーの温かさを脇に感じ、リュカは思わず目頭を熱くした。ポピーはサンチョの隣に立ち、無言のままリュカの手を握った。小さな子供の手だが、あの時の赤ん坊がこれほど成長をしていることを実感し、リュカは様々な感情の中でやはり涙を流しそうになった。
「坊ちゃん、泣いてもいいんですよ」
サンチョが優しい言葉をかけてくれたが、リュカはその言葉をきっかけに泣いてはならないと思った。小さな子供に支えてもらう父親が涙を流してはいけないと、リュカは自分が二人の父親であることを自覚し、虚勢を張ってでも涙を流すまいと目の奥に感じる熱いものを奥へと押しとどめた。



両脇を支えられながら、リュカは八年ぶりに屋敷の外の世界へ連れ出された。外には何の変哲もない草原の景色が広がっていたが、それでも自分が生きていることを感じられるには十分なものだった。遠くには山の景色が広がり、近くには小さな川が流れ、耳に心地よい音を立てて流れていた。青い空には白い雲がぽつぽつと浮かび、ゆっくりと風に流され形を変えていく。風が草原を撫でる音は、まるでリュカが人間の姿に戻ったことを祝ってくれているようだった。
草原の中に、白く動くものがある。美しいその馬は、長く共に旅をしていたパトリシアだとすぐに分かった。あれから八年も経ったというのに、パトリシアは相変わらず大きく、力強く馬車を引いているのだと遠めからでもそう感じられた。あまりにも巨大なパトリシアはもしかしたら普通の馬ではなく、それこそ天から授かった特別な馬なのかもしれないと、これまでにも幾度となく思ったことを改めて感じる。
パトリシアの脇からリュカの方へ失踪してくる獣の姿がある。懐かしい赤い鬣が風に揺れ、赤い尾が落ち着きなく左右に揺れている。黄色い大きな獣の姿に、リュカは彼もあの時から変わっていないのだと感じた。魔物にとっての八年は一体どれほどのものなのか分からないが、プックルの走る姿は八年前に見たものと変わっていなかった。
リュカに飛びかかるプックルの姿を目にしても、サンチョも子供達も驚くどころか、笑顔でその姿を見守った。プックルの巨体が伸びあがり、リュカの前に大きな影を作ったかと思うと、そのままリュカを草の地面に押し倒した。誰かに支えられてやっと立ち上がれるような状況のリュカはただ、プックルが顔をべろべろと舐めまわすのを受け止めるだけだった。
「プックル、ありがとう」
「にゃう……にゃう……」
プックルの猫のような声を聞いて、リュカは彼にとってこの八年はとても長かったのだと感じた。幼い時に一度生き別れ、大人になってから再会し、そして再び生き別れることになってしまった。二度目の別れはプックルにとっても非常に耐えがたいものだったのだろう。今はすっかり子供の頃に戻ったようにリュカに甘え、大きな顔を思う存分擦り付けている。
「リュカ殿、よくぞご無事で……」
リュカは太陽の光を浴びて陰になっているかつての仲間を、仰向けになりながら見上げた。銀色の兜が陽光を反射しているが、その兜もかなり傷つきくすみ、陽光を反射するほどの輝きは失っていた。
「ピエールも無事で、良かった」
「申し訳ございませんでした。本来なら私なぞここにこうしていられる者ではありません。私の誤った判断で、王と王妃を危険に追いやってしまいました……」
ピエールは消え入るような声で、かつての怪物の塔での出来事を猛省した。彼はあの時、石の呪いを受けたリュカとビアンカの傍に誰かを残しておくべきだったという悔恨を常に持ち続けていた。その責任を果たすためにも、絶対にリュカとビアンカを救わなくてはならないと意志を固めていた。今、八年をかけてリュカを救い出すことができた。しかしその隣にいるべきビアンカがいないことに、ピエールは素直にこの状況を喜ぶことが出来なかった。
「……リュカ……ヨク、ガンバッタネ……」
大きな熊のようなガンドフが、白い巨馬であるパトリシアを連れてリュカのもとへ歩み寄ってきた。大きな一つ目からは大粒の涙を次から次へと零し、リュカを労わる言葉の中には、リュカのこの八年をまるで覗き見たような思いが籠っていた。怪物の塔で悪魔のような魔物は『その身体で世界の終わりをゆっくり眺めなさい』と言い放った。身体は石にされても心は残ったままで、人里離れたこの場所で永遠とも思われる時間を為す術なく過ごしたリュカの、闇に埋もれそうな心をガンドフは感じていた。
「みんな……はは……変わってないね。良かった……ありがとう」
人間であるサンチョも双子の子供達も年を重ねた変化を感じたが、魔物である彼らにはあまり変化を感じなかった。かつての仲間たちがそのままの姿でこの場所にいてくれることに、リュカは初めて自分に戻れたような安心を覚えた。確かに八年という歳月が経過しているが、その時間の経過にも関わらず、仲間たちは姿かたちもさほど変わらず、リュカをあの時と同じように受け入れてくれる。リュカは相変わらず大きな顔を擦り付けてくるプックルの顔に自分の顔を埋めながら、初めて涙を流した。そんなリュカの状態を見て、サンチョもつられて鼻をすすっている。
「私は……私たちは絶対にあなたのことを諦めませんでした」
ピエールが静かな声で語る。リュカはプックルの大きな顔の毛の中に顔を埋めながら、その声に耳を傾けている。
「あなたがいつもそうであったように、絶対に諦めないと誓ったのです」
「僕がいつも?」
「そうです。あなたはいつでも、どんな時でも、何一つ諦めなかった。お父上の遺志を継ぎ、お母上を捜すため、いつでも命を張っておられた。仲間たちを誰一人傷つけまいと、命を落としかけたプックルの命を救ったこともありました。あなたのその強い心を、ここにいる者たちは皆、受け継いでいるのです」
プックルの顔に埋めていた顔を上げ、リュカはピエールを見上げる。ピエールは自分ではない誰か他の人間のことを話しているのだろうかと、リュカは思わず首を傾げた。
石の呪いを受け、愛する妻と離れ離れになり、見知らぬ土地に運ばれた後は自分の子ではない子供の成長を見ることになった。しかしそれも数年に留まり、その子供が魔物に連れ去られる現場を目の当たりにした。自分の子供達も同じような目に遭っていたらと想像すると、身を切られるような思いだった。止まらない思考が忌々しくなり、屋敷の主人の怒りを買って地面に横倒しにされても尚、目の前の景色が消えることはない。指一本動かすことのできない状況で、リュカは完全に希望を見失っていた。死にたいとさえ思っていた。リュカ自身はこの土地で、生まれて初めて、全てを諦めてしまっていた。
しかしそれまで生きていた自分を見ていたピエールたちは、八年もの間決して諦めることなくリュカを捜し続けた。それは志を共にする仲間がおり、守るべき双子の存在があったからなのかも知れない。そしてリュカという人物を絶対に失ってはならないという強い意志がそれぞれにあった。誰一人、リュカを諦めるなどと言う思いは微塵も抱かなかった。何事も諦めない意志を持つリュカがいなくなってしまうことなど、誰も信じていなかった。
「お父さん」
まだその呼び名に慣れないリュカは、少し間を置いてからその呼び名に振り返った。ティミーが子供とは思えないような真剣な眼差しでリュカを見つめている。その堂々たる姿に、リュカは思わず畏怖の念を感じるようだった。
「大丈夫だよ、お母さんだってきっと見つかる。だってお父さんとこうして会えたんだもん。お母さんだって絶対どこかにいるよ」
希望を抱き、未来だけを見つめる子供の眼差しは非常に眩しい。背に負う天空の盾は、彼の運命を表すように陽光を受けて光り輝いている。リュカを捜す旅の最中、もしかしたら彼らが希望を失わずにいられたのは、このティミーの存在もあるのではないかとリュカは感じた。自分でも意図せずに周りに光を巻いてしまう彼の絶対的な力は、どこかビアンカを思い出させた。
「本当なら僕がビアンカを守るべきだった……なのに、ごめん……」
「お父さんって、本当に『僕』って言うのね。ミニモンが言ってたのと一緒」
そう言って小さく笑うポピーは、今の状況をどこか俯瞰しているような落ち着きがあった。裏を返せば、初めてまともに対面した実の父親に対して、どう接したらいいのかが分からないということでもあった。兄であるティミーのように正面から堂々と話すのは苦手なのかもしれない。
「ミニモンが僕の真似をしてた?」
ポピーの話に乗り、リュカも気持ちを少し落ち着かせた。あまりにも突然状況が変わりすぎて、心がついて行かなかった。今の深刻な状況から、一時避難したい気持ちがあった。
「うん。お父さんの声そっくり」
「声真似が上手だもんね、ミニモン」
「そうなの。だから何だか、お父さんと初めて会った気がしないな」
「そうだよ、ミニモンってよくお父さんとお母さんの真似をしてたんだよ。お父さんとお母さんってとっても仲良しなんだーって、ボクたち知ってるよ」
「うわぁ、どんな真似をされてたんだろう」
「お父さんがお母さんには絶対に勝てないってことは、知ってるわ」
「そういうところは、ちょっと作って欲しかったなぁ」
「無理だよ。ミニモンは聞いたことを真似するんだもん。そのせいでボクのことがバレちゃったこともあるんだけどさ……」
親子三人の会話が止まった。静かにすすり泣く声が響く。二人の子供は必死に堪えていた涙を落としていた。ミニモンのお陰で声に慣れているとは言え、リュカという実の父親を目にしたのは初めてで、二人とも本当は戸惑いを覚えていた。だからこそあえて、明るく振舞ったり、まるで他人に話しかけるようによそよそしく話し続けていた。
しかし魔物の仲間からの絶大な信頼を得ていて、サンチョからは『坊ちゃん』と呼ばれ、プックルにもたれかかりながら優しい目をしている目の前の人物が、紛れもなく自分たちの父親だと感じると、ティミーもポピーもその実感に涙を零した。リュカは二人の子供らしい泣き顔を見ると、途端に二人が赤ん坊の頃に戻ったような気がして、二人の手を掴んで同時に引いた。大きくなったがまだまだリュカよりも小さな二人を抱きしめると、リュカは震える声で「生きていてくれてありがとう」と一番伝えたい言葉を伝えた。
「早く君たちをグランバニアに返さなくちゃね」
リュカはそう言うと、まだ立てない状態のまま、プックルにもたれかかり呪文を唱えようとした。石の呪いを受ける前までは何度も唱えていたルーラの呪文を発動できないことに、リュカはいら立ちを覚えた。八年もの間石になっていた身体は思ったよりも言うことを聞いてくれず、二度ルーラの呪文を唱えても、結局発動しなかった。
「お父さん、安心して」
そう言いながら、ポピーは呪文を発動しようとするリュカの手をそっと抑えた。
「私も使えるの」
ポピーはそう言うと、リュカの手を優しく握りながらその顔を見上げた。リュカはその意味が分からず、ポピーの可愛らしい顔を見ながら首を傾げる。
「皆さん、ちゃんと集まってください」
サンチョが魔物の仲間たちに声をかける。少し離れていたパトリシアも馬車を引きながら近くまで来ると、ティミーの癖の強い金色の髪に顔を寄せた。ティミーもパトリシアの首を一度撫でると、その手綱をしっかりと握った。ティミーの横にサンチョがつき、その身を守るように寄り添う。ピエールをプックルが、プックルをガンドフが包むように仲間たちはまとまる。皆の間にわずかな緊張感が漂うのをリュカは感じた。
「さあ、ポピー様」
「はい」
サンチョの合図で、ポピーは呪文を唱える準備に入る。まだ慣れない呪文なのか、ポピーは目を閉じて精神を集中した。リュカはポピーに握られている手から、景色が入り込んでくるのを感じた。その景色を一緒に見るために、リュカも目を閉じる。
瞼の裏に、グランバニアのあの部屋が見えた。リュカとビアンカが少しの間過ごした、国王私室だ。リュカが使用していた机の上に、一冊の分厚い本が置かれている。それが呪文書だということは、ポピーの手から伝わる感覚でおぼろげに分かった。景色は一変し、今度はグランバニアの城下町が映る。宿屋の近くだろうか、青年に届きそうな年頃の一人の男の子が背中を見せて走っている。後ろを振り返り笑う姿に、リュカはどこか見覚えがあるような気がした。また景色が変わり、暗い教会の中で、神父が悲し気に微笑む姿が映った。それは一瞬で、その景色から逃げるように今度は厨房に移る。美味しそうな湯気の立つ大鍋を見て、リュカは目を瞑ったまま思わず微笑んだ。
「ポピー、大丈夫だよ。みんなでグランバニアに戻ろう」
グランバニア内の景色があちこちへ移動する現象に、リュカはポピーがルーラの呪文を唱えようとしているのだと分かった。しかし初めて出会ったに等しい父であり、グランバニア王であるリュカを連れて国に帰るという重い使命を、ポピーはその小さな身体に感じ、今までに味わったことのない緊張を感じていた。リュカはそんなポピーの背中をそっと押すように、小さな声で言葉をかけ、小さな手を優しく包んだ。
瞼の裏に見えたのは、小さな家だった。左手には巨大な城が聳えている。右手には城壁が長く続いている。家の周りには広く草地が広がり、そこには水色の雫形の生き物が二匹、かくれんぼを楽しむように跳ねていた。その景色をリュカはポピーと共に見た。ポピーはスラりんとスラぼうの姿に安心したように、ルーラの呪文を発動した。

Comment

  1. ケアル より:

    bibi様。

    まさに感動のシーンですな!。
    リュカにとって、この8年は本当に言葉にならない年月だったでしょうね。
    それでやっと元に戻れたら子供たちが大きくなっていて、頭の整理つかないでしょうね。

    さすがのリュカも8年石像になっていたせいか、呪文も使えなくなってしまった…身体が思い出せないのかな。
    これから、ティミーとポピーの強さに驚くリュカが目に浮かびます。

    ピエールの謝罪をリュカが聴いても、このじてんではリュカ、分かっていないかもしれないですね。
    そして、まさかリュカが屋敷の旦那に、お礼を言うなんて思いませんでした。
    少なくとも蹴飛ばされたんですから。
    でも、そこはリュカ!
    神対応であります。

    う~ん…。
    この感動シーン…読んでいて目頭が熱くなりました!
    子供たちの心境が可愛いやら切ないやら…。
    bibi様お見事です!。

    次回はグランバニア帰還、そしてパーティー編成になりますか?。
    テルパドールには何時ごろ行きますか?
    ラインハットのヘンリーとコリンズには何時ごろ会いに行きますか?
    エルヘブンに行く前にしますか?
    このあたりから、色々と話しが膨らみますね(笑み)
    次回も楽しみにしています先生(礼)

    • bibi より:

      ケアル 様

      いつもお早いコメントをどうもありがとうございます。
      この場面は、やはりゲームだとあっという間に終わってしまう所ですが、じっくり書いてみたかったのでじっくり書きました。
      リュカは考えることを放棄しかけていて、身体も全く動かしていなかったので、少しリハビリが必要な状態だと思います。ちょっとだけ、グランバニアで静養を……。
      この屋敷に運ばれてきたから、自分は壊されずに済んだとリュカは前向きに考えています。他の運命だったら、とっくに壊されていたかも知れないと。ましてや屋敷の主人は子供を魔物に攫われているので、同情心の方が強いと思います。
      これからどこでのどういう話にするかは、まだ検討中です。いろいろと考えなきゃいけませんね……パーティー編成も……そうですよね。どうしようかな。

  2. ケアル より:

    bibi様。

    今思えば、ポピーがなぜルーラを使えたんでしょうね。
    古代呪文であり、ベネットが復活させなかったら、現代では誰一人、唱えることができないはずですよね?。
    う~ん…、遺伝でリュカのルーラが使えたのか…はたまた、天才少女であるためIQが高いのか…。
    bibi様なら、どう解釈しますか?。

    • bibi より:

      ケアル 様

      ポピーのルーラ問題、ありますよね。それも一つの話になりそうだなぁと思っていました。
      遺伝だったら簡単な話になると思いつつも、ポピーもルラフェンでルーラを会得したのかも、なんて考えていました。ゲームでもポピーがルーラを使ったとき、「えっ?」となりましたから……。メッキーが絡んでいたりしても楽しいかなぁと。いろいろと考えられますね~。

  3. ケアル より:

    bibi様。

    そういえば、今回のタイトル、青年時代4の1、諦めない心ですが、青年時代1の1のタイトルも、諦めない心です。
    同じタイトルになっていますが問題はありませんか?
    まあ、サブタイトルは、ぜんぜん違いますし、コンテンツも違う場所ですから読み間違えることはありませんけどね(笑み)。
    いちおう、連絡までと思いまして…。
    御気分を害されたら失礼しました…野暮なことでしたらすみません。

    • bibi より:

      ケアル 様

      今回のタイトル重複については……わざとです。青年時代1の「諦めない心」は青年リュカの心境、今回の「あきらめないココロ」は双子たちの心境、ということで、その心は引き継がれているという感じで読んでいただければ……m(_ _)m
      紛らわしくてすみません。どうもご連絡ありがとうございます。また何か気になることがありましたらご連絡くださいませ^^

  4. ピピン より:

    bibiさん

    更新お疲れ様です。
    今回読んでいて個人的に好きだったシーンがあるのですが、まずリュカがジージョを助けると誓ったところ。
    他の方の作品で大神殿の話を読んでいても結構ジージョに触れなかったりするので、リュカが明言してくれて良かったです。
    倒されて蹴られても同じ親として屋敷の主人に共感して恩を感じているのはリュカらしい…( ´∀` )

    そして、気丈に振る舞っていた双子が泣き出したシーン。
    原作の双子は、生き別れた父親と8年ぶりに再会したにしては明る過ぎると思うので、原作のセリフを尊重しつつもオリジナリティを加えた良い解釈だなと思いました。
    短いながらも印象的で好きなシーンです。

    • bibi より:

      ピピン 様

      いつもコメントをどうもありがとうございます。
      ジージョに関しては、リュカにとって決して他人事ではないので、このような話になりました。やはりドラクエには優しさが必要だよなぁと。……まあ、非情な部分もあるゲームですが。
      双子は、あの年齢で数年がかりで捜して見つけた父親なので、父親に会えた嬉しさももちろんあるだろうけど、やり遂げたという気持ちもあったんじゃないかと思います。原作は仰る通り、明るいんですよね。それを私なりの解釈で捻じ曲げてみせました(笑) ドラクエは幅広い解釈のできるゲームということで、私なりにやりたい放題書いています。ご容赦くださいm(_ _)m

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