八年ぶりの船旅

 

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グランバニア北側には海のように広い湖があり、そこに八年前までリュカたちが長旅に使用していた大型の船が停泊していた。ビアンカとの結婚祝いとこれからの長い旅に必要になるものだと、サラボナの大富豪ルドマンがリュカたちに贈ったものだ。贈られてから既に八年以上が経過しているが、その間にもグランバニアの兵たちによる整備が行われており、すぐにでも長旅に出られる状態で港に停泊していた。港には他にもグランバニア所有の船が数隻停泊していたが、リュカがルドマンから贈られた船ほど大型のものはなく、船内の設備にしても他の船には類を見ないほど充実している。それ故に、この八年の間にリュカたちを捜す旅にも使用され、現役で動く船はさほど古びれていなかった。
今、船は既に広い湖を出て、大きな川を下っていた。動力はわずかな魔力だが、川を下る間は魔力も必要とせず、ただ静かに川の流れに任せて進んでいるだけだ。操舵室にはリュカとサーラがおり、船底が川の岩などにぶつからないよう注意を払いながら、慎重に舵を握って船を進めていた。
「今までにもこの川は何度も下ったことがあるのです。あと一時間もしないうちに海に出るでしょう」
サーラが魔物の目を光らせて川を見つめる。ちょうど海に出る間際に川底が少々浅くなる場所があるらしく、更に速度を落として大きな船をゆっくりと進める。広い川の右寄りを進めば問題ないらしく、舵をゆっくりとまわしていく。
「一回、どかーんってぶつかったことがあるんだよね。あの時はびっくりしたよ」
「慌ててグランバニアに引き返したのよね。私がルーラを使えたから、戻るのはすぐだったけどね」
「色々とあったんだね……。船の修理も大変だったでしょ」
「急いで修理を行いましたが、それでも二月は足止めを食らいました……」
交代の時間になる頃だと、ピエールが操舵室に現れ会話に加わった。海に出るまではサーラが舵を握り、海に出た後はピエールに代わるということを事前に決めている。海に出た後は二時間ごとにリュカ、サーラ、ピエールと舵を握る順番となっている。ティミーもその役目を所望していたが、舵を動かすための力がまだ足りないためその役目を下ろされている。しかし実際には、面白がって舵を回してしまうかもしれないという理由があることを、ティミーは知らされていない。
「船を動かすのにも海の中の地形をしっかり分かっていないとダメなのよね。浅い所に行ったら船が座礁してしまうもの」
「そうなんだね。あんまり気にしてなかったなぁ」
「我々はきっと、ついていたんでしょうな」
ピエールの言う通り、リュカたちの船旅にはさほど座礁の危険はなかった。大海原に船を出すことが多かったが、初めの内はサラボナ付近で川を下ったり、山奥の村近くにある水門附近の川から内海に出たりすることもあった。大型船がどうにかすれ違えるほどの川幅しかなかったが、船底を川底に擦り付けるようなこともなかったのは、運が良かったと言えることなのだろう。
しばらくすれば川から海に出るという景色に、リュカは前方に水門があるのではないかと操舵室から前方を見渡した。渓谷の中を大型船が悠々と進み、川の両岸には険しい山々の景色が視界を遮る。前方に続く川は幅広いながらも曲がりくねっており、まだ海に出る気配を感じない。渓谷の中の操舵はかなり慎重にならざるを得ず、会話に加わることなくサーラは着実に船を進めている。
川から冷たい風が吹いてくるが天気は良好で、船の上には暖かな日差しが降り注いでいた。甲板の上ではプックルがのんびりと日光浴をしており、気づけばティミーとポピーがその近くの甲板から渓谷の景色を眺めていた。船と並行して飛んでいく鳥がいる。その鳥に向かって手を伸ばすポピーに、ティミーはつまらなさそうに反対側の景色を見つめ始めた。船の前方にはメッキーが宙を飛んで状況を確認したり、舳先に下りて羽根を休めたりしている。大型船に乗っているためある程度の海の魔物はやり過ごせるだろうが、凶暴な海の魔物らは大型船であれ何であれ、容赦なく襲いかかってくる。メッキーは己に課せられた役目を真面目に果たしている。一方、船の後方にはゴレムスがまるで守り神の銅像のごとく甲板に鎮座し、じっと遠ざかる川の景色を見つめている。彼が果たして見張りをしているのか、ただ景色を眺めているのか、はたまた眠っているのかリュカには分からない。しかしゴレムスがそこにいるだけで船に襲いかかるのを思いとどまる魔物もいることは想像できた。
リュカはずっと抱いていた違和感の原因にふと気づいた。船旅をしていて、船の上にいるのに、ビアンカの姿がないのだ。八年前まで、リュカはビアンカと魔物の仲間たちと共に船旅をした。船の上には必ず彼女の姿があり、常にリュカの隣に寄り添い、言葉をかけてくれた。喉が渇いたと思ったら、頃合いを見計らったかのように飲み物を持ってきてくれたりした。一緒に肩を寄せ合って星空を眺めた。くだらない言い合いをしたこともあった。気持ちよさそうに潮風を浴びる彼女の姿を見るだけで、リュカは幸せを感じられた。
実際にビアンカと船旅をしたのは一年もなかったのだろうが、それでも船の上には必ずビアンカの姿があり、その姿があるだけでリュカはあまり好きではない船上での生活を楽しむことができた。その姿が今ないことに、リュカはまるで夢でも見ているようなふわふわとした感覚を覚えた。
「お父さーん、お水飲むー?」
広い甲板の上を動き回っていたティミーが元気な声でリュカに呼びかける。操舵室にいるリュカはティミーの姿を見下ろしながら、元気な男の子の顔つきにかつての子供の頃のビアンカを重ねて見る。ティミーは父リュカと共に旅に出られたことを心から喜んでいる。ピエールに聞いた話によれば、リュカとビアンカが見つかったら必ず一緒に船に乗って旅をするんだとティミーは夢を語っていたという。今は父であるリュカだけだが夢が半分叶ったことに、ティミーは笑顔でリュカに呼びかけていた。その裏には、まだ母ビアンカが見つかっていない寂しさが確実に潜んでいることを、リュカは感じている。
「オレンジはないけど、レモンのシロップ漬けならあるから、レモン水にして持ってくるね」
その声が後ろから聞こえ、リュカは一瞬息が止まるほど驚いた。振り向くと、操舵室まで駆け上がってきたポピーが息を弾ませながらリュカを見上げていた。同じく操舵室にいたピエールも驚いたように振り向き、同じようにポピーを見つめている。リュカはピエールを見ながら、恐らく同じことを感じたのだろうと、小さく息を吐いて笑った。
「僕も一緒に行くよ、ポピー。作り方を教えてくれるかな」
「うん、いいよ。前に旅した時、ガンドフに教えてもらったんだ」
「そっか、ガンドフに……」
「ガンドフってそういうこと、いろいろと知ってるの。誰に教えてもらったんだろうね」
「聞いたことないの?」
「聞いたんだけど、教えてくれなかったの。ビッグアイっていう魔物さんはもともとレモン水の作り方、知ってるのかな」
「さあ、どうだろうね」
かつての旅の最中、ガンドフはよくビアンカの傍にいて、彼女が食事の準備をするときなどは率先して手伝ったりもしていた。そのような時に、ビアンカにオレンジ水の作り方を教えてもらったことがあるのだろう。それをポピーに教えた時、ガンドフはどのような思いを抱いていたのだろうかと想像すると、リュカは温かいような切ないような複雑な気持ちになった。しかしガンドフがポピーに教えたいと思った気持ちに底のない優しさを感じ、リュカは今はグランバニアに残るガンドフに心の中で礼を言った。
「リュカ殿……」
「うん、大丈夫。ありがとう、ピエール」
「? どうかしたの、お父さん?」
「ううん、なんでもないんだ。さあ、船室に行って少し休もう。すぐに戻るから、その間よろしく」
「休める時に休んでおいてください。いつ敵が襲ってくるか分かりません」
サーラは川の先に広がる景色を慎重に見つめながら、声だけで返事をした。この辺りは川底が浅くなっている場所が多く、かじ取りに最も気をつけなければならない場所らしい。海に出るまではあと一時間弱ほどで、無事に海に出られればリュカは八年ぶりに広大な海の景色を見ることになる。
船室に向かうポピーの後姿を見る。双子の兄ティミーと同じようにエルヘブンへの旅に心を躍らせている雰囲気が伝わってくるが、一方で生まれた時に離れ離れになってしまった母ビアンカへの思いを募らせているのだろうとリュカは思う。以前の船旅の中、ビアンカがオレンジ水を作ってくれたことを思い出し、同じようにポピーがレモン水を作れることに、リュカはこれからもこうしてビアンカを思い出させる子供たちの行動があるのだろうと思った。二人は彼女の子供たちなのだ。たとえ生まれた時に離れ離れになっても、彼女の血は確実に二人に流れている。その度にリュカは自身が内包する悲しみを表に出してはならないのだと、先ほどピエールに心の内に気づかれたことを反省した。



「うわー、やっぱり海って気持ちいいなぁ! この、シオカゼってやつがいいよね」
船縁から海の景色を望むティミーが、癖のある金髪を潮風になびかせながらいかにも気持ちよさそうにそう言った。天候に崩れもなく、空は晴れ渡っており、青空の中に鳥が鳴きながら船と並行して飛んでいく。北の大陸への船旅は順調で、今のところ魔物に襲われることもなく進んでいた。しかし川から海に出てしばらくすると、辺りに魔物の気配を感じられるようなったことに、魔物の仲間たちとリュカは気づいていた。海の魔物は頃合いを見計らってこの船を襲おうとしているのだと、リュカは操舵室から、メッキーは船首、ゴレムスは船尾、プックルは右舷側で双子たちと共におり、左舷側からはサーラが辺りの状況を静かに窺っていた。舵を握っているのはピエールだが、広い海に出てしまえば船底が海底にぶつかる心配もなく、ピエールも同じように辺りの魔物の気配に神経を研ぎ澄ましていた。
「この辺りは魔物が多いのかな」
「この数年で増えたように思います。世界中の魔物が増えつつあるという話も聞いていますので、この辺りの海に限ったことではないのかと思いますが」
「そっか……。良くないね」
リュカがそう返事をした時、船全体が何かの衝撃に揺れるのを全員感じた。ピエールは舵をしっかり握り、船があらぬ方向へ流されないよう支えている。リュカは響いた音に、操舵室から出てすぐに後方を確かめた。ゴレムスの大きな体が見え、その腕に何かが絡みついているのが見えた。しかし見ている間に、ゴレムスは腕に絡みついたタコのような魔物を引き離し、遠く海へ投げてしまった。
「ピエール、任せたよ」
「はい。くれぐれもお気を付けください」
「僕よりもあの子たちだよ! ああ、先に行っちゃった……」
リュカはそう吐き捨てながら、船尾に向かう双子の姿を目にしていた。ティミーに関しては明らかにこの状況を楽しんでいる。長く旅をして魔物の恐ろしさも理解しているだろうに、それでもティミーにとってこの状況は楽しめるようで、甲板を走る姿はどこか生き生きしている。兄に付いていくポピーも置いて行かれまいと慌てて走っていくが、魔物に対する恐怖はあまり持っていないようだ。覚えている呪文を敵に試したいという好奇心が勝っているように見えた。リュカは子供たちの様子を甲板の上に見ながら、自身も急いでゴレムスのいる船尾の方へと駆けて行った。
リュカが甲板を走って行くと、右舷側からプックルが猛烈な勢いで駆けてきた。そしてゴレムスに襲いかかる巨大な貝の魔物に強烈な前足の一撃を食らわせると、そのまま甲板に貝をたたきつけた。キラーシェルと呼ばれる巨大貝の魔物は甲板の上に弾み、合わさる二枚の貝の間から光る二つの目をプックルに向けると、中から不穏な空気を溢れさせてきた。
「プックル、逃げろ!」
リュカが叫ぶと、プックルはキラーシェルから距離を取るように甲板の上の樽の影に身を潜ませた。キラーシェルが唱えている呪文が非常に危険なものだとリュカには分かった。プックルもその雰囲気に気づいたらしく、リュカに言われた通り樽の影に完全にその身を隠した。
リュカがキラーシェルに向き直った直後、高らかな声と共にキラーシェルに剣を振り下ろすティミーの姿があった。呆気にとられ動けないリュカは、煌めく天空の剣を鮮やかに振るティミーを見つめることしかできなかった。天空の剣の破壊力はリュカの想像を超えていた。伝説の剣に宿る力は、その持ち主の力により解放され、互いの力が合わさることでまるで剣そのものが獰猛な生き物になったかのようだった。キラーシェルの固い殻が見事に砕かれ、影となって現れた中の魔物は太陽の光に溶けるようにその姿を消してしまった。
ポピーはゴレムスの影に隠れるような位置から、呪文を唱えていた。ゴレムスの前にはマザーオクトというタコの魔物が二体、じりじりと近づいてきている。ゴレムスはゆったりとした動きで、魔物の群れに近づいていくが、二体同時に攻撃を仕掛けられるわけではない。左側の一体に目を向けて、大きな拳を構えている。
リュカが旅の装備に手にしているのは破邪の剣という、通常グランバニアでは手に入らない剣だった。一振りだけ城に保管されていたその剣を、リュカはこの旅に持ってきていた。八年前まで使用していた父の剣は、怪物の塔での死闘で折られてしまった。父の剣は石の呪いを受けたリュカとビアンカを捜索しに来たグランバニア兵士たちにより持ち帰られ、今はグランバニアの宝物庫で大事に保管されている。城に住む武器屋に鍛冶を頼み、父の剣の復元を試みたが、特別な製法で作られたものらしく、復元はとうとう叶わなかったという。
リュカは破邪の剣を握りしめ、マザーオクトと対峙する。今までは父パパスの加護を受けながら魔物との戦いに臨んでいたのだと、破邪の剣を握りしめる度に気づかされる。手から父の加護を感じることはない。代わりに今は、絶対に守らなければならない存在が二つある。リュカはゴレムスと並ぶようにしてタコの魔物に向き合った。
海の中ではないというのに、マザーオクトは甲板の上を飛ぶように襲いかかってきた。八本の足を広げてひゅんひゅんと飛ぶ中、足の真ん中から何故か砂煙が上がった。頭上から砂を浴びせられた格好のリュカは、すぐさま目を背けて目に砂が入るのを防いだ。しかし同じように上を見上げていたゴレムスは目の部分に砂が入り込んだらしく、大きな頭を激しく振って砂を出そうとしている。もう一体のマザーオクトがゴレムスに飛びつき、目の部分に張り付くようにタコの身体を広げた。そして目の部分の中に入り込もうとする。
ゴレムスに襲いかかるマザーオクトに、リュカが切りかかった。破邪の剣に宿る力が飛び出し、マザーオクトの身体を焼く。悲鳴を上げて、しゅうしゅうと煙を上げる頭を思い切り振り、その勢いでマザーオクトは甲板の上に落ちた。すかさず駆けたリュカは、その脳天に剣を向け、一体の敵を倒すことに成功した。
リュカの背後にもう一体のマザーオクトが迫る。しかしリュカが避けるまでもなく、敵の攻撃はあらぬ方向へと向けられた。敵の目はしっかりと相手を見据えているようだが、その視点は明らかにリュカとは一致していない。攻撃を外したマザーオクト自身が、なぜ外したのかを理解していない様子だった。
リュカは先ほどゴレムスの背後に隠れて呪文を唱えていたポピーを思い出した。彼女が唱えた呪文はマヌーサという幻惑の呪文なのだと分かり、敵の魔物がその呪文にかかっているのだと気づいた。それならば無理に倒す必要はないと、リュカはゴレムスに普段の調子で話しかける。
「ゴレムス、あのタコの魔物を海に帰せるかな」
リュカの言葉を聞いてしばし動きを止めたゴレムスだが、言葉の意味を理解したのか、あらぬ方向へ攻撃をしようとしているマザーオクトへと歩き出した。ゴレムスの歩く気配を後ろに感じるものの、マザーオクトは後ろを振り向くことなく甲板の縁に向かって飛びかかろうとしている。ゴレムスがあっさりとマザーオクトを後ろから捕まえると、絡みつく吸盤の力を振り払うように思い切り海に向かって放り投げた。マヌーサがかかった魔物は何が何だか分からないまま、自分の家でもある海に帰ることになった。
「ありがとう、ゴレムス。それに……ありがとう、ポピー」
「お父さん、どうして倒さなかったの? また船に乗り込んでくるかも知れないよ」
天空の剣を構えていたティミーがいかにも不服そうにリュカに聞く。彼は勇者としての使命を持ち、その使命に従うように魔物たちを倒している自負があるのだろう。船に乗り込み、襲いかかってきた魔物らを倒すことは正義なのだと、ティミーはティミーの信念を持っている。
「うん、まあ、あれだけ遠くに行っちゃったしさ、大丈夫だと思うよ」
「まさか魔物を逃がしちゃうなんて思わなかったわ……」
マヌーサの呪文をかけ、敵の目をくらましたポピーも、リュカの行動に素直に驚いている様子だった。リュカのいなかった旅では、ポピーが敵の目を呪文で幻惑させ、その隙にティミーや魔物の仲間たちが攻撃をして敵を倒していたのかもしれない。しかしリュカにはそうする必要がないと感じた。マヌーサの呪文で幻に包まれていたマザーオクトを倒すよりも、できるなら海に帰してやりたいと思うのがリュカだった。
「戦わないで済むんだったら、その方がいいよ。ほら、疲れなくて済むしさ」
リュカが子供たちに説明する姿を、静かに見つめるゴレムスがいる。ゴレムスが一体何を考えているのかは分からなかったが、リュカの行動に異を唱えるような雰囲気はなかった。そして魔物の帰った海を見やりながら、ゴレムスは密かに一つ小さく頷き、リュカに向かって大きな手の平を見せるように手の平を上向きにして差し出してきた。
「どうしたの、ゴレムス?」
そう言いながら、リュカは何気なくゴレムスの手の平に自分の手の平を乗せるように合わせる。その瞬間、ゴレムスの気持ちが流れ込んできたような気がして、リュカはその気持ちの温かさに思わず笑顔を漏らした。ゴレムスと言葉を交わしたいときはこうすればいいのかも知れないと、リュカは彼との会話の方法を得たような気がした。
「さあ、他の魔物が近くに潜んでいるかもしれないから、またみんなで見張りを続けよう」
魔物は夜になれば活発化する。昼間の内に順番に休みを取り、夜は総出で見張りをすることになると旅に出る前にリュカたちは取り決めを行っている。リュカはまずゴレムスに休息をとるように言い渡し、ゴレムスが見張りをしていた船尾からの景色に目を向けた。船は順調に進み、船尾から白波が立ち、帆に南からの風を受けて勢いを増している。この辺りは西から吹いてくる風がグランバニアのある大陸の山々にぶつかって向きを変え、南から吹く風となるため、北に向かう船にとっては好都合の海域だという。先ほど川から海に出て、南の大陸を脱したばかりだというのに、既にその大陸は霞のように灰色がかって見えるほど遠くになっていた。見える山々の中には、リュカとビアンカが石の呪いを受けたあの怪物の塔があるが、かつて塔の上に立ち込めていた暗雲はなく、山々の辺りは晴れ渡っていた。しかしリュカは山々の中央に睨むような目を向け、エルヘブンへの旅ではなく、妻を取り戻す旅に出ているのだという自覚を胸に抱いた。



グランバニアを出て二十日が過ぎ、その間ずっと東側に大陸の影を見ながら船は進んでいた。船は北上を続け、南風の影響も受けて順調に進んでいる。二日ほど天候が荒れ、船の操舵に影響したが、漂流することもなく針路を外れずに運航を続けている。
リュカは東側に見える陸地を長いこと眺めていた。この大陸のどこかにエルヘブンという母の故郷がある。八年前までリュカが旅を続けていた中でも訪れたことのない土地で、恐らく父との旅の中でも足を踏み入れたことはない。駆け落ちという強引な手段でマーサを妻に迎えたパパスを、エルヘブンの人々が嫌っていたことをリュカはサンチョやオジロンから話に聞いている。ましてやマーサを魔物に攫われた状況でエルヘブンを訪れることなどできなかっただろう。
「この辺りから探索してみよう。船を岸近くに着けて、陸に降りる準備を」
二十日の船旅が続き、ティミーとポピーが少々疲れていることをリュカは見ていた。一見船旅を楽しんでいる二人だが、毎日同じ船の上での生活が続けば、さすがに飽きても来るのだろう。彼らはよく東側に見える陸地を恋しそうに見つめ、小さくため息をついたりしていた。船旅に疲れているのもあるだろうが、それ以上に彼らもエルヘブンのあるこの大陸に降りてみたいという思いがあるのだと、リュカは子供たちの思いにそれとなく気づいていた。
「船をつける港はなさそうなので、錨を下ろしての停泊になりますな」
「船の見張りも残すようにしよう。海が荒れて船が流されたら大変だ。馬車を下ろすのも難しいね。荷物は僕が運ぶからいいとして、パトリシアも船を降りたかっただろうけど、我慢して……」
「いえいえ、馬車を下ろすことはできます。ゴレムスがいますから」
サーラの言葉をすぐには理解できなかったリュカだが、近くに来ていたティミーが楽し気に説明し始めた。
「ゴレムスは何度も馬車を運んでくれてるんだよ。僕たちと旅に出た時も、馬車を運んだり、大岩をどかしたり、山を崩す……のはできなかったけど、色々とやってくれるんだ」
「軽々と馬車を運んでしまうものね。あと、パトリシアは海で泳ぐのが好きなのよ。だから喜んで海に入ってくれるはずよ」
「ええ? パトリシアって海が好きなの? 知らなかった……」
リュカがパトリシアと旅をしたのは二、三年の間の話だ。一方、子供たちがパトリシアと過ごした時間は八年間。パトリシアのことにしても、二人の方がよく知っているということに、リュカは思わず子供じみた寂しい感情を抱く。
「ただかなり荒っぽい入り方をするけどね。ゴレムスと一緒にどっぼーんて飛び込むから」
「何だか意外なことだらけで、頭がついて行かないよ……」
甲板の上を散歩していたパトリシアは自分の名前が呼ばれたことに反応し、リュカにすり寄ってきた。リュカはパトリシアの首を軽く叩きながら、「お前、結構お転婆な馬だったんだなぁ」と呟いた。パトリシアは鼻を震わせ、ぶるるるっと否定するように小さく嘶いた。
「ところでリュカ王、どの辺りを探索する予定ですかな?」
この辺りに船を停めて陸に降りる予定はなかったが、リュカが船を停めると言ったことでその言葉は彼らの中で絶対の意味を持った。リュカは自身がグランバニアの王であることを思い知らされ、途端に窮屈な思いに頭を悩ます。
「いや、ただ地図の中でここから東に行った辺りも何も描かれていなかったと思ってさ。誰も調べたことのないところって、見てみたいなぁと思って……って、あの、僕が何か間違ったことを言ってたら教えて」
静かにリュカの目を見つめるサーラの目を見返しているうちに、リュカは自分が何かおかしなことを言っているのかもしれないと自信がなくなってきた。今はエルヘブンへの道を見つける旅の最中だ。ゴレムスが静かに教えてくれた海路を進み、北の大陸をぐるりと回って東側に回り込むのが正解だとしても、今リュカはこの場所を探索したいと思った。まだ八歳の双子たちに長い船旅を強いるのが心苦しいという、身勝手な理由であることを自覚していた。
「良いのではないでしょうか。それでは私は船を見張るためにここに残ります」
「えっ? あ、そう? うん、それは助かるよ。でもサーラ一人じゃ危険だからもう一人……」
「リュカ殿、私が残ります。船を操舵できる者が二人残ればどうにかなるでしょう」
ピエールが名乗り出たことに、リュカは驚きの余り声も出なかった。ピエールはいつでも共に旅に出る仲間だった。今回の旅にも迷わず同行してくれた。しかし船を降りての旅には同行せず、停泊する船を守るために待つという。まさかピエールがそのような提案をするとは思わず、リュカはしばらく口を開けたまま止まってしまった。
リュカの足元にプックルが寄り添う。八年前までの旅でもよくある行動だった。プックルも気づけばリュカの足元に寄り、リュカと共に戦うのだという意思を見せていた。そして同じようにピエールも、いつもであればリュカと共に戦い、リュカを支えてくれた。ピエールがいない旅というものをリュカは考えたことがなかった。
「サーラ殿がこちらに残るのであれば、回復薬が一人こちらに残らなくてはならないでしょう。そちらにはリュカ王、それにメッキーがいますから回復薬としては問題ないかと……」
難しい顔で黙ったままのリュカを見て、ピエールはもっともらしい理由を述べる。
「ピエールさん、そうではなく、リュカ王はあなたと離れるのがお寂しいのではないのでしょうか」
「……へっ? 寂しい? ……いやいやまさか、リュカ王のようなお方がそんなことをお考えになるはずが……そんなことありませんよね?」
ピエールが困惑した様子で話しかけてきたことに、リュカはサーラに言い当てられた本心を心の奥に押し込んで、笑って答える。
「あはは、そんな、寂しいなんて。ピエールが残ってくれるなら安心して船を任せられるよ。じゃあ、陸地探索隊は僕とプックル、メッキー、ゴレムス、それにティミーとポピーだ。パトリシアもよろしくね」
リュカはあまり深いことは考えないようにして、陸に降りる仲間を決め、皆に言い渡した。ティミーとポピーは手を合わせて陸に降りられることを喜んでいる。決して船旅が嫌いなわけではないだろうが、ずっと船に乗っていると陸に降りたくなるのは当然の反応だろう。二人が喜んでいる姿を見て、リュカも少しは心が落ち着いた。
船を着けられる岸はなく、まだ船が航行できるところで停め、帆をたたみ錨を下ろす。ティミーとポピーの言った通り、パトリシアは泳ぐのが好きなようで自ら海に飛び込み、気持ちよさそうに泳ぎながら岸に向かった。リュカと旅をしていた時にはそのような機会もなく、パトリシア自信泳ぎが好きなことにも気づいていなかったようだが、この八年の間にすっかり泳ぐことを覚え、今では泳ぐ場所があれば自ら水に飛び込んでしまうらしい。
次にゴレムスが海に飛び込み、船の甲板にも水しぶきが注いだ。ゴレムスは海底に両足をしっかりと着けて両手を船に差し出した。その上にティミーとポピーが当然のように飛び乗ると、海をかき分ける巨人のごとく岸へとゆっくり歩き始めた。
「お父さーん、先に行ってるねー」
ティミーが元気よく手を振っている。ポピーも慣れた調子でゴレムスの手の中で落ち着いて座っている。後を追うように、プックルが海に飛び込んだことにリュカは最も驚いた。甲板から海を見下ろし、リュカは思わず叫んだ。
「プックル! 大丈夫か?」
リュカの言葉に返事もせずに、プックルは器用に足で水をかきながらゆっくりではあるが前に進んでいく。プックルは水に入ることがあまり好きではないとリュカは記憶している。ましてや足がつかないような深い水に入ることを、リュカと旅をしていた時には極力避けていたはずだった。今も決して水が好きなわけではないようだが、この八年の間に様々な局面を乗り越えるため、水への恐怖を抑えることができるようになっていた。その第一の要因は、双子の子供たちの存在に違いなかった。小さな二つの存在を守らなければならないと、水を怖がっている場合ではなくなったのだろう。
「ッキッキ!」
メッキーがリュカの近くで大きな翼をはためかせて宙を舞う。リュカはメッキーに覆いかぶさるようにつかまり、そのまま宙に浮いた。
「リュカ王、お気をつけて」
「船のことはお任せください、リュカ殿」
「うん。ありがとう、二人とも。ちょっと行ってきます」
振り落とされないようメッキーに両手でしっかりとつかまり、リュカも皆の後を追って岸に向かった。



未開の土地をパトリシアが引く馬車が進む。それだけで、リュカは自分がようやく妻と母を捜す旅に出られた実感を得ていた。馬車を囲むのはリュカとプックル、それにゴレムスとメッキーだ。双子の子供たちは馬車に待機させ、体力を温存させるようにしていた。二人の内、特にティミーは不満を訴えて外を歩きたがったが、リュカはそれを許可しなかった。二人とも外を歩いての旅にも慣れているようだったが、だからと言ってリュカはそれを良しとしようとは思わなかった。
「お父さん、これじゃ体がなまっちゃうよー」
「ねぇ、私たちも一緒に歩いて周りを見た方が、何かを見つけるのも早いと思うんだけどな」
「いいんだ。ティミーとポピーはとりあえず馬車の中にいて。何かあった時は協力してもらうから」
「絶対だよ、約束だよ、ボクたちも頼ってよね!」
「そうよ。これじゃあお荷物みたいだわ」
「そんなことないよ。マーリンなんかよく馬車の中から色々なアドバイスをしてくれたよ。馬車にいたってできることはあるよ」
二人が子供としての自尊心を傷つけられていることを知りつつも、リュカは柔らかく二人を宥めて馬車にいるよう促した。
「そうだ。ティミーもポピーも、今はどんな呪文を覚えようとしてるの? 呪文書を持って来たんだよね?」
「あっ、そうだ。お父さんに教えて欲しい呪文があったんだ! ボク、回復呪文を使ってみたいんだけど、なかなか上手く行かなくって……唱えるコツってあるのかな?」
「お父さんが初めて回復呪文を使えた時のことを真似してみればいいんじゃない? 初めて回復呪文を使ったのっていつなの?」
「僕が初めて回復呪文を使ったのって……いつだったかな」
本当はすぐにその時のことを思い出したリュカだが、すぐには言い出せずに思わずすっとぼけて遠くの景色を見やった。
かつて父と旅をしていた幼い頃、リュカも父パパスの唱える回復呪文に憧れ、いつかあの呪文が使えるようになるだろうかと夢を抱いていた。父パパスに回復呪文の唱え方を聞いたこともあったが、父は「リュカにはまだ早い」と言って取り合ってくれなかった。恐らくパパスにはリュカに呪文を教える余裕がなかったのだろう。時間の余裕というよりは、心の余裕がなかったのだと、今のリュカならばその時の父の気持ちを想像することができた。
リュカが初めて回復呪文ホイミに成功した時、目の前にいたのは父ではなく、二つ年上のビアンカだった。今では義父となったダンカンがアルカパの町で風邪に倒れ、その薬をダンカンの妻と、娘であるビアンカが隣村であるサンタローズまで取りに来ていた時のことだ。その際、リュカはパパスとサンチョと住む家の二階で、ビアンカと共に過ごした時間があった。ビアンカは当時、メラの呪文が使えることをリュカに自慢し、指先から上がる小さな炎をリュカに見せていた。彼女が呪文を使えることに驚き、憧れ、密かに悔しく、リュカも呪文を使ってみたいと初めて心の底から思った時だった。ビアンカが調子に乗って自分の呪文で指先に火傷を負った時、リュカは彼女の傷が治せるだろうかと生まれて初めて呪文というものを使った。その時、成功したホイミの呪文の感触が、今もリュカの手に残っている。
「お父さんが初めて使った呪文って、ホイミ?」
「えっ? ……ああ、そうだよ」
ただ過去の記憶を脳裏に見ていただけだが、まるで頭の中を覗いてきたようなティミーの言葉に、リュカは思わず素直に反応してしまった。
「いいなぁ、ボクもね、初めは回復呪文を覚えようとしたんだけど、上手く覚えられなかったんだよなぁ。でもマーリンには『いずれ使えるでしょう』って言われてるんだ。だからボクも回復呪文を使えるんだとは思うんだけど……いつ使えるようになるのかなぁ」
「うーん……必要になった時、かな。もしマーリンにそう言われてるのなら、きっとそのうち使えるようになるよ。焦らなくても大丈夫」
「私は回復呪文がまるで使えないみたい……」
ポピーの言葉を聞いて、ビアンカが同じように悔しがっていたのを思い出す。彼女は攻撃呪文を使えることを自慢げに話す一方で、回復呪文を使いたいのに使えないと零していたことがあった。仲間が傷を負ったとしても自分には治すことができないと、彼女は悔しがっていた。
「でも、でも、お母さんも回復呪文は使えなかったって聞いて、それならいいやって思えたの。だって、お母さんと一緒だもんね」
「ポピーはヒャドが使えるんだけどさ、ボクは攻撃呪文が使えないんだよね。カッコイイ攻撃呪文を使ってみたいんだけどな~。回復呪文も攻撃呪文も使えたら、便利だよね。それで剣も強くなってさ、それでこそ勇者って感じがするよね」
「……そうかもね」
「お父さんは両方使えるでしょ? どっちの方が得意なの?」
「得意、ねぇ……あんまり考えたことなかったな。どっちなんだろう。どっちも得意じゃないような気がする……」
「ええ~? ピエールは『どちらもお上手ですよ』、なんて言ってたよ~」
「お父さんって、控えめよね。もっと自信を持っていいと思う」
娘のポピーに人生の助言をもらったような気がして、リュカは思わず苦笑いした。ポピーの言葉に時折どきりとさせられるのは、恐らく彼女の言うことがビアンカの言うことに似ているからだということに、リュカはまだ気づいていなかった。
「ピエールは優しいから、僕に対してあれはダメだ、これはダメだなんてこと、言ったことないよ。ダメなところ、いっぱいあるはずなんだけどね」
リュカがこめかみを指で掻きながらそう言うと、プックルが檄を飛ばすように赤い尾でリュカの背中を強く叩いた。八年前までの旅でも、プックルはリュカの隣を歩くのが常だった。そして今も、プックルは同じようにリュカの隣を歩いている。八年の時を経て全てが変わってしまったように感じているリュカだが、変わっていないものもあるのだとプックルの檄に、痛そうに顔をしかめた。
「ッキッキー!」
馬車の前を行くメッキーもリュカたちの会話を聞いていたのか、リュカを励ますような声を上げる。大きな翼を強くはためかせ、メッキーはリュカの周りをぐるぐると飛ぶと、再び馬車の前方へと戻って行った。その行動に、リュカは心の中が温まる思いがするのと同時に、子供たちの前で少々恥ずかしい思いも抱いた。
「いいなぁ、お父さん。やっぱりみんなにとって特別なんだなぁ」
「みんな、お父さんと一緒に旅がしたいって仲間になってくれたんだものね。お父さんを捜す旅でも、みんな、とっても必死だったもの。絶対に諦めないって、絶対に見つけるんだって」
「そっか……そうなんだね」
リュカにとっても石の呪いを受けてからの八年間は長かった。石にされ、何もできない何も感じない身体だというのに、目は見え耳も聞こえる状態は、苦痛以外の何物でもなかった。いっそのこと何も見えず、何も聞こえず、目が覚めたら八年経っていた方がよっぽど楽だっただろうと思った。
しかしリュカとビアンカが行方不明になり、二人を捜す者たちにとっても、八年という歳月は非常に長かったようだった。人間が感じる年月と魔物が感じる年月には違いがあるのかも知れないと思っていたが、リュカとビアンカと旅をし、二人と同じ時を過ごしてきた魔物の仲間たちにとっては、八年という歳月は人間が感じる時の流れと同じような感覚だったのかも知れないと、リュカは今になってそう思えた。
幼い頃、父と旅していた頃を思い出す。リュカの記憶に残る父パパスは常に強くたくましく、息子のリュカに弱い所を決して見せなかった。リュカはそんな父に憧れ、いつかは父と並んで魔物と戦い、旅の助けをするのだという夢を心に抱いていた。幼いリュカを連れ、魔物に攫われた妻マーサを取り戻す旅を続ける中で、パパスも弱音を吐きたい場面は幾度もあったはずだ。しかし父が弱音を吐いたところなど、リュカは一度も見たことがない。父の自信のないような発言なども聞いたことがなかった。恐らく父パパスはいつでも息子リュカの前では強くあるべきだと、心に留め置いていたのだろう。
憧れの父と自分はやはり違うのだと、リュカは思った。そしてそれで良いのだとも思った。リュカは父の素顔をまるで知らなかったことに、今でも心の中に疎外感を持っている。オジロンやサンチョが話す父の姿は、リュカの記憶の中にはまるでないものだった。父は自分には本当の姿を晒してくれなかったのだと、今でも寂しい気持ちを感じることがある。
リュカは双子の子供たちとなるべく話をしようと思った。不安にさせるような話は当然避けるべきだが、他愛もない話を多く楽しもうとリュカは彼らとの空白の八年を埋めることを考えた。あの時、リュカは父と二人での旅だった。しかし今、リュカは双子の子供たちだけではなく、魔物の仲間もおり、馬車を引くパトリシアもいる。この八年の間、双子を見てくれていた魔物の仲間たちに頼りながら、リュカは自分にできる子供達との関わり合い方をしていこうと、父の背中を思い出しながら明るい気持ちでそう思った。そして明るい気持ちのまま、妻に、母に再会出来たら、きっと彼女たちも笑ってくれるに違いないと、リュカは自身の中に抱える暗い部分に蓋をして旅を続けることを心の中で誓った。

Comment

  1. ケアル より:

    bibi様。
    コメント遅くなり申し訳ありませんでした。
    ちゃんと一通りチェックしていましたが、最近、仕事やプライベートで疲労困憊していまして…すみません。

    オレンジ水の話は、ほんわかしますね。
    でも、ポピーにガンドフもリュカも、ビアンカお手製だよ…て教えてあげたら、ポピー喜ぶのになぁ…て思うんですが…?。

    子供たちは、父親を前にしての初戦闘。
    レベルがまだ低いながら、素晴らしい戦いぶりでしたな。
    リュカのできたら戦闘しない考えを子供たちに教えて行くの…大変かもしれませんね…。
    キラーシェルの呪文はザキですよね?
    リュカは、何回か、くらっていますから雰囲気をさっしたんですな。
    なんせプックルに、全力近いパワーで手を噛みつかれていましたよね過去に…たしか…滝の洞窟だったでしょうか?。

    パトリシアが海を泳ぐのが好きだなんて驚きました。
    そして、プックルが泳ぐだなんて想定外ですな。
    あの日…火だるまになり、子供リュカに水の中に落とされ一命を取り戻した…。
    それから水は苦手になり滝の洞窟では避けながら探検をしていたのに…。
    この二人?2ひきは、精神的にレベルアップしているんですね。
    ゴレムスって、身長どんだけあるんですか?
    海の中でも歩けちゃうなんて度肝抜かれましたぁ。

    ティミーの初回復呪文はベホイミですよね?
    勇者なのに、ベホマ、ベホマラーで終わり、ベホマズンを覚えないのは…なぜなんだろうと今でも疑問であります。ドラクエ5を作成したスタッフに聴いてみたいものです。

    ポピーは、これからマヒャド、イオナズン、場生きると、ルカナンと、戦闘に対して有効な呪文を覚えて行きますから、慌てなくても最強女子になりますよね。

    bibi様、次回は何になりますか…て、もはや更新されてる~(笑み)
    早速、自分もルーラで次回作に飛ばなくては!(ビィーンビィーン)

    • bibi より:

      ケアル 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      お仕事大変そうですね。何よりも、ご自分のお身体をお大事になさってください。
      オレンジ水のことは、リュカもガンドフも、ただ何となく「ビアンカお手製」と言えない感じです。ポピーがそれで喜んでくれるかも知れないけど、同時に悲しみも抱えてしまうかなと。
      キラーシェルの呪文はザキです。ゲーム上ではあっさりステータスが赤くなったりしますが、こちらの小説ではそうも行かないので、どうにか助かる方向に導いています(笑)
      お馬さんって泳げるんですよね、あんなに大きいのに。リュカが八年、石になっていた間、仲間たちは着実に成長しています。プックルも水を克服せざるを得なかった。水を怖がっていたら、小さい二人を守れないと、彼も頑張りました。ゴレムスは一応グランバニア城の中に入れるので、そんな巨大というわけではなく、船を浅瀬ぎりぎりに停めたので、海の中も歩いて行けた、という感じですかね~。
      ティミーもポピーもこれからの成長が楽しみです。父リュカも子供たちに追いつかれないようにしないと(笑)

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