2021/03/08

答え合わせ

 

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「お父さん」
幼い頃の自分の声が耳に響いた気がした。真っ白な世界に包まれ、自分は過去のサンタローズの村を後にしたと思ったが、どうしても消えない心残りと共に過去を去ることができなかったのかと思った。
子供の自分の声に辺りを見渡せば、白い世界の中に一つだけ金色の光が灯っていた。手にしたばかりの本物のゴールドオーブが道具袋から飛び出し、目の前で輝いているのだろうかと思った。白い世界が徐々に失せていくとともにそれは形を成していく。
「大丈夫? ずーっと気を失ったみたいに固まってたから、ボク心配したよ!」
金色の光は一つではなく二つあった。その内の一つが幼い頃の自分と同じような声で話し、リュカを心配して見上げていた。ティミーの目と目が合うと、リュカは戻ってきた世界に慣らすように幾度か瞬きをした。
もう一つの金色の光、ポピーも同じように不安な面持ちでリュカを見つめていた。リュカは彼女の瞳を見て、先ほど初めて出会った幼い頃の自分の瞳を思い出す。彼女にも確実にエルヘブンの血が受け継がれているのだなと、嬉しくなって少し微笑んだ。その拍子に、目元が引きつる感じがした。
「……お帰りなさい。いいの、何も言わなくて」
父親が子供に泣いた跡を見せるなんてみっともないなと思いつつ、リュカは一度手で目を擦って再び微笑んだ。子供たちにどのような言葉をかけたら良いものか分からず、ポピーの言葉に甘えて言葉を紡がず、ただ双子の頭を優しく撫でた。
「お父さんが戻ってきてくれて良かった」
そう言ってポピーはリュカの腰に抱きついた。リュカが過去のサンタローズへ出向いている最中、二人は妖精から事情を説明されていたのかもしれない。その折にリュカの意思で過去の世界に生き続けることも可能だと、無情な話があったのだろうか。万が一にもその選択をリュカがしていたら、どうなったのだろう。気を失ったように固まっていた現代の自分は、永遠とこの場所に立ち続け、いずれは色を失い石像と化していてもおかしくはなかったのだろうか。
それを止めてくれたのは他でもない、父パパスだった。父が手を離し、背中を押してくれたおかげで、リュカは愛する子供たちの手を再び取ることができた。
「ご無事にお戻りになられて何よりです。女王様がお待ちです。玉座の間へ」
大きな白いキャンバスの前でリュカを見届けた妖精が、どこか安堵したような表情でリュカにそう告げる。彼女もまた、リュカが無事にこの世界に戻ってくるのかを案じていたに違いない。
ポピーの肩に乗っていたスラりんがリュカの肩に飛び乗ると、弾みをつけて頭の上に飛び乗り、まるで喝を入れるように強くリュカの頭の上で跳ねた。「ピィ!」と甲高いスラりんの声を聞いて、リュカは沈みかけていた心を浮上させることができた。リュカの道具袋の中には今、大きな希望が詰まっている。一度は失われてしまった世界の希望を復活させる金色の宝玉があるのだ。
妖精の案内についてリュカたちは女王の待つ玉座の間へ歩いて行く。相変わらず妖精の城の壁も床もふわふわと柔らかく、人間が歩くのには少々の不便があるが、前を歩く二人の子供がその状況を楽しんでいる姿を見れば、そんな些細な事は一つも気にならなくなる。
花に満ちる大きなアーチをくぐり、玉座に据え置かれている桃色の花と対面する。リュカたちが玉座の前にたどり着くと、桃色の花はすぐに女王の姿に変化した。花が笑うように、女王の顔にも笑みが零れていた。
「よく頑張りましたね、リュカ」
リュカが細かな話をせずとも、女王は全てを知っているようだった。妖精には言葉を交わさなくとも、特別な感覚で様々な事象を知ることができるのだろうかと、リュカは妖精の不思議を感じながら黙って女王の言葉に一つ頷く。リュカが女王にゴールドオーブを見せなくとも、彼女はこの宝玉の持つ特別な力をありありと感じ、遥か昔に作られたというこの魔法の玉の存在に心の内で感動していた。
「私たち妖精には時の流れを変えるチカラはありません。でもあの絵に受け入れられたリュカならばきっとそれができるでしょう」
様々な不思議な術を使える妖精と言えども、今のこの時を巻き戻し、全てをやり直すことはできない。しかし彼女らは数少ない選ばれた者が、その時に戻ることのできる場所を作り、残していた。世界の非常事態に備える術を生み出していた。
過去のサンタローズの村に足を踏み入れられたのはリュカだけだった。ティミーもポピーも、スラりんも共にその場にいたにも関わらず、村の景色が受け入れたのはリュカただ一人だった。ティミーが世界を救う勇者として生まれたのと同じように、リュカは唯一、あの時のあの場所へ足を踏み入れることができた。
「さあ、お行きなさい。ゴールドオーブをあるべき場所へ戻す時が来たのです」
遥か昔に魔物の手によって地に落とされてしまった天空城。天空城を再び、天空へと浮上させる。それは世界にはびこる魔物の勢力を弱めることに繋がるはずだ。すくなくともリュカはそう信じている。
「お父さん、行こうよ! プサンさんが首を長くして待ってるよ」
ティミーがゴールドオーブの輝きにも負けないほどの光を放っているかのようだった。彼の無邪気さ、彼の前向きな姿勢に、今までもどれほど救われているのだろうか。リュカは父に押された背中の手を思い返しながら、我が子が歩むその先に共に行こうと、笑顔で頷いた。



リュカは妖精の城から直接、湖の下に眠る天空城を目指すつもりだった。ティミーも当然乗り気で、天空城が空に浮かび上がったところが早く見たいと急くように言っていた。しかしポピーが父の大きな手を握りながら、一人冷静な言葉を紡いだ。
「お父さん、今はホイミも唱えられないでしょ」
そう言われてリュカは自分の魔力が尽きていることを思い出した。思い返せば妖精の城を目指していた時、リュカは豪風吹き荒れる砂漠を魔法のじゅうたんで突き進むためにバギクロスの呪文を放ち続け、そこですっかり魔力が尽きていたのだ。その状態でよくぞここまで平気で行動ができたものだと、自分が自分ではないような気持ちに陥った。
妖精の城を出て、湖の畔で待っていた魔物の仲間たちと合流すると、ポピーは問答無用でルーラを唱えた。行き先は当然、グランバニアだった。特別な説明もないまま強引にグランバニアへ舞い戻るポピーの行動に、魔物の仲間らは揃って面食らっていた。彼女が誰にも意見を求めずに、勝手に皆を引き連れていく行動に、皆揃って訝し気にリュカを見ていた。
凡そひと月ぶりに戻ったグランバニアは依然として平穏に包まれているようだった。城の見張りがリュカたちの姿を捉えると、慌てて城中にいる国王代理や宰相へ報告へ向かったのがルーラの途中、上空から見えた。ゴレムスの巨体が空を飛んでくるのだから、見張りの兵も早い段階でリュカたちの帰還をその目にしていたに違いない。
グランバニアの城を見ると、無意識に身体の疲れが表に出てきた。見上げる城は妖精の城とは異なり、どこもかしこも武骨な造りで、飾り気よりもいかに頑強に造るかを求めたものなのだと分かる。この力強い城が今は自分の家で、自分を無条件に受け入れてくれる。リュカはようやく最近になって、故郷に感じる安心感をこのグランバニアという国に感じることができるようになってきた。
リュカたちが入城すると、国王の帰還を喜ぶように門番の兵士らが背筋を伸ばして敬礼する。今すぐにその辺で寝転がりたいほどに疲れを感じていたリュカだが、後ろについてくる二人の子供の手前、その後ろに続く魔物の仲間たちの前で恥はかけないとばかりに、兵士らと同じように背筋を伸ばしていつも通り城の廊下を歩いて行った。
魔物の仲間たちは玉座の間での報告に付き合うこともないだろうと、いつもの大広間へ行くようリュカが指示した。プックルは言われなくてもそうすると言うように、赤い尾をふりながら悠然と大広間へ向かった。その尾にはすっかり擦り切れて古びてしまった黄色のリボンが揺れている。リュカがプックルの後姿をぼうっと見つめていると、その視線に気づいたプックルが振り返った。
「がう?」
「ん? いや、何でもないよ。上でゆっくり休んでおいで」
「にゃあ」
すっかり身体の大きくなったプックルは今でも時折、甘える猫のような声を出すことがある。しかし子供の頃のプックルのような高い声にはどうしてもならない。誰もかれもが成長し、前に進んでいく。後ろに戻ることはできないのだと、プックルの低い甘え声に感じる。
玉座の間に続く回廊をリュカは二人の子供たちと歩いて行く。空を仰ぎ見ると、グランバニアの上空はところどころに綿菓子のような雲が浮かぶだけで、概ね晴れている。青空が眩しい。太陽の熱が肌に染みわたる。あの白い世界がまるで夢の様に溶けていきそうだと思った。
「坊っちゃん!」
玉座の間に向かう途中の回廊を進んでいると、前から走ってくる姿が見えた。あの時は冬の景色が似合うだなどと思っていたが、彼の本当の姿はこの暖かなグランバニアの国が一番当てはまっているのだと思った。今のサンチョは若い頃よりも一回り以上、小さくなっている気がしたが、それは恐らく真実なのだろう。
「ご無事にお戻りになられて何よりです。さあさあ、オジロン様もお待ちかねですよ」
そう言いながらサンチョは旅から戻ったリュカの状態を具に観察する。それは既に習慣化しており、あえて特別にリュカの状況を見ようと思っているわけではない。あの頃と変わらない。サンチョにとってリュカはいつまでも子供だ。
「ティミー王子、ポピー王女も無事にお戻りになられて嬉しい限りです。本当ならば私も共に参りたいところなんですがね」
「お父さん、ちゃんとゴールドオーブを手に入れてきたんだよ! ねえ、お父さん、サンチョにも見せてあげてよ」
「お兄ちゃん、とりあえずはオジロン様に報告しなきゃいけないでしょ」
「そうですね。旅のお話は後ほどゆっくり聞かせてもらいましょうか。今は……先に休まれた方が良さそうですが、大丈夫ですか?」
リュカの顔色が悪いと捉えたサンチョが、気づかわし気にその顔を覗き込む。加齢よりも苦労故に多く刻まれた皺の多いサンチョの顔を見て、リュカはいつも通り微笑んだつもりだった。しかしその笑みを見て、サンチョはますます不安を募らせる。
「報告は後にしても良いかと思われます。そのようにオジロン様にお伝えしましょうか」
「ううん、平気だよ。ただ……後でサンチョともゆっくり話をしたいんだけど、時間は取れるかな」
「もちろんですよ。どんな事があろうとも、国王様から直々のお言葉より勝るものなどありましょうか。いくらでも時間を取りますよ」
「ありがとう。昔話を聞かせて欲しいんだ」
「私で良ければいくらでも」
サンチョにしか頼めないんだと、リュカは心の中でそう呟きながら、彼と子供たちと共に玉座の間の扉を大きく開けた。
広い玉座の間で、オジロンは待ち構えていたように玉座の前に伸びている赤絨毯の上に立っていた。国王と王子王女の無事な姿を見れば、その目は国王代理としてよりも寧ろ、大事な甥と大事な孫たちを出迎えたかのような温かさがあった。
「旅は首尾よく終わったのか」
「はい、とりあえずは。目的のゴールドオーブを手に入れました。少しの休息の後、天空城に向かいます」
「何とも多忙な国王だな。あちこち飛び回り、一つところには留まってはおられんようじゃ。わしならばとっくに根を上げておるだろうな」
「あちこちふらふらするのは慣れてるので、そういう疲れはないですよ」
「兄上に連れられ、幼い頃から旅に連れ出されていたからのう」
「そうですね。おかげですっかり落ち着きを無くしちゃいました」
リュカが冗談めかしてそう言うと、オジロンもそれに乗じて笑顔を見せた。オジロンの笑顔は人の好い、非常に柔らかなものだが、そこはやはり兄弟と言うもので、兄であるパパスにそこはかとなく似ている。どこか一つの場所が似ているというわけではなく、全体的な表情の雰囲気や、表情に現れる仕草にリュカは父パパスの面影を見つけてしまう。
次に紡ごうとした言葉も忘れ、リュカが開いていた口を閉じて静かに俯くと、オジロンは眉をひそめて一歩リュカの方へと進み出る。国王代理として常に羽織っている真紅のマントの裾が重々しく揺れる。
「どうかしたのか」
「いえ、何でもないです。大丈夫です」
「ふむ……それなら良いのだが」
「オジロンさんはやっぱり父に似てますね」
「む? どうしたのだ、突然そんなことを言って……。兄上に似ていると言われたことはあまりないが、あの兄上に似ていると言われれば嬉しいものだな」
父パパスに比べればオジロンは少々背も低く、体格も戦士の様に頑強と言うよりも、低めの重心でどっしりと地に足が着いている感じがする。時折鋭さを見せる表情も、凡そ柔らかな笑みが浮かんでおり、その親しみやすい雰囲気に国民は距離の近さを感じている。オジロンが城下町を兵士と共に歩いていても、国民はさも親し気にオジロンに話しかけることもあるほどだ。
父パパスがグランバニアで国王の務めをしている姿をリュカは一度も目にしたことがない。もしその姿を見て育っていれば、恐らくリュカは父を見習い、その姿を追うような国王を目指していただろう。しかし国民に気さくに話しかけ、話しかけられるオジロンの姿もまた良いものと感じる。そして自身の性格からも、目指す国王の姿と言うのはオジロンのような親しみ深い国王なのかも知れないと、同じようにパパスに憧れを持つオジロンを見てそう感じた。
疲労を感じつつも調子を取り戻したリュカは、旅の成果をオジロンに説明した。中央大陸で妖精の城を発見し、以前に妖精から譲り受けた道具を使ってその城に入城することができた。妖精の不思議な力を借りて、天空城を浮上させるための本物のゴールドオーブを手に入れることができた。妖精の城の場所は地図上で確認できたが、かの場所は常に靄に包まれており、妖精の道具なしでは再び足を踏み入れることはできないことや、これから向かう湖の底の天空城では一人の天空人がリュカたちの戻りを待ちわびているだろうからすぐに旅立つことも、細かに話した。
その中でリュカが時空を超えて過去に行ったことについては話さなかった。かつての父に会ったことを、弟であるオジロンにどう話したら良いのか分からなかった。子供である自分が大いに心乱されるこの現象を伝えたところで、オジロンの心も大きく乱すだけに違いないと、リュカは自身の心情などは述べずに旅の外観だけを伝え、そのお陰でリュカ自身も心穏やかなままでいられた。
オジロンへの報告を終え、玉座の間を後にしたところで、リュカは両脇を子供たちに支えられるのを感じた。後ろにはリュカの様子を心配するように、サンチョがついて来ている。
「お父さん、お疲れ様。今日、明日はゆっくり休むんでしょ?」
「本当は早くプサンさんのところに行きたいけど、油断するとまたあの湖の近くで魔物に襲われるも知れないもんね」
リュカの両隣を歩く双子の子供たちは、やはり幼い時のリュカよりも頭の位置が近い。そして彼らは子供と言う身に甘んじることなく己のすべきことを見定め、リュカの旅について来ている。何も知らずに憧れの父の背中を負い続けた自分と、勇者であること、勇者の妹であることを自覚して父の旅についてくるティミーとポピーでは、果たしてどちらが幸せなのだろうかと考えれば、それはどちらにも幸せな部分があるに違いない。どのような状況であろうとも、子供たちに注ぐ親の愛情が確かであれば、そこに悲しむような問題はない。
「先にお休みになりますか? それともお食事を用意いたしましょうか」
「ボク、お腹空いたよー。お父さん、食事を準備してもらおうよ」
「そうね……私も、お腹空いちゃった」
「旅をしているとどうしても食事が疎かになりますからね。ではお部屋でお待ちください。後程、給仕係に食事を運ばせますよ」
「サンチョも一緒に部屋で食事をしようよ」
「へ? 私もですか?」
「うん、食事しながら話をしたいな。それで、サンチョにはたくさん食べてもらいたい」
「はははっ、私はいつでもたくさん食べてますよ。それ故にこの体型を維持していられるのです」
そう言いながら腹を擦るサンチョだが、リュカは若かりし頃の彼と比べて今のサンチョが明らかに痩せているのを知っている。サンタローズの村で暮らしていた頃、家での家事を一手に引き受けていたサンチョは敬愛する父子の腹を空かせてはなるまいと、常に多めの食事を用意していた。必ず残るほどの食事を用意していた彼だが、決してそれは残らなかった。食べきれなかった食事は全てサンチョの腹に収まっていた。
「サンチョのお腹、触ると面白いんだよね~。ほら、キングスやベホズンみたいに揺れるんだよ」
「おやおや、私の腹はあそこまで大きくはありませんよ」
「でも柔らかい感じがおんなじかも」
そう言いながら腹を触ったりつついたりするティミーとポピーを、サンチョは笑って見つめている。サンチョにとってもオジロンと同じように、彼ら二人は可愛い孫のような存在なのだ。大事な主人である父パパスを喪いはしたが、彼の傍にはこうしてまだ大事なものたちが生き続けている。
「食事が来る前に、身体を清めておいた方が良さそうですね。旅の最中であれば問題ないですが、お部屋の中で食事をするにはいささか問題があるでしょう」
リュカたちの旅装にはあの酷い砂嵐の名残があった。妖精の城近くで突然吹き荒れた砂嵐に巻き込まれ、マントや衣服の中に入り込んだ細かな砂が落ち切っていない。外にいる間は感覚が雑になっているために服に張り付く汚れに無頓着なところもあるが、こうして城の中に入り、人々の営みの中に身を置けば途端に旅の汚れが目につく。
「湯の支度をさせて、皆さまが身ぎれいにした頃合いに、お食事をお運びいたします」
「サンチョの分も一緒にね」
「分かりました。後程お邪魔させていただきますね」
「うん、待ってるよ」
リュカが子供たちと共に私室へ向かう途中、調理場に向かうサンチョに無邪気に手を振った。どうしてもサンチョの前では国王らしい姿を演じられない。サンチョもそんなリュカの態度に理解を示しているために、公の場でなければリュカの子供っぽい行動を咎めることもない。周りを気にしながらも小さく手を振り返してくれるサンチョを見て、リュカは可笑しくて温かくて笑ってしまった。



「妖精のお城と言うのは不思議なところですねぇ」
相変わらずグランバニア上空は青空が広がり、陽は西に傾きつつあった。最上階にある国王私室には窓から日差しが入る時間になると、暑いほどになる。窓を開け、風通しを良くすれば、この国を守るように囲む広大な森林の香りが満ちる。その香りでいくらか部屋に涼しさを感じることができる。
「どこもかしこもふっかふかでさ、見た目はこのお城とおんなじ石みたいなのに、触ると綿みたいって、面白いんだよー」
「お城の中どこでもお花が咲いてるなんて、とってもステキよね。壁や天井からもお花が咲いていたりするのよ。妖精の女王様もお花に姿を変えていたり……何もかもがステキだったわ」
「現実にそんな世界があるとは……王子様も王女様も貴重な体験をされておいでですなぁ」
食事をしながら話の尽きない双子の王子王女を、サンチョは向かいの席で共に食事をしながら、にこやかに耳を傾け相槌を打っていた。子供たちがまだ半分も食事を終えていない時だが、サンチョはあと一口二口で食事を終えるところだ。そしてリュカもまた、サンチョと同時に食事を終えようとしている。
「サンチョの食事が早いのは分かるんだけどさ、お父さんも早いんだよね」
「お父さん、ちゃんと嚙まないとダメよ」
「え? うん、ちゃんと噛んでる……と思うんだけどな、どうだろう。あんまり考えたことがないや」
「坊っちゃ……いえ、リュカ王は小さい頃はティミー様やポピー様みたいにゆっくり食事をされておいででしたけどね。長旅の間に、食事にかける時間も短くなったのではないでしょうか」
「旅している時はどうしたってゆっくり食事なんかしてられないもんね。サンチョもそんな感じ?」
「私の場合は、常に従者としての立場ですからね。ゆっくり食事をしようと思ったことはないですよ。いつ何があるか分かりませんし」
「サンチョはそれで……幸せだった?」
リュカが思わず過去の話の様にそう聞いてしまったのは、まだ過去のサンタローズの景色に心が囚われていたからだった。リュカはサンチョがいつから父パパスの従者としての務めを果たしていたのかを知らない。彼を見れば、もしかしたら生まれた時から父の従者として生きることを決めていたと言いかねないほどに、彼は父のことを第一に大事に思っていてくれた。
「どうしたのですか、突然そんなことを聞いて」
「サンチョは今まで幸せだったのかなって、ちょっと思ったんだよ」
リュカが繰り返しそう問うと、サンチョも応じなければなるまいと視線を巡らせて答えを見つける。
「生き続けてみるものだなと、この年になって思いますね」
そう言いながら笑うサンチョの顔には、見る人を幸せにするような皺が寄る。決して嬉しいことや幸せなことばかりではない。むしろ辛く苦しいことの方が多い人生だったのかも知れない。それをもってしても今の彼は、絶望を感じても生きることを諦めないで良かったと、本心から伝えてくれる。
リュカは最後に瑞々しい果物を口に放り込むと、一度咀嚼した程度ですぐに飲み込んだ。食事が早くなったのは長旅に慣れたからと言うよりは、あの十余年の苦しい経験があったからなのだろうと自分では思っている。食事の時間など悠長に取れる環境ではなかった。労働の合間にパンを一切れかじれればそれで良かった。食事ができる時に素早く済ませることが身体に染みつき、それは今でも治らない癖の様にリュカにまとわりつく。
「ところでお父さん、ゴールドオーブはどうやって手に入れたの? ボクたちがあの白い壁の前で待っている間に、お父さんはこの時、この場所ではないところに旅に出たんだって、妖精の人に聞いたんだけど」
「その間、お父さん、ぴくりとも動かなくなっちゃって、とても心配したの。あれって、お父さんの心だけがどこかに旅立ったって……そういうことなのかな?」
「ふーむ、どういうことでしょうか。リュカ王も何か不思議な体験をされたのですね?」
食事を終えた大人二人を見て、ティミーもポピーも食事を急ぐ。サンチョが「喉に詰まらせますよ」と嗜め、二人にゆっくり食事をするように言う。城で休んでいる間くらいはゆっくり食事をして欲しいと、サンチョの言葉にその労りが滲んでいる。
食事を終えたリュカは一度席を立つと、部屋の奥へと姿を消した。その間にサンチョが食事を終えた食器を重ねて片づけていく。広いテーブルの端に乗せていた銀の盆に食器を乗せると、まるで自らが給仕係のように当然の仕草で盆を手に持ち部屋の外へと出ていく。外で控えていた本当の給仕係が慌てた様子でサンチョから銀の盆を受け取ると、いそいそと調理場へと運んで行った。
席に戻ってきたリュカは、手に小さな包みを持っていた。紙に包まれた何かを大事そうに静かにテーブルの上に置くと、まるで試すように向かいの席に再び座ったサンチョを見つめる。
「これ、サンチョから貰ったんだ」
「はあ、私がですか。いつですか? 今回の旅に出られる前でしょうか」
「もう二十年以上前になるよ」
「二十年!? ははあ、それはまた、よくぞ今までお持ちいただいていましたね」
「その包み、何が入ってるの?」
ポピーがリュカの手の中を覗き込むように首を伸ばす。ティミーはリュカの手からその包みを取ろうと手を伸ばしてきた。口の中で残りのパンをもぐもぐと噛み続けながら、ティミーは包みを手にすると、テーブルの上に置いてガサガサと厚めの紙を解くように開く。
「パンとチーズ?」
「これを二十年も? ……とっても長持ちするパンとチーズなのね」
「サンチョにとっては二十年以上前だけど、僕にとってはついさっきなんだ」
リュカの言う言葉が謎めいていて、三人とも包みから現れた固パンとチーズを見ながら首を傾げている。その中で一人、ポピーが「あっ!」と短い声を上げる。
「お父さんは、昔のサンチョさんに会ったの?」
「うん」
「ふむ……私には何が何やら……できればご説明願いたいのですが」
「そっか、お父さんは時も場所も違う場所に旅に出てたんだもんね! ボクも行ってみたかったな~」
妖精の城での不思議を理解し、その答えを目の前の固パンとチーズに見た二人は、途轍もない謎を解き明かした時のように両目を輝かせながら、何の変哲もない固パンとチーズを食い入るように見つめている。
「サンチョ、僕ね、父さんとサンチョに会ったんだよ」
それだけを伝えても、妖精の不思議を話に聞いているだけのサンチョには伝わらない。彼はまだ謎を抱えたまま眉をひそめ、困ったように首を傾げている。
「妖精の力で僕は過去に行くことができたんだ。それで今回のゴールドオーブを手に入れることもできたし、サンチョからこのパンとチーズをもらうこともできたんだよ」
「過去に、ですか。ははあ、ふーむ、なるほど、分かるような分からないような……」
「小さい僕にも会ってきた」
「小さい……坊ちゃんですか?」
「ティミーやポピーよりもずっと小さくて驚いたよ。僕ってもしかして、子供の中でも小さい方だった?」
「坊っちゃんはそれはそれは可愛らしいお子様で、私は用もないのに何度だってこうして抱っこを……してましたね……」
サンチョはそう言いながら両腕を前に出して、赤子を抱くかのように丸めて揺らす。そうするだけで当時のことを思い出すのか、細められた目の奥に彼の記憶が蘇っているかのようだった。
「男の子なのにね。そのお陰でビアンカにバカにされたの、何となく覚えてるよ」
「えっ? お母さん、お父さんのことをバカにしたの?」
ポピーが眉をひそめ、どこか責めるような視線をリュカに向ける。ティミーも黙ってはいるが、記憶にない母に抱く理想が脆く崩れようとしているのを必死に留めているような状態だ。
「ビアンカちゃんも悪気はなかったんですよ。もしかしたら宿業を営むご両親が忙しくされていて、ちょっと寂しかったのかも知れませんね」
「そうだね。子供って寂しいとさ、きっと自分で分かってても良くないことをしちゃうんだよ」
リュカもその時のことをはっきりと覚えているわけではないが、小さな頃から優しく聡いビアンカが悪意を持って意図的に人を馬鹿にするようなことはしないだろう。彼女は子供だった。まだ小さな身体では抱えきれない寂しさを、サンチョに大事に抱えられるリュカに訳もなくぶつけてしまったのだと今なら簡単に想像できる。
「僕たちが暮らしていたあの家って、ああやってビアンカたちが来たみたいに、旅する人が来たりもしてた?」
ポピーが食べきれないと溜め息をついて困っている横で、リュカは彼女が止むなく残そうとしているパンを手に取り食べ始めた。旅をしている時はほとんど食べずに過ごすこともできるが、こうして心も体も休める場所に入ればリュカの胃袋は正常以上の働きをする。食事に出されたパンは柔らかく、簡単に手で千切って食べられる。
「パパス様を訪ねる旅人もいましたね。サンタローズを訪れる旅人がそもそもそれほど多くはないので、あまりいなかったと思いますが……」
旅する人が町や村に求めるのは、安心して身体を休めることのできる場所かどうかと言うことだ。その点、サンタローズの村にはアルカパと言う隣町があり、アルカパには旅人をゆっくりと休ませてくれる大きな宿屋がある。旅する人は当然、その情報を得ており、大方アルカパの町で身体を休ませていた。そしてそれを見越して、あまり外からの人を中には入れないサンタローズの村で仮の家を構え、ひっそりと暮らすことをパパスとサンチョで決めた。万が一にも、グランバニアの国王であることを知られたくはないため、華やかなアルカパの町に住むことは避け、目立たぬようにとサンタローズの村で小さな家を構えて暮らしていたのだと、サンチョは言う。
「僕もね、行ったんだよ、僕の家に。そうしてこのパンとチーズを、サンチョからもらったんだ」
リュカがそう伝える前から、サンチョの脳裏には過去のサンタローズでの暮らしが次々と思い出されていた。パパスを訪ねてやってきた旅人は数えるほどだ。その中にはパパスの戦士としての腕を試したいと、外で手合わせをした者もいる。話し好きの旅商人が家に上がり込んで、話が尽きることもなく、そのまま村の酒場にまで二人で出て行ってしまったこともあった。パパスが何者かに命を狙われないとも限らないため、サンチョはその都度家を訪ねてくる旅人の様子を確かめるように観察し、明らかに怪しげな行動を起こしかねない旅人を、にこやかに肩に斧を担いで門前払いしたこともある。
その中で一人、印象に残る旅人がいた。直接会話をしたのは一言、二言程度のものだった。しかしその旅人の顔を見た瞬間、サンチョは心臓が突き上げられる思いがしたのだ。
その時、どうしてそんな思いを抱いたのか、サンチョ自身もはっきりとは分からなかった。ただその旅人の顔にはどこか見覚えがあった。そしてサンチョの視線は今、正面に座るリュカに焦点が合う。
「……覚えてます。思い出しました。あの時のあの旅人……」
「僕だった?」
「そう言うことだったんですか……まさか、こんなことがあるなんて、誰が想像できるでしょうか」
「サンチョにとってはもう二十年以上前のことなのに、ちゃんと覚えてるなんて凄いね」
そう言いながらまるで無邪気な子供のように目を丸くして驚くリュカを見て、サンチョはその表情にもかつての王妃の面影を映す。当時、何故あの旅人に特別な思いが沸き上がったのか。一瞬でも言葉を失ったのか。旅人の顔つきに、パパスが命懸けで捜し続ける王妃マーサの面影を見たからだったのだと、今になって気づかされた。
「父さんは気づいてたよ、僕に」
そう言いながらリュカはサンチョにもらったチーズをかじった。二十年以上も前の世界から持ち帰ったチーズに、ティミーの好奇心が疼く。リュカがその視線を感じてティミーにチーズを渡すと、彼は大口を開けてチーズにかぶりついた。
「気づいていたけど、気づかないふりをされたんだよ」
「坊っちゃんの未来の姿だと気づかれていたと言うことですか? そんなことが……」
「信じられないよね、ホントに。でも絶対に僕だって気づいてた」
親が子どもにするように、若かった父は成長したリュカの頭を軽く数回叩いた。愛情のこもるその力加減に、リュカは父が分かっているのだと確信した。
「僕はさ、やっぱり父さんには生きて欲しかったから、ラインハットに行くなって言ったんだよ」
「え……?」
「でも父さんは僕のことを『予言者』だなんて言って、取り合ってくれなかったよ」
リュカの隣ではティミーから受け取ったチーズの端をポピーが小さくかじっていた。お腹がいっぱいだとパンを残したポピーだが、父が二十年以上前の時から持ち帰ったチーズを食してみたいという好奇心は兄のティミーにも負けていなかった。
「あの時たとえば、父さんが僕の言うことを聞いてくれてラインハットへ行かなかったら……今のこの時はどうなるのかな」
開かれた包みの上に置かれていた固パンを手に取ると、リュカは今度はそれをかじった。まだ小さな子供がかじるには固すぎるパンだ。リュカは幼い頃、このパンをサンチョの作った温かなスープに浸して柔らかくして食べていた。あのサンタローズの家には、いつまた旅に出ても良いようにと、保存食が多く地下室に備えられていた。小さなリュカはそのままでは食べることのできないこの固パンを何度かサンチョにせがんで、出してもらったことがある。理由はただ美味しいから、それだけだ。
「時間を超えるって不思議で、ちょっと怖いよね。過去にあったことを変えれば、今のこの時がなくなるかも知れないなんて、考えちゃうよね」
リュカの言葉に、サンチョもまた過去を変えたならば今のこの時間はどこへ行くのだろうかと想像する。変えたい過去はたくさんある。もし変えられるならば、マーサが魔物に連れ去られる悲劇からやり直したい。あの悲劇がなければ、今もパパスとマーサは仲睦まじくグランバニアの国王と王妃としてここにあり、リュカには弟や妹も生まれていたかも知れない。明るい未来のグランバニアを夢に描いたことは、サンチョの中でも数えきれないほどある。
今、サンチョの前に座っているのは子供たちに固パンの端をかじらせるリュカと、渾身の力を込めて固パンを噛んでいるティミー王子、その様子を呆れるように見ているポピー王女。そしてこの可愛い双子を生み出してくれたビアンカが今もどこかで生きていると信じている。
変えてはいけない運命だと、何も知らなかったはずのパパスは旅人を装うリュカを見て思ったと言うのか。サンチョには俄かに信じられないことだが、あの方ならやりかねないという絶対的な信頼もあった。
「パパス様が決めたことなのですね」
そう言いながらサンチョは顔を上に向けて、大きく鼻をすすった。涙をこらえるにはあまりにも分かりやすい行動に、リュカは彼の底のない優しさに思わず笑みを零す。元々、涙もろいのだから我慢などしなくて良いのにと、リュカは彼の涙には敢えて構わずに軽やかに言葉を紡ぐ。
「そうなんだ。父さんが決めたことなんだ。運命……って言葉は僕あんまり好きじゃないんだけど、でも父さんが決めた運命、なのかな」
「うぐぐ……どこまでも偉大なお方です、あなたのお父上は」
「サンチョにそう思ってもらえて、父さんも嬉しいと思うよ」
「もったいないお言葉です……」
そう言うと、サンチョはとうとう俯いて泣き崩れてしまった。ポピーが心配そうにハンカチを差し出すが、サンチョは言葉も出せずにポピーのハンカチを断ると、常に持ち歩いている自分のハンカチをポケットから取り出し、強く擦るように目元を拭う。
過去の父のことを最もよく知るのは恐らくこのサンチョだ。当然、父と血の繋がりのあるオジロンもまた父のことを幼い頃から知っているのだろうが、王妃マーサが魔物に連れ去られて以来、父のことを最も近くで支え続けたのがサンチョであることは疑いの余地もない。そんな彼とこうして父の話をすることができる未来を、父自身が残してくれた。
リュカはこれからもサンチョに感謝を伝え続けたいと思った。サンチョがいてくれたおかげで、あの時の父も、今の僕も、救われているのだと伝えたいと感じた。
サンチョの涙が落ち着いた頃、リュカは当時のサンタローズの村の景色や、大人になって父と会った不思議体験の感想などを、明るい声音で話した。ティミーもポピーも目を輝かせて、リュカが時空を飛び越えた体験に耳を澄ませた。ティミーが「もう一度妖精の城に行こうよ!」と言えば、ポピーが冷静に「もう妖精のホルンがないんだから行けないでしょ」とまるで兄と妹の立場が逆転したかのように嗜める。まだまだ子供の二人のやり取りを見ながら、リュカとサンチョが笑い合う。多くの人々の人生がある中で、こうして奇跡的に生まれて育った家族の関係を、家族のような関係を、リュカはこれからも守り抜いて行くのだと、サンタローズの家で見た父の顔をはっきりと思い出しながら強く思うことができた。

Comment

  1. ともこ より:

    bibiサマ

    もうもう又涙してしまいました…前回も何度も読み、そして子供時代と手紙を見つけた時と戻って読み直し…涙、涙です(T-T)
    ドラクエⅤを初めてプレイしたのは中学生、今やサンチョの方が歳が近い…
    大人になると戻りたい過去のひとつやふたつありますが、現在の目の前の幸せ大事にしなくちゃいけませんね

    ゲームのストーリーだけでも泣いちゃうのに、オリジナルエピソードに感動です!ありがとうございます!!

    • bibi より:

      ともこ 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      サンチョ自身が涙もろいですが、サンチョ絡みの話はどうしても涙なしでは語れないものになってしまいます。本当ならば、パパスとサンチョの昔話も書きたいところです。マーサ含めて。そのためには一から設定を練らなければなりませんが・・・彼らもかなり深い歴史を持っているはずなので。
      中学生くらいにこのゲームをプレイすると、情緒が一気に育ちますよね?(笑)私も中学生の時でした。そうです、今やサンチョの方が年が近い(笑)
      私は未プレイなのですが、ドラクエ11は過去に戻ってやり直すエピソードもあるとか。でもドラクエ5はやり直すにはあまりにも年月が経ちすぎてますから、もしやり直したとしたら全く別のストーリーが出来上がりそうですね。それはそれで、楽しいかも?
      オリジナルストーリーは突っ走り気味に書いてしまうことがあるので、皆様に受け入れられるのかがいつも不安です(苦笑)受け入れていただけたようで何よりです。こちらこそありがとうございますm(_ _)m

  2. ケアル より:

    bibi様

    ポピーに言われるまでバギクロス連発していたこと自分も忘れていましたよ(笑み)
    MP切れの反動が過去のサンタローズで起こらなくて良かったです。

    固パンとチーズの件、どのように話を纏めてくれるのかと楽しみにしていました。
    サンチョは20年前の記憶を思い出すという描写になりましたか、

    サンチョに過去のパパスの話をして…運命…過去はかえられない…現実世界の今…そしてなによりパパスがラインハットで何か最悪なことが起きると感づいて…死ぬということを理解したのにラインハットに出かけること…大リュカのことをパパスは気がついていたこと…。
    サンチョの最後の号泣はそんなパパス…いやかつての主君の生き様に涙したんですよね。

    bibi様、サンチョの感情表現、見事な描写でありました!
    リュカも複雑な気持ちだろうけどサンチョも複雑な気持ちなんだろうと…
    二人の感情が読み手の方はヒシヒシと伝わって…(泣)
    そんなリュカとサンチョの感動話の中、お腹いっぱいのポピーの食べきれないパンに溜息、ティミーポピーの固パンとチーズの遣り取り描写は思わずクスっとしましたよ(笑み)

    次回はいよいよ天空城浮遊、そしてボブルの塔ですか?
    ボブルの塔の情報はゲームでどのあたりで分かるんでしたか?教えて貰えますか?忘れてしまい…。
    次のパーティ編成にはぜひともサンチョをお願いします!
    だってbibi様、ボブル→宿敵→ゴンズ→ゲマ(2戦目だけど逃走)、サンチョにも主君パパスの仇討ちをさせてあげれませんか?
    ぜひとも前向きに考えて見てください!
    次話も楽しみにしています(笑み)

    • bibi より:

      ケアル 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      そうなんです。私も彼の魔力切れを忘れるところでした。何だか普通にサンタローズの村を歩いてたりしたし、すっかり元気じゃん、みたいな感じだったので(笑)
      サンチョ、私はゲームではほとんどパーティーに入れていなかったんですが、今度入れてみようかなと。口笛吹きまくるかも知れませんが(笑)彼の人生もなかなか苦労を重ねたものですよね。でも人生捨てたもんじゃないという境地にたどり着いているので、これからはどんどん前向きに人生を歩んで行って欲しいものです。そのうちヘンリーにも対面してもらい、過去の蟠りを全て解決してもらおうと思っています。いつになるかな。
      子供たちの存在はあくまでも明るいものにしたいので、こんな役割です。彼らは明るい未来を背負っているという、そんな感じで書いて行きたいと思っています。
      次は天空城を浮上させましょうか。それで・・・すんなりボブルには行かないかな。天空城で世界を巡ろうかと思っています。サイドストーリーをいくつか・・・なんて考えています。ボブルの情報は、天空城の天空人から聞くんでしたっけ? 私も忘れてしまい・・・ちょっとゲームして確かめておきます(笑)

  3. トトロ より:

    答えあわせできましたね♪良い感じにグッときました。
    一読者として一つ我が儘というか、注文をつけても良いでしょうか?PS版ではクリア後にもう一つの過去のお話がありますよね?それをいつか、書いて欲しいなぁ…なんて思ってしまいます。
    とは言いつつ、他の読者さん同様、本編続きが楽しみです。天空城の浮上たのしみにしています。

    • bibi より:

      トトロ 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      答え合わせ、してみました。サンチョの心の傷もまたいくらか癒えたのではないかと思います。
      そうそう、もう一つ、過去のお話があるんですよね。本編ではもしかしたら難しいかも知れないので、もし作るなら短編でかなぁと思っています。
      取り急ぎ、天空城浮上に向けて書いて参りますので、そちらをしばしお待ちくださいませ~m(_ _)m

  4. ケアル より:

    bibi様

    すみません説明が足りなかったですね…
    ゲームでのパーティ編成でなく、いつもの小説内でのパーティ編成に次ぎはサンチョを入れて欲しいとお願いしました。言葉足らずですみません。
    サンチョにはぜひとも仇討ちをして貰いたく、検討して見てくださいませんか?

    • bibi より:

      ケアル 様

      お話の中でのパーティ編成で、ですよね。いずれ一緒にまた旅に出てもらおうかなとは思っています。
      ただ仇討ちの場面で連れて行けるかどうか・・・ちょっと今のところ分からない状況です(汗) まだまだ先過ぎて、予定が立たないと言うか・・・いつも設定が雑で申し訳ないです。その時、この世界の話がどうなっているかに依るかな、と言う感じです(汗汗)

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