楽しいひと時の中で

 

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午後の柔らかな日差しが家の窓から入り込む。村のあちこちで夕食の支度が始まる頃、ダンカンの家ではささやかな祝いの宴が催されていた。
ダンカンが孫のティミーとポピーを連れて宿屋を訪れた時、宿の女将は面食らって可愛らしい子供たちをまじまじと見つめた。特にポピーの顔を口をあんぐりと開けたまま凝視していたことにリュカは嫌でも気づいた。成長するごとにどんどん母に似ていくポピーの血筋を、ビアンカをよく知る宿の女将に隠すことは不可能だった。それとは別に、ダンカンの緩んだ表情を見ても、この子供たちがダンカンの孫であることは自ずと知れたのだった。
孫たちの誕生日を祝ってやりたいのだとダンカンが話せば、宿の女将はまだ宿業の勉強中である息子にあっさりと宿のことを任せて、率先して双子のお祝いの手伝いを申し出てくれた。どうせ宿に来るのは村人ばかりで、しかもおおよそ温泉に入りに来るだけなのだから大した仕事もないと、息子に宿の一切を任せ、張り切った様子でダンカンらと宿を出て行ってしまった。残された宿屋の息子も特別嫌な表情もせず、快くリュカたちを送り出してくれたのがリュカには救いだった。
双子に好き嫌いなどないと聞いた女将は、宿からいくらか食材を持ち出し、他はダンカン宅に貯蔵してある材料でご馳走を作るのだと表情を明るくしていた。しかしこの場にビアンカがいないことに気付かないわけもなく、ゆっくりと歩くダンカンと歩調を合わせながら彼女はどうしたのだと素直に問いかける。リュカが躊躇いがちに口を開き、真実を告げようとすれば、それを遮るようにダンカンが女将に応えた。
『いやあ、どうも三人目を身籠っておるようでな。今回は調子が悪くて来られなかったんだとよ』
咄嗟に出た言い訳にしてはあまりにも幸せな内容で、リュカは思わず開きかけた口もそのままに言葉を失っていた。まだ旅をしている中、たまたまこの辺りに来ることがあったが、さすがに子を身籠った身体でこの山道を来るのは難しいだろうと、ダンカンは誰も傷つかないような話題を出して女将を納得させた。女将も、「それじゃあ仕方がないね」と第一にビアンカの身の安全を望み、今度はもう一人増えてきてくれればいいねと相槌を打つだけだった。もしかしたら、根掘り葉掘り聞かなかったのは彼女がダンカンの嘘に気がついていたからかもしれないと、リュカは後になってそう思った。
女将がダンカン宅の台所で料理に腕を振るう中、リュカもできることをと手伝いを申し出たが、料理に慣れない男の手は借りないよとリュカに手伝わせることはなかった。折角この村に来てくれたのだからみんなで温泉に入っておいでと、女将の厚意に甘える形でリュカたちは再び村の宿屋へ引き返した。
まだ昼前の時刻だったが、温泉には数人の村人が訪れていた。ダンカンも二日か三日に一度はこの温泉に浸かりに来ているらしく、慣れた様子で支度を済ませると、身体の不自由を感じさせない動きで温泉に向かった。日の光を燦燦と浴びる中で温泉に入ることに、リュカは身体中にある傷を気にして少々気が引けたが、もうもうと立ち込める湯気が身体の傷など気にするなと言わんばかりに隠してくれた。空いている広い温泉に興奮したようにティミーが元気よく泳ぎ出すと、湯気のどこかからか老人の嗜める声が聞こえた。ティミーは素直に謝り、元気な泳法ではなくゆったりとした形に変えて、やはり温泉の中で気持ちよく泳いでいた。
ポピーはリュカの隣に座り、湯気の合間に見える山奥の村の景色を眺めていた。硫黄の臭いが立ち込める山奥の村だが、村の中に入ってしばらくすれば鼻が臭いに慣れ、今では気にならない。温泉に浸かりながら聞こえる鳥たちの会話に、ポピーは目を閉じて耳を澄ませていた。鳥たちは山奥の村に訪れた春を楽しみ、じきにやってくる夏を楽しみにしている。
温泉を満喫し、四人でダンカン宅に戻れば、宿の女将の手によって多くのご馳走が既に用意されていた。山の幸を使った料理が広いテーブルの上で主役たちを待ち兼ねていた。魚に肉に茸に山菜に果物にと、山奥の村の食は豊かなものだった。村の畑で採れるものもあるが、それ以外に近くの山に出て捕らえる動物もおり、川で捕れる魚もある。それらを惜しみなく調理し、ダンカンの二人の孫たちの誕生日を祝おうと宿の女将が張り切ってくれたことに、リュカは心から感謝の言葉を述べた。
そして今回は来られなかったビアンカにと、女将から一つの包みを渡された。それはオレンジのジャムが入った小さな瓶だった。それを見た瞬間、リュカは思わず妻を身近に感じた。旅の最中、彼女が船の上でこのジャムを使ったジュースを作ってくれた。今もその時の甘酸っぱさをリュカは覚えている。
宿の女将は一通りの料理の支度を済ませると、後は一家団欒でとダンカン宅を去ろうとしたが、リュカが引き留めた。宿の女将はビアンカが亡くした母のように慕っていた人のはずだと、彼女にもこの場にいてもらい一緒に席を囲んで欲しいと願い出たのだ。女将も喜んでリュカの申し出に頷き、まるで自分の孫のように子供たちの話に耳を傾け、そして彼女の知るビアンカの話を尽きることなく話してくれた。
「ビアンカちゃんはあんなに綺麗なのに、そりゃあまあ、男勝りでお転婆でねぇ」
何かにつけ女将はビアンカをこの言葉で表現した。父であるダンカンも決して女将の言葉を否定することなく、むしろ笑って受け入れながら会話を楽しんだ。アルカパの町で暮らした母の子供の頃の時間、山奥の村に引っ越してきてから過ごした母の少女の頃の時間の話を双子は興味津々で聞き入っていた。
リュカも初めて聞くような話ばかりだった。幼馴染とは言え、リュカはビアンカのことをほとんど知らなかったのだと気づかされた。彼女に連れられ、お化け退治のために危険な子供二人旅をした経験からか、リュカは彼女のことをよく知っていると思い込んでいたが、彼女の過ごした人生のほとんどを知らないまま過ごしてきていたのだと思った。
小さな頃から擦り傷切り傷は絶えず、痛みに泣きもしないため、周りは彼女が傷をこさえていることに気付くのが遅れるのが常だったという。しかし彼女の母だけは目敏く娘の変化に気付き、叱りながら神父のところへ行って傷を治してもらっていたらしい。女の子なんだから傷なんかついていたら嫁の貰い手がなくなるよと、口を酸っぱくして言い聞かせていたとダンカンが笑いながら語る。十歳を過ぎた頃からビアンカ自身も母の言葉の重大さを考えたらしく、相変わらずお転婆に駆け回っていたが、傷を負って我慢をすることはなくなった。
「自分で素直に神父様のところへ行くようになったよ。そのくらいからかねぇ、ちょっとは行動を慎むようになったのは」
「あれでかい? 村の外には魔物も出るってのに、ビアンカちゃんは一人で山歩きもしていたじゃないか。あんな娘は二人といないと思うけどねぇ」
「すごーい! お母さんって強い人なんだね。一人で村の外に出てたの?」
「でも、そんなの、危ないわ。おじいさまもおばあさまも心配だったでしょ?」
「そりゃあ心配するよ。大事な一人娘が一人勇ましく山に入って行くんだからね。だけどあの娘は……やっぱりこの村に収まってくれるような娘じゃなかったんだろうね」
「あたしもね、よく思ってたよ。どうしてこんなに綺麗な娘がこんな山奥の村にいるんだろうって。綺麗で気立てが良くて優しくて、誰からも好かれるような娘がさ、こんな辺鄙な村に一人でいるなんてもったいないって」
以前、リュカはビアンカから『もしかしたらサラボナに住んでいたかも知れない』と聞いたことがあった。その時は何故サラボナに住んでいてくれなかったんだと悔やむ気持ちを抱えたが、今になって考えれば山奥の村に住んでいてくれて良かったと思う。もし彼女がサラボナのような大きな町に住んでいたら、それこそ早々と誰かと結婚して所帯を持っていたかもしれない。
「でもちゃんとお父さんと出会えたんだもんね。これってやっぱり、運命よね?」
「そして勇者のボクが生まれたってわけ。うーん、これってやっぱり運命でしょ?」
「勇者?」
ダンカンが首をひねると、ティミーは「あっ!」と言って両手で口を塞いだ。特別、口止めをされていたわけではないが、ティミーはこの場で言うべきことではなかったことかと、父リュカを窺い見る。リュカはティミーの口の周りについている食べかすを取ると、それを自分の口に放り込んで、ふっと笑う。
「お義父さんには話しておきますね」
「……あたしは外しておいた方がいい話かい?」
「いいえ、女将さんはビアンカの母親みたいな人ですもんね。一緒に聞いてもらって大丈夫です」
「込み入った話があるんだね。いいぞ、今更何を聞かされても驚かんよ」
リュカはティミーが世界を救う勇者としての使命を負っていること、山奥の村近くを天空城が浮遊していること、これから天空の城に住まう神の力の封印を解くための旅に向かおうとしていることを素直にかいつまんで話をした。ダンカンと宿の女将の反応はリュカの予想した通りのものだった。しばらく呆然として、事実を事実と認識できない二人の様子に、リュカは二人の気持ちが落ち着くのを静かに待った。
「……何だか、大層な話だな。こんな小さな子が、世界を救う勇者? そんなことがあっていいのかい?」
「僕もそう思います。逃げられるなら逃げてもらいたいって、思ってました」
「お父さん! ボクは逃げないよ。ボクが逃げたらダメなんだもん。世界中の人たちが困っちゃうよ!」
リュカの言葉を間髪入れずに跳ね返すようなティミーの姿に、ダンカンは目を見張った。
『お父さん! わたしは逃げないわ。わたしが逃げたらダメなんだもん。ここにいる人たちみんな困っちゃうもの!』
アルカパから山奥の村への旅を続ける道中、そう言って娘が魔物との戦いに躍り出たのをダンカン夫妻は止められなかった。娘は火の呪文の使い手だ。そして本人も呪文が得意と言う自負があった。結果的に彼女の呪文の力でダンカン一家も一員となる旅の集団は助けられた。あの時、娘の正義感がなければ、あの場で皆が命を落としていたかもしれないほどに危険な局面だった。
孫が世界を救う勇者だなどと、信じたくない気持ちは当然ある。しかしまだ小さな少年にも確実に娘の血が流れているのを実感すれば、少年はきっと自らの力で親を乗り越えて進んで行ってしまうのだろう。娘の血を引けばこそ、少年は狭い殻の中に閉じこもっていられるような性格ではない。そして子供のことを最も傍で最もよく見ているリュカに、託さなくてはならないのだとダンカンは口を引き結んだティミーを見ながらそう思う。
「リュカは、もう覚悟を決めているのだな?」
「……そうですね。でも僕はこの子たちの親ですから、この子たちを守らなければなりません」
「うん、その覚悟があれば、わしはもう何も言えんよ。……本当はずっとこのまま一緒に村で静かに暮らせばいいなんて思うがなあ」
結局最後に少しの弱音を見せてしまうのがダンカンらしいと、リュカは身近に感じる義父の言葉に胸を温かくする。リュカの覚悟し切れない気持ちをも肯定してくれたように感じられた。
「ねえ、お父さん、おじいさまにもグランバニアに来てもらったらいいんじゃないかしら」
「あ、そうだよ! そうしたらさ、グランバニアに帰ればおじいさまにもいつも会えるんでしょ? それがいいよ、ね!」
「なんだ、その、グランバニアというのは。どこか、場所の名前なのかね」
「聞いたことがないねぇ。どこか遠い国なのかい?」
リュカは懐から使い込んだ世界地図を出して説明しようと思ったが、テーブルに所狭しと乗る美味しい食事の雰囲気を害しかねない汚れた地図を出すのは憚られた。この家に地図はあるかとリュカが問うと、宿の女将がすぐに思いついたように、かつてビアンカが使っていた部屋へと向かった。彼女はすぐに戻り、その手には折りたたまれた世界地図があった。外の世界に夢を描いていた冒険好きの少女が、夢の世界を楽しむためにしょっちゅう見ていた地図らしい。ただその世界地図は子供向けのようで、大陸の形もおおよその形だけを描いたものだった。細かな島々などは当然描かれていないが、グランバニアの場所を示すには十分だった。
リュカが指差す場所を見て、ダンカンも女将も長い溜め息をついた。山奥の村で日々の生活を営んでいる身からすれば、まるで異世界にでも行くような果てしない距離だ。
「父はこの国の王でした」
リュカはビアンカと結婚してからの旅の足跡を、大まかに二人に話した。ポートセルミから船で南へ向かい、テルパドールに立ち寄った後、東のグランバニアを目指したと話せば、ティミーとポピーもリュカの隣で目を輝かせて旅の話を聞いた。グランバニアに到着して初めて、リュカは自分の父パパスがこの国の王だったことを確かに知った。宿の女将はどこか顔を引きつらせてリュカの話を聞いていたが、ダンカンは話を聞いた後しばし目を閉じて、何かを思い出すように瞼の裏を見ているようだった。
「パパスが、なあ。言われてみれば、一国の王でも何も不思議には感じない男だったな」
話を聞けば、パパスとダンカンは年が十も離れているという。ダンカンの方が年は遥かに上だったが、彼はパパスという男には言葉にできない威風堂々とした空気を感じていたらしい。パパスが旅をしている最中、サンタローズという小さな村に居を構えたことにも初めは驚いた。近くにアルカパと言う大きな町があるのだから、町に住めば色々と生活にも便利だろうと勧めたこともあったが、パパスは「小さな村の方が都合が良い」と言って、サンタローズの村を離れることはなかった。
「大きな町には出たくない事情があったのだな。一国の王様が幼い子供を連れて旅をしてなんてことが町で知れたら、噂はあっという間に辺り一帯に広まってしまうだろうから」
「僕も大人になってそのことに気づきました。父は色々と抱えていたんだなって」
「ででで、でもさ、あんた、いや貴方様は、そんじゃあ、そのグランバニアって国の……」
「そうです。一応、今は僕が国王です。でもまあ、こうして旅をしているんで、あんまり国でゆっくりしてることはないんですけどね」
リュカが穏やかに話しても、宿の女将は驚きに口をパクパクとさせてもう迂闊なことは話せないと、次の言葉が出ない状態になってしまった。
「それじゃあビアンカは王妃様ってわけか。ははあ、とんでもない玉の輿に乗ったもんだな」
ダンカンはリュカの素性を知っても特別態度も変えず、今まで通りの会話を楽しんだ。ダンカンにはパパスとの思い出もある。今までどこか謎に包まれていたパパスの素性も知れて、ダンカンの中では腑に落ちた部分も大きかったのかも知れない。
「ねえ、おじいさまもグランバニアに行こうよ。お母さんのお父さんだもん、みんな喜んでくれるよ!」
「もしお義父さんさえよければ、僕がグランバニアに連れて行きますよ。グランバニアにはサンチョもいます。お義父さんはサンチョのことも知ってますよね」
「おお、サンチョがいるのか! うんうん、サンチョが無事に生きていてくれたんだな……それは本当に良かった」
おおよそ旅に出ていた父パパスとは違い、サンタローズの村で家の留守を預かっていたサンチョとの方が実のところ親交が深かったのかもしれないと、リュカは義父のしみじみとした反応を見てそう感じた。しばらく考え込むように目を細めて一点を見つめていたダンカンだったが、口元の白髪交じりの髭を揺らして小さく笑うと、返事を待ち続けるリュカにはっきりと意思を告げる。
「わしはこの村におるよ」
ダンカンの明らかな意思に、リュカは説得する言葉を持たなかった。考えなくても分かることだった。ダンカンにとっては既にこの村が彼の住む場所なのだ。アルカパの町を出て、この山奥の村に移り住み、この村で過ごした彼の人生はこの村と共にある。義父はこの村で妻と娘と過ごし、この村で妻を失い、この村から娘を巣立たせた。彼の大事な人生のほとんどが、この穏やかで寂しくも温かなこの村にある。今になってそれを手放すのは彼にとっては苦痛以外の何物でもないのかも知れない。
「だけどダンカンさん、あんた、こんな、国王様の申し出を断っちゃっていいのかい?」
「国王様ったってなぁ、わしにはどうも、リュカが一国の王様をやってるなんて想像できなくてねぇ」
まるで態度を変えないダンカンがリュカには有難い。実は肝が据わっているのかも知れないと思えるのは、ビアンカの父だからだろう。
「いいんです、女将さん。無理にとは言いませんから」
「第一、リュカはこれからも旅を続けるんだろう? しかも可愛い孫たちを連れて。その、グランバニアとか言う国に連れてもらって行っても、傍にいられないんじゃつまらんからなぁ」
「それもそうかも知れませんね。折角ならずっと傍にいたいですもんね」
「じゃあ、それなら、私たちがここへまた来ればいいのよ。ねっ、お父さん」
「そうだね。またここに寄らせてもらおうか。温泉でゆっくり体も休められるし」
「あの温泉、気持ちいいよね~。広いから泳ぎ放題だしさ」
「お兄ちゃん、おじいさんに怒られてたじゃない」
「でもあれからはしずか~に泳いでたから、怒られなかったよ」
「おじいさん、我慢してくれてたんじゃないかしら」
「そんなことないよ。だって本当に気をつけて、こう、手だってゆーっくりお湯をかいてたしさ。足は全然動かさなかったし……ああいう泳ぎ方をすれば、魔物にも気づかれなかったりするかな。明日の朝も温泉で練習してもいい、お父さん?」
「う、うーん、人が少なければ大丈夫なんじゃないかな」
「お父さんはお兄ちゃんに甘い気がするわ……」
「はははっ、リュカは二人ともに甘いだろう。根が優しい子だからな、あまり強く人に言えないんだよ」
ダンカンが知っているリュカはまだ幼い頃のリュカだ。その性質が変わっていないかのようにダンカンはどこか自信を持ってリュカをそう評価する。三つ子の魂百まで、幼い頃の性質が大人になって変わることもないのだろう。成長していく中で様々な出来事を体験していくが、人間の本質は生まれた時からずっと変わらないものなのかも知れない。
それからも皆の語らいは温かく続いた。宿の女将はしばらくの間リュカによそよそしい態度を取り、こんな庶民的な食事が王様に合うのかなどと不安そうにしていたが、リュカの妻がビアンカであることを考えればその不安も徐々に解消されたようだった。
ダンカンの前で双子がそれぞれ得意としている呪文を披露すれば、彼はいかにも孫を見る顔つきをして目を幸せそうに細めた。またダンカンが咄嗟についた嘘に、ティミーもポピーも上手に付き合っていた。ビアンカが三人目の子を身籠っているために今回この村には来られなかったと、そんな義父の嘘に付き合っている内に、二人はそれが本当のことに思えてきたように弟がいいか妹がいいかなどと楽し気に話していた。嘘の話の中は幸せに溢れていた。リュカも今だけはと、その嘘の幸せに浸っていた。
元気に話していた二人だが、夜も更けてくれば眠気にも襲われる。天空城の生活ではありつけなかったご馳走にも腹を満たし、遠慮なく大欠伸をする。ダンカンが自分の部屋にあるもう一つのベッドを使えばいいと言えば、ティミーもポピーもこの時間を惜しむように「おじいさまも一緒に行って、まだお話しようよ」と祖父の手を引く。
「二人とも、おじいさまも疲れてるんだから、邪魔をしちゃいけないよ」
「なんだなんだ、リュカよ。わしから可愛い孫たちを取り上げるつもりか」
「え? い、いや、そんなつもりはないですよ。でもお義父さんも疲れてるでしょう」
「いいんだよ。わしはこの子たちが眠るまで喜んで付き合うよ。リュカは……ビアンカの使っていた部屋を使ってもらって構わないよ。たまには一人でゆっくり休みたいときもあるだろう」
そう言われてリュカははたと気づいた。グランバニアにいる時も、旅に出ている時も、リュカは決して一人になることがなかった。リュカが眠る傍には必ず二人の子供たちがいて、仲間の魔物たちがいる。それが普通のことであったし、誰かが傍にいてくれると言うのは有難いことだと思っていた。
「おっ、そうだ、リュカよ。女将さんを宿まで送り届けてくれるかい。さすがに外が暗すぎて、一人じゃ心許ないからな」
「そうですね。すっかり遅くまですみません。後はやっておきますので大丈夫ですよ」
「なーに言ってんだい。片づけくらいあたしがやるよ。散々一緒に楽しませてもらったからね。それくらいはしなくっちゃ」
「じゃあ一緒に片づけましょう。二人でやれば早く終わりますよ」
「一国の王様が食器の後片付けかい? あっはっはっ、何だか面白いねぇ」
宿の女将の笑い声に、彼女もこの場を存分に楽しんでくれたのだとリュカは嬉しく思った。肝心のビアンカがいない状況でも、一つの嫌味もなく楽しんでくれる宿の女将の懐の深さにも、リュカはビアンカが彼女を母のように慕う気持ちを感じられた気がした。
片づけを終え、宿の女将を村の宿まで送り届けてダンカンの家に戻ると、既に家の中は静けさに包まれていた。夜の鳥が夜の静けさに合わせて鳴き、どこからか蛙の鳴き声も聞こえるようだった。先ほどまであれほど人間の話し声で賑やかだった部屋の中が、まるで時を止めたように静かだと思った。
リュカは食卓の大きなテーブルの上でちびていた明かりを手に取ると、ダンカンに言われたようにかつてビアンカが使っていた部屋へと向かった。二人の子供たちは楽しく疲れ切ったようで、祖父の部屋で眠ってしまったらしい。ダンカンも唐突に巻き込まれた賑々しい状況に疲れて休んでいるだろう。一人でいることへの不安をわずかに抱えつつも、リュカも身体を休めようと部屋の扉を開いた。



結婚するまでビアンカが暮らしていた部屋に入ると、閉じられた窓のせいで部屋の中に空気がこもっていた。彼女がこの部屋を出て既に十年ほどが経っている。部屋にこもる空気に彼女を感じることはほとんどない。
窓際に置かれるテーブルの上には先ほど宿の女将が持ち出した子供用の世界地図が折りたたまれた状態で置かれていた。リュカは手に持つ明かりが消えないようにゆっくりと歩み寄り、机の上に明かりを置くと椅子を引いて、席に着いた。彼女が夢を見ていた簡易な世界地図をゆらゆらと揺れる明かりの中に見る。リュカたちが旅している時にするように、地図に何かが書き込まれているわけではない。彼女はただ、決して叶わないと思っていた世界を旅する夢を、地図を見ながらひたすら頭の中に描いていたのだろう。
「そう言えば引き出しに着替えがあるって……」
つい先ほどまでの楽しい語らいの中、ダンカンが引き出しに着替えがあるだろうから自由に使って良いと言っていた。ビアンカが家を出てから、彼女が使っていた引き出しもダンカンが自由に使っているようだった。リュカは席を立ち、部屋の隅に置かれる引き出しに近づく途中、窓を少し開けた。外の鳥の鳴き声や虫の音がささやかに聞こえる。外での生活に慣れているリュカにとっては、外の音が聞こえる状況は心を安らげた。心地よい夜の風も入り、リュカは窓を薄く開けたまま引き出しへと足を向ける。
「上の段にはビアンカの服がまだ入ってるから、下の方だって言ってたな」
ダンカンはふざけたような調子で『ビアンカがいつうちに帰ってきても良いように、服やなんかはそのまま置いてあるんだ』と言っていた。リュカと喧嘩して、実家に帰るようなことがあれば喜んで出迎えようと思っていると、ダンカンは笑いながら話していた。少々、酒も入り気分が高揚していたのもあるのだろうが、ダンカンは娘が今どこにいるかも知れないという不安を抱えつつも、その事はリュカに託すのだと心に決めて、吹っ切るように笑っていた。
一度、引き出しの前でしゃがみこんだリュカだが、ふと思い立つように立ち上がり、最上段の引き出しに手をかけた。もう九年も会っていない妻の過去の思い出でも良いから、その一部でも良いから、触れたいと思った。
最上段の引き出しには、服ではない大きな紙が収まっていた。ガサガサと音を立てる白い紙に触れ、リュカは不思議に思いながらも大きな白い紙の包みを引き出しから静かに取り出した。それを取り出してしまえば、他に引き出しに収まっているものはないようだった。最上段にはこの大きな白い紙の包みしか入れられていなかった。
床に置くのも忍びなく、リュカは大きく嵩張るような白い紙の包みをベッドの上に置いた。彼女が普段来ている服が収まっているにしてはあまりにも空気を含んでいるように思えた。服ではない何かが紙の包みに収まっているのだろうかと、リュカが白い包みを丁寧に開こうとした時、机の上に置いてあった明かりが窓からのそよ風を受けて消えてしまった。しかしちょうど月の光が窓から差し込む時分、夜目が利くリュカの目にはベッドの上に置く白の紙が青白く映るだけだ。
開いた紙の中に収まるものを見て、リュカは息を呑んだ。収まっていたのは、純白の花嫁衣裳だった。月明かりを受けて純白は青白い色に染まる。ふわふわとした手触りを感じれば、彼女がこの純白に身を包み、幸せそうに微笑んでいた表情が嫌でも思い出された。
「……ビアンカ」
リュカは美しい装飾の施されたドレスを丁寧に広げ、両肩のあたりを掴んで、自身の前にまるで彼女が立つように持ち上げた。窓からのそよ風を微かに受けて、ドレスのレースが気づかない程度に揺れる。花嫁衣裳を身にまとった彼女は、この世のものとは思えないほどに美しい人だと思った。これほど美しく、そして強くも弱く、優しい彼女と一緒になれて、幸せ以外の何物でもなかった。自分の全てを賭けてでも、彼女を幸せにするのだと、サラボナの教会の式でリュカは本心からそう誓った。
しかし今のリュカの目の前にあるのは、思い出だけが残る純白のドレスだけだった。この衣装を身に着けて、これからの幸せを信じ、笑い合った彼女はいない。毎日毎日、分かりきっていることだというのに、幸せの詰まった花嫁衣裳を目にしてしまえば、目から溢れる涙を止めることなどできなかった。
今は彼女が暮らしていた部屋に一人きりでリュカは佇む。いくら涙を流しても、誰に見られることもない。「男なら、泣くな」とリュカを諫めた義父だったが、あれは子供たちの手前で親は涙を見せるなと言うことだったとリュカは分かっている。だからこそ義父は今、リュカに一人になれる時間を作ってくれたのだ。
恐らくダンカンも、かつて妻を病気で亡くした時に、同じような時間を過ごしたのだろう。娘の手前で大いに涙することなど、親ができたものではないと彼も涙を必死に堪える時が何度もあったに違いない。悲しみに浸るのは一人でいる時の方が良いときもある。一人でいることで向き合える悲しみというものがある。
リュカは両手に持っていた純白を、まるでそこに彼女がいるかのように両腕に抱きしめた。ドレスのふわふわに顔を埋める。彼女のあの時の幸せがそこにまだ残っているような気がする。サラボナの花の香りが鼻を掠めたように感じたが、すぐに詰まってしまった鼻ではその香りを吸い込むこともできなかった。
「……会いたい。……会いたい………っ……」
子供たちが隣にいれば、妻への思いにいくらか蓋をすることができていたのだと今になって実感した。誰かが自分を見てくれている間は、多かれ少なかれ、「自分」を演じることができていたのだ。誰にも心配をかけたくない、弱い自分を見せたくない、皆の前で勝手な感情で涙するなど恥ずかしい、自分には涙を流す資格などないと、人の目があればそうしたことを全て気にすることができた。
だから今は、泣き声こそ殺しながらも涙をこらえることができなかった。今もどこにいるか分からない妻を想い、常に心の中に存在する深い悲しみに浸ることができた。涙が次から次へと溢れてくる。悲しみがとめどない。懺悔の気持ちが押し寄せる。今すぐに彼女に会いたい。いくら純白を抱きしめても、彼女に触れられないことに悲しみがまた募る。彼女を想う心は深く、決して底が見えない。
目を閉じて思い出されるのは、全て彼女の輝くような笑顔だ。共にいる時間、彼女はそれこそ目まぐるしく色々な表情をしていただろうに、思い出すのは大好きな笑顔ばかりだった。怒った顔や沈んだ表情などが思い出されれば、流れる涙を止めることもできたかも知れない。しかし今は手に届かない彼女の笑顔ばかりが瞼の裏に映し出されれば、それが今すぐに欲しいと願い、手の届かないところにあると思えばやはり涙が流れる。情けないほどに涙が止まらないと思いながらも、今のリュカには止める手立てが分からなかった。
リュカは自身が着替えを探していたことも忘れて、純白のドレスを両腕に抱いたままベッドの上に寝転がった。離し難い彼女の思い出が詰まるこの衣装を抱きしめたまま、泣き過ぎたせいで感じる頭痛もそのままに、一人、感情の深い海に溺れるように眠ってしまった。



まだ明けきらない朝のうすら白い雰囲気を窓の外に見る。ほんの少し開けておいた窓から入り込んだ風で、部屋の中の空気がすっかり入れ替わっている。冷え込む山奥の村の朝の空気で、部屋の中もすっかり冷えて、リュカはベッドの上に丸まりながらくしゃみを一つした。
朝の早い村人たちだが、さすがにまだ外に人の気配はしない。窓の外が白く見えるのは、朝の内に山を包む霧のせいだった。リュカは起き上がると窓辺に寄り、村の景色を霧の中にちらりと見ると、身体を震わせて窓を閉めた。
家の中で人の動く気配がした。昨夜は思うまま泣き続け、今も頭が重い。ベッドの上に皺になってしまった純白のドレスを持ち上げて、形を整える。特別な素材で作られた花嫁衣装はあっさりと皺を伸ばして落ち着き、リュカはまだ薄い朝の明かりの中にもう一度彼女の姿をそのドレスに見た。この衣装にはかつてあった幸せしか残されていない。その想いを乱さぬよう、リュカは丁寧にドレスを元の通り紙の包みの中に納め、開け放したままだった引き出しにしまい込み、思い出をそのまま閉じ込めるように引き出しを閉めた。
部屋を出ると、台所にダンカンが立っていた。着替えもせずにそのまま眠ってしまったようなリュカを見て、ダンカンは微笑みながら「おはよう」と小さく声をかけた。ダンカンの部屋ではまだ楽しい夢から醒めない二人の子供たちが眠っている。
「早いですね」
リュカの声はひどく枯れていた。その声を出したリュカ自身が驚いた。
「昨夜、薬を飲むのを忘れていてね。今朝思い出して、慌てて飲んだところだよ」
そう言いながらダンカンはポットに火をかけて湯を沸かし始めた。リュカの枯れた声には気づいていないという風で、慣れた様子で戸棚からカップを二つ取り出した。
「村の朝は冷えるだろう。ほら、これを使いなさい」
ダンカンはゆっくりと歩いて椅子の背もたれにかけてある暖かなひざ掛けを広げて、リュカの肩からかけてやる。毛で織られたひざ掛けが徐々にリュカの身体を温める。
「朝食は昨日の残り物でいいだろう。宿の女将さんがたんまりと作ってくれたおかげで、朝食を用意する手間が省けたよ」
「本当に、ありがたいです。後でお礼を言いに行きます」
「うん。まあ、リュカたちは先を急いでるだろうから、わしから伝えておくよ。それに女将さんだってきっと楽しんでくれただろう。あんなに張り切って料理を用意してくれたんだ」
「もしそうだったら嬉しいです。子供たちも本当に楽しそうだったし……ここに来られて良かったです」
この山奥の村に来るまでは、何度も行くことを躊躇していた。大事な一人娘を行方不明にしてしまい、今も行方知れずの状態で、どんな顔をして会いに行けばいいのか全く分からなかった。ただ逃げ続けるわけにも行かないと、ひたすら義務感を背負ってこの村を訪れたのがリュカの真実だった。
ダンカンが冷えた水に一枚の布を浸し、ぎゅっと絞る。それだけで彼の手が赤くなっている。そして絞った布を少し広げてリュカに手渡す。
「とりあえず、可愛い子供たちにその顔を見られる前に、これで目を冷やしておくといい」
リュカの枯れた声にも、泣き過ぎて腫れた目にも、当然ダンカンは気づいていた。娘が長年使っていた部屋に一晩、押し込めたようなものだ。浸る思い出が深過ぎて、収拾がつかなくなり、一時的に身も心もボロボロになっただろうと、義父は分かっていた。
リュカは無言のまま、義父から受け取った濡れた布を両目に押し当てた。腫れた目を冷やそうとしているのに、また新たに涙が零れそうになり、喉が引きつってしまう。義父の優しさがどうしてここまで底なしなのか、分からなかった。責める言葉の一つもない。ただ見守るばかりの彼の優しさが辛く、枯れない涙が目に浮かぶ。
「男なら泣くな、ですよね」
「誰がそんなことを言ったんだ?」
「お義父さんですよ」
「しかし子供は親の前で泣くもんだろう」
「……もう僕は小さな子供じゃありません」
「はははっ、確かになぁ。今やわしよりもずいぶんと大きい。あんなに小さかったのになぁ」
そう言ってダンカンはリュカの肩をひざ掛けの上からポンポンと叩く。どうして父親というのはこうして子供の頭や肩を優しく叩けるのだろうかと思えば、リュカも気づかぬうちに二人の子供たちにそうしていると気づかされる。子供を労わる思いは、父の手を通じて自然と出されてしまうものなのかも知れない。
ポットから仄かに湯気が出始めた頃合いで、ダンカンはポットを火から外した。そして用意していた二つのカップに湯を注ぐと、台所の隅に置かれた小瓶を引き寄せて蓋を開ける。
「昨日、リュカも宿の女将さんからもらったろう。美味いんだよ、これが」
木の匙で瓶の中からオレンジジャムを掬うと、緩やかに湯気の立つカップの中に落とし、かき混ぜた。それだけで部屋中にオレンジの香りが広がる。かつての彼女との時間が辺りに広がるようだった。
「風邪の引き初めにもいいんだぞ。さ、そこで一緒に一杯やろうか」
「……あははっ、お酒を飲むみたいですね」
場を茶化すような義父の言葉が温かい。今は逃げていいのだと言ってくれているようで、リュカはその言葉に甘んじて、席に着いて温かなオレンジジャムを溶かした甘酸っぱい湯に口をつけた。そして再び、冷たい布を両目に当てる。向かいの席に義父が座る気配があったが、その姿を見ないまま会話を続ける。
「お義父さんは「光の教団」と言うのを聞いたことがありますか?」
「光の教団……ふむ、以前にこの村を訪れた旅人に聞いたことがあるな。何でもその教団に入信すれば、どんな苦しみからも逃れて幸せの国に行けるとか」
ダンカンが以前出遭ったその旅人が光の教団の手先の者か、すっかり教団の教えに洗脳された者が旅をしながらその教えを広めようとしていたのかは分からない。しかし彼らがしていることは同じ結果を招く。そしてこの村の温泉を求めて旅する者の中に、当然のように光の教団に属する者がいるという現実に、リュカは思わず身を震わせる。
「その旅人の言うことを聞いて、どう思いましたか? その幸せの国に……行ってみたいと思いましたか?」
「ん? いや、思わんよ」
当然のようにその者の言葉を否定するダンカンは、穏やかにリュカにそう言うと、湯気の立つオレンジジャムの湯をすする。リュカは冷たい布に押し当てていた目を上げ、向かいの席に座るダンカンを見る。朝の光がいくらか明るくなってきたようで、はっきりと見える義父の表情はどこにも陰りが見えない。
「わしのいるところはここしかないからなぁ。わしがここを離れたら、ビアンカもリュカも困るだろう。いくらビアンカがリュカと一緒になったからと言って、わしはビアンカの父親を辞めたつもりもないし、リュカの父親としても生きていきたいしな」
何をおかしなことを聞いているんだと言わんばかりに、ダンカンは困ったように首を傾げている。彼の幸せはこの村と共にあるのだと、リュカは改めて安心するようにふっと息をついて笑みを零す。
「それになぁ、あんなに可愛い孫がいるんだぞ。そんな、一人で訳の分からん幸せの国なんかに行って、幸せになれるもんかね」
「そうですね。それなら良かった。ちゃんと分かってくれてて、良かったです」
「なんだ、その光の教団とやらがどうかしたのか」
リュカが安心したように息をつくのを見てむしろ不安に駆られたダンカンがそう問いかける。リュカは光の教団は魔物たちが広めている邪悪な集団であること、幸せの国と呼ばれている場所は存在しないこと、もし入信すれば地獄へ連れて行かれることを淡々と説明した。そして光の教団や幸せの国を騙る者たちとは別に、天空城という神の住まう空に浮かぶ城があることを話した。昨日も触れた話だったが、天空城には白い翼を生やした天空人らが住み、空から地上を見守っているのだと、御伽噺のような真実の話を改めて真剣に伝えた。
「リュカがそんな嘘をつくとも思えんから、本当の話なんだろうが、どうもイマイチ、上手く想像できんなぁ」
「僕たちはその天空城でこの村の近くまで来たんです。僕たちが村を去った後、しばらくしてから空を見上げてもらえますか? できたら村の人たちみんなに見て欲しいんです」
「その、テンクウジョウってやつがこの村の空を飛ぶって言うのかい?」
「ちょうど村の上を飛ぶように、調整してみます」
「調整するって、なんだ、神の御意志でこの村の上を飛びなさるということか?」
「いや、こう、足で方角の文字を踏んで、進む方向を変えられるんですよ。船で舵を切るのと似てます」
「なんじゃ、そら。神様のお城なのに、そんな人間がやるようなことをやるのか」
「そうなんですよ。人間ができるんです。何だか、ふざけてますよね」
「ははあ、面白そうだな。よし、リュカたちが旅立った後、村中の者に知らせて回ってみることにしよう。まあ、宿の女将さんと神父様に話せば、凡そ話は行きわたるだろう」
リュカの突拍子もない話に興味をそそられたように、ダンカンの表情は明るいものになった。そんな彼の様子を見ながら、やはり彼はビアンカの父親なのだとリュカは嬉しく思った。たとえ血が繋がっていなくとも、彼ら父娘の間には好奇心旺盛と言う共通点が見える。
そしてかつては、この父娘の向こう見ずな好奇心を抑える役だった女性がいた。
「わしはここでみんなの無事を祈っとるよ。もちろん天国にいる母さんもな」
ダンカンは静かにそう言うと、カップに残っていたオレンジジャムの湯を飲み干し、席を立った。台所に向かってゆっくりと歩き、カップをさっと水で流すと水を切って台に置く。リュカも温くなったカップの中身を飲み干し、同じように席を立って台所に向かう。
「お義父さん、お義母さんのいる場所には今、いろんな花が咲いてますか」
「ああ、咲いとるよ。今は良い季節だからなぁ」
「これ、ありがとうございました。もう大丈夫です」
「うん、それくらい腫れも引けば大丈夫だろう」
ダンカンはリュカから濡れた布を受け取ると、そのまま台の上に静かに置いた。空が白んできたとは言え、まだ朝早い時間だ。窓から見える山の霧は晴れずに残っている。朝の早い村人たちの一日はまだ始まっていない。
「旅立つ前に子供たちと挨拶して行きます」
「うん、そうしてくれたら母さんも喜んでくれるだろう。ぜひ可愛い孫たちの顔を見せてやっておくれ」
ダンカンはそれだけ言うと、癖のようにリュカの背中をぽんぽんと二度叩き、いつもは使わない娘の部屋へと向かった。リュカは義父の背中を見送った後、入れ替わるようにダンカンの部屋へと向かう。扉を開けば、二人の子供の深く寝入る息が規則正しい調子で聞こえる。まだ起きる気配はなさそうだと、リュカは安心するように目を擦って部屋の扉を後ろ手に閉じた。



村の墓地には暖かな日差しが降り注いでいる。小鳥たちが昼間近の時間を気ままに過ごすように楽し気な会話を聞かせてくれる。墓地を囲む木々には色々な小動物の気配がするが、そのどれもが村の一員であるかのように、墓地を訪れた三人の親子を優しく見守っているようだった。
「おじいさまも言ってたけど、本当に今っていい季節なのね。こんなにたくさんのお花が咲いてるなんて」
「お父さん、これくらい色んな花を揃えれば、おばあさまも喜んでくれるよね」
そう言いながらティミーが両手に抱える花束をリュカに見せる。花を摘むことに夢中になっていたティミーが村の崖に咲く花を取ろうとして落ちかけたが、リュカが手を掴んで事なきを得た。そんな光景を、もしかしたら墓地に眠る彼の祖母が冷や冷やしながら見ていたかも知れない。
二人の子供たちが摘んだ花々を、ビアンカの母が眠る墓地の前に静かに置く。毎日丁寧に手入れされているのか、年月に寄る風化はそれほど酷くない。しかしそれでも、よく見れば墓石は丸みを帯びているように感じられた。雨風の当たるこの場所にあれば、年月と共に石が削られるのも当然の自然現象だ。
「また来るからね、おばあさま」
「今度はもう少しゆっくりお話したいです。お母さんも一緒に来て……」
話にしか聞いていない祖母の墓に手を合わせ、祈るように目を閉じる二人を見ながら、リュカは二人の優しい心は色々な人たちに育てられてきたのだなと感じた。ダンカン夫妻の優しさの中で育てられたビアンカ、そしてそのビアンカから生まれた双子もまたその優しさをきっと受け継いでいる。グランバニアで小さな子供たちを見てくれていた人々からも、多くの優しさを受け取り、彼ら二人の中には確実に優しい心が育って行った。関わってきた人々、たとえそれが見知らぬ人でも、子供たちの成長に多かれ少なかれ携わっているのだと思う。
寂しいはずの村の墓地に、緩やかな温かい風が吹く。墓石の前に供えた花が揺れて転がる。それだけのことで、墓石の下に眠る彼女の母と話をしている気になるのだから不思議だった。都合の良い言葉だけを受け取っている気もするが、それで良いのだとリュカは妻のお転婆に手を焼いていただろう彼女の母を想った。そして次に来るときには必ず、貴方の娘を連れて来ますと強く心の中で誓う。
朝、いかにも眠そうに目を擦って起きてきた二人の子供たちと、既に簡単な朝食の支度を終えていたダンカンとリュカとで、手早く朝食を済ませると、すぐさま村の温泉へと向かった。どうしてももう一度温泉に入っておきたいとティミーが譲らず、リュカと子供たちとで村の宿に向かい、宿の女将に会えば三人で昨夜のことに対する感謝を述べた。彼女はまたぜひ村においでと気さくに言葉を返してくれた。リュカが一国の王であるというよそよそしさではなく、ダンカンの息子なのだという親しみがこもっていた。
ダンカンの家に戻る途中、数人の村人とすれ違った。その中に、かつてビアンカに思いを寄せていた男性にも遭遇した。彼は今もダンカンの家で彼の手伝いや村の仕事を負っているようで、リュカが二人の子供たちとダンカンの家に戻るのをどこか険しい顔つきで見つめていた。ただリュカに近づいて話しかけることはなく、それを良いことにリュカも会話をしない距離を保ったまま、まるで知らない人に対する会釈をしただけで、すぐに視線を逸らして歩き出した。
恐らく逆の立場で、もしビアンカが行方不明だなどと知らされれば、容赦なくその男を殴りつけるに違いないとリュカは思った。事実を事実として述べることが必ずしも正解だとは限らない。子供たちの手前、他の方法を思いつかなかったリュカは、かつてビアンカの兄のようなものだと名乗った男に罪悪感を抱きつつも、その場から逃げるように子供たちの手を引いて歩いて行った。
天空城での移動のため、大した旅支度もない。ただ宿の女将が慌てて届けてくれた大量の食べ物を大きな布に包み、それを背負ってリュカは子供たちと義父の暮らす家を後にした。そして旅立つ前にと、子供たちの祖母に当たるビアンカの母が眠る墓地に来ていたのだった。
墓地と言う場所でも、子供たちの明るい声が響くおかげで、しんみりした空気は漂わない。祖母の墓石に止まる蝶をつかまえようとティミーが近づくと、蝶を逃がそうとポピーが蝶の近くで風を起こすように手を振る。そこで兄妹のひと悶着があるが、恐らくビアンカの母は二人の元気なその光景を懐かしそうに見つめているに違いないとリュカはすっかり晴れ渡った空を仰いだ。空を移動する綿のような雲の中に、陽に光る城の端が目に映った。
「さあ、二人とも、そろそろ行こうか」
空に目を向ける父の視線を追い、二人も青空を見上げる。天空城が村近くまで来ているのを確かめると、ティミーが先に走り出した。
「村から少し離れたところに行かないと! こんな近くであんなおっきい城を見たら、村の人たちがびっくりして腰を抜かしちゃうよ!」
「腰を抜かすなんて、ティミーらしくない言葉だね」
「おじいさまがさ、そう言ってたんだよ! ものすごくびっくりした時は、そんな風に言うんだってさ」
「そう言えばオジロンさんやサンチョも、そんな風に言ってたことがあるわよね」
「じゃあ、それなりに年を取ったら使う言葉なのかもね。そうじゃないと、なんだか似合わないよ」
「お父さんはまだ言わないの?」
「お父さんには……ちょっと似合わない気がするわ」
「あはは、僕もそんな言葉が似合うくらい、そのうち年を取るよ。なんか、楽しみだな」
村の墓地を元気に走り抜けていくティミーに、負けじと走り追いつくポピー。リュカも背中に荷物を背負いながらも、まだまだ二人の子供たちには負けられないとその後を追いかける。この時も一秒一秒と、時を重ね、年を重ねていく。過ごす時間は一秒が貴重だ。リュカは自身の過ごす一秒の意味を丁寧に感じ、そして必ず救い出すと決めている妻と母に、彼女たちの失われた時間を取り戻させるように話をするのだと、跳ねるように駆けていく二人の後姿に思わず笑みを浮かべていた。

Comment

  1. ケアル より:

    bibi様、最近、執筆がはかどっているようで、こちら読者も楽しみ倍増であります!(嬉)

    ダンカンの家の手伝いしているビアンカに恋している青年いましたねそういえば…忘れておりました(笑み)
    リュカもダンカンに話せることは全て話ができて、心のもやもやが消えていたら良いですね、
    しかし、宿屋の女将さんまで同席で話しを聞いちゃうなんて、少し驚きました。
    ダンカンも、心友パパスの素性が分かり、全ての謎が溶けてすっきりしたんでしょうね。
    このあたりの描写で大事な事柄…
    「ビアンカが3人目の妊娠」
    ダンカンの本音と建て前には頭が下がります!(礼)

    ダンカンの優しさ愛情がヒシヒシと伝わる描写、その中でも、オレンジジャムとウェディングドレスの描写は……。
    bibi様ずるいです!bibi様は読者を泣かす天才であります……、bibi様の小説を読み込んでいるファンなら、水のリングを手に入れた後の船の上でのビアンカに対するリュカの感情、船の上でのオレンジとオレンジジュース、サラボナに戻り、ビアンカとリュカがサラボナのバーで食事しながらリュカにおめでとうと言っているがビアンカの感情の葛藤、最後までリュカや周りに「私はリュカのお姉さん」と言っているビアンカの気持ち、結婚前夜でのビアンカとリュカの遣り取り、そしてリュカが別荘から離れた後にビアンカが座り込み泣く描写、宿に戻るリュカの前に現れたフローラ、フローラとリュカしか知らない会話、リュカが告白にビアンカを選んだ時の二人の笑顔、ルドマンに頼まれ花嫁衣を取りに行くリュカ、ヘンリーマリアを招待した結婚式、相思相愛の誓いの口づけ……、
    全て、走馬灯のように思い出す読者は、リュカと花嫁衣の描写で、涙が出てしまいますよ…、bibi様ぜったいに読者を泣かせに行っていますよね(泣)
    bibi様、いつもながらお見事な描写でありました(礼)

    お墓参りの描写を入れてくれてありがとうございました。
    やっぱり、このシーンは入れないといけないと思って…、リュカが山奥の村に行く前も行った後も、ビアンカはかかさず母の墓石に手を合わせてかならず泣いていた、そういうビアンカの描写を見ている読者は…いや自分は、どうしてもこの、お墓参りをして貰いたかったんです。

    次回も寄り道ですね、たぶん方角を考えると…北?
    次は、ルラフェンでルーラ習得かアルカパで子供たちを案内するかレヌール城でのイベントかサンタローズを子供たちに見せる?
    ちなみに、レヌール城に行ったら、ゲームでは駆け落ちした男女がいますよね。
    次話も楽しみにしています!

    • bibi より:

      ケアル 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      山奥の村でのことはもっと長くじっくり書いても良いかなと思ったんですが、あまり間延びしてもまずいなと思い、今回のお話でおしまいにしました。
      そうですよ、泣かせに行きました(笑)
      ま、そう言いながら、私自身が書きながら泣いているので(おいおい)、おあいこということで。
      リュカの気持ちに入り込みながら書くと、どうしても涙が出ます。そう言う気持ちをこちらのサイトを覗いてくださる皆様にもお伝えしたくて、こんなお話になりました。もっと他に書き方があるのでしょうけどね。私にはこれが限界・・・。
      今回のお話を書いたからでしょうか、こちらで皆さまがどのページに来てくださっているかが分かるんですが、結婚式前後のお話へのアクセスが増えている気がします。ただでさえ、その辺りのお話へ来て下さる方は多いのですが、最近はまた増えているような。ありがたいことです。
      お墓参りも大事ですよね。今回、少しの描写になってしまいましたが・・・ご満足いただけましたでしょうか(汗)
      次回のお話は北・・・もいいですね。そちらの方が色々と寄り道できそうです。ただ、一応ボブルの塔に向かっているので、恐らく次はそのまま南へ向かおうかなぁと思っています。と言うことは・・・緊張しますねぇ。私はこのDQ5で一度、詰みかけたあの場所へ向かう予定です(笑)

  2. ケアル より:

    bibi様

    すみません、前回同様、書き漏れに続き書き間違えました、あまりにもbibi様の描写に感動し涙がでちゃったもんで(笑み)
    ルーラでなくパルプンテですね失礼しました。

    • bibi より:

      ケアル 様

      パルプンテも覚えたら面白いですよね。戦闘で遊びができそうです。もし覚える機会があったら、ミニモンにも覚えてもらわねば。あの子はきっと、大いに遊んでくれると思います。リスク承知で(笑)

  3. ピピン より:

    何か今回は上手く感想が出てこないですね…
    切な過ぎて悲しくてリュカと一緒に泣いてしまう…!
    ダンカンの優しさに救われます…

    • bibi より:

      ピピン 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      感想、出てこなくなっちゃいましたか。じっくりとピピン様ご自身の中で味わっていただければと思います。
      ダンカン、優しすぎますね。パパスよりもかなり年上の設定で書きましたので、誰よりも大人なのかも知れません。
      ああ、また設定集を更新したいですね。考えないとなぁ。。。

  4. ケアル より:

    bibi様

    お墓参り良かったですよ、とくに風が吹いてお供えの花が倒れる↔お義母さんと会話している気持ち、素敵な描写でした。
    そして、ティミーポピーの可愛らしいチョウチョの遣り取りを見ているお義母さん、そんな風景を想像すると思わず笑顔になりましたよ(笑み)

    bibi様の方でユーザーの足跡カウンター履歴が分かるようになっているんですね、なるほどぉ自分も今回そのあたりを読み返している最中であります(笑み)
    山奥の村での3回目の結婚式、ダンカンが仲間モンスターに合う、旅に出るビアンカがダンカンを心配する、改めて読み返して胸が熱くなりましたよ(笑み)
    明日は、アルカパでビアンカの可愛らしい夜の出来事、ポートセルミでクラリスとの出会、ビアンカ踊り子嫉妬あたりを読み返そうと思ってます(笑み)

    北でなく南でしたか…ってことは!!
    いよいよなんですね!いよいよゲーム本編で最後のカギを手に入れに行くんですね。
    リメイク版での「やつ」はSFCよりもパワーアップしていますが、こちらも、パーティがSFC3名からリメイク4名になっていますので、しかし!「やつ」が強いのは変わり有りませんのでゲーム本編では十分な対策を!

    小説本編での「やつ」との戦闘描写、ほんとに今から楽しみであります!
    これまたジャミ戦と同じぐらいの死闘は間違いなさそう。
    ティミーポピーは初めての凶悪ボス戦になるんですね、今までの魔物とは違う強さをティミーポピーはどこまで戦えるのか!
    ゲームでは馬車無しなのでパーティ4名ですが、bibiワールドではどのようにパーティを組むのか、8名で戦うのか4名で戦うのか!
    屋外戦ということは…ティミーはおぼえたてライデイン、「やつ」はいなずま←雷合戦になるのか!
    ポピーの新たな呪文が見れるのか!
    リュカはザオラルを使うシーンが出て来るのか!
    今からすんごくワクワクします!次話心から楽しみにいつも以上にお待ちしています。

    • bibi より:

      ケアル 様

      お墓参りって切ないけど、故人を想って手を合わせるので温かい気持ちにもなれると思うんですよね。そんな雰囲気を表したかったなぁと思いました。
      皆様に読み返していただいて、本当にありがたいことです。辻褄が合わないところも出てきていると思うんですが、その辺りはそっと目をつぶって通り過ぎてもらえればと思っています(汗)
      そうそう、ヤツとの決戦、SFCの時は三人パーティーだったんですよね。よくあれで、勝てたなぁと今でも思います。何度全滅したか知れませんが。
      と言うことで、ゲーム内のセリフを確かめるのに、先ほどリアルに挑んで参りました。一度、全滅しました。やっぱり、私は「バッチリがんばれ」じゃなくて「めいれいさせろ」が向いてるなぁと、改めて感じてきたところです。ガチガチに守りを固めた戦法で行かないとキツイ戦いでした・・・(笑)
      こちらのお話でどうするかはまだ決めていません。これからちょっと考えてみますね。楽しいお話を書けるといいんですが(汗)

  5. ケアル より:

    bibi様

    「ヤツ」の情報をここにリンクさせて頂きますね。
    もし良かったらURL見てくださいな。
    今初めて分かったんですが、ヤツにはデイン系が効かないみたい(汗)

    • bibi より:

      ケアル 様

      情報をどうもありがとうございます。
      こりゃあ面白いですね。使う情報、使わない情報とあると思いますが、ありがたく参考にさせていただきます。
      デイン系が効かないのもお話としてはオイシイばかりです(笑)

  6. ぷち より:

    bibiさま大変ご無沙汰しています。
    以前にもコメントさせていただきました、ぷちです。
    いつも本当に本当に楽しく読ませていただいております。

    ここ何話かは毎回涙してます…。bibiさまの描くDQ5の世界が大好き。
    ティミーもポピーも愛らしく、リュカは強くも切なくて…。
    なかなかコメントしてませんが、大好きです☺

    次回は私の恋する青髪の彼女を期待してましたが、かの街へ行くようでとても楽しみにしてます!
    私がDQ5に出会ったのはティミーポピーと同じ年の頃。
    ビアンカさんを守る!と誓ったものの、気になり会いに行ったら隣でデレデレするアンディにむかついて、自分の恋心を自覚したのでした(笑)
    アンディは腹立たしいし、ヤツには歯がたたないし、小学生の私はここで詰んでたなあ。

    早く子どもたちに、プックルたちに、ダンカンさんに、何よりリュカに、
    ビアンカさんと会ってほしいな。
    もうちょっとだよー!って読み手は思うけど。
    リュカたちとbibiさまは一歩一歩、長い道のりですね。

    また仲睦まじい夫婦に会えるかな?(嫉妬はしますが!w)次回も楽しみにしていますね。
    寒暖差大きくまだ冷え込む日も多いので、bibiさまも息子さんも旦那さまも、ご自愛ください。

    • bibi より:

      ぷち 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      そうですね、最近は泣きのお話が続いてしまいましたかね。親の温かさを感じていただけたらいいなぁと思いつつ書いてみました。親になって親のありがたみが分かるというのは本当の話で・・・リュカもきっとそう感じていると思います。
      そうです、次はかの町へ。ただ青髪の彼女とのやり取りは・・・ちょっと先になるかも知れません。でも必ず彼女にもご登場いただく予定です。
      そうですか、アンディが腹立たしい(笑) 私にはそう言う感覚がなかったので、新鮮です。本来なら彼女ルートのお話も書けたら公平になっていいんですけどね。・・・無茶はしないことにしてるんで、すみません(汗)
      ヤツの強さは詰みますよね。私も辛うじて抜け出たくらいだったので、危うかったです。多分、ヤツを倒した時は味方二人は倒れていたと思います(3人パーティー時代の話)
      ビアンカ、早く会いたいですね。でもまだまだ先です。もう、いっそのことひとっとびに助けに行こうかと思ってしまいますが、堪えてじっくり書いて行こうと思います。焦らしまくりますがお付き合いいただけますと幸いです。
      もうすぐ3月。春に向けて暖かかったり寒かったりで、風邪を引きやすい時期ですね。ぷち様もお体に気を付けてお過ごしくださいませm(_ _)m

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