怪物ブオーンとの死闘

 

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向かう先に広がる黒雲は既にリュカたちの目前にまで迫っていた。リュカは魔法のじゅうたんの軌道を変えるべく、東側へその行き先を変える。じゅうたんにつかまる子供たちの手に力がこもる。
「お父さん、どうしたの? もう、アイツが見えてるよ」
それまで感じていた冷たい風が、今は一変して熱風となり、リュカたちを押しのけるように吹いている。正面に見えていた山のような怪物の巨体から生み出されている熱風は四方八方に吹き荒び、海に波を立て、島の森にざわめきを生み出す。
「みんなと合流する」
リュカはそれだけを言うと、強い風を受けながらちらと空を窺った。怪物が引き連れている黒雲を一部押しのけるように、真っ白な綿のような雲が食い込んでいる。自然現象ではぶつかり合うこともないように見える黒と白の雲の光景に、ティミーとポピーの表情が明るくなる。
「お父さん、知っててここまで来たの?」
「そうだよ。途中で合流できるって思ってたんだ」
空に浮かぶ天空城からでも地上の異変には間違いなく気づくだろうと、リュカは思っていた。天空城を操縦するのは主にピエールやサーラ、アンクルだ。また、天空人である一人の男性も、そしてプサンも天空城の操縦は可能だ。その内の誰でも、地上の異変に気付けばそれを注視し、リュカたちの動向に目を向けるだろうと分かっていた。
リュカが東に向きを変えた魔法のじゅうたんは、怪物の巨体の周りを回り込むように東に逸れていく。未だに山ほどの巨大な怪物が動いていることが信じられないが、敵にとってリュカたちは取るに足らない虫のようなものなのか、リュカたちには見向きもしていない。敵の三つの目は遥か遠く、サラボナの町を見据えている。
白い雲の中から、黒い魔物の影が現れた。徐々に大きく見えてくる魔物の影を見て、ティミーとポピーが思わず歓声を上げる。
「おい、リュカよ、何だよあいつは。どうなってんだ、あんな化け物見たことねえぞ」
「太古の怪物が蘇った、と言うところでしょうか。あれほどの魔物は通常、現在の地上には存在していないでしょう」
悪魔のような翼を広げて中空に留まるアンクルがプックルを肩に担ぐように乗せ、サーラがピエールを負ぶっている。そしてサーラの二本の角の間のたてがみにつかまるようにして、スラりんが乗っていた。地上で起こった異常事態を見て、魔物の仲間たちは皆揃って地上に降りてきた。
アンクルの肩からプックルが飛び降り、魔法のじゅうたんの上に軽やかに着地する。ピエールもサーラの背から飛び降りて同じようにじゅうたんに飛び乗ると、山のように巨大な怪物の身体を、まるで山の頂上を眺めるように見上げる。
「まるで災厄ですね」
ピエールの言葉が全てを表しているようだった。この時この場所にいることは運が悪かったのだとそう言い切ることができたら、リュカたちは今この瞬間に全てを諦めることができたのかも知れない。そこらの人間や魔物などでは太刀打ちできない災厄を前に、できることは何もない。唯一出来ることと言えば一目散に逃げることだけだと、この場にいる者たちは皆、本心では理解している。
普段は常に勇み足で、どんな敵にも真っ先に立ち向かうようなプックルも、あまりにも巨大な怪物を目にすれば、途方に暮れるしかなかった。唸り声を上げるでもなく、全身の毛を逆立てるでもなく、青の瞳をぎらつかせることもなく、ただ茫然と一つの山に見える怪物を見上げるだけだ。
「リュカ王、逃げましょう。あれに立ち向かうのは不可能です」
サーラは大抵正しいことだけをリュカに伝える。リュカはサーラの目をじっと見つめる。リュカの強い心を感じても、サーラは微塵も退くことはない。正しいことを言い、正しい方向へ導こうとして何が悪いのかと言わんばかりに、サーラは厳しい目をリュカに向けている。
「でもサーラさん! ボクたちが逃げたら、サラボナの町があのデカイのに襲われちゃうんだよ!」
「我らにとって大事なのはあなた方です。グランバニアの国王と王子王女、あなた方を守らねばならないのが我らのすべきことです」
「じゃあ、サラボナの人たちを……見捨てるって言うことなの?」
ポピーは既に巨大な怪物を目の当たりにして、全身が恐怖に包まれていた。自身の持つ全ての魔力を放ったとしても、あの怪物にどこまで通用するのかなど、想像もつかない。もしかしたら簡単に弾き返されて、それこそ耳障りな蚊のごとく一撃で潰されるかもしれない。そして人間一人、しかも小さな子供一人を踏みつぶしたところで、怪物はそのことに気付きもせずにそのままサラボナの町を目指すのだろう。想像を巡らせたところで、恐怖しか生み出さず、勝手に想像を繰り返す頭の中を止めたい気分だった。
巨大な怪物はリュカたちに目もくれず、小島の上を地響きを立てながら歩いている。巨体を動かすのに素早い動きはできないのか、一歩一歩はゆっくりとしたものだ。しかしそれでも、一歩踏み出しては西日に晒される橙の草原を踏みつぶし、一歩踏み出しては森の木々を踏み倒していく。災厄が形を持って歩いている。
「海に出たら、戦えない」
蘇った巨大な魔物は既に夜の明かりを灯し始めたサラボナの町を目指し、一歩一歩、まるで牛歩のごとくゆっくりと歩み進む。山のような身体を持つ怪物は海に入ることも厭わず、そのまま直線的に町の明かりを目指して進んでいってしまう。
「まずは注意をひきつけて、足止めする」
「正気ですか、リュカ王」
「サラボナの人たちを見捨てるわけには行かないよ」
「冷静に考えて下さい」
「冷静に考えて、サラボナの人たちがみんなで立ち向かうよりも、僕たちで立ち向かう方がよっぽど勝ち目がある」
リュカは目の前に集まってくれた仲間たちを見据える。人数はサラボナの町の人々と比べれば雲泥の差だ。正直、この仲間たちだけで目の前の巨大な怪物に立ち向かうのは気が触れていると思われてもおかしくない。
「僕たちはさ、この旅の先で、どこに行こうとしてる?」
リュカは魔物に連れ去られた妻と母を捜す旅を続けている。妻は今もどこにいるのか分からない状況だ。しかし母は魔界に連れ去られたのだと父の手紙に知った。魔界と言う場所をリュカは知らないが、到底人間が踏み込めるような場所ではないのだろう。
人間が踏み込めないような場所を、人間のリュカは目指している。不可能と思われていることを、既にリュカたちは目指して旅をしている。不可能と切り捨ててしまえば、そこですべては途切れて終いだ。それを途切れさせないのは、大事な人の命を諦めたくないからだ。
目の前で滅ぼされようとしているサラボナの人々の命を、ここで諦めるわけには行かない。
「リュカ殿、先ずは防御を万全に」
ピエールはそう言うと、ふわふわと穏やかに揺れる魔法のじゅうたんの上から歩く怪物を見上げる。スラりんがサーラの頭の上に乗ったまま、「ピィッ!」と一声鳴いて一度跳ねると、リュカたちの周りに守護の魔力がまとわりつく。スクルトの呪文が行きわたり、それだけでリュカたちの士気が僅かでも上がる。
「万全にしていこう」
そう言ってリュカがティミーの肩を叩くと、ティミーは父の目を見据え、スラりんと同じようにスクルトの呪文を唱えた。再び皆の身体の周りに守りの力が寄り添い、怪物相手でも対抗できる力を与えてくれる。
「サーラさん、覚悟を決めてください。これが、僕と一緒に旅をするってことなんですよ」
「……覚悟を決めるのはどちらなんですか。私はリュカ王が本気で決めたことには逆らえないのです」
「ごちゃごちゃ言ってる場合じゃねえだろ。あいつ、行っちまうぜ」
アンクルが顔を向ける先に、リュカたちの脇を通り過ぎようとしている怪物の足がある。魔法のじゅうたんに乗っていても、怪物の起こす地響きを感じる。復活したばかりの怪物は熱を放出しているのか、一歩を踏み出す度に起こる風と共に熱が運ばれてくる。
「サーラさん、アンクル、二人をお願いできるかな?」
そう言ってリュカはティミーとポピーの背を押した。父の大きな手を背中に受け、二人は真顔で振り返る。
「お父さん、ボクたちも一緒に行くんだよ!?」
「そうよ! どうして離そうとするのよ!」
「敵の注意を散らすために、別方向から攻撃や補助をして欲しいんだ」
リュカは魔法のじゅうたんに乗る者をプックルとピエールに絞り、ティミーをアンクルに、ポピーをサーラに預けようと考える。敵の目を一つ所に留めず、撹乱させる目的だ。言い換えれば、リュカが囮となり、子供たちと仲間の魔物たちの力でこの戦いを誘導して欲しいと考えていた。いずれにせよ、危険は集中させるのではなく、分散させなくてはならない。
ティミーとポピーは少しの間考え込むように俯いていたが、その間にも怪物の地響きが通り過ぎようとしている。そんな時間はないと言わんばかりに、アンクルがティミーの身体を軽々と掴んで持ち上げると、「じゃっ、オレたちは後ろから行くからな!」と言って西日を受けて飛んで行ってしまった。ティミーは何かを言おうとしていたが、その声は結局出なかった。
「王女、失礼しますよ」
サーラもポピーを小脇に抱えると、彼女が怖くないようにとなるべく低い場所を、アンクルの後を追うように飛んで行く。森の中に身を潜めるように、目立たぬように飛んでくれるサーラに感謝しつつ、リュカは魔法のじゅうたんに残る旧知の仲間を見る。
「さて、先ずは正面に出るんですね」
「思い切って、行ってみようか」
「がうがうっ!」
「じゅうたんから落ちないように気をつけてね」
そう言うと、リュカは魔法のじゅうたんをぐっと押して進むべき場所を示す。二度の守護呪文のおかげで、あれほどの怪物を前にしているというのに、思ったよりも気持ちは落ち着いている。プックルも今となっては、巨大な怪物と戦うことしか考えていないような目をしている。そうと決めてしまえば、尻尾を撒いて逃げることなど許されない。
魔法のじゅうたんが逡巡するのがリュカの手に伝わる。それほど高いところを飛ぶことはできないと伝えてくるじゅうたんに、リュカは自らの魔力を分け与える。今だけはその能力を超えた力が必要なのだと、魔法のじゅうたんが持つ力を超える力を求めた。
リュカの意思を受け取り、魔法のじゅうたんも巨大な怪物を前にして覚悟を決めた。怪物の足元から、空に広がる渦巻く黒雲を目指して、辺りの熱を帯びる空気を切り裂くごとく飛び出して行った。



三つ目を持つ怪物の目の前を、魔法のじゅうたんが素早く横切る。怪物の三つの目が同時にその後を追う。再び横切る何者かを見ながら、怪物は足を止めた。辺りの地響きが止み、怪物が巨体にまとう熱風がその場に留まる。
リュカは敵の目が確実に自分を捉えていることを確かめる。三つの目が全て、リュカの操る魔法のじゅうたんをギョロリギョロリと追ってくる。何かの攻撃を仕掛けてくるだろうかと、絶えず魔法のじゅうたんを動かしながら敵の様子を窺う
すると、怪物はまるで山が叫ぶような声を上げて、欠伸とは思えない欠伸をした。
「ブウウーイッ、全く良く寝たわい」
そう言ったのだろうと思える程度で、怪物がどんな言葉を話しているのかはっきりとは分からなかった。その身体から発せられる声があまりにも低く、音を通じた強い響きだけがリュカたちの身体に伝わる。
「さて……ルドルフはどこだ。隠すとためにならんぞ」
三つ目が忙しなく目の前を飛び荒ぶ生き物を捉える。リュカたちには相変わらず怪物が何を言っているのかなど分からない。辛うじて聞き取れたのは「ルドルフ」というルドマンの先祖の名だ。
ルドマンは悪魔が復活すれば敵となる自分を狙ってサラボナにやってくることを予測していた。一度、ツボの中に封じられた怪物は、封じる術を持つ者さえ始末してしまえば、後はこの世界で暴れ放題だ。唯一、敵となるのは自分を封じる術を持つ者だけで、まさかこれほどの怪物を倒そうと考える者などいるはずもないと思っているに違いない。
鬱陶しく飛び回るリュカの動きを目で負っている内に、いら立ちを覚えた怪物ブオーンは、再び辺りの全てのものを壊すような低い声を響かせる。
「……まあ、良いわ。身体慣らしにキサマから血祭りに上げてやるわ!」
戦いの火蓋が切って落とされた。怪物ブオーンの巨大な右腕が上から振り下ろされる。予想通り、それほど速い動きではない。よく見れば躱すことは可能だ。リュカは魔法のじゅうたんの上に立ちながら、足でじゅうたんに意志を伝える。じゅうたんが斜め上に飛び退る。ブオーンの右腕が起こす風圧が熱を持ってリュカたちに襲いかかる。煽られそうになるじゅうたんに両足を踏ん張り、バランスを保つ。
ピエールがイオラの呪文を頭上に向けて放った。目標は怪物の顔付近だ。ブオーンの身体はあまりにも巨大で、どこを攻撃してもかすり傷程度にしかならないのは明白だった。それならばと、ピエールは敵の頭部に集中して攻撃をしかけた。
ブオーンの目の前で爆発が起こる。敵の三つ目が瞬きをしている間に、リュカは魔法のじゅうたんで再び急上昇する。プックルがじゅうたんから飛び出す。宙を行くプックルに、強い魔力が帯びるのをリュカとピエールがその目に認めた。敵の斜め後ろに回ったサーラに抱えられるポピーが、プックルにバイキルトの呪文をかけたのだ。
プックルが怪物の頭頂部に飛び乗ると同時に、鋭い爪で頭部の分厚い皮に斬りこむ。怪物の三つ目が同時に瞑る。痛みに瞑ったというよりは、思わぬ感覚に驚いて目を瞑った程度のものだった。そして自らの頭部に噛みついている小さな猫をひょいと掴むと、そのまま煩わしそうにぶん投げた。リュカがじゅうたんを飛ばし、宙に放り投げられたプックルを拾う。怪物に掴まれただけで、プックルの足が折れていた。スクルトの呪文の効果を得ても、怪物ブオーンの怪力は凄まじい。ピエールが信じられないと言うように息を震わせて、プックルの足に回復呪文を施した。
怪物の背後で激しい火炎が辺りの景色を照らした。歩く怪物には背に大きな羽がある。その羽の一部を焦がすように、アンクルのベギラゴンとティミーのベギラマが同時に炸裂した。しかしそれもやはり、山のような怪物にとってはかすり傷のようなものだ。巨体にくっついている巨大な羽をばさりと一度はためかせただけで、炎は消え、煙だけが空に昇った。
怪物ブオーンが辺りの様子を探るように、三つの目をばらばらと動かす。その目から逃れるように、ポピーとスラりんを連れたサーラは森の中に身を潜ませ、アンクルはティミーを小脇に抱えたまま忙しなくあちこちを飛び回る。リュカは敵の注意をひきつけるように、その目に捉えられたまま動かない。
敵が視線を彷徨わせる中、リュカはじゅうたんに両足を踏ん張りながら呪文を放つ。ブオーンの身体にまとわりつく熱風を突き抜けるように、バギクロスの呪文が敵の鼻先に届く。無数の真空の刃が巨大な顔面を切り刻むが、ブオーンが荒く鼻息を吐けば、真空の刃も霧散した。
「敵は回復の術を持たないかも知れません」
「そうだね。でもまだ回復するほどでもないと思ってるのかも知れない」
「我々とまともに戦っている意識すらない可能性もありますね」
「そんな意識、持ってもらわない方がいいかもよ」
リュカはちょうどサーラ達がいる森とは反対側に構え、魔法のじゅうたんで絶えずその位置を変えていた。魔物が発する熱だけではなく、じゅうたんを操ることにも意識を持って行かれ、リュカのこめかみから首から汗が流れる。
戦いの際には常に構えている剣は、鞘に納めたままだ。剣を構えながらじゅうたんを操り、隙を見て呪文を放ち、尚且つ他の場所で戦う仲間たちを見ていなくてはならないのは、リュカには不可能だった。それならばと、一つの手段を捨てるために、今は剣を抜いていない。
怪物の周りの熱が動き始めた。不穏を感じて敵の顔を見上げると、大口を開けた怪物の顔と出遭った。口の中にこもる炎が見える。リュカは身を屈めてじゅうたんを掴んだ。
ブオーンの巨大な口から、激しい炎がまき散らされる。リュカが魔法のじゅうたんを翻す。火炎が後ろに迫る。仲間たちが身を屈めてじゅうたんにしがみつく。空気を切り裂くように魔法のじゅうたんを操り、リュカは息を詰めたまま吐き散らされた激しい炎から辛うじて逃れた。
しかし直後、目の前に火炎が迫っていた。ブオーンは一度息継ぎをしただけで、再び激しい炎をまき散らした。息をするように火炎を吐く化け物に、リュカは今更身体が震えるのを感じた。突撃するように火炎の中へと突っ込んでいく。ピエールが咄嗟にイオラの呪文を放ち、燃え盛る火炎の中に爆発で道を作る。後戻りはできない。リュカもプックルもピエールも、呼吸もままならぬ状態で、炎の終わりが見えることを祈るだけだ。
炎の中を抜け出たところで、水から飛び出たかのように息を吸った。凄まじい熱の中を行ったが、魔法のじゅうたんが皆を包むようにして守った。代わりにじゅうたんの端が激しく焼け焦げ、煙を後ろに吐いている。
息をつく間もない。リュカは敵の目を絶えず引きつける。じゅうたんがいくらか守ってくれたとは言え、リュカもプックルもピエールも、火傷を負っていた。息をすれば、喉が焼けるようだった。回復呪文を唱える間もなく、ブオーンの巨大な腕が迫る。リュカは集中してじゅうたんの軌道を操る。ピエールが翻るじゅうたんから落ちる。その身体に容赦なく怪物の腕が飛んでくる。吹っ飛ばされたピエールを追い、リュカがじゅうたんの軌道を変え、じゅうたんを広げ、ピエールを拾う。一撃で気を失いかけたピエールに、リュカがベホマの呪文を当てる。敵の攻撃は一撃でも当たってはならないと身に染みる。守護呪文を施していなければ、一撃であの世行きだ。
「はは……マズイね」
「戦い方が、分かりません……」
「でも、粘って行くしかないよ」
「塵も積もれば山となる、というところですか」
「僕たちの塵がどれだけのものか分からないけど、やるしかないもんね」
「山となる前に蹴散らされないようにしなくては」
リュカとピエールの言葉を聞き、プックルも同意するように一声吠える。どこまでもついて来てくれる二人の仲間に、リュカは挫けそうになる心も浮上させることができる。命を預けられる仲間がいるから、これほどの無謀な戦いにも挑むことができる。リュカは怪物の三つ目の視線を感じつつ、その目の動きが捉えられない速度で、敵の横へと回り込みながら急上昇した。



「見えた! お父さんだ!」
「何だと!? どこだよ!」
「ほら、あそこだよ!」
ティミーがアンクルの小脇に抱えられながら、怪物の背後から右側を指差す。急上昇していく魔法のじゅうたんが見えた。空気を突き抜けるように進んでいく父たちの姿に、ティミーの身体の中では否が応でも闘志が燃える。
「怪物の気を逸らさなきゃ!」
「おうよ! そらっ、肩に乗れ!」
アンクルがティミーの身体を軽々と掴んで右肩に乗せると、ティミーも広いアンクルの肩の上で両足を踏ん張る。たとえ揺れて落ちたとしても、アンクルがすかさず拾ってくれるとティミーは信じている。
足場が安定すればすぐに、ティミーは両手を前に構えた。アンクルも同じようにいかつい両腕を前に突き出す。二人の魔力が急激に高まり、辺りの空気に熱がこもる。
ティミーのベギラマとアンクルのベギラゴンが同時に放たれ、怪物の巨大な羽に襲いかかる。合わさった呪文の威力で、怪物の羽が一部燃え盛り、そこに穴が開いたのをティミーとアンクルは見た。相手がいくら巨大な怪物とは言え、決して傷もつかない化け物ではないのだと分かる。ただ、巨大な羽に小さな穴が開いただけで、それは例えるならミツバチに刺された程度の一瞬の痛みで済んでいるのかも知れない。
怪物の頭部が左側を回って後ろを向こうとする。アンクルがティミーの足を支えながら、敵の死角へと飛び退る。怪物の頭部を目指すリュカたちに一瞬近づく。ティミーが父に呼びかけようと息を吸うと同時に、アンクルはすぐさま下降した。
「アンクル! どうして!」
「今はリュカと合流しちゃなんねえよ。別に行動しろって、アイツは言ってんだ」
そう言いながら、アンクルはすかさず呪文の構えを取る。アンクルはベギラゴンの他にも使える呪文を持っているが、この怪物相手には最大級の呪文しか通用しないだろうと、ひたすらベギラゴンだけを唱えている。見た目や言動は荒っぽくとも、戦いとなると非常に冷静になる頼れる仲間だ。
「なあ、お前って他にも攻撃呪文が使えるんじゃないのかよ。勇者なんだろ?」
そう言われて、ティミーは降下していくアンクルの首にしがみつきながら、怪物の頭上で晴れることのない黒雲を見上げた。黒雲の中には常に稲光が走っている。ティミーはあの雲の中から呼び込むことのできる雷があるのだと、アンクルの言葉に勇気を見い出す。
「そうだよ、僕は勇者だ! よーし、やってやるぞ!」
「おお、いいじゃねえか! その調子だぜ! さあ、次はどこを狙うんだ?」
空から落ちる雷が狙うのは、怪物の頭頂部だ。空からの一撃をお見舞いしてやると言わんばかりに、ティミーは再びアンクルの肩に立ち上がると、空に向かって両手を広げた。アンクルが空を見上げる。黒雲の中に光る閃光が徐々に増えていく。雷の力が黒く渦巻く雲の中に溜まり、膨らんでいくのが分かる。
黒雲が弾けるように散り、そこらじゅうに雷鳴が轟いた。その瞬間、ブオーンの頭頂部に稲妻が落ちるのを見た気がした。しかし同時に、ティミーとアンクルの身体をも雷撃が直撃した。あまりの衝撃に意識を失いかけ、アンクルもろとも地面に落ちていく。
地面すれすれのところで、アンクルが辛うじて態勢を持ち直す。ふらふらと飛ぶアンクルが、ティミーの身体を肩に担ぐようにして支える。ティミーは自身に落ちた雷の衝撃に、声も出せない状況だ。
「おい! ティミー! とにかくお前の怪我を回復しろよ……!」
アンクルが喉から絞り出すような声で呼びかける。ティミーはアンクルの声を耳にし、言われるがまま回復呪文を唱え、自身の傷を癒した。雷を受けた衝撃ごと回復するように、身体に元気が戻ってくる。
「一体何だったんだよ。オレたちに雷が落ちて来たぜ」
喉を潰すような声でそう言うアンクルが苦しそうに咳き込むと、ティミーはようやく事態に気付いたようにアンクルにも回復呪文を施した。
遥か上を見れば、同じように雷撃を受けたリュカたちが一度敵から離れ、間合いを取っているのが見えた。既に傷は回復させているようだが、思わぬ敵の攻撃に今までにない躊躇した様子が窺える。魔法のじゅうたんにも大きな穴が二つほど開いていた。
「で、でも、この怪物にも雷が落ちたはずだよ! どうして……」
ティミーは雷の呪文ライデインを確かに放った。覚えたばかりとは言え、その手で空の雷を自らの力で落とし、怪物の脳天に直撃させたはずだった。しかし目の前の怪物はティミーの雷撃などものともせず、尚且つ怪物自身が稲妻を呼び寄せて、周りにうろつく鬱陶しい人間と魔物らに容赦なく雷撃を放ったのだ。
見れば、怪物の巨体全体に、激しい電気が帯びているのが分かった。周りの空気を揺るがすその電気の力は、みるみる力を溜めている。それが怪物の身体を覆っているために、魔法のじゅうたんは思うように敵に近づけないのだ。しかしその力に負けまいと、父がバギクロスの呪文を放つのが見えた。続いてピエールのイオラの呪文が炸裂している。敵に通用する攻撃の突破口を開こうと、必死に怪物の身体に帯びる電気の力に抗っている。
「おい、あいつら、あんな近くにいたら……まずいんじゃねえのかよ」
怪物の三つ目は確実に父たちの姿を捉えている。ティミーは父が自ら囮となる戦法を取っているのだと、この戦いの途中で気づかされた。父たちが注意をひきつけている間に、自分たちはこの怪物に致命的な打撃を加えなくてはならないのだと、ティミーはアンクルに片手でしがみつきながら、もう片方の手で背の天空の剣を抜いた。
怪物の顔間近に、父が操る魔法のじゅうたんが飛び回っている。ティミーとアンクルの位置からも、怪物が大きな口を開けたのが分かった。今は攻撃の手を強める時ではないと思った。
ティミーは天空の剣の先を天に向けた。空の黒雲が雷を呼び寄せることはない。
「みんなを……護る力を……!」
天空の剣が、肩に背負う天空の盾に反応する。ティミーの魔力が飛び出す。魔力が空気に触れ、形を作る。見えないはずの空気の層が、光を伴って視覚化される。
ティミーがまるで祈りを捧げるように天空の剣の束を両手でつかみ、その刀身に額を寄せた。目を瞑れば、瞼の裏に仲間たちの姿が映し出される。父、妹、プックル、ピエール、アンクル、スラりん、サーラ、そして自身も。皆の命を賭けた闘志を感じる。その場所が空気を通じてありありと伝わってくる。その全ての場所へと、ティミーはスクルトにも似た護りの魔力を解き放った。目に見える護りのベールに包まれるのを、仲間たち一人一人がその身に感じた。
フバーハの加護を受けたリュカたちに、怪物の激しい炎が浴びせられる。護りのベールが炎の力を半減させる。リュカ操る魔法のじゅうたんから飛び降りたプックルの姿が見えた。攻撃力を上げているプックルが突進したのは、怪物の三つ目の一つだ。ブオーンが目の前の猫を振り払おうと腕を振り上げたが、プックルはそれを足掛かりにして勢いをつけた。一直線に敵の目に突っ込んでいく。怪物の咆哮が轟き、激しく頭を振ってプックルが落ちたのが見えた。すかさず父が魔法のじゅうたんを飛ばし、プックルを拾い上げる。
「おっし! お前、やっぱ勇者サマだな! やるじゃねえかよ!」
ティミーの唱えたフバーハと言う守護呪文の効果を身体に感じながら、アンクルはいかにも嬉しそうに声を上げた。しかしティミーの目に映る父たちの姿には、相変わらず余裕は見られない。
「でもこのままじゃお父さんたちが、疲れ切っちゃうよ!」
「だったら加勢するまでだ! バケモンの見えないところから、斬りこむぜー!」
そう叫び、アンクルはティミーを肩に担いだまま急上昇していく。飛び回る魔法のじゅうたんがみるみる近づいてくる。
ティミーは一瞬、父が自分を見たのを感じた。父もプックルもピエールも、皆がどこかしらを焦がしていた。回復呪文が追いついていないのだと分かった。
アンクルが逆側に回ろうと方向転換をする間際、ティミーは父に回復呪文を放った。息子からの回復を受けた父が、視線だけで礼を言うのが分かり、ティミーはアンクルに乗せられたまま笑顔を見せて父の視界から消えて行った。



頭上に近づいてきたアンクルの姿があった。森の木々の中から、その姿を確かめたサーラがポピーに指示を出す。
「王女、王子とアンクルに呪文を」
森の木々の中から、ポピーたちはずっと戦いの様子を窺っていた。仲間たちとの距離は一定を保ちつつ、迂闊に手を出すこともできず、ひたすら好機を窺っていた。
ポピーが森の繁る葉の合間に見える二人の仲間に、バイキルトの呪文を放つ。その力を得て、ティミーとアンクルが下の森に目をやる。森の中に潜むポピーたちの姿を捉えることはないだろうが、受けた呪文の効果はその身で理解しているはずだ。
「お兄ちゃん、私たちに護りの呪文を使ってくれたのね」
「今まで王子が使ったことのない呪文です。このような時に咄嗟に力を発揮されるのが、流石ですね」
フバーハの効果はポピーたちにも確かに届いていた。勇者の放つ光の加護は、目に見える魔力の壁を作っている。ポピーたちそれぞれの身の回りに、仄かに光る空気がまとわりついている。
「ただ油断なりませんぞ。私たちはあの雷撃を一度でも受けることはできません」
「分かってる」
「ピィ!」
森の中に身を潜めているポピーたちの中で、回復呪文を使える者はいない。リュカは自分たちが囮となる代わりに、回復役をリュカとピエールという二人で固めた。敵の攻撃は一手に受けるという覚悟で、今も怪物の視界に常に入るよう、魔法のじゅうたんを操り飛び回っている。
怪物の放った雷撃は、森のあちこちを容赦なく焼いていた。耳をつんざく轟音と共に、辺り一帯に落ちた雷の衝撃に、ポピーたちはしばし言葉を失っていたのだ。それが兄ティミーが放ったライデインでないのは明らかだった。プックルが稲妻を放つ余裕がないのも、その状況を見ていれば嫌でも分かった。この山のような怪物が放った雷撃が森を焼いたのだと分かると、その威力にポピーたちは身を震わせた。
運よく敵の雷撃を受けるのは免れたが、敵に姿を認められれば、次はその攻撃を受けてしまう確率が高い。ティミーとアンクルは敵の目を逃れつつも、既にその存在は知られているようで、敵の放つ雷が彼らの身体を直撃していた。しかしポピーたちはまだ完全に敵の目から逃れている状況だった。
「ねえ、サーラさん、この戦いを長引かせるのは良くないと思うの」
「そうですね、我々の体力が持たなくなりますね……ただ、見つかる覚悟はおありですかな?」
「どういうこと?」
リュカが何故自分に王女を託したのか、サーラは冷静に理解しているつもりだった。ぎりぎりまで身を隠し、怪物の目を逃れ、敵に見つからないように仲間の後方支援だけをして欲しいと、そう言われたのだとサーラは考えていた。王女もスラりんも、後方支援の呪文に長けている。仲間の攻撃力を上げ、防御力を上げ、少しでも怪物に対抗する力を生み出す力を持っている。ティミーがアンクルと飛び回り攻撃に加勢する一方で、スラりんは森の中から既に数回、スクルトの呪文で味方の守備力を上げている。
「我々が直接、怪物に攻撃をしかければ、自ずと我々もあの怪物に敵とみなされます。そうなれば、あなたも宙を飛び回り、戦いに参加することになりますよ」
「そんなの! そんなこと言ってられないじゃない!」
「高さに足を震わせている場合ではありませんよ」
「平気よ! みんなが死んじゃうよりましでしょ!」
サーラは冷たいとも思えるような目で、王女の瞳をじっと見つめた。ポピーの瞳は森の木々の合間から差し込む夕日を受け、燃えるように光っていた。一瞬たりともサーラの目から目を逸らさない。父や兄や仲間たちの危機を救えるのは自分しかいないのだと、まるで彼女自身が勇者を名乗るかのような激しい心を感じ、サーラは自身の方が覚悟を決めていなかったのだと思い知らされる。
「では……参りますよ」
サーラはそう言うと、自身の頭に乗るスラりんの小さな身体を叩いて、意思を伝える。スラりんが躊躇なく全身から呪文を放つ。空気を震わすその呪文が、森の木々の合間に見える巨体に届くと、小さな波動だった呪文が一気にその巨体を包み込むように広がり、怪物の分厚い皮を一枚剝いだような力を加えた。同時に、大木よりもずっと太い怪物の足が一瞬、よろめいた。
身体に感じた異変を確かめるように、怪物の目が森の中へと向けられる。三つ目の内、額の一つが潰されているのがサーラたちにも見えた。巨大な二つの目に見つけられたと悟った。
スラりんのルカナンを受けたブオーンが、森の一部を踏みつけようと大きな足を振り上げる。サーラがポピーを小脇に抱える。振り下ろされる足を冷静に見ながら、サーラは森の中から宙へと飛び出した。
サーラの頭にしがみつきながら、再びスラりんがルカナンの呪文を唱える。魔力が続く限り、スラりんはサーラの指示通り、ひたすらルカナンの呪文を唱えるつもりでいる。巨大な怪物の防御力を少しずつ少しずつ削って行く。スラりんのような、怪物から見れば虫けらにも等しいほどの小さな者でも、その防御力を確実に削ることができるのが補助呪文の優れた力だ。
一気に森が眼下に遠ざかった。ポピーはその勢いに、一瞬恐怖で胃が胸の上まで持ち上がったような気がした。しかし上を見上げれば、怪物に立ち向かうアンクルの姿が見えた。アンクルの肩に両足を踏ん張り、片手で角を掴んで共に宙を飛ぶ兄の姿が見える。その右手には天空の剣が光る。ポピーのバイキルトの呪文を受けている彼らは、果敢に怪物への直接攻撃をしかけるべく、突撃していた。
「サーラさん、あっちへ!」
ポピーはサーラに小脇に抱えられながら、兄たちがいる場所とは離れたところへ誘導する。ちょうど兄と父と、正三角形となる位置に留まり、怪物の注意を散漫にさせる。あわよくば、疲弊してきた彼らの代わりに囮になるべく、ポピーは怪物に向けて呪文の構えを取る。彼女がイオラの呪文を放つのと同時に、サーラも示し合わせたようにメラミの呪文を片手で放った。怪物の脇腹に激しい爆発が炎を伴って焦げ跡を作る。それがたとえかすり傷でも、かすり傷を積み重ねていく。
怪物の巨大な左腕が目の前に振り払われる。サーラがすんでのところでそれを躱す。豪風に煽られ、サーラが態勢を崩しても、スラりんは集中してルカナンの呪文を連発している。怪物の防御を極限まで剥がそうと、魔力の残りなど気にせずにルカナンの一つ覚えのような状態が続く。
怪物の正面を行く父の姿がある。表情は見えない。しかし魔法のじゅうたんの動きが鈍っている気がする。じゅうたんの脇から剣先が覗いた。その剣が飛び出したと思ったら、ピエールが怪物に飛びかかっていた。怪物ブオーンの防御力が剥がされているのを確かに理解している。ポピーは咄嗟にピエールにバイキルトの呪文を放った。ピエールが、剣が、力を帯びるのを遠くに見て取る。怪物に比べれば、ピエールの姿は豆粒のようだ。しかしその鬼気迫る剣先を見れば、彼が鬼神の如く怪物に襲いかかっているのが分かる。
空の黒雲が激しく渦巻くのが見えた。黒雲の中に雷鳴が轟く。サーラがポピーとスラりんを腕の中に閉じ込める。ポピーは必死にもがき出ようとするが、サーラの身体ごと凄まじい衝撃を受け、心臓が止まってしまったかと思った。敵の放つ雷撃がサーラ達の身体を貫いた。
ブオーンの咆哮が辺りに轟く。黒雲の中から無数の雷が生み出される。何故怪物ではなく、こちらが神の裁きを受けなければならないのだと矛盾を感じつつも、空からの雷は容赦なく落ちてくる。兄の防御呪文フバーハの効果があるとは言え、敵の雷撃を受け続けるなど身体が持たない。耳がおかしくなるほどの轟音が何度も響き渡る。その度に受ける衝撃に、サーラの飛ぶ力が弱まって行く。
黒雲に溜まる電気が放出し切ると、怪物は歯をギリギリと食いしばりながら、目の前に飛び続ける父たちの姿を見据える。ピエールが怪物の目を傷つけ、残された右目一つで怪物はギョロリとふらつく魔法のじゅうたんの上を見ている。
サーラに抱えられた身体が急上昇するのを感じる。あまりの勢いに吐き気を覚えるが、息を詰めてどうにか耐える。そして宙に放り出されたと感じた瞬間、激しい炎の熱を背に感じてポピーは宙に舞いながらその光景を目にした。
怪物の大口が開け放たれていた。激しい炎が吐き出されるのに対抗するべく、サーラがメラミを放ち、ピエールがイオラを放ち、父がバギクロスを放っていた。父の背中越しに、怪物の炎と味方の呪文がぶつかり合う光景が目に飛び込んでくる。ポピーは魔法のじゅうたんについていた両手に力を込め、じゅうたんの上に両足で立ち上がる。
敵の炎を完全に散らすべく、ポピーは両手からイオラの呪文を放った。四人の呪文が集まり塊り、渦を為して怪物の大口に向かって飛んで行く。激しい炎の勢いを殺し、押し返し、四人の呪文が塊となったまま怪物の大口に入り込んだ。洞窟の入口のようなブオーンの大きな口の中で、爆発が起こり、無数の真空の刃が口の中のあらゆる場所を傷つける。メラミの火炎が喉の奥まで突き進み、喉を激しく焼けば、怪物が苦し気な咆哮を空に響かせた。
「お父さん!」
ポピーが呼びかけても、父は返事をしない。しかし娘が傍にいることは感じている。その左手が娘を庇うように横に差し出されている。
頭上の黒雲に光が閃いた。また雷が落ちてくるのかと身構える。しかしその光は、天空の剣が沈みかける西日を受けた光だった。
アンクルから飛び降りたティミーが、怪物の頭上から叫び声のような大声を上げて、巨大な顔面を深く斬りつけた。この世に生まれてから一度もそのような深い傷を負ったことのない怪物は、あまりの痛みに激しく顔を左右に振る。真横に振り払われたティミーを追い、リュカが魔法のじゅうたんを素早く操る。ティミーの身体をつかまえた魔法のじゅうたんの位置を、痛みに悶える怪物はまだ把握していない。
「アンクル!」
リュカが叫び呼ぶと、声を聞きつけたアンクルが突風のようにリュカの前まで飛んできた。リュカが躊躇なくアンクルに飛び乗ると、魔法のじゅうたんに残されたティミーとポピーが父に代わりじゅうたんの動きを操り始める。じゅうたんに乗るプックルが一声激しく鳴けば、今度はサーラがプックルを受け止め肩に担ぎ飛ぶ。
「お前たちは後ろに回れ!」
リュカはそれだけを言うと、アンクルの角に片手でつかまり、敵の右腕に向かって飛んで行く。対称的にサーラはプックルを担いだまま敵の左腕へ向かう。ティミーとポピーは顔を見合わせると、まだ顔面を両手で覆い、痛みに悶えている怪物の脇をすり抜けるようにして背後へと回った。
スラりんの呪文の効果で防御力を弱められている怪物の左右の腕に、リュカとプックルが同時に攻撃を加えていく。その痛みに怪物の腕が振り払われる。青の血飛沫が散り、振り払われる腕が起こす豪風に煽られるが、アンクルもサーラも必死に持ちこたえる。そして果敢に、絶え間なく敵の腕に接近し、敵の腕の力を弱めていく。
その時、怪物の身体に突然、守りの力が強まるのを感じた。リュカの剣が弾かれ、プックルの爪が斬りこめない。敵はただ巨大で強いだけではない。スラりんが放ったルカナンの呪文の効果が、怪物の放つ守護呪文スカラによって消し去られようとしている。
サーラが己の頭の上に乗るスラりんに強く呼びかける。スラりんも心得たように、我武者羅にルカナンの呪文を連発する。怪物の守りを固める速度を上回るように、その小さな身体からは信じられないほどの魔力を放ち続ける。
一気呵成にやり遂げなければならないと、敵の背後に回った魔法のじゅうたんから、ピエールが宙を飛んで行く。その姿にティミーは後を追おうとするが、ポピーを一人にするわけには行かない。今は二人で魔法のじゅうたんを操り、下に落ちてしまうピエールの救出に向かわねばならない。二人は目を見合わせて一つ頷き合い、魔法のじゅうたんに両手を当てて急降下させた。
ピエールが怪物の巨大な背中を、上から下まで剣で斬りつけていく。痛みに怪物の巨大な翼が暴れる。直撃を受けたピエールが弾き飛ばされ、真横に吹っ飛ばされた。双子は息を合わせてじゅうたんの軌道をほぼ直角に変え、ピエールを追い、その身体をじゅうたんに受け止めた。辛うじて息をしているピエールに、ティミーが慌ててベホマの呪文を唱えた。
回復の術を持たない怪物ブオーンは、ただ増えていく傷の痛みにひたすら暴れるだけだ。一つ一つは致命的とは言えないが、着実に増やされる傷に怪物の息も上がる。視界も今や右目一つで、小さな虫のような敵の姿を確実に捉えることができない。
「……人間ごときが……ナマイキ……許さんぞ……」
目では捉えられない人間どもを全て始末すると言わんばかりに、ブオーンが両腕を頭上に上げようとする。しかし傷つけられた両腕はもう上がらない。その事態にも歯噛みし、怪物は怒りを放出するように全身を震わせる。呼応するように頭上の黒雲が激しく渦巻き始める。
ブオーンの咆哮と共に、雷が、まるで大雨のようにリュカたちの頭上から降り注いだ。激しい音と光と衝撃とで、リュカたちは皆、一人残らず意識が遠のくのを感じた。一瞬でも気を抜けば、意識を失うか、命を失いかねない。ティミーの守護呪文フバーハの効果を得ていても、鳴り止まない雷に耳が潰れ、その光に視界を奪われ、衝撃に耐え切れず怪物の足元にまで落下していく。
たまらず地面に放り出されたサーラは、同じように近くの地に身を投げ出したプックルとスラりんを見遣る。回復の術を持たない仲間たちの中で、サーラは一つの希望をスラりんに見つけた。
スラりんの身体に手を伸ばす。既に意識を失っているスラりんの小さな身体を揺さぶり、その体内に大事に持つ小瓶を手に受けると、仲間たち一人一人の無事を切に祈りながら小瓶を握りつぶした。
小瓶の中から、強い聖なる光が溢れる。強い魔力を帯びた世界樹の雫が、宙に弾けた。それはサーラの意を汲むように、怪物の巨大な体の周りを飛び荒び、助けを待つ仲間たちのもとへと光の速さで飛んで行く。
ティミーがポピーの手を握り、その身を起こした。地に落ちた魔法のじゅうたんの上には双子とピエールが乗っている。ピエールが剣を構える姿を見て、双子は再び息を合わせて魔法のじゅうたんを一気に浮上させる。
サーラの肩に乗るプックルが早く行けと言わんばかりに吠える。サーラの頭に乗るスラりんが残り僅かの魔力を使って、まだ怪物の防御力を削いでいく。スラりんの呪文の効果を感じても、怪物は身体の痛みを堪え切れず、その巨大な足を振り上げて来ることもない。巨大な体の割に痛みに弱いのかと、サーラは思わず場違いな笑いを漏らしながら、プックルを肩に担いだまま急上昇した。
アンクルの小脇に抱えられたリュカの右手には、剣が握られている。リュカの指示で、アンクルは勇ましくも敵の正面に回り込む。怪物の胸の辺り。ブオーンの視界はほぼ閉ざされ、自身の胸に飛んできた小さな生き物たちの存在に気付いていない。敵に時間を与えてはならないと、リュカはアンクルに自分を投げろと叫ぶ。しかしアンクルは、リュカの身勝手を許さないと言わんばかりに、自身ごと怪物の胸へと突っ込んでいく。
リュカの剣が怪物の胸に突き刺さり、そのままアンクルが斜め下へと飛んで行く。防御力をほとんどなくした怪物の胸に、リュカの剣が容赦なく長い一本の深い傷を負わせる。怪物の咆哮が響き渡るが、リュカはアンクルの力をも借りて、敵の腹にまで剣で斬りこんだ。
リュカの頭上からプックルの咆哮が聞こえた。サーラの悪魔のような翼が見えた。サーラがプックルの右足だけを掴んでいる。プックルが怪物の胸に袈裟懸けのように鋭い爪を立てて、深い傷を負わせた。腹の上の辺りで、リュカが傷つけた剣の跡と交わっている。
魔法のじゅうたんがリュカたちの目の前を横切って行く。ティミーとポピーが必死の形相でじゅうたんを飛ばしている。その縁に立つピエールが、じゅうたんから身を乗り出すようにして横一文字に怪物の腹に斬りつける。怪物が背を丸め、身を屈めるようにして身もだえている。痛みに呻き声を漏らす。三本の切り傷から大量の青の血が噴き出している。
魔法のじゅうたんが翻り、リュカの元へと舞い戻る。リュカはじゅうたんに飛び乗り、剣を手にしたまま呪文の構えを取る。それを合図に、仲間たちも攻撃呪文の構えを取った。
リュカの放つ激しい真空の嵐が、三本の傷の中心に渦を巻いて飛びかかる。アンクルのベギラゴンがそれを追いかけ、怪物の傷口を容赦なく広げる。サーラのメラミが怪物の体内に入り込み、その内臓を焼く。ポピーとピエールが同時にイオラの呪文を放ち、まるで最大級の呪文イオナズンのような威力で、怪物の体内で大爆発を起こした。
ティミーの天空の剣が黒雲の雷を退ける。怪物の頭上に渦巻いていた黒雲が弾かれるように霧散し、代わりに現れたのは夜を迎え始めた群青色の空だった。既に星が見え始めていた。
ティミーは全身に光を纏った。剣の先に光が集まる。散々、怪物に苦しめられた雷とは違うのだと言うように、ティミーは震える両手に構える剣に、神鳴りの力を一瞬にして溜め、一瞬にして放出した。
怪物の深く傷ついた腹に一直線に飛び込んだ稲妻は、そのまま分厚い敵の腹を貫いた。巨大な怪物の向こう側に、白の稲妻が抜けていく。怪物ブオーンが込み上げる青の血を大量に吐き出す。地上の森が怪物の血に染まる。ゆっくりとその巨体が傾いでくる。巨大な影がリュカたちを覆いそうになるのを、魔法のじゅうたんに乗るリュカが残りの力を振り絞って、その場から逃れるように突風の如く飛び出した。
怪物が地上に膝を突けば、小島全体を揺るがすような地響きが起こった。口の周りを青く血で染めながらも、敵はまだしぶとく残る一つ目で辺りをギョロギョロと見渡す。敵である人間の姿を認めた瞬間、その人間は濃紫の布を文字通り目の前ではためかせていた。
断末魔のような怪物の叫び声が群青色の空に上がる。リュカの剣が、怪物の残る一つ目を斬っていた。完全に視界を失った怪物ブオーンは、ただ残りの力を振り絞って暴れ回ることしかできない。暴れれば暴れるほど、斬られた腕から背中から腹から、これでもかと青の血が噴き出し止まらない。傷を癒す術を持たない怪物は、後は徐々に体力をすり減らしていくだけだ。
「うぐぐ……ルドルフ……どこだ……あいつを、出せ……」
百五十年前に封印された怪物ブオーンにとって、あくまでも敵は己を封印したルドルフだけだった。倒されかけている現実から目を背けるように、ブオーンは全て閉じられた三つの目をどこかへ向けるように、顔を激しく左右に振り向けている。
「早く……あいつを……」
低く轟くような声に呼応するように、群青に晴れていた空に再び黒雲が呼び寄せられる。立ち込める黒雲に、みるみる電気が帯び、怪物が放つ雷撃の予感がする。
「いい加減にしろー!!」
魔法のじゅうたんの上に立つティミーが叫ぶ。両手に天空の剣を構え、剣先を頭上に高々と突き上げる。小さな勇者の怒りが天に届き、ブオーンが呼び寄せた黒雲の中心に風穴を開ける。波打つ黒雲が輪になり広がれば、ブオーンの足掻きを許さないと言わんばかりに、空は一面群青色の空に晴れ渡った。
「お前の復活なんか、許すもんかー!!」
天空の剣の先を、空から怪物へ。ティミーの放つライデインが、星の煌めく空からではなく、ティミーの構える天空の剣から、激しい轟音と共に放たれた。怪物ブオーンの顔面に、巨大な剣のような雷撃が突っ込んでいく。
正面からの顔への強烈な打撃に、ブオーンの巨体が仰け反る。青い血が噴き出し、宙に弧を描く。嘘のようにゆっくりと、その巨体が仰向けに倒れていく。怪物が低い低い最期の叫び声を、月も姿を現した夜空に響かせた。
小島全体を揺るがす地響きと共に、ブオーンの巨大な身体が地上に倒れた。青い血に濡れた巨大な腹は、まるで青々とした大きな山のようだった。回復の術を持たない怪物は、このまま息絶え、長い年月をかけていずれはこの小島の一部になるのかも知れない。
魔法のじゅうたんが徐々に地上を目指して降りていく。その上で、ティミーが両足の力を失い、その場に崩れるように両膝をついた。脇をポピーが支えるように寄り添う。
ピエールが既に地上に降りて行ったサーラとスラりん、アンクルの無事を確かめるように見下ろしている。プックルが力なくじゅうたんの上に座り込んだ双子を包むように、その身体を丸めている。
リュカは仲間たち一人一人が生きていることを感じた後で、遥か南に見えるサラボナの町の明かりを目にした。怪物の存在にすら気づいていないのだろう。町を照らす明かりは温かく穏やかに、ゆらゆらと揺らめいているだけだ。その温かな明かりに、ようやく自分も生きていることを実感する。サラボナの町を守れたことに心も体も震えるような熱い思いと共に、ふらふらと飛ぶじゅうたんの上にへたり込んだ。固く掴んでいた父の剣が、ようやくリュカの手を離れてじゅうたんの上に弾んで転がった。

Comment

  1. ケアル より:

    bibi様

    さすがにパーティ3人で、ブオーンに立ち向かう無謀なことは、リュカしなかったですね(安堵)。
    ん~~! 今回も、偽太后、溶岩原人、カンダタ、オークLv20、キメーラLv35、ジャミと並ぶ死闘でしたよ。 ザオラルを使う場面にはならなかったですが、何度も瀕死にさせられた戦いは今まであまり無かったのではないでしょうか?
    まさか、空中戦になるなんて驚きですよ! ティミーポピーに魔法の絨毯の操作を覚えさせたのは、このためだったんですね納得であります。

    物理攻撃が通らないと感じ、呪文連発、それでもほとんどダメージ与えられない、それどころか一撃で瀕死に追いやられ激しい炎の連発、ティミーのスクルト、ポピーのバイキルト、スラりんのルカナンで突破口を見いだしたかと思いきや…ライデインがゲームどおり聞かない! それどころか稲妻が炸裂しパーティまたもピンチ!
    こんなにボロボロにして…ベホマ連発してどうなるのかとドキドキしていたら…ティミーの勇者の血が開花! なんとフバーハ習得!
    戦いが有利になるかと思ったら……ブオーンまじ切れの本気の稲妻で全滅しかけるなんて…bibi様やりすぎだ!……なんて思っていたら…、このために手に入れたと言ってもいい世界樹の滴、スラりんが瀕死なのにどうするのかと心配していたら…bibi様宣言どおり瓶を壊す、なんと!…握りつぶすなんて……叩き割るのかと思ってましたよ。
    ポピー、こんなにも高い所をなんども経験したら、高所恐怖症も克服できてボブルの塔も大丈夫!……かな?(笑み)。
    ポピーの高所恐怖症の頑張る決意がなければブオーンは倒せなかったかもしれませんね、パーティ8名全員が居なければ…一人でも欠けていたら……もう全滅していたかもしれない……、ポピーの熱意に拍手であります‼

    最後は、ブオーンの体中を切り裂き、いつもどおりの呪文の重ね技!
    なんと瀕死のブオーンにライデインが効果抜群になるという小説ならではの描写にまたしても拍手!
    しまいのはてに天空の剣からライデインビーム! これには度肝を抜かれちゃいましたよ(感動)。
    bibiワールドならではの新たな魔法剣ライデインビーム、今後の執筆のティミー専用の必殺技になりそうですね!
    ギガデインビームも今後あったりして?(わくわく)。

    bibi様、ブオーンの炎に対抗して、ポピーとアンクルのマヒャドの描写があるかな?…なんて思っていたんですが、さすがにマヒャドは難しかったでしょうか…?

    今回の死闘も大満足でありました!
    感動して3回も読み直しましたよ!(最高)。
    bibi様、執筆お疲れ様でした、そして、いつも以上に長いコメントをお許しください…(汗)。
    次回は…、ルドマン、フローラ、アンディたちとの楽しい話になりそうでしょうか?
    次話も楽しみにしています。
    「いやあ本当に、すんごい戦いだったなぁ」

    • bibi より:

      ケアル 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      蘇生呪文こそ使う場面はありませんでしたが、常にみんなが揃って瀕死状態でした。ゲームだとずっとステータス画面が黄色の状態ですかね。
      (ちなみに、私はゲーム中のセリフを確認するのに最近ブオーンと対戦しましたが、早々と主人公が倒れ、真っ赤な状態のまま終わりを告げました・・・ダメじゃん(笑))
      魔法のじゅうたんは、お察しの通りです。この時のために、子供たちに操縦を覚えてもらいました。分かりやすくてすみませんm(_ _)m
      こういうとんでもないボスは、補助呪文を使えば戦えるんですよね。幸いにも、ブオーンは凍てつく波動をやってこないので、存分に補助呪文を使わせてもらいました。ティミーのフバーハも、ここで覚えてもらおうと大分前から考えていました。ティミーは追い込まれたり、楽しんだりしないと、新しい呪文を覚えてくれません。基本、頭よりも激しい感情と勢いでどうにかしていくタイプ。そう言う人って、いますよね。
      世界樹の雫もここだな、と思って使っちゃいました。後でまたピンチになった時はどうしましょうね。どうにかしましょうね。
      サーラはポピーを守るために戦闘を避けていたつもりですが、実際は自分の方が巨大な怪物を怖がっていたと。ポピーの勇気をもらって、彼も覚悟を決めたようです。ポピーも高所恐怖症を克服しているといいですね・・・どうかなぁ。
      ティミーはやっぱり、勇者としてカッコよくあって欲しいんですよね。彼には私の夢が詰まっています(笑)これからもどんどん勇者たる勇者として成長していって欲しいと思っています。
      ポピーとアンクルのマヒャド・・・まだ覚えていない設定なんですよ(汗) レベル的にまだだなぁと、今回は登場させませんでした。あ、でもポピーがイオラを使えたとなると、ルカナンも使えるレベルでしたね。スラりんと一緒にルカナン三昧でブオーンの防御力を削っても良かったかも。
      ブオーンはとにかくゲームでも強いので、怪物にも粘って欲しかったんです。本当はもう少し粘らせようとしたんですが、私の書く力が及ばず・・・ティミーにトドメを刺してもらいました。もし粘る設定だったら、ブオーンには怒りでどんどん守備力を上げさせよう(スカラ)と考えていました。
      今回の戦闘で力を使い果たしたので、次回のお話は大分先に・・・とは言わずに、なるべく早めに書いて行きたいと思います。

  2. ケアル より:

    bibi様

    世界樹の滴、ゲームでは何回でも貰えますが、小説内では……迷われているんですか?

    たしかに、ゲーム内ブオーンは、瞑想も凍てつく波動も使わないから、スクルト、バイキルト、ルカナンとベホマをうまく使えば攻略できますよね。
    補助無しでブオーンを倒したプレーヤーっているんでしょうかね…いたら、話を聴いてみたいもんです。

    bibi様、凍てつく波動、瞑想を使ってくるボス戦になったら、小説内でリュカたち本当に…どうなっちゃうんでしょうか?……、今からワクワクです!

    次の中ボスは、いよいよ…いよいよヤツラ二人になるんですね。
    これからのボスたち、ラスボスも含めてSFCとリメイクPS2とDSで違いがありますので、ゲームプレイでも執筆の時でも気をつけてくださいね。 とくにミルドラースやゲマの戦闘行動などなど、スクエニはなかなか、やってくれてますので。

    • bibi より:

      ケアル 様

      世界樹の雫・・・どうしましょうかね。あんまり頻発して使うとありがたみがなくなるので、ちょっと考えどころです。
      凍てつく波動を使われるようになると、さらに苦戦するようになりますね。多分、絶望的な戦いになるかと思います。負けるわけにはいかないんですが。
      ゲームしながらお話を考えて行きたいと思います。SFCとDSで違いがあるんですね。それは知らなかった・・・。一応、当方はDSをプレイしながらなので、そちらが基準になるかなぁと思います。

  3. ピピン より:

    bibiさん

    ルカナンの存在をすっかり忘れてましたよ…!
    デカくて防御力の高い奴は体内を攻める、納得の戦法です。
    この戦いは今後のボス戦に向けてターニングポイントになったような気がしますね。
    ブオーンに勝てたなら大抵のボスには勝てる気がしてきました(笑)
    ルドマンの反応が楽しみです。

    • bibi より:

      ピピン 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      補助呪文を使えば勝てる相手だったので、存分に使ってもらいました。
      コツコツダメージを与えていって、最後に怒涛の攻撃で行こうと思ってました。
      初めは口の中からプックルあたりに体内に突っ込んでもらおうかと思ったんですが、牛の胃袋で激しく消化されそうだなと思い、止めました(笑)
      そうですね、今後の強敵にも使えそうですね。ふむふむ、なるほど・・・(特に考えてなかった(汗))
      ブオーンに勝てたから、これからの敵は楽勝です・・・なんて、言ってみたいですね。でも自信がついたことは間違いないかな。
      リュカたちが戻る頃、ルドマンはどうしているでしょうかね。次のお話でその辺りを書いてみたいと思います。

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