2021/10/11

ルーラの長所

 

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「いつぐらいぶりでしょうか、これほど部屋の掃除に時間を費やしたのは」
サンチョがそう言いながら首にかけたタオルで汗を拭いていた頃には、既に橙色の夕日が凸凹とした西の街並みの彼方に沈みそうになっていた。足の踏み場もなかったベネットの家の中は皆の手に依って大方片付けられた。
「ボク、大掃除って初めてやったよ! 大変だけど、部屋がキレイになると気持ちがいいね」
「まだ終わったとは言えませんが、まあ、これくらいでいいんじゃないでしょうか」
「ねえ、こっちにまだゴミが残ってる。ミニモン、外で燃やして来てくれる?」
「任せろー。メンドクサイからここで燃やしてやるぞー」
「ダメだよ、ミニモン。家ごと燃えちゃうから外に運んで燃やしてきて」
リュカが慌てて部屋の隅にまとめられたゴミを空き箱に放ると、それを持ってミニモンと共に一度家の外へと出た。木箱をミニモンに渡してしまうと、木箱ごと燃やしてしまう恐れがあるためだ。現に一度燃やしてしまい、木箱を一つ失っていた。
リュカたちが部屋の大掃除をしている間、再び目覚めたベネットがマーリンと長らく話をしていた。見た目には二人の老人が背を丸めて尽きない話をしている様子だが、本当のところは人間と魔物が頭を突き合わせて話をしている。そしてベネットは相手が魔物であることを恐らく知っている。しかしそれは特別問題ないと言うように、正面からマーリンの顔を覗き込みながら話を続けていた。
夕闇に包まれそうになる街中に、サンチョとポピーが買い物へと出かけて行った。結局ベネットの家の掃除に時間を取られ、食事を取らずに過ごしていたため、この時間になって夕食の買い出しに出かけて行ったのだった。様々な食材をさほど迷わずに買っていくサンチョの隣で、ポピーは町で買い物をして家に帰って食事を作るという一国の王女としては非日常の出来事を全身で楽しんでいた。かつて父を捜す旅の最中でもサンチョと共にあったが、町や村に寄る際は食事処で食事を済ませるため、家で料理をすることなどポピーは経験したことがない。
サンチョとポピーがベネットの家に戻る頃にはすっかり家の中も片付いているだろうと二人は期待していたが、大掃除を指揮する者が揃って二人いなくなっていたために、あれから時が止まったかのように部屋の景色は二人が買い出しに出かけた時のままだった。むしろ再び散らかっていた。ベネットとマーリンが呪文について熱く語る内に、棚に収めたはずの本が再び取り出され、開きっぱなしでテーブルの上にも床の上にも落ちている。暗くなった部屋の中で、リュカが床に胡坐をかいて座りながら一冊の本を熱心に読んでいる。片付けの途中で興味深い本に出遭ってしまい、時間を忘れて読み込んでいたようだ。ティミーとミニモンに至っては、外に出て何やらこそこそと怪しげな行動をしていた。ポピーが声をかける寸前、彼らは揃って「パルプンテー!」と言って近くの木に向かって両手を向けていた。どうやら木を魔物とみなして、練習よろしくパルプンテの呪文を発動させようとしていたらしい。
「……もうっ、どういうことなの!?」
「まあまあ、問題ありませんよ。大方片付いていましたからね。さて、それでは食事を作らなくては」
町の人々もベネットを変わり者の爺さんと思いつつも、凡そ彼を気にかけているようだった。サンチョとポピーがベネットの家に一日泊まることを口にすれば、店主は食材の価格を割り引いてくれたりした。ベネットと言う老人が碌に食事もしていないことを知りつつも、呪文研究に身を捧げるかのように一心不乱になるベネットとまともに関わるのが難しいのだと彼らは言う。町の人々の話を聞いて、サンチョはベネットの家の掃除をしたり料理をして食事を共にすることは普通にできることではないのだと実感した。そして町の人と話を合わせ、ベネットは変わり者だと困り顔で言うことで町の人々を牽制することにした。今、あの老人の家には二体の魔物がいる。その存在を知られないためにも、今もベネットの家では危険な研究がされているから近づかないのが身のためだと言うように敢えて吹聴した。
ベネットの家の台所も初めは見るも無残な状況だったが、今は使用できる状態にまで復活している。既に家の中が暗いため、家のそこここにランプで明かりを灯し、サンチョとポピーは並んで食事作りを、ポピーに叱られたリュカとティミーとミニモンは水汲みや食器などの準備を手伝う。一人暮らしのベネットの家には十分な食器もないため、サンチョの荷を解いて、普段は旅の中で使う木の器などをテーブルに並べていた。
炊事場の後ろにはあの巨大な壺が今もこもる魔力を漏れ出している。ティミーとポピーにとってはその壺の得も言われぬ雰囲気を背後に感じながら食事をするのは妙に緊張したが、歯の半分ほどを消失しているベネットが温かな食事を「うまい、うまい」と笑顔で食べている姿を見れば自ずと心が和んだ。サンチョの手伝いをしつつ、初めて料理をしたポピーもまた初めて感じる食事の美味しさに笑顔を見せていた。
「ところでのう、リュカよ、その、遠くから呪文を放てるのかどうかということじゃったが」
もともとまとまった睡眠など必要ないのだろう。規則正しい生活をしたこともないのかも知れない。昼間に束の間、睡眠を取っただけのベネットだが、身体の疲れよりも新たな興味が勝り、まるで子供のような無邪気な顔つきでリュカを見る。
「あの移動呪文の応用でできると、わしは踏んでおる」
「ルーラですか?」
「そうじゃ。お主が身に着けておるその呪文じゃよ」
「ルーラは遥か遠くの場所までも一度に行くことのできる呪文じゃが、その際にお主はその地を頭の中に思い描いて呪文を唱えておるじゃろ。その対象を敵に変える、それだけのことじゃ」
ベネットの言葉を引き継ぐようにマーリンが湯気の立つ茶を啜りながら話す。遠隔呪文について話していたベネットとマーリンは、話の結論としてルーラの応用という方法を考え付いたのだという。
「ベネットさんが試しにやってみたらいいんじゃないかな?」
「何を言うておる。わしは呪文なんぞ使えんわい」
ティミーの軽い問いかけに答えるベネットの言葉に、双子もサンチョも唖然とした。
「呪文、使えないんですか? 呪文を研究しているのに?」
「呪文が使えないからこそ、呪文への憧れが止まらんのじゃよ」
「じゃあここにある呪文書の呪文、一つも使ったことがないの?」
「ああ、使えんからな」
「でも、このお家には魔法のニオイがとても染みついてるけど……」
「ありとあらゆる研究材料から出ておるんじゃろうなぁ。まあ、研究材料を使って爆薬くらいは作れるじゃろうが、わし自身が呪文を使えるようにならんじゃろう。呪文が使えるかどうかは、その者が持つ性質に基づいておるからの」
呪文のことを長年研究しているだけあって、自身の持つ性質については熟知しているようだ。ベネットは呪文を使うことができない。古代呪文を復活させるほどに呪文と言う摩訶不思議な力に精通している者でも、呪文を使う特性を持って生まれることはできなかった。
「ベネットさんはそもそも、どうして呪文にそんなに興味を持ったんですか」
リュカがそう問いかけると、ベネットはマーリンと同じように木の湯飲みに注がれている茶を啜り、薬草も一緒に煎じられている苦味に僅かに顔をしかめつつ、ゆっくりと話し始めた。
若かりし頃のベネットは世界を巡る冒険家だった。元来、古代の物事に興味が深かった彼は世界を巡りながら、古代から現在に通じる様々な歴史を感じて己の好奇心を満たしていた。その旅の最中、立ち寄ったこのルラフェンの町で彼は一軒の捨て置かれたようなあばら屋を見つけた。入り組んだ道を迷いつつ進んだ先に見つけたあばら屋を目にして、ベネットはその探求心から宝を見つけたような気になった。
普通の人であれば敬遠するような荒み切った家に、住む人の気配はない。住んでいるとすれば幽霊くらいのものだろうと、何よりも怖いものは人間だと思っているベネットは特別恐怖など感じないまま軋む扉を開け、中に入った。
当然、中に人はいなかった。ただ入口の扉を開けて直ぐに目に飛び込んできた大きな壺の存在に腰を抜かしかけた。そしてすぐに驚きは好奇心へと変わった。一体これほどの巨大な壺を家に入れ、ここに住んでいたはずの家主は何をしていたのだろうか。住む人間がいなくなって久しいと思われるこのあばら屋に一気に興味を引かれた若かりしベネットは、ここで行われていたことが古代呪文の研究であったことを間もなく知り、そしてその人生を古代呪文の研究へと注ぎ始めた。
あばら屋に残されていたのは数多の呪文書。予てよりベネットは回復呪文には興味を持っていた。世界を巡る冒険の途中、やはり危険な目に遭うこともある。それは魔物に遭遇するということではなく、山や崖を上り下りする際には怪我をすることもあるし、長距離の移動の最中に足を挫いてしまうこともある。常に薬草を道具袋に入れているものの、回復呪文が使えればわざわざ道具袋から薬草を取り出して苦い不味いと顔をしかめながら薬草を口にすることもない。もしかしたら古代では呪文の特性がない者でも呪文を使う術があったのかも知れないと、それから彼の終わらない研究が始まったのだ。
「これだけ長年研究を続けていても、やはり生まれながらの特性のない者が呪文を使う術は見つからん。わしもカッコ良く呪文を唱えてみたかったんじゃがのう」
「呪文を使うことができるというのは、それだけ恵まれているということなんですね」
そう言うサンチョもまた、いくつかの呪文を使うことができる戦士だ。リュカもティミーもポピーも、魔物であるマーリンもミニモンも呪文の特性をそれぞれ持っている。旅に出て、外で魔物と遭遇することがあれば当然のように呪文の力に頼ることになる。回復に攻撃に補助にと、呪文の力はリュカたちの旅にとっては不可欠なものだ。
もしリュカたちに一切呪文の能力がなかったとしたら、魔物の数も多くなってきたこの世界で旅することなどままならないだろう。ベネットが世界を旅していた頃と比べれば、世界を脅かす魔物の数は段違いに増えている。武器を持って戦うことも得意ではなく、呪文の能力もない一般の人間が気楽に旅できるような世界ではないのだ。
「呪文が使えなくて……悔しくなかったですか?」
控えめな口調ながらも、ポピーはベネットという老人からその答えを聞きたかった。彼女自身、呪文の特性は目を見張るほどのものだが、回復呪文が使えないことを常に気にしている。
「悔しい、と思うよりも、何故だと思う方が強いかのう。人間が持つ特性というのは一体どういうものなんじゃろうかと、それは常に思っておるのう」
「おじいさんはそう言うことも研究してるの?」
「色々と調べてみたが、やはり生まれ持った素質としか言いようがない。こればっかりはどうしようもないんじゃ。神が人を選び、その能力を与え給うたのじゃろう」
そう口にするベネットだが、本心からそれほど信心深いことを思っている雰囲気ではなかった。一先ず、そう口にすることで自身の気持ちを落ち着けているに過ぎないのだろうと、リュカはベネットの穏やかな顔つきを見ながらそう感じていた。
「じゃがわしの研究もまんざら無駄ではなかったじゃろ? お前さんに古代呪文を授けることができた」
「ルーラの呪文は本当に僕たちの旅に役立ってます。この呪文がなければこうしてこの町に訪れることもなかったかも知れません」
「わし自身が呪文を使えなくても、わしの研究が何かの、お前さんたちの役に立てばそれで万々歳だ。長年の研究も報われるというものじゃよ」
「パルプンテー!の呪文も絶対に役立ててやるからなー」
「ああ、頼んだよ。……ただくれぐれもあの呪文は使いどころに気をつけるんじゃぞ」
すっかりミニモンに懐かれているベネットを見ながら、彼なら魔物と生活するグランバニアでの暮らしにもすぐに馴染むのではないかとリュカはベネットを国に呼ぶことをふと考えた。研究一筋のこの老人がルラフェンの町に固執する理由も見当たらない。話を聞けばたまたまこの町に住みついただけで、彼もまたリュカと同じように心の根の部分では常に流浪している。
しかしリュカと大きく異なる点がある。ベネットは既にリュカの何倍もの時を生きて過ごしている。彼にはこれからの人生よりもこれまでの人生の方が遥かに長い。そしてこれからの彼の人生をどこでどう過ごしたいのかを考えれば、恐らく彼はこの町を離れないに違いない。老人にとっては長らく住み着いたこの町は既に身体の一部のようなもので、まさか身体の一部を無理に剥ぎ取るわけにも行かない。
「おやおや、もう夜も更けてきましたね。ベネットさんもお疲れでしょうから、そろそろお休みになられてください」
話せば終わりの見えない会話に一端の終止符をと、サンチョが席を立ちながらテーブルの上の食器を片づけ始める。人生の中でこれほどお喋りに興じたことがあっただろうかと思うほどに話し込んだベネットは、サンチョの言葉の通りに疲労を感じていたようだった。立ち上がった椅子からふらつく彼を見て、リュカはすぐに手を貸し、ベッドへと移動させた。使い古していたベッドも今は掃除の恩恵を受けて綺麗な状態に整えられている。
「あの、もしよければ、私、ベネットさんの研究のお手伝いがしたいって思います」
ポピーの唐突な発言に、皆が止まって彼女を振り向き見た。皆で和やかに話をしている中で、ポピーは密かに一人考えていたのだろう。サンチョに続いて器を運ぼうとしていた手を止め、ポピーはベッドに腰かけるベネットの傍まで行くと、自身の思いを話し始める。
「私も古代の呪文に興味があります。お父さんが教えてもらったルーラの呪文も、もしベネットさんの研究がなかったら復活しなかったし、古代にはもっともっと色んな呪文があったんじゃないかって。今までは呪文書にある呪文しか見てこなかったけど、昔は今にはない呪文もあるんだって考えたら、もしそれをまた復活させられたらもっともっと便利になるかも知れないでしょ? 私は呪文を使うこともできるし、きっとベネットさんのお手伝いができると思うの」
そう言ってポピーが手の平を上に向けてランプの光に煌めく小さな氷をいくつか生み出すと、ベネットは眠そうだった目を見開いてその光景を見つめた。
「な、なんと、お嬢さんは氷の呪文を使うことができるのか」
驚きでそれ以上の言葉が出ないベネットに、ポピーのみならずリュカもティミーも思わず首を傾げる。自身では呪文を使うことができないベネットだが、呪文そのものの効果を見たことがないわけではないはずだ。しかし今の彼には生まれて初めて呪文を目にしたと言ったような驚きが見て取れた。
「人間で氷の呪文を使う者は極めて少ないと本に見たことがある」
ベネットの話に依れば、人間が生きていく上で第一に求められた力は火であり、そのために火の呪文を操る人間はそれなりに存在する。しかし人間の生きる過程で氷を必要とする場面は少ない。それ故に氷の呪文を扱う人間はこの世界にほとんど存在しないと彼は言う。人間が扱う呪文は人間が求めた力の結果であり、氷と言うものは人間の生活においてほとんど求められていないと言う老人の話に、リュカたちは一様に納得の表情を見せる。
「代わりに魔物には氷の呪文を使う者が多いかも知れんのう」
マーリンが顎に手を当てながら独り言のように呟く。それ以上は口にしないマーリンだが、彼の中では一つの答えが既に頭に浮かんでいるのだろうかとリュカはその雰囲気に感じる。しかしマーリンがフードの奥からじっとポピーを見つめる姿を見て、リュカは娘が氷の呪文を使えることに問題などないのだと自身に言い聞かせ、マーリンから視線を外した。
「とにかくそちらのお嬢さんはとても優秀な魔法使いなんじゃろう。わしの研究を手伝ってくれるのならそれはありがたいことじゃ」
「わたしもルーラが使えるから、いつでもここへ来られるわ。じゃあグランバニアに戻ってもまたおじいさんのところに来るようにするね」
「ポピー様、そんなことを勝手に決められては困りますよ。もしまたここに来られる際には数人の兵を供につけて……」
「オレもついて行くぞー。オレも呪文使えるからなー」
「呪文の研究となれば、わしもお供しようかの。遥か遠くの敵に効かせる呪文が使えるようになれば、リュカたちのこれからの旅にも大いに役立つじゃろうて」
再び盛り上がり始めた会話に、ティミーが「ボクも呪文使えるよ!」と妹に負けたくないという気持ちを前面に出して部屋の中でベギラマの呪文を唱え始めたところで、リュカが慌てて息子の口を両手で塞いだ。ポピーのように加減して呪文を放つ気配を見せないティミーをリュカが叱り、反論するようにティミーが「雷落とすよりいいじゃん!」と無茶苦茶なことを言う。そんな些細な親子のやり取りをサンチョとマーリンが苦笑しながら見つめ、ポピーが勝ち誇ったように「お兄ちゃんはもうちょっと呪文の練習をした方がいいんじゃない?」と言えば、ミニモンが「そうだぞー。呪文は加減して使うんだぞー」と言ってメラミの大きな火球を部屋の中空に生み出す光景を、ベネットは目を丸くして見つめ、そして高らかに笑った。目の前で繰り広げられる様々な呪文の効果を目にして、長らく独りで呪文の研究に没頭してきたベネットの中に、新たな研究魂が燃え始めていた。



一体何時ごろ寝付いたのかは分からないが、リュカが目覚めた時には既に朝日がベネットの部屋の中に差し込んでいた。皆が寝静まる中、外では朝の会議を始めている鳥の囀りが聞こえる。その音に混じって、家の中で煮炊きをしているような香ばしい匂いが漂っているのを鼻が捉える。
リュカの両脇には当然のようにティミーとポピーがくっついて眠っていた。昨日の内にすっかり片づけた部屋の隅、本棚の横の壁にもたれかかるようにして親子三人で寝てしまっていたようだ。まだぼやける視界に、床に大の字になって眠るミニモン、テーブルに突っ伏して眠るマーリン、しっかりとベッドで横になるベネットの姿があり、サンチョだけがこの場にいないことに気付く。
リュカの懐に潜り込むように頭を乗せて眠るポピーと、恐らく初めは同じ格好で眠っていただろうティミーは今、緩く胡坐をかいているリュカの足の上に両足を投げ出すようにして床に寝転がっている。いつの間にかかけられていたかけ布は、三人の足元に包まっておりほとんど意味をなしていない。リュカが身動ぎをして体勢を変えようとしたところで、ポピーも小さく身動ぎをして、まだ目も開いていないのに咄嗟にリュカの手を掴んだ。予想できないその素早さに、リュカは彼女が目を覚ましたのかと顔を覗き込んだが、ポピーはまだ寝息を立てて眠り込んでいた。
階段を上がってくる音がする。ひょこっと姿を現したのは、前掛けを身に着けたどこか懐かしい姿のサンチョだった。
「おはようございます」
小声で朝の挨拶をするサンチョにリュカは目を擦りながら微笑んだ。リュカが話し始めようとすると、サンチョは口に人差し指を当てて話さないでよいと合図を送る。身振り手振りだけで、皆が起きたら朝食にしましょうとサンチョが話しているのが分かり、リュカは二度頷いて返事をすると、彼は安心させるような笑みを浮かべて再び階下へと戻って行った。
そして部屋に漂う食事の匂いの効果か、間もなく次々と皆が目を覚まし始めた。皆が目覚めたところで、既にサンチョが支度を済ませていた朝食を皆で囲む。マーリンはグランバニアでも時折人間に混じって食事をすることもあるが、ミニモンは今までにそんな機会を持ったことはなく、昨日に引き続きはしゃいだ様子で焼き立てのパンに噛り付いていた。
「遠くの標的に呪文を浴びせるのに、昨日ルーラの応用って言ってたけど、それってやっぱりルーラを使えないとできないってことなのかな」
ティミーが口の中に食事を頬張りながら、辛うじて何を言っているのか分かる調子で話している。彼自身、ルーラを使うことはできない。妹が使えるんだからとティミーも頑張ってルーラの習得を目指したことがあったが、生まれながらの呪文の特性と言う型には逆らえなかった。
「それなら僕とポピーと、あとはメッキーも使えるのかもね」
「いやいや、あくまでもルーラを応用すれば遠隔呪文を使える『可能性がある』という話なんじゃ。まだ何にも分かっとらんのが現実じゃよ」
「なんにせよ、これから研究が始まるんじゃ。また新しい研究ができるとは、楽しみじゃわい」
ベネットが張り切っている様子を見ると、リュカも自然と嬉しい気持ちが沸きあがる。自身の生き甲斐を持っていれば、老いて尚こうして元気で居られるベネットの力強さに、リュカは自分もその姿に倣うべきと感じる。
「ルーラって目的地の景色をしっかりと頭の中に思い浮かべるんだけど、相手が遠くの魔物さんになると、どうやって思い浮かべればいいのかしら」
「実際に目にするわけではないから思い浮かべるということではなく、気配を察知する、ということになるのかのう」
マーリンは眠りながらでも新たな研究についての内容を考えていたに違いないと、その返答の速さにリュカは芋のスープを啜りながらマーリンを見る。目を瞑っているマーリンの頭の中には今、様々な魔物の姿が浮かんでいる。
「そんなに遠くの魔物の気配なんて、感じられるの?」
「いや、どうだろう。無理なんじゃないかな。プックルみたいに気配に鋭ければできるかも知れないけど」
「確かに、我々人間よりも魔物の皆さんの方が気配を感じる能力は数段上ですよね。比べ物にならないと言うか」
「じゃあメッキーならできるかも知れないわね」
「あいつがそんな器用なことできるかー?」
もぐもぐと頬張れるだけのパンを頬張るミニモンの言葉に、皆が揃って小さな唸り声を上げる。大きな嘴を大きく開けて、空中を楽し気に飛び回るメッキーを想像することは容易だが、神妙な顔つきをして魔物の気配を察知することに努めるメッキーの表情を誰一人想像することができない。魔物の仲間の中でもメッキーはそこそこお調子者の部類なのだ。
「でもそんなこと言ったら進まないからさ、とにかくできることはやって行った方がいいと思うよ」
「人間と魔物が協力して……そうすれば……ふむふむ」
皆の言葉を耳にしながら、ベネットが食事の手を止めて目を瞑り、独り言を呟いている。研究者がこの状況の時には何を話しても反応しないことを、リュカたちはこれまでの経験上知っている。
「でもさあ、どうしてアイシス女王はできるんだろ? もしかして女王様って、人間じゃなかったりして」
「さすがにそれはないと思いますよ、ティミー様」
「アイシス女王様は星と対話をされたり、未来を見ることのできるお方だもの。きっと普通の人とは違う力をお持ちなのよ」
「それに女王はかつての勇者のお供をした人の子孫だって聞いたよ。何か特別な力を持っていてもおかしくないだろうね」
ティミーに継がれた勇者の血筋が途絶えなかったように、かつての勇者の供をした者の血筋も連綿と受け継がれていることを考えると、人間の歴史は遥か昔から続いていることを意識させられる。人間一人の命は天空人や魔物たちと比べ短いものかもしれないが、その代わり人間には次の代、次の代へとその血を継承することができる。
グランバニアに生まれたリュカ自身も、半分はエルヘブンの血を引いている。魔界の門番を務める民の血、それもエルヘブンの村でも最も力があったとされる母マーサの血を引く自分には一体どのような血が流れているのだろうかと、リュカは思わず自分の両手を見つめた。
「ベネットさんの呪文研究の協力をするためにも、今後の予定を練り直さなくてはなりませんね」
サンチョがミニモンの前のテーブルに散らかるパンの食べかすを片づけながら、リュカに柔らかく問いかける。しかしその口調はほんの僅か、固さを滲ませている。
「お父さん、次はラインハットに行くって言ってたよね」
器に残るスープを一気に飲み干したティミーが、口の周りにスープの後を残しながらそう言う。兄の言葉を聞いて、ポピーが思わずグラスに伸ばしていた手を止める。
「ねえ、お父さん、私はベネットさんの研究のお手伝いをしてるから、その間にお父さんたちでラインハットへ行ってきても平気よ。ルラフェンになら私だけでも来られるもの」
「そんな、ポピー様だけでここへ来させるわけには参りませんよ。誰か供の者をつけなくては」
「それならわしが供につけば問題ないじゃろうて」
「オレもオレもー。オレも一緒に行くからなー」
「……ポピーにはラインハットを嫌いにならないで欲しいんだけどな」
そう言って父に顔を覗き込まれたポピーは、瞳を揺らしながら気まずそうに視線を逸らした。パンを切り分けようとしていたサンチョの手も止まる。
「コリンズ君は悪い子じゃないよ」
「……分かってる」
「そうだね、ポピーは頭の良い子だからきっと分かってると思う。だけど分かってるだけじゃダメなんだよ。ちゃんと相手にそれを分かってもらわないとね」
「ポピーだってこの前は一緒にコリンズ君と遊んだじゃん。あの時……まあ、ケンカもしたけどさ、楽しかっただろ?」
以前、リュカたちがラインハットを訪れた際、ティミーとポピーはコリンズとラインハットの中庭でいかにも子供らしく遊んでいた。子供らしい遊びなどしたことがないコリンズと、幼い頃から互いしか遊び相手のいなかったティミーとポピーは、初めて三人以上で子供らしい遊びを楽しんだ。ポピーの中にもその時の記憶は確かに楽しいものとして残っている。
「ポピー様がケンカ、ですか? 何だか、ちょっと想像できかねますね」
「サンチョがそう思うのは、ポピーが大人しい良い子だって思ってるからだよ。ポピーだって本当は言いたいことは言いたいし、ケンカすることだってあるんだよ。だってさ……」
リュカは言葉を止めて娘の顔をまじまじと見つめる。本当によく似ている。髪型が異なるだけで、もしかしたらかつての彼女なのではないかと思うほど、顔つきがどんどん似てきた。
「あのビアンカの子供なんだよ」
リュカがそう言うと、途端にサンチョの脳裏にもかつての幼いビアンカの姿が思い浮かぶ。二つのお下げ髪をぴょんぴょんと跳ねさせ、愛想がよく人々から可愛がられていたが、正義感が強く気も強かった。自分よりも二つ年下のリュカにお姉さん風を吹かせながら一緒に遊びつつも、リュカが部屋を汚していたりするとまるで母親のように叱ったりしていた。まだ当時リュカは三、四歳で、リュカの記憶には残っていない出来事をサンチョは一人で胸の中に残している。ビアンカと言う少女は幼い頃から勝ち気で、頼れるお姉さんで、少々行き過ぎるところもあったが、根が優しいためにサンチョは大事なグランバニア王子に良い友達ができたものだと内心喜んでいたのも事実だ。
「そうでしたね、あのビアンカちゃんのお子様でした」
「そうだよ。だからケンカするって言ったって驚くことじゃないでしょ」
「ケンカして負けたら驚くでしょうけどね」
「それと、サンチョも行くんだよ、ラインハットへ」
リュカの唐突な言葉に、サンチョの笑顔がそのままの表情で止まった。今までの会話とはまるで違うことを話し出したと思ったサンチョは、リュカの言葉の意味を図り兼ねている。
「もうオジロンさんには言ってあるからね」
「……何をですか」
「サンチョがラインハットに行くこと」
「今、初めて聞きましたが」
「うん、今初めて言ったもん」
「しかし私はグランバニアでの務めがあるので離れるわけには……」
「テルパドールにもルラフェンにも行けるのに、ラインハットへは行けないなんてちゃんとした理由にならないよ」
「今度のラインハットへは少々長居すると聞いています。ですから私がご一緒するわけには参りません」
「だから先にオジロンさんに断りを入れてるんだ。今度のラインハット訪問にはサンチョも連れて行くって」
「……どうしても行かねばなりませんか?」
「サンチョにしかできない仕事なんだよ」
リュカは既にサンチョをラインハットへ連れて行くことを決めている。オジロンにも事前にその予定を伝え、許しを得ている。そして何と言ってもリュカはグランバニアの国王であり、普段の温厚な様子からは微塵も感じられないが、最も強い権力を持つ者なのだ。国王直々の命令に背こうと思えるほど、サンチョも無茶なことは言い返せない。
「サンチョも一緒に行こうよ! ヘンリー様もマリア様もとっても優しい方たちだよ!」
「でもあんなに大きな国なのに、サンチョが言ったことがないなんて意外なのよね。本当に今まで行ったことないの?」
リュカを捜す旅をしていた際、サンチョは旅ができるほどに成長したティミーとポピーを連れて世界を巡っていたが、その途中でラインハットへ立ち寄ることは一度もなかった。それは偏に彼がラインハットの地に足を踏み入れたくなかったからだ。現実的には、かつてグランバニアと国交があったラインハットにも足を運び、リュカの消息を尋ね確かめるべきだとは彼自身理解していた。しかしサンチョの胸の中には、拭いきれないラインハットへの憎しみがあり、あの国と関われば再び悪夢を見させられるのではないかと言う抗いようのない疑念が生まれてしまうのだ。
「……行ったことがないわけではないんですよ」
早くに乳離れをさせた王子を連れ、かつてのグランバニア王は従者を伴い旅に出た。グランバニア以外に拠点をと目指したのが、北の大陸だった。成り行きでその地を目指したのではない。グランバニア王の友とも言えるラインハット王がその地におり、友の伝手であのサンタローズの村に居を構えることにしたのだった。
「お目にかかったこともあるんです、先代のラインハット王に」
サンチョがラインハットを訪れたのは一度だけだった。ただの旅人を装っているグランバニア王と従者が度々ラインハットを訪れ、しかも直に国王と話をするなどと言う目立つ行動は避けていた。ただ一度だけ、初めて北の大陸に足を踏み入れた際、サンタローズの村に立ち寄るよりも前に、サンチョは先代のラインハット王と直接会っている。鮮やかな空色の瞳をした、豪快な笑い方をする国王だったとサンチョの記憶に残っている。
「やっぱり、そうなんだ。そうじゃないとおかしいと思ってたよ」
「しかし今更私の出る幕などないでしょう。私は大人しくグランバニアで務めを果たすべきかと」
「ヘンリーが会いたがってるんだよ」
「………………」
「だから一度でいいから会ってあげて欲しいんだ」
リュカは以前よりラインハット訪問を計画しているが、友より寄せられる書簡には必ず「グランバニア宰相殿にもよろしく」と書かれているのだ。明確にサンチョをラインハットへ呼ぶ言葉ではないが、彼がかつてのパパスの従者であるサンチョと会いたいと思っていることはその言葉の中に見て取れた。そしてリュカ自身も、唯一の親友とも呼べる友にサンチョを会わせたいと思っていた。サンチョの複雑な胸中を知りながらも、国同士での書簡のやりとりだけではなく直接顔を会わせることで二人がそれぞれ抱える蟠りの一部でも解消できるのではないかと思っている。
「せっかくルーラという呪文があるんじゃから、どこへでも行けばよかろう」
何気なく皆の話を聞いていたベネットが、気軽な調子で口を挟んできた。この老人にはグランバニアやラインハットの事情など一つも分からない。それだけに何故これほど便利な呪文を使ってどこへでも行かないのかと不思議に思っていたようだ。
「嫌だったらまたすぐにどこへでも飛んで行けるんじゃぞ。何を迷うことがあるんじゃ。向かうにも逃げるにも何とも便利な呪文なんじゃから存分に有効に使えばええ」
「そ、そうよ、ベネットさんの言う通りだわ。嫌だったらすぐにグランバニアに戻ればいいのよ。とりあえず行ってみるっていうのもアリよね」
「ふーむ、果たして国同士のやり取りでそれがアリなのかどうかは知らんがのう」
「もし国に来てたのに、嫌だったから帰っちゃったって言われたら、ボクだったらツライなぁ……」
「でも、まあ、それでもいいよ。行ってみて、どうしても会えないって思ったら、またグランバニアまで僕が送るよ」
「サンチョはぜいたくだぞー。人間だからどんな町でも村でも入れるのに行きたくないなんてさー」
皆がわいわいと騒ぐ中、サンチョはしばし思案していたが、この機会を逃せば恐らくもうラインハットを訪れる機会は来ないのかも知れないと、意を決した様に口を開く。
「分かりました。私もご一緒しましょう」
サンチョの言葉にリュカが表情を緩めて「ありがとう」と告げれば、それだけでサンチョの心の中にある蟠りの一か所が溶けて消えたような気がした。
年月が経ったとは言え、いくら年月が経とうともサンチョの中にあるラインハットへの特別な思いは消えることがない。それはリュカにも痛いほど分かっている。サンチョが父と過ごした年月は、リュカが父と過ごした年月よりも長い。そして何よりも、彼にとっては命を賭けて守らねばならなかった主人なのだ。そんな彼が長らく訪れないままだったラインハットへ行くと決めてくれたことに、リュカはグランバニアに戻ったら早速最後の調整をと友に書簡を送ろうと考えていた。

Comment

  1. ケアル より:

    bibi様。

    いつも執筆してくださりありがとうございます。

    いいですね~bibiワールド満載の世界(笑み)
    ゲームのシナリオには関係無い100パーセントのbibiワールド楽しみにしていましたよ!
    お話の前半は日常生活の一コマ、本当に微笑ましいです、各キャラクターの個性がいっぱいあって楽しいですよ。
    ミニモンほんとにゴミそのまま燃やしちゃったらどうなっちゃうのかな(笑み)
    bibi様はほんとに台詞回しが面白く描写してて。
    食事のシーンはニヤニヤしちゃいました(笑み)

    ベネット爺さん、リュカたちの正体…理解してんのかなぁ?
    グランバニア一族!魔物いるぞ?
    それとも、魔法研究博士には、あまり気にならないのでしょうか?

    遠隔呪文がルーラ応用!
    bibi様、またまたbibiワールドぜんかいですな。
    二次小説ではの設定にわくわくであります。
    べつにルーラが使えなくてもルーラ応用なら誰でもできるのでは?
    アイシスはルーラが使えないけど、彼女にはできる。
    目に見えない敵に呪文を遠隔が難しくても、少し遠いモンスター、50メートル100メートルぐらいの魔物になら、遠隔呪文で、呪文詠唱して唱えた瞬間、標的の目の前にとつぜん唱えた呪文が現れるような感じなら…?
    呪文が手や杖から出て標的に向かうのではなく、遠隔呪文だから、唱えた瞬間手や杖から発生した呪文が消えたと思ったとたん、魔物の前に呪文が現れて攻撃。
    攻撃呪文でも補助呪文でも回復呪文でも同じ。
    そしたら、たとえばブオーン戦みたいな時なら、ベホマを近くに行って飛ばすなんてしなくても、遠い所からでも目に確認できる範囲なら遠隔できるようにしたらどうでしょうか?
    ワンピースのローみたいに「ルーム」みたいな?
    すみません…興奮して長々と語ってしまいました…。

    ポピー、魔法研究の助手に立候補、ベネット爺さんのとこで、もしかしてイオナズンとドラゴラム習得のフラグですか?
    それとも、ただたんにコリンズに会いたくない気持ちの表れ?
    いいですねえ女の子の微妙な心の動き…読者は色々なことを想像しちゃいます。
    コリンズに会いたくない?会いたい?いやいやヘンリーに会いたい?いやいやマリアの暖かいお母さんの気持ちに触れたいけど?魔法覚えたいが本音?どっち?(笑み)
    けっきょく次話はルラフェンに残る?ラインハットへ行く?…気になります。

    サンチョとうとうラインハット行くんですか⁉(驚)
    bibi様に以前、サンチョはラインハットに行くことはあるかというような質問したように思うんですが、たしかそんときは…難しいかも?…お茶を濁していたかな…。
    いやいや、サンチョがとうとうラインハットへ、楽しみです。
    リュカ用意周到でニヤニヤしちゃいましたよぉ(笑み)

    次話はいよいよヘンリー・マリア・コリンズ・デールですね。
    サンチョの心境の動き態度や行動がすんごく気になります。
    サンタローズを破滅させたことは事実…ヘンリーの行動や態度、デール王としてサンチョにどう話をするのか?
    いやぁ次の話を早く読みたいです~(楽)
    次話を心から楽しみにしてますね!
    後…いつもながら文章長くて失礼しました…。

    • bibi より:

      ケアル 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      今回はまた好き勝手書かせてもらいました。完全オリジナル展開で、ゲームの流れからは逸脱していますが楽しんでいただけたようで何よりです。
      ベネットさんはリュカたちの正体には気づいていません。が、グランバニアの王族と知ってもきっと動じないと思います。ここだけの話、ベネット爺さんは、子孫ではないですが、ドラクエ4のブライの流れを汲んでいる人物と言うことにこっそりしています。ドラクエ5で初め、ルーラの呪文が封印されていることに、これは間違いなくブライが関わっている!と私が勝手に思ったので、うっすらとそういう流れにしています。
      遠隔呪文についてはこれからじっくり考えてみたいと思います(考えてないんかい!)。ワンピースにそういうキャラがいるんですね。むむむ、被ってしまうのかも・・・。ちょっとそのキャラを知らないので、知らない感じでやらせてもらいますね(勝手でごめんなさい)。
      ポピーは成長期ですね(笑)女の子の方が少し成長が早いということで、一人戸惑っています。どんどん戸惑ってしまえばいいんです。その方が可愛いから、なんつって(笑)
      サンチョをラインハットへ連れて行きます。ここまで展開を引っ張らせてもらいました。やっぱり彼にはとことん渋ってもらいたかったので。そしてこれからもしばらくはオリジナル展開で進む予定です。ラインハット編、きっと長くなると思います。

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