兵士長の息子の実力

 

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「ピピン、あんなに強かったんだ」
「伊達に父親がこの国の兵士長を務めておらんからな。父親直々の訓練も受けているようだし、そりゃあ強くもなるだろう」
「特訓は地獄ですよ~、とか言いながらも逃げないもんね、ピピン」
彼の実家の宿業を手伝っている時にはどこかお調子者のような雰囲気を漂わせているピピンだが、武闘大会の出場者としていざ闘技の場に踏み出せば、その顔つきには父である兵士長パピンの凛々しい顔つきにも似た横顔を見せている。ティミーの言う通り、いくら嫌だと言っても兵士の訓練所での扱きから逃げることはないらしく、彼自身、父パピンの背中を追いかけるようにこの国の兵士を目指して訓練を積んでいるのが感じられた。
武闘大会の予選が行われている会場には既に多くの人々が集まり、予選の段階から人間同士の堂々たる闘いを楽しむ人々で周囲は賑々しく溢れていた。リュカたち王族は特別に設けられた席に座り、その周りには数人の兵が警備に就いている。
「何だかちょっと寒いな」
そう言いながら空を見上げるポピーの目に映るのは、今にも雨が降り出しそうな曇天だ。深い森に包まれるグランバニアは年中通して暖かな気候に恵まれている地域だが、年が明けてからは曇天続きで、そのためか幾分気温も下がっているように感じられた。生活の基盤が城の中にすっぽりと包まれる城下町にあるグランバニアの民たちは、リュカたちが考えるよりも空模様の変化に鈍いように感じられた。彼らとしては城の外に出られるというだけで非日常であり、空が晴れていようとも曇っていようとも雨が降ろうとも、そこに大した気持ちの違いはないように思われる。
空を覆う雲はいつの間にか空全体を覆ってしまうほどに広がっていた。雲に切れ間が見えない。雨が降り出しそうで降り出すことはない。お陰で新年祭の主役とも言える武闘大会は問題なく開くことができた。グランバニアの民にとってはそれだけで良いし、リュカにとってもその状況は好ましいものだ。国民が楽しみにしているこの祭りを開くことは、グランバニアの国を盛り立てて行くにも必要なことだ。人々の気持ちに寄り添い、国の人々の気持ちを明るく保つことが、引いてはこの国を健全に保つことなのだと、リュカは楽しく騒ぐ人々の様子を見ながら自然とそう思う。
ピピンの対戦相手は、当然のように彼よりも年上の城下町に住む男性だった。昨年に続き、ピピンより年下の者の大会への参加者はいない。今年も今年で彼は、兵士長パピンの息子としてほぼ無条件に大会に参加させられる不条理に異を唱えていたが、当然のことながら彼の言葉は誰からも相手にされていなかった。パピンの息子なら大会に参加するのは当然だと、周囲の圧は凄まじく、またそれに本気で抗おうとしないピピンは、実はこの大会に参加したいと思っているのではと周囲の憶測を呼んでいたりもする。
城下町に住む男性は相手がまだ子供のようなピピンと分かれば、明らかに侮る態度を見せていた。周りからは相手は子供だから手加減しろとまで言われていた。しかし子供と侮られるピピンも成長著しく、身長では既にドリスを追い抜いている。その上日々父親からの特訓を受けていれば、強くなるのも必然だった。決着は瞬きする間に着いた。皆が呆気に取られるほどの圧倒的な実力差で、ピピンが勝利した。そしてそれに最も驚いていたのが、ピピン自身だった。呆然とした様子で倒れた相手を見て、次いで顔を上げて自分を見つめる父の視線に出会えば、そこでようやく現実を悟ったように腰を抜かしてその場に座り込んでしまった。
「あーゆーところがピピンだよねぇ」
自分の足では立てなくなり、両脇を支えられながら闘技場を去るピピンの情けない姿を見ながら、ドリスが苦笑する。ティミーとポピーの乳兄弟の立場であるピピンを、ドリスも双子の姉のような立場としてよく知っている。年の離れた頼りない弟を見るような目でピピンの退場を見送るドリスの横顔に、リュカはピピンが実は皆の心を明るくしてくれているのだと感じた。どうやら女性にもてたいピピンとしては不本意かも知れないが、彼の存在は父パピンとは異なる方向性でグランバニアを明るくしているに違いない。
予選はほぼ例年通りの顔ぶれに収まるのだろうと、リュカは昨年の出場者の姿を会場に見た。武器屋のイーサンもまだまだ元気で、腰を抜かして会場を後にしたピピンを出迎えるパピンと、その隣には一人だけ頭が飛びぬけたように大きなジェイミーがいる。一方で、会場のどこを見渡しても昨年の出場者であるモンスター爺さんの姿は見られなかった。
それと言うのも、彼には城を護る魔物の仲間と行動を共にしてもらっているためだった。酒場を営むルイーダと共に魔物の仲間たちの様子を見て、各々城の警備の配置に就かせる役目を負ってもらっている。ゴレムスとキングス、ベホズンは例年通り武闘大会の会場におり、人々の観客席の役目を果たしているが、その他の魔物の仲間たちは残らず城の警備に就いているのだ。そして何事かが発生すれば、モンスター爺さんも共に魔物の仲間たちと戦うことができる。普段、城にいる間は常にモンスター爺さんの世話になっている魔物の仲間たちが爺さんに逆らうようなことはない。リュカが魔物の仲間たちの傍にいてやれない今、魔物たちをモンスター爺さんに一任することを決めたのはリュカ自身だった。
万が一のことに備えてのことだと一言説明すれば、彼は快くその任を引き受けた。既にグランバニア周辺に漂う不穏を、モンスター爺さんもまた肌に感じていたに違いない。伊達に魔物の仲間たちを手懐けているわけではない。魔物の動きに関して、モンスター爺さんの嗅覚たるや、リュカに負けず劣らずのものがある。
「今年はサンチョも出るかな~って思ってたのにな~。そのうち本当にトシ取って出られなくなっちゃうよって言ったのに」
「お父さん、サンチョはどこに行ったの? いつもだったらこの予選会場のどこかにいるのに」
「サンチョも年だからさ。こういう賑やかな場所は疲れちゃうんじゃないの? まあ、休める時に休んでおかないと、年取ってからの疲れって、なかなか取れないんだってオヤジも良く言ってるもんね」
「うむ。わしでそう感じるのだから、わしよりも上のサンチョならば猶のこと……あまり年寄を馬鹿にするでないぞ、ドリス」
「バカになんかしてないって。労わってるんだよ、あたしなりにさ」
至って和やかに交わされる会話に、リュカは安心したように静かに微笑む。この武闘大会の警備を厚くしている事実を知っているのは、一部の上の人間だけだ。それはもちろんサンチョも然り、オジロンも然りであり、オジロンはこの事態を知っていながらも子供たちには純粋に祭りを楽しむべきと特別なことは何も話していないのだった。リュカはうっかり口を滑らしそうになる自分を知り得ているために、敢えて口数少なく過ごしている。
武闘大会予選にはグランバニアに住む力自慢の者たちが集まり、腕試しを楽しむように予選会場に立つ。あくまでもこの大会は新年祭の中の一行事であり、血眼になって勝負に勝とうとする者はいない。真剣な闘いが行われる中でも、人々はこれがお祭りの一部だということを冷静に捉えている。当然、戦う者たちの闘志を漲らせるためにも国として賞金を準備しているものの、心穏やかなグランバニアの民はたとえその賞金を手に入れようとも、恐らく皆で城下町で騒ぐためのものとして派手に使ってしまうのだろう。自分一人の喜びよりも、皆で楽しく騒ぐ方がよほど喜ばしいと思うのがこの国の民の穏やかな気性だ。
その中で一人、その雰囲気にそぐわぬ者がいる。同じように大会予選に出場する者の多くは気づかないようだが、リュカには明らかにその者の意思が周囲とは異なるのを肌に感じた。予選の審判をする兵士に名を確認されたその者は、トレットと言う名だとリュカの耳にも届いた。
「あの男、見かけによらんな」
オジロンが椅子に座りながら腕組みをして、感嘆の溜息を漏らすようにそう言う。オジロンの声が聞こえたのか、既に闘技場の中ほどに立つトレットがちらと王族の座る観覧席に目をやる。そしてどこか緊張した面持ちで小さく会釈をすると、すぐに相手の方へと向き直った。その動作や視線、仕草全てがこれ以上ないほどに普通で、リュカは彼に疑いの眼差しを向けるのは間違っているのかもしれないと思わされる。
トレットの相手となるのはグランバニアのまだ若い兵士だった。背格好から見ても、兵士の方が体格も良く、周囲の評価は圧倒的に兵士有利と言う雰囲気だ。しかし審判の始めの合図と共に構えた姿を見た瞬間、リュカもオジロンも男から放たれる闘気の鋭さに、決着を見るまでもないと即座に感じた。
卑怯な手を使うこともない。正々堂々とした闘いぶりだった。トレットの動きは一流の武闘家のものだとオジロンが思わず零した。まだ年も若いだろうにあれほどの技術を身に着けるの者がいるということにオジロンは純粋に感動している風でもあった。
勝負が決して互いに一礼すれば、トレットは再び当然のように王族席に向かい、同じように一礼をして見せた。反射的にティミーもポピーも頭を下げ、ドリスも窺うような視線を向けたまま頭を下げた。しかしオジロンとリュカはただ頭を下げたトレットの姿を静かに見つめるだけだった。
その他の予選の闘いは、やはり多くの予想の通りに終わった。兵士長パピンにジェイミー、武器屋のイーサン、次の兵士長を期待されているグランバニア兵士、そして運もついて回ったのか、ピピンまでもが本戦への出場を決めてしまった。そこに旅の武闘家を自称しているトレット、そしてオジロンにリュカと、八人の出場者が決したのだった。
本戦までの間、しばしの休息の時間が与えられる。その間に観客となる人々は軽く食事を取ったりしながら、誰が優勝するかなどの話で盛り上がる。当然のようにリュカの強さに期待する国民が多く、ティミーが喜び勇んでその話をリュカに聞かせれば、リュカは耳を塞ぎたい衝動に駆られてしまった。
「はあ、やっぱり僕がどうにか勝たないとマズイよねぇ」
「大丈夫だよ、お父さんは強いもん! 今回も絶対に優勝するよ!」
「お兄ちゃん、あんまり言うとお父さんにプレッシャーがかかっちゃうから……」
「何よ、リュカは誰を一番気にしてるの?」
優勝者だけと戦う予定のドリスには、まるで緊張感と言うものがない。そもそも彼女の発案で始まったこの武闘大会を、彼女が最も楽しんでいるのだから、彼女にとっては勝ち負けに対する緊張感よりも、強い相手と戦えるという純粋な喜びの方が勝っている。
「誰を一番って、誰でも気になるに決まってるよ。だって強い人しか残ってないんだからさ」
先日の訓練所での手合わせで、リュカはジェイミーに敗した。それはジェイミーよりも実力のあるパピンにも敵わないということを意味する。リュカはドリスにも同様に負けているため、ドリスが負け越しているというオジロンにも敵わないと考えてしまう。武器屋のイーサンも力でねじ伏せられてしまえば敵う気がしないし、次期兵士長を謳われているグランバニア兵士にも負けかねない。今日の勝負では運が大分味方しているピピンにももしかしたら負けてしまうかも知れない。要するに、リュカは今のところ、自分が勝負に勝つ想像をすることができないのだ。
「リュカ王よ、もっと気を楽に保つのじゃ。いつもの外での戦いと比べれば、命を取られるわけでもなし、それほど緊張するようなものではないんじゃぞ」
「そうだよ、相手は人間なんだからさ、そこまで思いつめることなんてないじゃん」
「いっそのこと相手が悪い魔物の方が戦いやすいよ。容赦なく戦えるもん」
「じゃあ悪い魔物だと思って戦ったらどうかしら?」
「でもさ、悪い魔物だと思ったら、思わず呪文を使っちゃいそうだよね~。ボクだったら今なら思う存分ライデインを落とせそうだし、やっちゃいそうだな~」
そう言いながら空を見上げるティミーの目には、一段と色を濃くした灰色の雲が映っている。雨が降らないのが不思議なほどの雨雲にも見えるが、ぽつりと来ることもなくただ上空を一面どんよりと重い色に染めている。
あまり長い時間を休息時間に当ててしまえば人々の熱も冷めてしまうと、リュカは特別何も飲食することもなく、午後の本戦の時を迎えた。普段、旅に出ている中ではさほど飲み食いなどはしないため、少々腹が空いているくらいの方が調子は良いのだ。午後に本戦を控えている者たちは誰もが同じような考えで、たらふく食べておきたいと思っていたピピンも父パピンの助言を素直に聞いて飲食を控えていたようだった。
会場を包む熱気が再び戻り、その中で本戦の審判を務める兵士が出場者に集まるよう呼び掛ける。それに合わせて歓声が上がり、子供たちの声、ドリスの声、人々の声に押されるようにしてリュカもオジロンも舞台の中ほどに進み出る。
「いきなりリュカ王とは当たりたくないのう」
八人の本戦出場者たちはくじ引きで対戦相手を決めさせられる。審判が手にしているくじの棒を各々手にして、一斉に引く。真っ先に棒を掴んだのはピピンだ。それを合図にして、残りの者たちが迷うことなく筒から伸びる棒の先を指先でつまみ、そのまま棒を取り出した。
「ひいいぃぃ、一番初めだぁ……!」
どの番号を引いたところで同じような声を出していたに違いないピピンが、情けない声を父パピンに注意されながらもその場で思わず縮こまる。そのすぐ近くでどこか不敵な笑みをこぼすグランバニア兵の持つくじには二の数字。対戦相手がピピンと言うことに思わず安堵の笑みが零れてしまったのだろう。
「オジロンさんは?」
「わしは八じゃから、最後みたいだな」
オジロンの声を聞くなり大きな身を硬直させたのはジェイミーだ。恐る恐る上からオジロンのくじを覗き、自身のくじ番号である七を確かめ、ジェイミーはまるで身体の中心に鉄の棒でも入ってしまったかのようにその場に直立してしまった。
「おい、六は誰が引いたんだ?」
武器屋のイーサンが引いたくじを指先につまみながらヒラヒラさせていると、それに呼応するように六のくじをひらひらさせる者がいる。
「私だ、イーサン。何とも久しぶりの対戦だな」
「おお、パピンか! お手柔らかに頼むぜ。今やパピンはこの国一番の兵士長さんだからなぁ」
互いの対戦相手が決まり、意識し始めたところで、リュカは残る一人の視線を感じてそれに応じる。視線の高さもほとんど変わらない、姿かたちもどこかリュカに似ているトレットは、緊張した面持ちを見せつつも、純粋に嬉しさを滲ませる笑みを浮かべている。
「この場での初めての対戦相手が国王様とは……至極光栄に存じます」
確率としては八分の一なのだから、一戦目で彼と当たることは珍しいことでも何でもない。しかしそれでもリュカは自分はグランバニアの誰かと対戦するものだと思い込んでおり、旅の武闘家を自称するトレットとは当たらないだろうと勝手に思っていた。
「こちらこそよろしくお願いします。お手柔らかに」
リュカが握手を求めて何気なく手を出したところで、周囲の空気が一瞬張りつめた。それは主にパピンとジェイミー二人に依るものだ。彼ら二人はこのトレットという旅の武闘家の存在を知っており、彼が一体何者なのかを怪しんでいるという事情もある。
しかし束の間緊張感漂う空気などものともせずに、トレットは一度自身の手の平を服に擦りつけると、それこそ今緊張しているのは彼自身だと言わんばかりに震えた手をリュカに差し出した。リュカはその手を取り、握手を交わす。リュカよりも少しばかり年下に見えるトレットだが、その手の大きさや分厚さ、硬さは確実に武闘家としての経験を積んできたものだった。一朝一夕で手に入れられるような代物ではなかった。
握手をしたのはほんの短い時間だ。その一瞬だけで、リュカはトレットに疑わしいところがあるようには感じられなかった。彼はごく普通の人間であり、旅の武闘家と自称することにも嘘の類を感じない。彼は恐らく、本当にこの世界を旅して回る武闘家の一人なのだろう。握手を交わし、視線を交わす中、彼の目には心から信じるものがあるのだと言わんばかりの光を見て取れた。その光にも微塵も禍々しいものを感じない。第一、この男に不審な部分があれば、自分だけではなく他の者や、ましてや魔物の仲間たちならばとっくに察知しているに違いない。
リュカと旅の武闘家トレットとの握手の場面に、それを見ていた観客席がざわついた。この武闘大会を楽しみにしている人々も、国王であるリュカの対戦相手はオジロンかパピン辺りが好ましいと考えていた節があるようで、まさかの見知らぬ武闘家との対戦となったことに素直に戸惑いを見せていた。しかしその戸惑いの雰囲気も瞬く間に消え、人々はすぐさま一戦目の試合に目を向ける。
審判に呼ばれたピピンが、上ずった声で「はいぃぃ!」と返事をして、ぎこちなく歩いて闘技場の中ほどに向かって歩いて行く。彼の対戦相手となる次期兵士長を謳われる兵は、真剣な面持ちながらもやはりどこか余裕が漂う。そんな一戦目の二人の姿を、リュカはピピンの父パピンと並び立ちながら見送った。
「ピピンは大分強くなってますよね」
「はっはっはっ、一応私が直々に訓練をしていますからな」
パピンは兵士長としての任に就き、既に何年もの間、兵士長の中の長としての立場にいる。そのような父を持つピピンは、普段は明るくどこか頼りない様子を見せながらも、父の背中を追い続け、この新年祭が終わる頃合いで、数え年で今年十六になる彼も来年にはこのグランバニアの兵士として正式に任に就くようになる。実家の宿業を継ぐのではなく、父と同じく兵士の道を選ぶピピンには、彼なりの強い思いがあるのだろうとリュカは今もまだ怖気づいているピピンの背中を見ながらそう思う。
「あんなナリですが、あいつは力だけは人一倍あるんですよ」
「パピンさんに似たんですかね」
「さて、どうでしょうね。もしかしたら力だけならば私よりも……とは認めたくないところですがね」
そう言って笑うパピンには、父として息子を誇らしく思う気持ちに満ちている様子が窺えた。普段から私的に厳しい訓練を行っているのも、一人息子に強く逞しく育ち生きていて欲しいからという願いが込められている。親は子よりも、世の中の厳しさを知り得ている。それ故に、その厳しさを前もって子に教えてやらねばならないのが親の務めの一つなのだろう。果たして自分にそれができているのだろうかと考えれば、リュカは思わず埋めることのできない八年の空白の時間を悔やむ方向へ心を引っ張られてしまう。
「もちろんピピンを応援するんですよね」
「いやいや、そう言うわけにも行きますまい。私は兵士長としての立場がありますから、あくまでも公平に試合を見届けますよ」
そう言いながらも、パピンの視線は闘技場に立つ息子から離れることはない。成長したピピンの一挙手一投足を気にかけ、その動きの細かな部分まで検分しているしているような雰囲気さえ漂わせている。最年少ながらに準々決勝にまで上がってきたのはピピンが初めてだった。その息子の晴れ舞台を具に見るのだというパピンの親心を感じ、リュカは隣で口を閉ざして同様に第一試合を見守った。



観客席からは明るい歓声が飛び交う。まるでまだ予選の続きが行われているのではないかと思われる軽薄さは、第一試合の若手同士の闘いというのが大きな理由だ。準々決勝とは言え、ほんの小手慣らしのように思われてしまうのは、この後に続くリュカたちの試合を楽しみにする人々の熱によるものだ。
その雰囲気を感じているのかいないのか、ピピンの顔面はもはや蒼白と言っても良いほどに色を失っていた。まさか自分が本戦まで残れるとは思っていなかった。どれだけ運に味方されたのだろうかと、自分の運の良さを呪う言葉が脳裏を横切る。しかしこの場に出て、もう逃げるわけにも行かないと、正面に立つ相手の兵士の余裕ある顔を見れば、意気込もうと思っていた心も燻り、再び落ち着きを失ったように視線をあちこちと彷徨わせる。
しかしそんな彼の自身のない下降する一方の心を引き上げる一言が、観客席から発せられた。
「優勝すれば、ドリス様の婿養子だぞー!」
その言葉に観客席がどっと沸いた。ふざけた掛け声に、皆が面白がってわいわいと楽しんでいる。それと共にピピンの頭の中には、ドリス姫の隣に並び立つ自分自身の絵がぽんと勢いよく浮かび上がった。王族しか身に着けられないような立派な衣装に身を包み、父パピンと同じほどの背の高さになったような自身が、ドリスの隣で堂々と王族の仲間入りを果たしている。その時、自分はドリスの夫であり、オジロンの息子であり、リュカの従弟であり、ティミーとポピーは自分の従甥に従姪、と考えると彼の幸せな妄想は止まらない。
ピピンの表情が一変してだらしないものに変わった瞬間、それと気づかない審判が初めの合図をかければ、相手の兵士の容赦ない一発によりピピンの身体は吹っ飛んだ。しかし伊達に父パピンの訓練を受けたわけではないピピンもまた、咄嗟に地面に受け身を取って「いたいです!」と大声を出していた。
「あいつは……」
「タフですね、ピピン」
呆れたようなパピンの感想を遮るようにリュカが言葉を続け、試合は何事もなかったかのように続行する。相手の兵士は、流石に次期兵士長と言われるだけの動きを見せる。体格もピピンよりも一回り大きいほどで、観客席の人々も圧倒的に兵士有利と言う雰囲気の下でこの試合を見守っている。
第一試合で戦う兵士の胸中にあるのは、次の試合で戦う者のことだ。この戦いに勝ち上がれば、次は十中八九リュカと戦うことになる。彼の思いは既にそこへ向いており、目の前のピピンを確かな対戦相手として認めていない節が感じられた。それは観客席の雰囲気も同様だ。この試合は初めから、次期兵士長となる兵の勝利を疑っていない空気に満ちている。
ピピンに向けられる声援は半ば揶揄っているようなもので、熱を入れて本気で彼を応援する声は非常に少ない。兵士長パピンの息子と言う有利はあるものの、まだ実力の伴わない数えでようやく成人となるピピンを期待する声は弱い。
しかしピピンにとってはその雰囲気が好都合だった。自分の試合を近くで見届ける父の視線は痛いほどに感じていたが、この試合で負けても自分に文句を投げつけて来る者はいないに違いない。背負うものがないというのはどれほど気楽なものなのかと、ピピンは自分が出場者の中で最も弱いことを誇らしくさえ思った。
気持ちが落ち着けば、途端に相手の動きが目に見えてくるのが不思議だった。そう言えば予選の時にもそんな瞬間があった。妙な重圧さえ感じなければ、目の前のものがはっきりと捉えることができるのは自分だけではないだろうと思うピピンだが、その度合いが優れていることに彼は全く気付いていない。
父パピンとの訓練の中で、ピピンは主に回避の訓練をしていた。それと言うのも、彼自身が人に殴られたり蹴られたりするのが嫌だからと言う、何とも弱い理由からだった。パピンはそんな息子のいかにも弱々しい気持ちに心の中で溜め息を吐きながらも、実際には相手から攻撃を食らわないのは非常に重要なことと理解しており、息子の回避訓練に付き合った。
「なかなかまともに食らわんのう」
オジロンの感想に現れる通り、ピピンは兵士との戦いの中でまだ一度もまともな攻撃を受けていない。拳が飛んでくればすかさず腕を出して防御し、蹴りが飛んでくれば体勢を変えてこちらもしっかりと防御している。唯一、まともに一発を食らったのは初めのストレートパンチだけだった。
「ピピン……ちょっと攻撃が弱いかな」
リュカが小さく唸りながら戦いの様子を見る。相手の攻撃を避けるのには十分な慣れが見られるが、いかんせん彼自身から相手の兵士に殴りかかるような場面が圧倒的に少ないように感じられた。ピピンの性格上、相手に危害を加えること自体に否定的な部分がある。それ故に十分に防御の訓練を積んだ彼は、敢えて自ら好戦的に攻撃を繰り出すようなことがない。予選で運良く勝ち残ったのも、ピピンが防御に防御を重ね、相手の体力が奪われたところですかさず足払いなどで転ばせ、寝技で勝利を得たというのが真実だった。
しかし今回の相手は体力も十分の次期兵士長と言われる兵士だ。なかなか決着の着かない第一試合に、観客席が俄かにざわざわと騒ぎ始める。この武闘大会はあくまでも新年祭の催しの一貫であり、本気での闘いが行われるのは前提だが、あまりに長引いてしまえば人々を楽しませる目的で開かれている武闘大会自体が飽きられてしまう。
この武闘大会の全責任を負うのは私なのだと言わんばかりに、二人の試合を王族観覧席で見ていたドリスが立ち上がり、周囲の観衆の声をかき消すほどの大声で二人の男に叫ぶ。
「もっとちゃんとやんなさーい!」
凛としたドリスの声が響き渡り、その声にしばし眠っていたピピンの妄想が動き出す。この国の姫が、未来の妻かも知れない姫が、一兵卒にも満たないような自分にありがたき声援を贈ってくださっていると思えば、ピピンの鼻息も自然と荒くなる。ここでこの闘いに勝利すれば、ドリス姫の熱ある眼差しを受けられること間違いなしと勝手に結論付けたピピンは、身体に力が漲るのを感じた。
とは言え、やはり基本的には防御体勢を崩さないピピンは、身体を丸めるようにして守りの姿勢のまま相手の兵に近づく。相手の兵士も並の男ではない。無暗に近づいてきたピピンの顔に頭に腹にと拳を繰り出してくる。ピピンはそれの全てを食らいながらも、確実に急所は外すような動きを取る。そして日頃から父パピンの容赦ない訓練を受けている彼は、恐らく自分でも気づいていないほどに打たれ強い。
そして相手が踏み込んできた瞬間に、ピピンは自らも後ろに倒れるように後ろに退いた。腕を素早く掴み、引っ張り、地面に転がりながら相手を投げ飛ばしてしまった。ピピンよりも一回りも体格の良い男が宙を飛び、鈍い音と共に地面に落ちると、観客席からはどよめきのような声が群れとなって響いた。
「ピピン、今だ!」
思わず声が出てしまったパピンの言葉に、ピピンが反応するように倒れた相手の身体を技で固める。腕を後ろに捻り上げ、折れない程度に痛みを加えれば、しばらく粘っていた兵士も音を上げ負けを認めた。再び観客席がどよめきに包まれる。しかし勝負に勝ち、今までにない高揚感を覚えるピピンに観客席の戸惑いは届かない。その代わり彼はすかさずドリスの方を向いて、まるで優勝者であるかのような勝ち誇った笑みを見せて拳を振り上げた。
「やりましたよ、姫!」
「すごいじゃん、ピピン!」
「あなたの……未来の妻を思えばこその勝利ですよ!」
「………………はあ?」
ピピンの幸せな妄想について行ける者はほとんどいない。ドリスも、その隣に並び座るティミーもポピーもぽかんと口を開けてピピンを見つめている。当のピピンは早くも自身が王族の仲間入りを果たし、父と母に存分に親孝行をすることができるのだという妄想の中に浸り、歓声に包まれる闘技場の真ん中で感無量の思いで天を見上げるところを、審判に一礼をしろと叱られ素直にペコリと頭を下げた。そして笑顔でドリスの元へ向かおうとするのを再び審判に軌道修正され、頭を叩かれながら出場者待機所へ戻らされる。
浮ついた顔で待機所に戻ったピピンを呆れた様子で出迎えるパピンは、息子に容赦ない一言を告げる。
「お前、勝負に勝ったのは良いが、次の対戦相手となるお方が誰だか分かっているのか?」
「え?」
防御しながらも殴られた顔を腫らしたままのピピンは、夢から醒めるように何度か瞬きをすると、静かに出場者待機所に並ぶ面々を見渡した。そしてリュカと視線が合った瞬間に、自ずと絶望的な表情を生み出した。
「国王様、間もなく体調が悪くなったりとかしませんか……?」
「いや、ならないと思うよ」
「そんなぁ~、もう少し夢を見ていたかった……!」
「まだ僕が勝ち残るかどうか分からないけどね」
「いやいやいや、そんなワケないですよ! 国王様は絶対に決勝まで行きますもん! そういうことになってるんでしょ?」
「……その言い方は思いっきり不正がある感じだよね。言っておくけど、そういうことはないからね」
「こらピピン、問題発言はその辺にしておけ。兵士への道が閉ざされるぞ」
まだ何事かを言いたそうにしているピピンを引きずるようにして下がらせるパピンは、心底呆れた様子で溜め息をついていた。オジロンも武器屋のイーサンも、ピピンに敗北した兵士の男もまた苦笑しながら手当てを受けるためにシスターの元へ連れていかれるピピンを見送った。
「リュカ王、すぐに出番です」
相変わらず堅物ぶりを崩さないジェイミーが、次の試合を待ちわびる観客の期待の声を耳にしながらそうリュカに告げる。リュカの耳にも当然観客のうねるような声は届いている。
「じゃあ、行きましょうか、トレットさん」
「はい、よろしくお願いします」
リュカが声をかけると、武闘家トレットは丁寧にお辞儀をしてリュカに微笑む。そこには緊張の感も見られるが、それ以上に何事かの目的に向かって意志を貫こうとする潔い心意気を感じた。人の真摯な思いと言うのはこれ以上ない力となる。リュカも国王として、父親として負けてはいられないのだと自身を奮い立たせるように一つ息を吐くと、同じような背格好のトレットと並んで闘技場に姿を現した。



「あ! お父さんが出て来たよ!」
ティミーがそう言う声も、観客席の声に消されてしまうほどだった。グランバニア国民は皆が皆、リュカの強さを知っている。昨年の武闘大会では優勝を果たし、ドリスとの闘いでも勝利を収めているリュカの強さを、国民は当然のように今も信じている。
「相手の人は……グランバニアの人じゃないのかしら。見かけない顔だわ」
ポピーの小さな戸惑いは、観客席の人々も同様に持つものだった。このグランバニア新年祭の武闘大会において、グランバニアの民ではない者が出場するのは初めてのことだった。しかし特別大男というわけでもなく、背格好がリュカに似通ったトレットの姿に、観客席から非難の声が出ることはない。雰囲気としては圧倒的に余所者の扱いを受けているトレットだが、一流の武闘家は精神も十分に鍛え上げられているのか、微塵も動揺する様子を見せない。彼には彼の信じるものがあり、それに向かって為すべきことをするだけだという真摯な思いがある。
まだ試合が始まる前、空は曇天、太陽は完全に厚い雲に隠された状態で、じっとしていればうすら寒く感じるほどに風が冷たい。リュカとトレットが向かい合い、審判が試合前の注意を話している最中、ふとリュカが上を見上げたのをドリスが認める。
リュカの視線はただ上空を見ていたわけではない。グランバニアの城の上部、見張り台にそよぐグランバニアの旗を見たのだ。旗は風にそよぎ、ゆらゆらと横になびいている。外の景色を見慣れない城下町の人々にとっては、そこに何か異常があるかなど気づくことはない。
しかし普段から屋上庭園に出て、外の景色を見慣れているドリスにとっては、いつもはいない者がそこにいるのを見つけた。
グランバニアの護りを固める魔物の仲間たちは、魔物である習性を生かすためにグランバニアの外の警備に就くのが本来のところだ。魔物である仲間たちは、敵である魔物の中にも紛れることができ、外の警備に最も適している。
しかしドリスが目にした見張り台にいる者は、普段は外の警備に就いているはずのピエールだ。そしてピエールはまるでリュカが見張り台を見上げるのを知っていたかのように、風になびく旗を二度裏返して見せ、明らかに何かの合図を送っているようだった。それを確かめ、何事もなかったように再び対戦相手のトレットに向き直るリュカを見て、ドリスはあからさまに不審な顔つきをする。
一つ不審なことに気が付けば、今まで不思議とも何とも思っていなかった事態が、いつもとは異なることに気が付く。ドリスは会場の一部として役目をはたしているゴレムスとキングス、ベホズンの様子を窺う。彼らの大きな身体を観客席として腰かける人々が多くいるのはいつも通りだが、他の魔物たちの姿が一切見えない。この新年祭の間、全ての魔物らが揃って城の警備に就くということはないはずだ。国民が楽しむのと同様に、警備の任に就かない魔物らも同様にこの武闘大会を楽しむことが通常なのだ。
「ねえ、ティミー、プックルたちはどこにいるんだろう。リュカの戦うところとか、見たくないのかな」
「あれ? そう言えばそうだよね。お父さんの出番の時にちょうどお城の守りにつくことになっちゃったのかな」
「サーラやアンクルだって、空を飛べるんだから上から見ていそうなのに、いないよねぇ」
「ホントね。ミニモンなんか喜んで見てそうなのに。魔物のみんなの数が、少ないかも……どうしてかしら」
観客となるグランバニアの民たちに不穏な気配は漂っていない。彼らは単純に武闘大会に興じているだけで、それはドリスたちも同様だ。しかしドリスはこの国の姫として、民と同じ立場ではいけないのだと考えた時に、ふと今朝の父オジロンの様子を思い出す。
『ドリス、わしの炎の爪はどこにしまってあったかのう』
父は一武闘家の装備品として、炎の爪を所持している。城の外に出て魔物と戦うことなどないオジロンが本物の武器である炎の爪を持っていることをドリスは不思議に思ったこともあったが、父の言い分としては「お守りのようなもの」ということだった。常に頼りない様子を見せ、優しい人の代表みたいな父の言うお守りと言う言葉を、ドリスはそのまま信じた。
炎の爪は外見にも美しく、この武器を装備しなくとも収集品の一つとして手に入れる者もいると聞く。父もそれと同じようなものだろうと、ドリスは父の柔和な笑みの中に、彼の一流の武闘家としての心を感じることはなかった。
今朝の内にオジロンが炎の爪を見つけられたのかどうか、ドリスは知らない。しかし父は確かにその武器を探していた。いつもとは違う武闘大会の雰囲気を、今ではありありと感じることができる。空の曇天にすらドリスは疑いの眼差しを向ける。自分の知らないところで、何かが起ころうとしているのだろうかと、思わず闘技場のただ中に立つリュカに鋭い視線を向けた。
リュカがドリスの視線に気づく。ゆっくりと振り向き、いつものようににっこりと笑顔を見せるリュカに、ドリスは思わずたじろぐ。笑顔なのに彼女の行動を制止するような、相手に物言わせぬ圧迫感がリュカの漆黒の瞳に宿っていた。そして静かに対戦相手の旅の武闘家に向き直ったリュカを見て、ドリスは今自分の為すべきことは、両隣に座る彼の子供たちと共に状況を見守ることだけなのだと、緊張した面持ちを崩せないまま再びこの武闘大会の観客の一人としての立場に落ち着いた。
見張り台のグランバニアの旗が風にはためく。冷たい北風に煽られる旗を見上げながら、ドリスは一人生唾を飲み込みながら周囲の様子を窺っていた。

Comment

  1. バナナな より:

    ピピンつえぇぇ!私もゲームでピピンをパーティに入れたことが無かったのでちょっと申し訳ない気がしてきました。
    それにしても良い所で区切りますね〜。続きが気になって仕方ない!
    ゲーム本編で語られてる部分は大まかな流れが分かってしまっているので、どうしてもワクワク感は薄れがちですよね。でもbibi様オリジナルの部分は全く先が読めないから続きが気になります!

    あまり無理を言って急かすつもりはありませんが、楽しみに待っていますね。では、また。

    • bibi より:

      バナナな 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      ピピン、あの若さでとても(打たれ)強いです。父親のしごきのお陰ですかね(笑)
      続きが気になりますよね。私も気になります。なるべく早めに次のお話を書き上げられればと・・・頑張ります!
      ご期待に沿えるかどうかはまた別のお話で・・・ゴニョゴニョ(汗)

  2. ケアル より:

    bibi様
    執筆お疲れ様です。

    いつもとは違う武闘大会…。去年のように楽しい大会と思っていたら、なぜか不穏な雰囲気…。bibi様が今回、何をしようとしているのか読めないですよお(笑み)
    まさか、モンスター爺さんを大会辞退させる話にするなんて思わなかったです。
    bibi様、もしかしたらデモンズタワーのモンスター襲撃を考えているとか?
    ラインハットがホークブリザードの襲撃に遭うとか?
    テルパドールのアイシス女王が魔物に襲撃されるとか?
    今後の話の展開がすんごく気になりますよ!

    トレットは光の教壇の信者…そもそも新年祭にグランバニアにかんけいない人なのに、参加する理由がまだ分からない…。トレットの目的とは?
    こいつは本当に人間なのか?
    bibi様、次話をなるべく早めにお願い致します(礼)

    • bibi より:

      ケアル 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      いつもとは違う雰囲気ですね、武闘大会。今回は前回とは毛色を変えてお話を書いて行こうかと思います。モンスター爺さんも国の防衛に回ってもらいました。それだけ国の上層部や兵士らの間には緊張感が漂っています。武闘大会を楽しむのは何も知らない国民たちと子供たち。それで良いとリュカはティミーにもポピーにもドリスにも特別なことは教えていません。

      また完全オリジナルキャラを出してしまって、何となく申し訳ない気になっていますが、私なりに楽しいお話を書いて行ければと思っています。トレットにあまり重点を当ててしまうと、話が彼の方へ引っ張られてしまうので、彼に関してはそこそこな感じで、あくまでもリュカたちを主人公に書いて行ければと思います。さて、ちゃんと話を綺麗にまとめられるかしら。不安で仕方がない(笑)

  3. ピピン より:

    bibiさん

    ピピンが実力を出すきっかけが実に“らしくて”ニヤニヤしました(笑)
    次の話も読みましたが、前大会とは全く違う展開でわくわくドキドキですね。

    • bibi より:

      ピピン 様

      コメントをどうもありがとうございます。
      彼はゲーム上でもそんな感じの性格を出してますよね(笑) 彼にはこのまま突っ走ってもらいたいと思います。グランバニアのムードメーカー。
      今回の新年祭は昨年とは雰囲気を変えてお話を作っています。シリアス展開になりますが、楽しんでいただければと思います。

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