手塚治虫さんの「海のトリトン」を読みました。

 

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先日、義父より孫である息子へ贈り物が届きました。

特に誕生日とかそういう理由ではなく、昔々に買って読んだマンガ本が残っていて、息子が喜ぶかなぁと思って送ってくださいました。わざわざありがたいことです。

義父の時代の漫画本・・・古いものです。しかし色はくすんで古びれているものの、状態はとても良く、丁寧に保管されていたのだなぁと感じました。

息子はドラえもんの漫画を早速取り出して、声を上げて笑いながら読んでいました。ほんと、好きねぇ。ああいう世界観が大好きみたいで、でもそれも良いことかななんて思っています。ただ、今アニメで放映されているドラえもんとはちょっと感覚的に違うんですよね、昔の漫画のドラえもんは。言葉遣いだったり、態度だったりが、今だとちょっと問題になる?くらいの荒っぽさがあったりします。私はそう言うのも含めて、昔の漫画は良いんじゃないかなと思ってますが。

その他にもどっさりと昔の漫画本を入れて下さり、その中で私が気になったものが「海のトリトン」という手塚治虫さんが書かれた漫画です。

手塚治虫さんの漫画は実は読んだことがなく、ただ色々と書かれた伝説的な漫画家さんだということは(何となく)存じ上げています。

この方、お医者さんなんですよね。有名な作品は数多くありますが、ブラックジャックなんかは思い切り手塚治虫さんの知識・経験が生きた漫画なのかなと勝手に推測しています。

これはチャンスだと思い、「海のトリトン」を読んでみました。手塚治虫さんの絵は小さい頃からそこかしこで目にしているので、馴染みがあるなんてものではなく、いきなり安心して見られます。

感想としては、恐らく今ある全ての漫画の根源は手塚治虫さんにあるのかな、と。それくらい、全てのものが詰まっているように感じました。

内容としては、かつてポセイドン一族に滅ぼされたトリトン族が復讐に立ち上がり・・・という筋ですが、初めにまだ赤ん坊のトリトンが人間の和也に拾われるところから始まります。もうこれだけで、これからの物語に期待が持てます。赤ん坊は無垢です。それを守らなければならない人間の行動や感情に寄り添うことで、物語にのめりこめます。

その後、色々と、本当に色々と展開があるのですが、もうね、最後は涙涙です。久々に漫画で泣きました。最後の方は一気に読んでしまいました。止まらなかった。

これがその当時、新聞の連載で描かれていたようで、手塚先生としては毎日が締め切りだったとか。地獄ですね。毎日のプレッシャーって。でもやっぱり描くのがお好きだったんでしょうね。鉄腕アトムを描き終わった後、半年をあけてこちらの漫画を始めたとのこと。・・・いや、もう鉄腕アトムを描いたらそこでおしまいにしたっていいじゃない、なんて凡人の私は思ってしまいますが、好きなものは止められないんですよね、きっと。

今どきの漫画は何となく、絵がとても綺麗なイメージがあります。デジタルで描いているものは特にそうだと思います。でも、この手塚治虫さんの絵はもちろん手描きです。私としてはこちらの方が馴染みやすい。凝った絵はないですよ? でも凝った絵とか、そういうのは別に問題ではなく、その絵のセンスや全体的な構図、一瞬の人物の表情なんかでその瞬間の出来事がバッと頭に入ってくる感じがしました。

話の展開はポンポン進みます。とてもテンポが良いです。合間に冗談やふざけたやり取りがあったりもします。ちゃんと、漫画してます。ただその冗談やふざけたやり取りが何とも知己に富んでいるというか、クスッと笑わせてくれるんですよね。当時の世相をチラリと冗談に混ぜてみたり、ああ、昔を生きた人たちというのはこういう賢い頭を持っていたのかなぁと本当に憧れます。色々と知らないと、色々と語れない訳であって、年を取るにつれて知らないことはどんどん恥として積み重ねて行ってしまいます・・・私が今、そんな現実に直面中。この年齢で色々と知らないことが多過ぎる気がして、穴があったら入りたいくらい。

そしてこの漫画のテーマは壮大です。トリトン族によるただの復讐に終わりません。話はそこから発展します。そこには人間という存在も深く関係してきます。海が舞台だけあって、海洋汚染にも言及しています。そこに様々な愛憎劇があるという・・・本当に、深いんですよ、こちらの漫画は。ぜひ一度、読んでみることをお勧めします。

私は手塚治虫さんの漫画を読んでこなかったことを後悔しました。この漫画にもっと早く出会えていたら、今ある他の漫画やゲームの感動的な内容は、ここにあったんだなと思ったでしょう。DQ5の内容も、一部ではありますがこの漫画の中に垣間見ました。そういう意味でも、泣きました。

まだ義父の家には色々な本があるようで、今度は「火の鳥」を送るよと言ってくれているので、楽しみに待っていようと思います。「火の鳥」も手塚治虫さんの漫画で、私が学生の頃に周りの一部の友達が読んでいました。私は何故あの時読まなかったのか・・・その時その時の機会を逃しちゃダメですよね。もったいないことをしたなぁ。

余談ですが、今回の贈り物の中で最も驚いた漫画が、のらくろシリーズ。まだ読んでいないのですが、ぱっとページを捲って、使われている漢字がとても子供が読むような易しい漢字ではなく、大人でもうーんと唸りそうな漢字が羅列してありました・・・もちろん、振り仮名はあるのですが、それにしても言葉遣いも難しそうだし、これを当時の子供が読んでいたんですかと義父に聞けば、当時の子供はみんな軍事用語をしっていたからねと。・・・いやぁ、本当に何だか毎日平々凡々と生きていることが申し訳なくなる思いがしました。こちらも気合いを入れて、読んでみようと思います。

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